旅客船の整備費や船員確保の費用の2分の1以内を、愛媛県が補助します。上限は船の総トン数で決まり、1,000トン以上の船なら1隻あたり最大1,000万円です。ただし離島航路整備法の補助を受けている航路や、県の離島生活航路の補助の対象航路を運航する事業者は、最初から対象外です。
航路事業者省エネ対策等支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度愛媛県航路事業者省エネ対策等支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(一般旅客定期航路事業者)
- 対象業種
- 一般旅客定期航路事業(フェリー・旅客船など)
- 利用目的
- 船の省エネ対策、業務効率化、船員確保
- 対象地域
- 愛媛県内に本社または営業所等がある事業者
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 船1隻あたり最大1,000万円(300万・600万・1,000万円の3区分)
- 補助率
- 1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月25日〜2027年1月31日
- 事業の完了
- 2027年2月26日まで(支払いと納品の完了)
うちの航路は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
「一般旅客定期航路事業」とは、海上運送法で定められた、旅客を乗せて決まった航路を定期的に運航する事業です。貨物だけを運ぶ航路や、定期でない運航は要綱の定義に入りません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 離島航路整備法の航路補助金を受けている
- ✕ 県の離島生活航路の補助対象航路を運航する
- ✕ 公営航路を運航する自治体である
- ✕ 他の自治体の補助に申請済みの事業
離島航路整備法の補助は、国の法律にもとづく離島航路への補助金です。県の離島生活航路の補助は、愛媛県の要綱が別に定めています。すでにこれらで支えられている航路は、この補助金の対象になりません。最後の項目は事業者でなく事業に付く条件で、他の自治体の補助に申請予定の事業も対象外です。役員が暴力団員等である事業者も対象になりません。
いくら戻ってくる?
補助額は対象経費の2分の1以内で、千円未満は切り捨てです。上限は保有する船の数に、総トン数ごとの基準額を掛けた額です。
| 船の総トン数 | 1隻あたりの基準額 | 上限に届く事業費 |
|---|---|---|
| 1,000トン以上 | 1,000万円 | 2,000万円以上 |
| 500トン以上1,000トン未満 | 600万円 | 1,200万円以上 |
| 500トン未満 | 300万円 | 600万円以上 |
数えるのは、愛媛県内を起点か終点とする航路の船(予備船は除く)で、申請時点で持っているものに限ります。事業の完了までに売却して減る見込みなら、減ったあとの隻数で申請します。
- 1,000トン以上の船1隻で、エンジン整備と船底の付着物除去に1,400万円:1,400万円 × 1/2 = 700万円
- 同じ船の工事が2,400万円:2,400万円 × 1/2 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
- 500トン未満の船1隻で、船室の改装に800万円:800万円 × 1/2 = 400万円 → 上限の300万円
- 1,000トン以上の船を2隻持ち、そのうち1隻に4,000万円の事業をする:上限は1,000万円 × 2隻 = 2,000万円。4,000万円 × 1/2 = 2,000万円で、全額を1隻の事業に充てられます
上限は申請者ごとに隻数分を合計するので、複数隻を持つ事業者は1隻の事業に集中して使えます。県の手引きにも、この算定例が載っています。
何に使える?
対象にならないもの
- 通信費、保守管理料、機材・設備のリース料(継続的に払う費用)
- 事業に必要不可欠でない汎用品(パソコンなど)
- 自社で施工する分の、原材料費以外の経費
- 他の自治体の補助に申請済み・申請予定の事業
- 補助対象期間(2026年3月25日〜2027年2月26日)の外で発注や支払いをした経費
- 消費税のうち、仕入れの税額として控除できる分
対象になるもの
- 省エネ対策:エンジン等の整備、船底の付着物除去による燃費向上
- 業務効率化:デジタルサイネージの導入(車両誘導の人手を減らす)、システム開発費や機材の購入費
- 船員確保:船室の居住性を上げる改装、採用説明会の開催、就職説明会への出展料、研修やキャリアパス制度の導入費
業務効率化は、システム開発や機材購入のような初期費用だけが対象です。月々の通信費や保守料が出る契約は、その分を除いて申請します。要綱の例は例示で、事業の目的に合う経費なら例にない内容も対象になりえます。迷う内容は申請前に交通政策室へ確かめてください。
申請の流れ
- 保有船の総トン数から、自社の上限を計算する(事業者。県の要綱と手引きで確認)
- 交付申請書と関係書類を出す(事業者→愛媛県 交通政策室。各月末までに受け付けた分をまとめて審査)
- 交付決定の通知を受ける(県→事業者。受け付けた翌月に決定。着手はこのあと)
- 事業を終える(事業者。支払いと納品の両方を2027年2月26日までに)
- 実績報告書を出す(事業者→県。完了日から10日以内か2027年2月26日の早いほう)
- 精算払請求書を出して受け取る(事業者→県。補助額の確定通知のあとに請求)
月末ごとの審査なので、交付決定の通知より前に発注・契約した分は対象に入りません。やむを得ず決定前に着手するときは、事前着手届(様式第1号の2)を出す決まりです。
必要な書類
準備できた 0 / 10
事前着手届は、決定前に着手するときだけです。変更承認申請書は、補助額を変えるとき、対象経費を20%以上増減するとき、事業内容を大きく変えるときに出します。
交付申請書(様式第1号)には、事業計画書、収支予算書、誓約書の3つを付けます。事業計画書には、申請日時点の船舶保有数(県内の定期航路に使うもの)も書きます。収支予算書には、金額の根拠になる見積書などを添えます。誓約書には、申請内容が事実と合っていること、事業を続ける意思があること、資機材を転売したり貸付目的で買ったりしないことなどが入っています。実績報告では、導入状況が分かる写真や納品書、領収書を付けます。
申請は、押印した書類を郵送か持参するか、押印を省いてメールで送るかを選べます。メールの場合は、責任者と担当者の氏名・連絡先を書き、件名の頭に【航路省エネ】と付けます。県は手続きの簡素化のため、メール提出を勧めています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 決定前に着手した:交付決定の通知のあとに着手するのが原則です。先に着手できるのは、やむを得ない理由があって事前着手届を出した場合だけです。
- 期限までに終えなかった:事業費の支払いと納品の両方を、2027年2月26日までに済ませる必要があります。
- 実績報告が遅れた:完了日から10日以内か2027年2月26日の早いほうが期限です。完了したらすぐ作業に入れるよう、領収書や納品書を残してください。
- 予算を超える申請があった:予算額を上回ると、県が取組み内容を見て補助する事業者と額を決めます。申請しても希望の額になるとは限りません。
- 虚偽の記載や要綱違反があった:交付決定が取り消され、すでに受け取った分の返還を求められることがあります。
併用・消費税・買った設備の扱い
要綱は「他の自治体等が交付する補助金」に申請した事業を対象外としています。国の補助が「自治体等」に含まれるかは明記がないため、重ねる予定があれば交通政策室で確かめてください。
消費税は、仕入れの税額として控除できる分を差し引いて申請します。申請の時点で額が分からないときは、そのまま申請して、実績報告で分かった分を減らす決まりです。申告で確定した額が大きいと、あとから返還する場合があります。
補助で買った設備のうち、1点50万円を超える機械や重要な器具は、財産管理台帳に載せます。耐用年数の間に売却などで処分するときは、県の承認が要ります。帳簿と証拠書類は、事業を終えた年度が終わってから5年間保管します。
よくある質問
貨物船や、定期でない運航でも対象になりますか?
対象になりません。要綱が対象者としているのは、海上運送法に定める一般旅客定期航路事業を営む事業者です。貨物だけを運ぶ航路や、時刻を決めて運航しない航路は、この定義に入りません。愛媛県内に本社か営業所等があることも条件なので、県外の会社は営業所の有無を先に確かめてください。迷うときは交通政策室へ聞くのが早道です。
離島航路整備法の補助を受けていると、使えませんか?
使えません。離島航路整備法第3条の航路補助金を受ける事業者と、愛媛県離島生活航路維持・確保対策事業費補助金の対象航路を運航する事業者は、要綱が対象から外しています。公営航路を運航する自治体も同じです。一部の航路だけが該当する場合の扱いは、要綱に書かれていないため、交通政策室で確かめてください。
補助の上限は、何で決まりますか?
船の総トン数と、保有する隻数です。1,000トン以上は1隻あたり1,000万円、500トン以上1,000トン未満は600万円、500トン未満は300万円が基準額で、隻数を掛けた額が申請者の上限になります。数えるのは、県内を起点か終点とする航路の船で、予備船は含みません。
2隻持っている場合、上限は2倍になりますか?
基準額が隻数分に増えるので、上限は合計になります。県の手引きの例では、1,000トン以上の船を2隻持つ事業者の上限は2,000万円です。2隻のうち1隻に4,000万円の事業をして、補助金2,000万円の全額をその1隻に充てることもできます。隻数は申請時点で持っている船で数え、事業の完了までに売る予定があれば減った数で申請します。
何回でも申請できますか?
交付決定の額が上限に達していなければ、上限に達するまで繰り返し申請できます。たとえば上限が2,000万円の事業者が最初に800万円の決定を受けたら、残りの1,200万円分は、受付期間内に追加で申請できます。受付は2027年1月31日までで、事業は2027年2月26日までに終える必要があるため、後半の申請は工期に注意してください。
申請から交付決定まで、どのくらいかかりますか?
各月末までに受け付けた申請をまとめて審査し、受け付けた翌月に交付決定を通知します。たとえば3月中に出せば、決定は4月です。月末が閉庁日のときは、その日に出した申請は翌開庁日の受け付けになります。月ごとの決定額が予算を超えるときは、予算の範囲内で決められます。
交付決定の前に発注してもいいですか?
避けてください。着手は交付決定の通知のあとが原則です。やむを得ない理由で先に着手する場合は、交付申請日以降の着手予定日を書いた事前着手届(様式第1号の2)を出します。発注の時期は、船の入渠予定と合わせて早めに決めておくと安心です。決定は月に1回なので、工事の開始日から逆算して、いつの月末までに申請を出すかを先に決めてください。
パソコンやタブレットも補助されますか?
事業に必要不可欠なものだけが対象です。要綱は、パソコンのような汎用品について、補助対象事業に欠かせないものに限ると定めています。たとえば、業務効率化のシステムを動かすための専用端末は説明しやすい一方、普段の事務に使う機器は対象外になりやすいです。判断に迷う機器は、見積書を付けて事前に交通政策室へ確かめてください。
通信費やシステムの保守料は対象になりますか?
対象になりません。業務効率化の経費は、システムの開発費や機材・設備の購入費のような初期費用だけが対象です。通信費、保守管理料、機材・設備のリース料は、継続して払う費用なので外れます。保守費込みの契約なら、見積書の内訳で初期費用の分を分けて、補助対象の金額を示せるようにしておきます。
船員確保には、どんな費用が使えますか?
県の例では、船室の居住性を上げる改装と、採用者の募集説明会の開催が挙がっています。要綱の注記には、就職説明会の開催・出展の費用、研修やキャリアパス制度の導入にかかる会場使用料・講演料・委託料、従業員の研修参加費用も入っています。いずれも補助事業者が負担した費用が対象で、例にない内容でも、船員確保の目的に合えば対象になりえます。
補助金はいつ受け取れますか?
原則は、事業を終えて実績報告書を出し、県が補助額を確定して通知したあとです。通知のあと、精算払請求書(様式第7号)を出すと支払われます。事業の実施上必要と県が認めれば、概算払(先に一部か全部を受け取る)もあります。その場合は様式第8号で請求します。立て替える資金が足りない事業は、概算払の可否を先に聞いておくと安心です。
申請書はどこに出し、どこに聞けばいいですか?
愛媛県の地域政策課 交通政策室 企画グループが窓口です。電話は089-912-2251(直通)、住所は松山市一番町四丁目4番地2です。押印する場合は郵送か持参、押印を省く場合はメールで出します。メールは、宛先に県の担当者と、県・申請事業者それぞれの上席者を入れ、Bccは使えません。会社のアドレスの扱いなど細かい点は手引きの5を読んでください。
受付が終わったあとは、どうなりますか?
受付は2027年1月31日までで、必着です。郵送は消印有効と手引きに書かれています。それ以降の申請は受け付けられません。来年度以降の募集については、公式ページに記載がありません。続けて使いたい場合は、募集の案内が出るかを交通政策室に確かめ、整備の計画を今年度分と来年度分に分けて立てておくと、対応しやすくなります。
