農林漁業をしていない人が、民宿の改修にこの補助金を使えるのでしょうか。使える見込みはあります。ただし実施要領には、農林漁家以外が開業する場合は、地域の農林漁家と連携して、農山漁村での滞在体験に必要なサービスを出すことが必要と書かれています。第3回募集の締切(2026年8月31日17時必着)は過ぎており、受付は終了しています。
愛媛県の「農林漁家民宿施設等整備支援事業」は、既存民宿の改修なら上限150万円、新規開業なら上限300万円を、対象経費の1/2以内で補助する制度です。次の募集は公式ページに書かれていないので、類似の制度を探す方に向けて、対象の線引きを整理します。
農林漁家民宿施設等整備支援事業の要点まとめ
正式名:農林漁家民宿施設等整備支援事業
だれが
- 申請者
- 農林漁家民宿を営む・開業予定の個人・法人
- 対象業種
- 農林漁家民宿の運営者(農林漁業者以外は連携が必要)
- 利用目的
- 民宿施設の整備・改修(既存の改修/新規開業)
- 対象地域
- 愛媛県内(県内在住・県内の施設)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 300万円(既存民宿の改修は150万円)
- 補助率
- 補助対象経費の1/2以内(千円未満切り捨て)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 第3回は2026年8月31日17時必着(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで(支払いまで)
- 公式サイト
- 愛媛県「農林漁家民宿施設等整備支援事業」
申請できる人の条件は?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 8
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 近隣の住民とトラブルがある
- ✕ 同じ事業で他の補助金を使う
- ✕ 運営を無償で行う
「農林漁家民宿」とは、農山漁村での滞在型の余暇活動(農林漁業の体験など)に必要なサービスを出す民宿のことです。県の実施要領は、愛媛型の定義の中で、農林漁家以外が開業する場合は地域の農林漁家と連携してそのサービスを出すことが必要と書いています。愛媛型以外の民宿にも同じ扱いが及ぶかは、要領に明記がないので農政課に確認してください。小規模な体験民宿(33㎡未満)は、県の認定を受けると「愛媛型農林漁家民宿」になります。許認可は、新規開設なら年度内に確実に取得できる見込みでも構いません。運営は原則として有償で行います。
いくら戻ってくる?
税抜の対象経費の半分以内で、千円未満は切り捨てです。上限は1施設あたり、既存の改修が150万円、新規開業が300万円です。
- 既存民宿で200万円の工事:200万円 × 1/2 = 100万円
- 既存民宿で400万円の工事:400万円 × 1/2 = 200万円 → 上限の150万円
- 新規開業で700万円の工事:700万円 × 1/2 = 350万円 → 上限の300万円
- 対象経費が29万円:税抜30万円に届かず、申請の対象外
上限に届くのは、既存の改修で対象経費が300万円以上、新規開業で600万円以上のときです。複数の施設を組み合わせても、1申請者あたりの上限は300万円です。
既存と新規の区分はどう決まる?
区分は工事の大きさでなく、施設の状況で決まります。
- 一般の民宿や民泊を営む人が、その施設を農林漁家民宿の手続を経て改修する:既存施設として区分1(上限150万円)
- すでに農林漁家民宿を営む人が、別住所かつ別棟の施設を新しく開く:新規開設として区分2(上限300万円)
- まだ営業していない施設を初めて開業する:新規開業として区分2
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 施設の購入費、賃借料、土地の購入費
- 自力で施工するときの工具の取得費、人件費、自家用車のガソリン代
- 住宅と一体の施設の生活場所(愛媛型農林漁家民宿の共同利用部分は対象)
- 事業実施期間内に支払いが済んでいない経費、使い道が分からない経費
- 体験施設の整備や家具・家電の購入だけで申請する工事
対象になるのは、次の8項目です。1〜4は必須項目で、このうち1つ以上を行います。5〜8は、1〜4と合わせて行うときだけ対象です。
- 耐震改修、防犯・防火設備、非常灯、火災報知機
- 節水・省エネ設備(断熱施工、冷暖房機器、高効率給湯機器、節水器具、LED照明、二重窓など)
- 内装改修(水回り、内壁・カーテンの張替え、畳・襖・障子、建具、電気設備、給排水施設、バリアフリー化など)
- 外装改修(外壁・屋根の防水加工や塗装など)
- 通信環境設備
- 外構工事(住宅用フェンス、通路の安全対策、駐車場など)
- 体験施設整備(体験設備、休憩所、手洗い、簡易トイレなど)
- その他(案内板、寝具、家具、家電、感染症対策、廃棄物処理など)
宿泊者が直接使う場所の改修・物品に限られます。自力施工でも、木材・ビス・塗料などの材料費は対象です。工事の状況は、改修前・改修後・進捗の写真で記録します。
申請の流れ
- 市町と地方局に相談し、計画の書類を作る(事業者→市町・地方局。計画書の作成は地方局の指導を受ける)
- 確認表・実施計画書・見積書などを出す(事業者→農政課。第3回は2026年8月31日17時必着。メールで出すときは電話も入れる。実施要領は市町の意見書を添えて地方局経由とする)
- 計画の承認と交付決定を待つ(県→事業者。決定の前は着手しない)
- 工事を終え、支払いまで済ませる(事業者。2027年2月28日まで)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了から10日以内か2027年2月28日の早い日)
- 確定の通知を受け、請求書を出す(事業者→県。確定後に支払われる精算払)
必要な書類
準備できた 0 / 10
所有者の同意書は施設を借りているときだけ、許可証の写しはすでに許認可を取っているときだけ出します。ほかの補助金で過去に整備した建物や、別の補助金で整備する予定があるときは、その内容が分かる資料も要ります。実施計画書には、宿泊人数・宿泊受入日数の現況と、5年後(令和13年度)をめどにした成果目標のほか、建築確認、旅館業営業許可、食品営業許可、特定施設設置届出書の審査終了通知の取得状況(予定日)を書きます。収支計画書は、事業実施後5年間の分を実施計画書に添付する形で、様式は任意です。新規開業では、実績報告の時に開業に必要な書類(旅館業の営業許可など)の写しも出します。事前に着手する必要があるときは、指令前着手届(実施要領の様式第2号)を出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:経費に入れられるのは、原則として交付決定日以降に着手した分だけです。
- 支払いが期限に間に合わなかった:事業実施期間(2027年2月28日まで)に支払いが済んでいない経費は対象外です。
- 5年以内に財産を処分した:補助事業年度の翌年度から5年以内に取得財産を処分すると、返還を命じられることがあります。
- 交付の条件に違反した:5年以上の営業や毎年の報告など、条件に反すると取り消しや返還の対象です。
- 書類に偽りがあった:不正があれば、交付決定の取り消しや返還を命じられます。
よく誤解されるポイント
新規開業の上限が大きいのは、工事が大きくなりやすいからではありません。区分は施設の状況で決まるので、一般の民宿を農林漁家民宿の手続を経て改修するなら、営業中の施設は区分1です。
また、体験施設や家具・家電だけを直す計画は、宿泊施設の改修(項目1〜4)と合わせないと対象になりません。農林漁家以外でも、地域の農林漁家と連携すれば使える点と合わせて、事前に農政課へ確認しておくのが確実です。
よくある質問
農林漁業をしていなくても使えますか?
使える見込みはあります。実施要領は、農林漁家民宿を、農山漁村での滞在体験に必要なサービスを出す民宿と定めています。また愛媛型の定義の中で、農林漁家以外が開業する場合は地域の農林漁家と連携してそのサービス(体験の指導など)を出すことが必要と書いています。愛媛型以外にも同じ扱いが及ぶかは要領に明記がないので、申請前に農政課に確認してください。連携先の農林漁家や体験メニューは、確認表にも書く欄があります。
一般の民宿や民泊を営んでいます。対象になりますか?
その施設を農林漁家民宿の手続を経て改修するなら、対象になります。この場合は既存施設として扱われ、区分1(上限150万円)です。農林漁家民宿の手続を経ないままの一般の民宿は、対象の「農林漁家民宿を営む者」に当たりません。手続の中身や必要な許認可は、公式ページに詳しく書かれていないので、農政課(電話 089-912-2514)に確認してください。
体験施設だけを整備する申請はできますか?
できません。体験施設整備(項目7)は、宿泊施設の改修である項目1〜4のいずれかと合わせて行う場合に限り対象です。通信環境設備、外構工事、案内板・寝具・家具・家電などの項目も同じです。体験施設だけの改修や、家具・家電だけの購入は対象になりません。耐震や省エネ、内装、外装の工事を計画に入れてから、体験施設を足す形で組み立てます。
農林漁家民宿を営んでいて、別に新しい施設を開く場合の上限は?
別住所かつ別棟の施設を新しく開くなら、新規開設として区分2(上限300万円)で申請します。ただし複数の施設を組み合わせて申請しても、1申請者あたりの補助限度額は300万円です。既存の施設の改修と新しい施設の開設を同じ申請に入れるときも、合計で300万円を超えて受け取ることはできません。
自分で工事をしても補助されますか?
自力で施工する場合の材料費(木材、ビス、塗料など)は対象です。一方で、工具の取得費、人件費、自家用車を使うガソリン代は対象になりません。業者に頼む工事と自力施工を組み合わせるときも、対象経費は材料費だけを計上します。改修前・改修後・進捗の写真で工事の状況を記録しておき、実績報告で示せるようにします。
住宅と同じ建物の民宿は、どこまで対象ですか?
宿泊者が直接使う場所の改修と物品だけが対象です。住宅と一体になった施設では、家族が暮らす生活場所は対象になりません。愛媛型農林漁家民宿の場合は、共同利用する部分は対象になります。見積書は、宿泊者の使う場所と生活場所を分けておくと、実績報告のときにも対象経費を説明しやすくなります。
小さな工事でも申請できますか?
1申請あたりの対象経費が税抜30万円以上であることが条件です。これを下回る小さな修繕だけでは申請できません。複数の小さな工事は、同じ計画の中にまとめて、合計で30万円以上にします。補助率が1/2以内なので、対象経費が30万円なら補助額は15万円が目安です。
借りている建物でも申請できますか?
施設を所有していることが基本です。借りている場合は、施設の整備などについて所有者の同意を得ていれば申請できます。ただし、施設の購入費や、貸借に関わる経費(賃借料など)は対象になりません。所有者の同意は、申請の段階でそろえる必要があるため、工事の見積もりを取る前に相談しておくと安心です。
補助を受けたあとの義務はありますか?
事業実施年度の翌年度から、原則として5年以上農林漁家民宿を営むことが条件です。宿泊者数などの運営状況は、県に報告します。交付要綱では、補助事業の終了した年度の翌年度から5年間、毎年6月末日までに、過去1年間の事業の実施状況を報告するよう定められています。取得した財産を5年以内に処分すると、返還を命じられることがあります。
消費税は補助の対象になりますか?
補助対象経費は税抜で数えます。交付要綱には、補助金に係る仕入れの消費税等相当額(控除できる消費税の分)がある場合は、これを減額して申請することが定められています。確認表には、一般課税・簡易課税・免税の区別を選ぶ欄があるので、自分の課税の区分は先に確認しておきます。控除できる額が分かった時点で、実績報告のときに補助金から減らします。
他の補助金と一緒に使えますか?
同じ事業内容では使えません。申請した事業内容について、他の補助金を重複して利用しないことが条件です。ただし、他の補助金の交付決定を受けた事業でも、その補助金の対象になっていない事業なら、この補助金の対象として申請できます。確認表には、過去に補助金を使った建物か、別の補助金を使う予定があるかを書く欄があります。
次の募集はありますか?
公式ページには、第3回より後の募集は書かれていません。この年度の交付要綱は2027年3月31日で効力を失うと定められています。次の年度に同じ制度があるかは、愛媛県農政企画局 農政課 6次産業化推進グループ(電話 089-912-2514)に確認するのが確実です。提出先については、県ページと実施要領で書き方が違うため、申請の前に窓口へ確かめてください。
