見守りセンサーや介護ソフトの費用の5分の4を、福井県が出す制度です。事業所あたりの上限は688万円です。令和8年度の申請は、令和8年7月24日17時で受付が終わりました。
次の募集がいつになるかは、県の公式ページに書かれていません。管理者のセミナー受講が、外せない条件でした。訪問介護や通所介護などの居宅系のサービスは、ケアプランデータ連携システムの利用実績も求められました。どちらも準備に時間がかかります。この記事では、令和8年度の条件をもとに、次回に備えて確かめる点を整理します。
介護テクノロジー等導入支援事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度 介護生産性向上推進事業補助金(介護テクノロジー等導入支援事業補助金)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人単位で一括して申請)
- 対象業種
- 介護(指定・許可を受けた事業所、養護・軽費老人ホーム)
- 利用目的
- 見守りセンサー・介護ソフト・バックオフィスソフトの導入
- 対象地域
- 福井県内
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 1事業所688万円(センサー100万円・ソフト各270万円・相談48万円)
- 補助率
- 4/5
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年7月24日17時まで(受付終了。開始は6月19日)
- 事業の完了
- 令和9年1月末まで(実績報告は完了から1か月以内)
うちの事業所は対象になる?
令和8年度の募集で、次の5つが求められました。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
養護老人ホームと軽費老人ホームも対象です。宣言とは、SECURITY ACTION(セキュリティアクション)のことです。これは、情報処理推進機構(IPA)が実施する、情報セキュリティ対策の自己宣言制度です。一つ星か二つ星の宣言が求められました。センターとは、県が置く「ふくい介護テクノロジー・業務改善支援センター」です。業務改善計画書を作るときに、事前に相談することが申請の要件でした。
最後の項目は、サービスの種類で変わります。交付要領は、次のように分けています。
- 訪問介護、通所介護、居宅介護支援、福祉用具貸与などの居宅系:令和8年度内にケアプランデータ連携システムを使い始め、利用実績を持つこと
- 特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院、グループホームなどの施設・居住系:利用者の安全と職員の負担軽減を話し合う委員会を置くこと
- 短期入所生活介護や小規模多機能型居宅介護:どちらも求められます
養護老人ホームと軽費老人ホームは、どちらの一覧にも載っていません。
補助を受けたあとも、翌年度から3年間、業務改善計画の効果を県へ報告します。収支が改善したときは職員の賃金に適切に還元し、職員へ周知することも要件です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ Wi-Fiの整備だけを申請する
- ✕ PCやタブレットだけを申請する
- ✕ 過去に入れた機器と連携させるだけ
- ✕ 交付決定前に契約や購入をした分
- ✕ 他の補助金で出ている費用を重ねる
県の認定掲載(福祉用具情報システム)にない機器も、県が同水準と認めれば対象になります。販売価格が公表され、一般に買える機器が対象です。交付決定前の契約でも、県が別に事前承認した日以降なら対象にできます。
いくらもらえる?
補助率は4/5で、自己負担は5分の1です。ただし補助額は、経費の4/5と、基準額と、台数の上限を比べて、いちばん低い額で決まります。1,000円未満は切り捨てです。
| 品目 | 1台・1件あたりの基準額 | 1事業所の上限 |
|---|---|---|
| 見守りセンサー等 | 1台30万円 | 100万円 |
| 移乗支援・入浴支援・インカム | 1台100万円 | 上の100万円の中 |
| 介護ソフト | 職員数で決まる | 最大270万円 |
| バックオフィスソフト | 職員数で決まる | 最大270万円 |
| 業務改善支援(コンサルタント等) | 48万円 | 48万円 |
4つを合わせると688万円です。
台数の上限は、施設・居住系は利用定員を10で割った数、在宅系は20で割った数です。小数点以下は切り上げます。
介護ソフトの基準額は、申請時の職員数で決まります。職員数は常勤換算(非常勤の勤務時間も常勤の何人分かに直す数え方)で数え、小数点以下は四捨五入します。
| 職員数 | 基準額 |
|---|---|
| 10人以下 | 100万円 |
| 11〜20人 | 150万円 |
| 21〜30人 | 200万円 |
| 31人以上 | 250万円 |
居宅系の事業所が、令和8年度中にケアプランデータ連携システムで5事業所以上とデータをやり取りすると、基準額に5万円が加わります。ソフトと一体で入れる端末やWi-Fiなどには、別表第7の基準額(各区分で15万円高い額)が使われます。
計算例です。
- 見守りセンサーに120万円かかる(5台):120万円 × 4/5 = 96万円
- 見守りセンサーに150万円かかる:150万円 × 4/5 = 120万円 → 上限の100万円
- 1台50万円のセンサーを2台入れる:100万円 × 4/5 = 80万円 → 1台の基準額30万円 × 2台で60万円
- 職員8人の事業所が介護ソフトに200万円かける:200万円 × 4/5 = 160万円 → 職員10人以下の基準額100万円
- 職員25人の事業所が介護ソフトに200万円かける:200万円 × 4/5 = 160万円(基準額200万円に収まる)
- コンサルに70万円かかる:70万円 × 4/5 = 56万円 → 上限の48万円
対象にできる機器の線引きは、交付要領の別表第3にあります。別表は県の案内ページから開けます。
何に使える?
対象にならないもの
- Wi-Fi整備だけ、PC・タブレットだけの購入
- 過去に導入した機器と連携させるだけの購入
- 福祉用具情報システムにない機器で、県が認めないもの
- 消費税、保険料、通信料
- 機器のメンテナンス費、導入翌年度以降のリース料
- 他の補助金で措置されている費用
対象になるもの
- 見守りセンサーなどの介護テクノロジー
- 介護ソフト、バックオフィスソフト
- 業務改善のコンサルタントへの委託費
- 機器と一体で入れるWi-Fi整備、PC、タブレット
- 保守・サポート費、クラウド利用料、セキュリティ対策
- 導入の工事費、機器の説明や研修の費用
Wi-Fi整備やPCは、機器と一体で導入するときだけ対象です。単独の購入は認められません。保守・サポート費は、機器と併せて入れるときの付帯費用として対象です。一方、機器そのもののメンテナンス費は対象外とされています。線引きに迷う見積もりは、取る前にセンターへ聞きます。
申請の流れ
令和8年度の手順です。
- 管理者がセミナーを受ける(事業所。令和8年7月10日開催)
- センターに相談して、業務改善計画書を作る(事業所→センター。申請の前に済ませます)
- SECURITY ACTIONを宣言し、居宅系はケアプランデータ連携システムを使い始める(事業所)
- 書類を持参か郵送で出す(法人→センター。7月24日17時必着)
- 交付決定を受ける(県→法人。決定日か事前承認日から補助の対象期間が始まります)
- 導入して支払いを済ませ、実績報告を出す(事業所→センター。郵送。完了から1か月以内、遅くとも令和9年1月末)
実績報告のあと、県が審査して補助金の額を確定します。請求書を出すと補助金が支払われます。
業務改善計画書と補助金所要額調書は、持参や郵送に加えて、Excelでメールでも出します。県が厚生労働省へ報告するためです。
必要な書類
準備できた 0 / 10
納税証明書は消費税、地方消費税、法人税の3種で、申請日から2か月以内に発行されたものです。県税の納税状況の確認書類も要ります。債権債務者登録申請書が要るのは、新規の登録か登録内容の変更があるときだけです。職員数が分かる書類や利用定員数の書類は、契約の形や申請する機器によって必要になります。委員会の資料は施設系、ケアプラン連携の資料は居宅系が出します。
10万円以上の契約は、原則として複数の業者から見積書を取ります。1社だけにするときは、その理由を書面で残します。理由がなければ、全額が対象にならないことがあります。「日頃からの付き合い」は理由になりません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- ケアプランデータ連携システムの実績がない:居宅系は、申請時に実績がなくても、実績報告で確認されます。実績がなければ交付されません。
- 実績報告が遅れた:完了から1か月以内、遅くとも令和9年1月末が期限です。提出できなければ交付されません。
- 補助事業の期間外に契約や支払いをした:契約書や領収書の日付は、対象期間内でなければなりません。
- 申請内容を変えるのに事前協議をしなかった:交付申請書に書いた事項を変える事情が出たら、必ず先に県と協議します。
- 交付決定前に契約や購入をした:対象外です。県の事前承認日以降なら対象にできます。
- 見積もりを1社だけで取った:理由が書面になければ、全額が対象にならないことがあります。
同じ年度の他の枠との違い
令和8年度は、同じ「介護生産性向上推進事業補助金」の中に別の枠が並んでいました。
- パッケージ型導入支援:複数のテクノロジーを入れる枠で、上限900万円です。この記事の枠と合わせて申請しました。経費を明確に分ければ併用できます。1法人1事業所の申請です。
- 協働化・大規模化等:事業者グループの人材募集などに使う枠で、1グループ1,200万円までです。基準額は構成する法人1つにつき120万円で、訪問介護を運営する法人は30万円が加わります。
- 経営改善支援:経営分析に使う枠で、1事業所35万円までです。福祉医療機構の経営診断などや、県が認める支援機関(社会保険労務士会、税理士会、商工会議所など)の支援が対象です。民間のコンサルティング会社は除かれます。
協働化と経営改善の2つは、申請期間が「令和8年6月19日から随時」と書かれています。実績報告の期限は令和9年2月末です。受付が続いているかは公式ページから分かりません。長寿福祉課への確認が必要です。
伴走支援モデル事業所の枠は、別に選定される形で、7事業所と3事業所の定員でした。
よくある質問
次の募集はいつ始まりますか?
県の公式ページには、次の募集時期が書かれていません。令和8年度は6月19日に受付が始まり、7月24日17時に終わりました。この日程が次回も同じとは言えません。準備に時間がかかる条件が多いため、ケアプランデータ連携システムの利用開始などは、募集を待たずに進めておく価値があります。時期はふくい介護テクノロジー・業務改善支援センター(0776-25-1365)に聞けます。
令和8年度分に、これから申請できますか?
この枠の受付は、令和8年7月24日17時で終わっています。提出書類の不足は受付できないと明記されており、期限後の救済も書かれていません。今から申請を考える事業所は、同じ年度の協働化・大規模化等や経営改善支援の枠が「随時」受付とされているため、その枠が使えるかを長寿福祉課(0776-20-0331)に確かめてください。
補助率と上限額はいくらですか?
補助率は4/5です。上限は1事業所あたり最大688万円で、内訳は見守りセンサー等が100万円、介護ソフトとバックオフィスソフトが最大270万円ずつ、業務改善支援が48万円です。見守りセンサー等は1台30万円が基準額です。たとえば見守りセンサーに150万円かけると、4/5で120万円ですが、上限の100万円までとなります。残りは自己負担です。
見守りセンサー1台だけでも申請できますか?
交付要領には、台数や金額の下限が書かれていません。見守りセンサー等は1台あたり30万円が基準額なので、1台でも対象になりえます。ただし、セミナー受講、SECURITY ACTION、センターへの相談、委員会またはケアプランデータ連携システムの利用といった要件は、1台の導入でも同じです。事前にセンターへ相談してください。
パッケージ型の補助金とは何が違いますか?
パッケージ型は、複数の介護テクノロジーを入れる場合の枠で、上限が900万円です。補助要件に複数のテクノロジーの導入が含まれます。この記事の枠と合わせて申請する形で、経費を明確に分けて併用できました。たとえば、介護ソフトとインカムをこの記事の枠で申請し、見守りセンサー等をパッケージ型で申請する例が示されています。パッケージ型は1法人1事業所の申請です。
管理者がセミナーを受けていないと申請できませんか?
令和8年度は、事業所の管理者などが令和8年7月10日開催の「介護現場の生産性向上セミナー」を受講していることが、申請の要件でした。受講していなければ要件を満たしません。交付要領は、センターの研修を受けるか、コンサルティング会社などの業務改善支援を受けるかのどちらかを求めています。次回の募集でも同じ要件が置かれるかは分かりません。県の案内ページや、センターの案内が出たら、開催日と受講できる人の範囲を確かめてください。
ケアプランデータ連携システムとは何ですか?
居宅介護支援事業所と介護サービス事業所が毎月やり取りする、ケアプランのサービス提供票(予定・実績)を、データで連携するシステムです。厚生労働省の依頼で、国民健康保険中央会が構築と運用をしています。令和8年度は、居宅系のサービスが利用を開始して利用実績を持つことが補助要件でした。特別養護老人ホームなど施設系には、この要件は置かれていません。申請時に実績がない場合は、実績報告のときに確認されます。実績がなければ、補助金は交付されません。申請書類には、利用申請書、利用画面の写真、データ送信の履歴などを付けます。
Wi-FiやPCだけを買い替えても補助されますか?
補助されません。Wi-Fiの環境整備やPC・タブレットの導入は、介護テクノロジー等と一体で導入するときだけ対象です。単独の購入や、過去に導入した機器と連携させる場合も対象外です。機器と一体の場合は、配線工事、ルーター、アクセスポイント、ネットワーク構築などが対象経費の例に挙がっています。見積書は機器との関係が分かる形で取ってください。
書類の出し方と、出し先を教えてください
提出先は、福井市中央1丁目3-1 加藤ビル6階の、ふくい介護テクノロジー・業務改善支援センターです。持参か郵送で出し、期限は厳守で必着です。業務改善計画書と補助金所要額調書は、厚生労働省へ報告するため、Excelでメールでも送ります。メールアドレスは公式ページに載っています。実績報告は郵送で出します。
導入したあとは、何をする必要がありますか?
事業完了から1か月以内、遅くとも令和9年1月末までに実績報告書を出します。期限までに出せないと、補助金は交付されません。契約書、納品書、領収書の写し、導入した機器すべての写真、操作研修の写真などを付けます。タブレットは、機器やソフトと連携していることが分かる写真が要ります。補助を受けた翌年度から3年間は、業務改善計画の効果も報告します。証拠書類は、事業が終わった年度の終了後5年間、保管します。
補助の対象になる期間はいつからですか?
交付決定日、または事前承認日から、令和9年1月末までです。契約書、請求書、領収書の日付は、この期間内でなければなりません。代金の支払いも、期間内に済ませます。交付決定より前に契約や購入をしたものは対象外です。県が別に事前承認した日以降のものは、対象にできます。発注の時期に迷ったら、先にセンターに相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
申請や書類の相談は、ふくい介護テクノロジー・業務改善支援センター(電話0776-25-1365)です。制度全体については、福井県の長寿福祉課(電話0776-20-0331)が窓口です。受付時間は、月曜から金曜の8時30分から17時15分です。土曜、日曜、祝日、年末年始は休みです。
