後継者不在の会社を第三者に譲り渡す——これでお金がもらえるのか? 答えはイエスです。ただし売り手と買い手で支給額がまったく違います。売り手は10万円、買い手は50万円です。
福井県の「県内企業M&A支援奨励金」は、福井県事業承継・引継ぎ支援センター(福井商工会議所内)を通じて第三者への事業引継ぎを実施した企業に、売り手10万円・買い手50万円の奨励金を支給する制度です。
県内企業M&A支援奨励金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 県内企業M&A支援奨励金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(県内中小企業者、または買い手として創業希望者・県外移住者を含む) |
| 利用目的 | 第三者への事業引継ぎ(M&A)にかかる支援 |
| 対象地域 | 福井県内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者に該当すること(業種ごとに資本金・従業員数のどちらか一方の基準を満たせばよい) |
| 補助上限額 | 売り手:10万円/買い手:50万円 |
| 補助率 | 定額支給(補助率の設定なし) |
| 申請受付 | 令和8年5月25日〜令和9年2月26日(予算に達し次第終了) |
| 公式サイト | 福井商工会議所「県内企業M&A支援奨励金について」 |

対象になる/ならない——売り手と買い手で条件が違う
| 立場 | 対象になる | 対象にならない |
|---|---|---|
| 売り手(共通) | 代表者年齢60歳以上・親族内に後継者不在の県内中小企業者 | 代表者60歳未満、または親族内に後継者候補がいる企業 |
| 買い手 | 県内中小企業者・創業希望者・県外からの移住者で、代表者50歳未満(条件付きで50歳以上も可) | 代表者が50歳以上で、条件を満たさない場合 |
| 共通 | 事業承継・引継ぎ支援センターに3か月以上前から相談し、令和8年3月1日以降に事業引継ぎを実施 | 相談期間が3か月未満、または引継ぎ実施日が対象期間より前 |
なぜ「3か月以上前からの相談」が条件になっているのか。 駆け込みでのM&A成立を対象から外し、センターの支援を経た計画的な事業引継ぎだけを後押しするためです。相談実績なしにいきなり契約書を持ち込んでも、対象にはなりません。
買い手のほうが支給額が高い理由
売り手10万円に対し、買い手は50万円と5倍の差があります。これは、地域の雇用や事業を引き継ぐ側(買い手)の負担が大きく、引継ぎの実現そのものを後押しする狙いがあるためです。買い手が県外からの移住者・創業希望者であっても対象になる点は、地域外からの人材誘致という側面も持っています。
よくある誤解される点
「M&A支援奨励金」という名前から、仲介手数料そのものが補助されると誤解されがちですが、この制度は成約に対する定額の奨励金であり、M&A仲介会社への手数料を補うものではありません。仲介手数料などの実費支援を探している場合は、福井市など市町村が個別に設けているM&A関連の補助金を確認してください(同じ「M&A」でも実施主体が異なると対象経費の考え方が変わります)。
また、「県税その他公課の滞納がないこと」が要件に含まれています。滞納がある状態では、他の条件を満たしていても対象になりません。申請前に納税状況を確認しておく必要があります。
申請方法
福井県事業承継・引継ぎ支援センターへの提出が必要です。窓口では持参での提出が推奨されています。
- 提出先: 福井県事業承継・引継ぎ支援センター(福井商工会議所内)
- 問い合わせ: 0776-33-8279
よくある質問
親族内承継でも申請できますか?
できません。この奨励金は第三者への事業引継ぎが対象です。親族内での承継を検討している場合は、事業承継に向けた企業価値向上補助金など別の制度を確認してください。
買い手が県外に住んでいても対象になりますか?
なります。買い手には創業希望者・県外からの移住者も含まれます。ただし代表者年齢など他の要件は満たす必要があります。
引継ぎがすでに成立していても遡って申請できますか?
令和8年3月1日以降に実施した事業引継ぎであれば対象になります。それより前に成立したものは対象外です。
