補助金の基礎知識guide

【全国】事業承継・M&A補助金とは?最大2,000万円と旧名称との違い

#事業承継・M&A補助金#事業承継
締切
あと193日2027331日まで
上限額
通常150万円〜1,00…
補助率
1/2〜2/3
対象
全業種

事業承継・M&A補助金は、事業を次の代に引き継ぐ費用を支援する制度です。専門家費用・設備投資・廃業費用まで、立場に応じた4つの枠があります。通常の補助上限は150万円〜1,000万円、特例で2,000万円までです。

この記事では、検討を始めるときの進め方をまとめました。枠別の金額・締切は、記事後半で姉妹記事に内部リンクしています。

事業承継・M&A補助金の名称変遷(経営資源引継ぎ補助金→事業承継・引継ぎ補助金→事業承継・M&A補助金)を示す年表

この補助金の要点まとめ

項目内容
対象業種全業種
利用目的事業を引き継ぎたい
対象地域全国
従業員数中小企業・小規模事業者(業種により異なる。目安300人以下)(常時使用する従業員が20人以下、商業・サービス業は5人以下)
補助上限額通常150万円〜1,000万円が中心。特例で最大2,000万円
補助率1/2〜2/3(枠・要件で変動)
前身の制度経営資源引継ぎ補助金(R2)→事業承継・引継ぎ補助金(R3〜5)→現行(R6〜)
公式サイトshoukei-mahojokin.go.jp
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旧名称で検索して出てくる要件は使えません

この補助金は、名称が2度変わっています。

  1. 経営資源引継ぎ補助金(令和2年度第1次補正予算)
  2. 事業承継・引継ぎ補助金(令和3〜5年度補正予算)
  3. 事業承継・M&A補助金(令和6年度以降・現行)

古い名称で検索すると、当時の解説記事が上位に出てきます。そこに書かれている対象経費・補助上限・締切は、現行制度には使えません。必ず現行名で公募要領を確認してください。

対象も広がっています。第15次公募(2026年7月24日17:00で受付終了)では、専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設されました。個人事業主が店舗を売るような小規模なM&Aも、対象に入ります。

現在は16次公募が開示されています。申請受付は2026年10月2日(金)から11月6日(金)17:00までです(公募要領で確認)。事業承継促進枠は、公募申請期日から5年後までに事業承継を完了する見込みの事業者が対象で、承継を終えてからでは申請できません。補助下限額は100万円で、補助対象経費に補助率をかけた額が100万円を下回る申請は受け付けられません。

事業承継・M&A補助金の4つの枠と、それぞれが対象とする立場を示す図

制度の全体像(4つの枠)

現行制度には、4つの枠があります。立場によって、使える枠が変わります。

こんな立場の人向け
事業承継促進枠承継後に設備投資や経営革新に取り組みたい後継者
専門家活用枠M&Aの買い手・売り手(仲介手数料やデューデリジェンス費用)
PMI推進枠M&A成約後、統合作業(PMI)を進めたい買い手
廃業・再チャレンジ枠承継・M&Aに伴い既存事業を廃業する事業者
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補助上限額・補助率の細部(通常150万円〜1,000万円、特例で2,000万円まで)は枠ごとに異なります。詳しい金額・要件は、姉妹記事にまとめています。

あわせて読みたい【全国】最大2,000万円!事業承継・M&A補助金の内容と申請のコツ全国の事業者が対象です。事業を引き継ぎが対象で、上限は最大2,000万円。通年で受け付けています。使えるかどうかの線引きと、申請の流れを解説します。19分で読めます

似た制度との違いを整理する

新製品開発や設備投資の補助金は、事業を「伸ばす」ためのものです。この補助金は承継そのものを支える「つなぐ」側で、新規開業は対象になりません。

事業計画書で強調するのは、新しさより「事業をどう途切れさせないか」です。

早く動くほど選択肢が多い

帝国データバンクの調査(2025年)では、後継者が決まっていない企業は50.1%。廃業した企業の51.1%が黒字でした。

もうかっているのに畳む会社が、半分以上を占めます。承継先を探す時間が足りず、選べる相手がいないまま期限が来るためです。買い手探しにも、専門家への相談にも時間がかかります。動き出しが早いほど、選べる相手は増えます。

検討を始めるときの進め方

  1. 誰に(親族・従業員・第三者)どう引き継ぎたいかの方向性を整理する
  2. 承継・M&Aに伴って必要になる費用(専門家費用・設備投資・廃業費用など)を洗い出す
  3. 費用の中身から、自社が対象になりそうな枠を仮に絞り込む
  4. 姉妹記事や公式サイトの公募要領で、その枠の対象経費・補助上限を確認する
  5. 専門家(税理士・M&A支援機関登録済みの仲介業者など)に相談しながら事業計画をまとめる

早めに動いたほうがいい理由

後継者との合意形成には、時間がかかります。専門家探しも、同じです。

申請準備だけを急いでも、承継そのものが整っていなければ意味がありません。申請準備と承継の計画づくりは、並行して進めるものです。そう考えてスケジュールを組むことをおすすめします。

承継後の事業をどうしたいかを先に考える

申請要件を満たすことより、大事なことがあります。承継した後、その事業をどう営んでいくかというビジョンです。

売上や顧客をどう維持し、広げていきたいか。先に固めておくと、専門家への相談もスムーズになります。事業計画書の説得力も、自然と高まります。

従業員や取引先との関係を、どう引き継ぐか。この点も、早い段階から考えておきたいところです。

事業承継・M&A補助金の検討を始めるときの5ステップを示すフロー図

よくある質問

Q1. この補助金は今年度が初めての制度ですか?

いいえ。前身は令和2年度の経営資源引継ぎ補助金にさかのぼります。名前を変えながら、対象を広げてきた制度です。過去の実績を引き継ぐ形で、現行の事業承継・M&A補助金があります。

Q2. 親族内承継とM&A、どちらでも対象になりますか?

はい。現行制度は、親族内承継・従業員承継・第三者へのM&Aのいずれも対象です。 立場(後継者・買い手・売り手)に応じて、使える枠が変わります。詳しくは制度の全体像の章をご確認ください。

Q3. 具体的な補助金額を知りたいのですが、どこを見ればいいですか?
採択される事業計画には"制度の目的への位置づけ方"があります

同じ承継・M&Aでも、事業計画書に「制度の目的」をどう位置づけるかで、審査での見え方は変わります。

事業承継・M&A以外にも、設備投資や販路開拓で使える補助金がないか気になる場合は、他の補助金もあわせて探してみるのも有益です。

事業承継の検討は、一人で抱え込むものではありません。事業計画の作り方や進め方に迷ったら、専門家に無料相談するのも一つの方法です。

【攻略ガイド】採択される事業計画のつくり方

無料記事では、この補助金に「4つの枠があること」「いくらもらえるか」「直近15次公募の締切」までをお伝えしました。ここから先は、同じ枠を選んでも、事業計画の書き方ひとつで採択・不採択が分かれるという話をします。事業承継・M&A補助金の審査で何が見られているか、どう書けば伝わるかを、実際の記入パターンで見ていきましょう。

1. 事業承継・M&A補助金の"審査の勘所"

事業承継・M&A補助金の事業計画には、他の設備投資系の補助金とは違う、この補助金ならではの前提があります。それは「自社の計画だけでは完結せず、承継やM&Aの"相手方"が実在して初めて成立する」という点です。専門家活用枠・PMI推進枠は、相手方との交渉状況や合意内容が具体的であるほど、計画に説得力が出ます。

その上で、審査で見られる観点は大きく3つに整理できます。

観点審査で見られること
①承継・M&Aの必要性の説明力なぜ今、承継やM&Aが必要なのか(後継者不在、譲渡側の高齢化、事業規模拡大など)が、自社の状況に即して具体的に書けているか
②シナジー(相乗効果)の具体性譲り受ける・譲り渡す相手と組むことで何が生まれるか(顧客基盤・技術・人材・店舗網など)。「継ぐ」「買う」という行為そのものではなく、その先の展望が描けているか
③PMI(統合後)の実現可能性特に買い手側・専門家活用枠では、統合後に経営・組織・システムをどう一体化させるかの道筋が、PMI推進枠を使わない場合でも問われる
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事業承継促進枠では、これに加えて「承継後の取組が経営革新に資するものかどうか」が問われます。単に古い設備を同じものに置き換えるだけでは経営革新とは評価されにくく、新しい商品・サービス・生産方式・顧客層への展開など、承継を機にした"変化"が計画に組み込まれているかが見られます。

多くの事業計画が弱くなりやすいのは、「承継する」「M&Aをする」という行為自体が目的化してしまい、その後どう事業が変わる・伸びるのかが書けていないパターンです。

2. 採択される事業計画の骨子

枠によって骨子は少しずつ異なりますが、共通しているのは「現状→なぜこの取組が必要か→その先どうなるか→効果の見込み」という流れです。

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免責事項: 金額・補助率・締切などの制度内容は公募要領の改定により変更される場合があります。申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

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この制度が使えないときに検討したい制度

対象から外れた場合や、締切に間に合わない場合の候補です。用途と地域が近いものを挙げています。

この記事を書いた人
白木さん|元・自治体職員
制度をつくる側にいた元・自治体職員(産業振興)

市の産業振興課で補助金の設計・審査に関わってきました。「なぜこの要件があるのか」を制度の目的から説明できるのが強みです。窓口では伝えきれなかった制度の意図まで踏み込んで書きます。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。