「そろそろ、誰かに継いでほしい。」そう思っても、何から手をつけるべきか、答えが出ないまま時間だけが過ぎる。よくある話です。

福井市の「事業承継促進事業補助金」は、この足踏みを後押しする制度です。対象は、事業を譲り渡す側(被承継者)または譲り受ける側(承継者)。事業承継計画の策定から手続きまでにかかる専門家への謝金・委託料、登記費用、許認可申請費用の一部を補助します。補助率は1/2以内、上限は15万円。令和8年度の申請受付は2026年4月1日から2027年1月29日までです。

ただし、福井県事業承継・引継ぎ支援センターからの推薦がなければ、そもそも申請できません。ここが最初の関門です。

対象になるのは「センターの推薦」を受けた人

対象者の入り口は、次の条件です。

  • 経営資源を他者に譲り渡す予定の中小企業者(個人事業主を含む)
  • または、経営資源を他者から譲り受ける者
  • 福井県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受け、同センターからの推薦を受けていること

つまり、先に福井県事業承継・引継ぎ支援センターに相談し、承継計画をセンターと一緒に固めることが前提になります。「補助金があるから申請してみよう」という順番では、そもそもスタートラインに立てません。

対象経費と補助額のシミュレーション

対象になる経費は、次の3種類です。

  • 登記に係る書類作成費用
  • 事業承継の専門家への謝金・委託料
  • 許認可申請に係る費用

交付決定前に発生した費用は補助対象外です。専門家への相談を先に始めてしまうと、その分の費用は補助から漏れる可能性があります。

具体的な金額感を見てみます。

  • 飲食店の親族内承継: 許認可の再申請費用と、専門家への相談謝金(対象経費20万円)。補助率1/2で10万円
  • 小売店の第三者承継(M&A): 登記費用と専門家への委託料(対象経費40万円)。補助率1/2なら20万円になるところ、上限15万円で頭打ち
  • 製造業の事業承継: 専門家への継続的な相談・委託(対象経費30万円)。補助率1/2で15万円(上限到達)

対象経費が30万円に届いた時点で、上限15万円に到達する計算です。専門家費用がかさみそうな場合は、上限までの距離を早めに把握しておくとよいでしょう。

申請の流れ。「交付決定前」の費用に注意

申請の骨組みは、次のとおりです。

  1. 福井県事業承継・引継ぎ支援センターへの相談: 承継計画の策定支援を受ける
  2. 推薦を受ける: センターから推薦書等の交付を受ける
  3. 交付申請: 福井市へ申請書類一式を提出
  4. 交付決定: 市の審査後、通知を受け取る
  5. 専門家費用等の支払い: 交付決定後に発生した費用が対象
  6. 実績報告: 完了後に証憑を添えて報告

交付決定より前に発生した専門家費用は対象外という点は、他の補助金にも共通する原則です。「センターに相談したついでに、専門家への委託契約も先に結んでしまった」というのが、もっとも起こりやすい失敗パターンです。

承継計画の書き方で、推薦されるかどうかが変わる

じつは、福井県事業承継・引継ぎ支援センターの推薦を受けられるかどうかは、単に「承継したい」という意思だけで決まるものではありません。承継の経緯や、承継後にどう事業を変えていくかを、どう計画に落とし込むかで、センターの見え方が変わってきます。

国の事業承継・M&A補助金でも、「承継する」という行為自体が目的化してしまい、その先の展望が書けていない計画は評価されにくいとされています。福井市の補助金でも、専門家費用の使い道をどう位置づけるかは、実務上の悩みどころになりやすい部分です。この考え方は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで実例とあわせて紹介しています。

よくある質問

福井県事業承継・引継ぎ支援センターに相談せず、直接福井市に申請できますか?

できません。対象要件として「福井県事業承継・引継ぎ支援センターの支援を受け、同センターからの推薦を受けたもの」が明記されているため、まずセンターへの相談から始める必要があります。

専門家への相談費用は、いつから対象になりますか?

交付決定後に発生した費用が対象です。交付決定前にすでに発生していた費用(相談前の準備段階の費用等)は、補助対象外になります。

個人事業主でも対象になりますか?

対象になります。対象者の定義に「中小企業者(個人事業主を含む)」と明記されています。


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この補助金の概要(早見表)

検索項目内容
制度名福井市事業承継促進事業補助金(令和8年度)
対象業種業種指定なし
利用目的事業承継・M&A・後継者支援
対象地域福井県福井市(福井県事業承継・引継ぎ支援センターの推薦を受けた事業者)
従業員数中小企業者(個人事業主含む)。規模の明示的な上限指定なし
補助上限額15万円
補助率1/2以内
申請受付2026年4月1日〜2027年1月29日(予算に達し次第終了)
公式サイトhttps://www.city.fukui.lg.jp/sigoto/syoukou/hojo/p071260.html
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※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。

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免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず福井市の公式ページおよび福井県事業承継・引継ぎ支援センターで最新情報をご確認ください。

出典: