令和8年度のA型(可能性調査)とB型(技術開発)は、追加募集が令和8年6月30日の17時で締め切られています。募集が続いている枠は、産総研の研究拠点への技術相談に使う産総研拠点活用枠(上限20万円)だけで、令和9年1月15日までの先着順です。県のチラシが想定する補助件数は5件程度で、期限より前に予算がなくなる可能性があります。
制度名は同じでも、A型・B型は技術開発の費用を出す枠で、産総研枠は技術相談の費用を出す枠です。金額の桁も違うので、まず自社がどちらの話をしているのかをそろえてから読み進めてください。
福井県 県内産業価値づくり支援事業補助金の要点まとめ
正式名:令和8年度 県内産業価値づくり支援事業補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(県内企業。B型は県内中小企業が中心)
- 対象業種
- 業種の指定なし(脱炭素・ヘルスケア・宇宙・ロボットの開発)
- 利用目的
- 研究開発・実証(可能性調査・技術開発・技術相談)
- 対象地域
- 福井県(県内に事業所を持ち、県内で研究開発する企業)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(産業技術課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 最大1,200万円(B型・上乗せ条件あり。通常は1,000万円)
- 補助率
- 2/3〜4/5(型と上乗せ条件で異なる。産総研枠は2/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- A・B型は令和8年6月30日で終了/産総研枠は令和9年1月15日まで
- 事業の完了
- A・B型は令和9年2月26日、産総研枠は令和9年2月5日まで
うちの会社は対象になる?
募集が続く産総研拠点活用枠は、次の5つにすべて当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
FOIPは、ふくいオープンイノベーション推進機構の略称です。会員でなければ、申請の時までに会員登録をします。
「県内企業」は、県内に事業所を持ち、県内で自ら研究開発を行う企業です。交付要領には「研究開発または生産活動を行う企業」という書き方もあり、2つの資料で言葉が少し違います。生産だけを県内で行っている場合は、事前に窓口へ確かめてください。
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 同じ年度にすでに交付決定を受けた
- ✕ 同じ開発で国や県の補助金を受けた
A型・B型を狙う場合は、さらに脱炭素・ヘルスケア・宇宙・ロボットの4分野の開発であることが条件でした。B型は県内中小企業が対象で、脱炭素関連技術の開発に限り県内大企業も申請できました。
いくら出る?
産総研拠点活用枠は、費用の2/3が出ます。上限の20万円に届くのは、費用が30万円のときです。以下は計算の例です。
- 試薬と材料に9万円、拠点への旅費に3万円(計12万円):12万円 × 2/3 = 8万円
- 試薬・材料・旅費の合計が30万円:30万円 × 2/3 = 20万円(上限ちょうど)
- 合計が45万円:45万円 × 2/3 = 30万円 → 上限の20万円
A型・B型の令和8年度の条件で同じ計算をすると、次のとおりです。
- A型で300万円かかる:300万円 × 2/3 = 200万円(上限の200万円)
- A型で上乗せ条件を満たす:300万円 × 3/4 = 225万円(上限は250万円)
- B型で1,500万円かかる:1,500万円 × 3/4 = 1,125万円 → 上限の1,000万円(1年あたり)
- B型で上乗せ条件を満たす:1,500万円 × 4/5 = 1,200万円(上限ちょうど)
B型の上限は、中小企業なら最大2か年まで毎年使えます。ただし委託費は対象経費の総額の1/2、人件費は1/3(ソフトウェア開発が主な目的なら1/2)、販路開拓費は1/4までと、経費ごとの上限があります。
何に使える?
対象にならないもの
- パソコン、プリンタ、文房具など、汎用性があって目的外にも使えるもの
- 事務用品など、汎用的な消耗品
- 交付決定の日より前に発注・契約した経費
- 回し手形や相殺で支払った経費
- 銀行の振込手数料(仕入先が負担する場合を除く)
- 自社の在庫品を使った分、補助事業の期間中に使わなかった消耗品
- 生産設備の導入や、個別の商談・販売サイトの作成など、営利活動に直接つながる経費
- 飲食・接待の費用、ガソリン代、グリーン車などの特別料金
A型・B型では、このほか消費税・地方消費税、各種保険料、借入金の利息、地方公共団体の試験研究機関に払う費用も対象外でした。
対象になるもの
- 消耗品費(技術相談に必要な材料、試薬品、加工前の原材料など)
- 旅費(産総研の各研究拠点への技術相談。高速道路料金は対象)
- 機械装置費・外注加工費・共同研究費・人件費(A型・B型のみ)
- 市場調査費(A型・B型)、販路開拓費(B型のみ)
産総研枠の対象経費は、消耗品費と旅費等だけです。補助対象になるのは、補助対象期間中に発注し、納品と支払いまで終えた経費に限られます。購入した材料は、受払簿をつけて使った分を記録します。旅費は、出張の目的・日時・行程がわかる報告書と領収書が要ります。
申請の流れ
ここでは、募集が続く産総研拠点活用枠の手順を書きます。
- FOIPに会員登録する(事業者→FOIP。会員でない場合は申請の時までに)
- 産総研の拠点へ相談する計画を立てる(事業者。相談の内容と経費を決める)
- 申請書類6点をメールで送る(事業者→福井県 産業技術課 新技術支援室。令和9年1月15日の17時まで)
- 審査と交付決定を待つ(福井県→事業者。決定の前に発注しない)
- 令和9年2月5日までに相談と支払いを終える(事業者)
- 実績報告書を出す(事業者→福井県。完了から1か月後か2月5日の早い日まで。検査のあとに支払われ、県の目安は3月末)
申請を締切の間際に出すと、使える期間がほとんど残りません。 公式の目安は、書面審査が受領後1〜2週間、交付決定通知が受領後2〜3週間です。1月15日に出せば、交付決定は1月末から2月上旬になり、事業の期限の2月5日が目の前に来ます。早めに出すことを勧めます。
県のマニュアルには「交付決定前着手」の承認の仕組みもあります。申請のあとに理由を添えて求め、県が認めれば、決定前でも着手できます。ただし決定どおりにならない場合の損失は事業者が負います。承認を受けずに発注すると対象外です。
必要な書類
準備できた 0 / 6
県税の書類は、納税証明書の原本の代わりに「納税状況確認に関する同意書」でも出せます。納税証明書(その3の3)は、法人税・消費税・地方消費税に滞納がないことの証明で、原本が必要です。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前に発注・契約した経費は対象外です。申請から決定まで2〜3週間かかる目安なので、その間は待ちます。
- 期間内に支払いを終えなかった:産総研枠は令和9年2月5日までに、相談と全ての支払いを終えます。実績報告書は、支払いが終わったあとに出し、期限は完了から1か月後か令和9年2月5日の早い日です。
- 予算がなくなった:先着順で、想定は5件程度です。募集期間の内でも予算がなくなり次第、受付が終わります。
- 銀行振込以外で払った:支払いは原則、銀行振込です。回し手形や相殺は対象外になります。
- 汎用品を経費に入れた:パソコンなどは原則として対象外です。申請の前に経費を点検します。
- 収益が計画を超えた(B型):交付後5年間の補助対象事業の営業利益が計画を超えると、県から一部の納付を命じられることがあります。
よく誤解されるポイント
「募集終了」と書いてあるのに申請できる枠がある
県のページには「A型およびB型の募集は終了しました」とある一方で、産総研拠点活用枠は随時募集として載っています。「終了」の一言だけを見て、制度ごと諦める必要はありません。
産総研枠は、技術開発の費用を出す枠ではない
産総研枠が出すのは、産総研の拠点に研究開発の相談をするための費用で、上限は20万円です。試作品の開発費や機械装置の購入は、この枠の経費に入っていません。
B型を狙うのに、A型を先に出す決まりはあるか
募集要領には、A型を経ることを求める記載がありません。ただしA型は「事業化に向けた本格的な研究開発に取り組む予定があること」が条件で、B型は金融機関確認書の提出が必須です。どちらが合うかは、事前相談で聞くのが確実です。
上乗せ条件は、すでに達成していないとだめか
募集要領は「増加させること。(または、増加させたこと。)」と書いていて、達成済みの場合だけでなく、補助対象期間の終了までに達成する場合も含む書き方です。実際の運用は公式ページに説明がないため、産業技術課に確かめてください。
よくある質問
令和8年度のA型・B型は、まだ申請できますか?
できません。令和8年度のA型・B型は、追加募集の公募期間が令和8年6月30日の17時まででした。募集が続いているのは産総研拠点活用枠だけです。令和9年度にA型・B型の募集があるかどうかは、福井県の公式ページに記載がありません。次の募集の有無は、福井県産業技術課 新技術支援室(電話0776-20-0374)に問い合わせるのが確実です。
産総研拠点活用枠は、何に使えますか?
産総研の研究拠点(本部を含む全国12か所のいずれか)へ研究開発の相談をするための経費に使えます。対象経費は、技術相談に必要な材料や試薬品などの消耗品費と、拠点への相談にかかる旅費などです。補助率は2/3以内で、上限は20万円です。事業期間は交付決定日から令和9年2月5日までで、交付決定より前に発注した経費は対象になりません。
A型とB型は、どう違いますか?
A型は、新技術・新製品開発の可能性を試験・調査する枠です。産学官または産総研との連携が前提になります。補助率は2/3以内で、上限は200万円です。B型は新技術・新製品の研究開発そのものを行う枠で、補助率は3/4以内、中小企業の上限は1,000万円を年ごとに最大2か年です。B型は産学官金または産総研との連携が前提で、金融機関確認書が必要です。収益納付の要件もあります。
補助率と上限額が上がる条件はありますか?
あります。令和8年度の募集では、次のいずれかを満たすと、A型は3/4以内で上限250万円、B型は4/5以内で上限1,200万円になりました。条件は、連続する2か月の1人あたり平均給与を前年同期間より6.0%以上増やす、女性管理職の割合を1.2倍以上にする、男性労働者が通算3か月以上の育児休業を取る、35歳以下の若手をプロジェクトリーダーにする、連携機関に産総研を含める、の5つです。
FOIPの会員でなければ申請できませんか?
申請者は、ふくいオープンイノベーション推進機構(FOIP)の会員であることが条件です。会員でなければ、申請の時までに会員登録をすれば足ります。この条件は、A型・B型でも産総研拠点活用枠でも同じです。登録の方法や費用は公式ページに書かれていないので、福井県の産業技術課に確かめてください。申請の直前に慌てないよう、先に登録を済ませておくと安心です。
個人事業主でも申請できますか?
申請できる見込みです。交付要領は「企業」を「事業を営む会社または個人」などと定めていて、個人事業主も企業に含まれます。対象者の条件は、県内に事業所を持ち、県内で自ら研究開発を行うことです。FOIPの会員であることや、県税・地方消費税の滞納がないことは、法人と同じように求められます。書類の募集要領は法人税・消費税・地方消費税の証明を求めていて、個人事業主の場合の読み替えは書かれていません。必要な書類は、先に産業技術課へ確かめてください。
大企業は申請できますか?
A型の対象者は「県内企業」で、募集要領に中小企業に限るという記載はありません。B型は県内中小企業が対象で、脱炭素関連技術の開発に限り県内大企業も申請できます。ここでいう中小企業は、中小企業基本法の中小企業者です。業種ごとに資本金と従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば該当します。大企業が株式の2分の1以上を持つ会社などは「みなし大企業」として除かれます。
産総研拠点活用枠は、どうやって申請しますか?
申請書類6点を、電子メールで福井県産業技術課 新技術支援室(sangyo-gijutsu@pref.fukui.lg.jp)に送ります。公募期間は令和9年1月15日の17時までです。書類を受け取ってから、書面審査に1〜2週間、交付決定通知まで2〜3週間が目安とされています。A型・B型は、事前相談のあとに事業計画書かがみだけを先に送る2段階の申請でした。
審査はどのように行われますか?
産総研拠点活用枠は、書類を確認して先着順に採択します。募集期間の内でも、予算がなくなり次第、受付は終わります。A型・B型は、書面審査とプレゼンテーションの審査会を行い、点数の高い順に採択されました。審査の観点は、新規性・独創性、開発能力・事業体制、研究内容、事業化、事業化による経済効果(B型のみ)の5つです。
採択されたあとに守る義務はありますか?
経理の書類は、事業の終了後5年間保存します。証拠書類は、見積書、発注書の控え、納品書、請求書、振込明細書、領収書などです。A型・B型は、終了後5年間、毎年事業化の状況(売上、収益、活動)を報告する義務があり、成果の発表も原則として求められます。B型には収益納付があり、交付後5年間の営業利益が計画を超えると、一部の納付を命じられることがあります。産総研枠は、相談が共同研究や事業化に発展したかを県が尋ねる場合があります。
同じ年度に何回申請できますか?
産総研拠点活用枠は、一度交付決定を受けた事業者は、同じ年度にもう一度申請できません。相談を何回かに分けるつもりでも、20万円の枠は1回で使い切る計画にしておきます。A型とB型を同じ年度に両方出せるかどうかは、公式ページに記載がありません。また、過去5年間に公的支援を使った研究開発と似た内容がある場合は、相違点の説明が必要です。
問い合わせ先はどこですか?
福井県 産業労働部 産業技術課 新技術支援室です。電話は0776-20-0374、メールはsangyo-gijutsu@pref.fukui.lg.jp です。受付時間は平日の8時30分から17時15分までです。対象になるかどうか、FOIPの登録、次の募集の予定など、公式ページに書かれていないことは、申請の前にここへ確認します。
