福井県の通常枠は、LED・空調・給湯・冷凍冷蔵・生産設備の更新費の1/2(上限600万円)を補助します。照明を替えたい工場も、冷凍庫が古い飲食店も対象です。
見積書を取る前に、確かめることが1つあります。交付決定の前に設備業者へ正式な見積書を頼むと、その時点で「着手」とみなされ、補助の対象外になります。順番を間違えないよう、申請の流れまで読んでください。
福井県 省エネ設備等導入支援事業補助金【通常枠】の要点まとめ
正式名:企業における省エネ設備等導入支援事業補助金【通常枠】(令和8年度)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 製造業、商業・サービス業
- 利用目的
- LED・空調・給湯・冷凍冷蔵・生産設備の更新
- 対象地域
- 福井県
- 従業員数
- 中小企業者(業種ごとに上限あり)
いくら
- 補助上限額
- 600万円(補助事業者あたり)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月29日〜2026年11月30日(先着順・予算がなくなり次第終了)
- 事業の完了
- 2027年2月12日まで(報告は完了後1か月以内か2月26日の早い日)
うちの会社は対象になる?
次の7つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 設備を新設・増設する
- ✕ 社会福祉施設・医療機関
- ✕ 交付決定の前に発注した
- ✕ 原油価格高騰枠にも申請する
中小企業者は、中小企業等経営強化法で定める中小企業のことです。業種ごとに資本金か常勤の従業員数の上限があり、どちらか一方を満たせば足ります。県のマニュアルでは、製造業は3億円か300人、卸売業は1億円か100人、小売業は5,000万円か50人です。サービス業は5,000万円か100人(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)です。ゴム製品製造業などには別の上限があります。
みなし大企業は、大企業が株式の2分の1以上を持つなど、大企業の影響が強い会社です。中小企業の規模でも対象外になります。条件は県の要領の別紙1に5つ挙がっています。
製造業と商業・サービス業の範囲は、実施細則が日本標準産業分類で決めています。卸売業、小売業のほか、飲食店や持ち帰り・配達飲食サービス業も入ります。医業、歯科医業、社会福祉事業は対象外です。保険薬局、風俗営業、政治団体、宗教団体も外れます。社会福祉施設と医療機関には、県が別の省エネ支援制度を用意しています。
事業所は自社で所有している必要があります。賃貸の建物は、原則として対象になりません。生産設備と冷凍冷蔵設備に限り、建物の所有者が書く設備設置承諾書で申請できます。建物の所有者が社長個人で、設備の所有者が法人の場合も、原則は対象外です。生産設備と冷凍冷蔵設備は個別の判断になるため、事務局に相談してください。
ふくい女性活躍推進企業の登録は、個人事業主なら不要です。未登録の法人は、登録申請書の写しでも申請できます。ただし交付決定は、登録通知書を出したあとになります。
いくらもらえるか
補助率は対象経費の1/2以内、上限は600万円です。対象になるのは設備本体の購入費だけで、設置工事費は含みません。消費税も対象外なので、次の金額はすべて税抜です。申請額は千円未満が切り捨てになります。予算の都合で、申請どおりの額にならない場合もあります。
- 設備本体が1,000万円:1,000万円 × 1/2 = 500万円
- 設備本体が1,200万円:1,200万円 × 1/2 = 600万円(上限ちょうど)
- 設備本体が1,500万円:1,500万円 × 1/2 = 750万円 → 上限の600万円
- 本体800万円に工事費200万円:対象は本体の800万円だけ。800万円 × 1/2 = 400万円
上限に届くのは、設備本体の購入費が1,200万円以上のときです。工事費を含む見積金額で計算すると、受け取れる額を多く見込んでしまいます。値引き分も対象外なので、値引き後の価格で考えてください。
何に使えるか
対象にならないものを先に挙げます。
- 設備の新設・増設(今ある設備の更新だけが対象)
- 設置工事費、撤去費、廃棄費、運搬費、調整費
- LED電球や蛍光管だけの交換
- 窓用エアコン、蓄熱電気暖房機、FF式暖房機
- 引掛シーリングやプラグで付ける、取り外しの簡単な照明器具
- キュービクルとトランス(生産設備に当たらないため)
- 中古設備、持ち運べる設備、リース契約の設備、複数社での共同購入
- 非常灯、避難口誘導灯、予備用の設備
- 消費税および地方消費税
対象になるのは、製造業か商業・サービス業で使っている設備を、CO2が30%以上減る設備に更新する事業です。次の6種類があります。
- LED照明(照明器具とランプを同時に交換する)
- 調光制御機能つきLED(時間設定、明るさセンサー、人感センサーのどれか1つ以上)
- 高効率の空調(パッケージエアコン、ガスヒートポンプ、チリングユニットなど)
- 高効率の給湯(業務用ヒートポンプ給湯器、潜熱回収型給湯器)
- 高効率の生産設備(工作機械、プレス機械、プラスチック加工機械など。製造業のみ)
- 冷凍冷蔵設備(冷蔵庫、冷凍庫、ショーケース、コンデンシングユニットなど)
生産設備は、機械の一部を替える場合も対象です。モーター、ポンプ、ファンの交換やインバータ制御の導入が当たります。更新の前後でCO2が30%以上減ると示せれば足ります。30%は、更新する機器ごとに判断します。更新する機器全体を合算して、30%に届かせることはできません。
古い設備と新しい設備で、使う用途が同じであることが条件です。能力や台数が増える場合は、理由書を付けます。古い設備は原則として撤去し、撤去できないときは使えない状態の工事写真を付けます。ボイラや産業ヒートポンプの更新は、同じ事業の原油価格高騰枠が入り口です。
申請の流れ
- 登録の有無を確かめる(事業者→県の女性活躍課。法人で未登録なら、先に登録を申請する)
- 書類をそろえる(事業者→メーカー・設備業者・税務署。参考見積書や現行設備の写真を集める)
- 申請書を出す(事業者→補助金事務局。電子申請か郵送で、2026年11月30日まで)
- 交付決定を待つ(県→事業者。交付決定は、県が補助を出すと決めて通知することです)
- 見積書を2社以上から取って発注する(事業者→設備業者。交付決定のあと。事業の完了は2027年2月12日まで)
- 完了の報告を出す(事業者→事務局。完了から1か月以内か2027年2月26日の、早い日まで)
- 補助金を請求する(事業者→県。額が確定したあと)
郵送の宛先は、福井中央郵便局留めの「企業における省エネ設備等導入支援事業補助金事務局」です。審査にかかる日数は、県の案内に記載がありませんでした。先着順なので、書類がそろいしだい出すことを勧めます。
申請書に付ける見積書は、参考見積です。補助の対象になる設備本体と、対象外の工事費・撤去費を分けて書いてもらいます。交付決定のあとに、2社以上から正式な見積書を取り直します。事業の期間は交付決定日から2027年2月12日までなので、納期の長い設備は申請前に業者へ確かめてください。支払いは銀行振込にします。現金、クレジットカード、手形、他の取引との相殺は認められません。
必要な書類
準備できた 0 / 15
債権債務者登録申請書には、振込先の口座を書き、通帳の口座情報がわかる部分の写しを付けます。LED省エネ計算資料は、LEDか調光制御機能つきLEDの場合に使います。ほかの設備は、算出資料を自社で作ります。納税証明書は、地方消費税に滞納がないことを示す「その3 未納税額のない証明用」です。申請日から2か月以内に発行されたものに限ります。
現行設備の写真は、撮影日が入ったものを事業計画書に付けます。照明のように数が多いときは、配置図に数量を書き、写真は代表的なものだけで足ります。空調は、室内機と室外機の両方を撮ります。財務諸表は、法人なら貸借対照表と損益計算書、個人事業主なら青色の所得税申告書決算書などです。事業所が賃貸で承諾書を付ける場合は、誓約書を未記入で出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 予算がなくなった:採択予定は100件程度で、先着順です。締切の11月30日より前でも、予算がなくなり次第終了します。
- 交付決定の前に着手した:正式な見積書の徴収が、着手にあたります。着手後の支出は補助の対象外です。
- 高騰枠と重ねて申請した:通常枠と原油価格高騰枠の両方では、申請できません。
- ほかの補助金と重ねた:同じ経費で、ほかの補助金を受け取ることは認められていません。
- 変更や中止を黙って進めた:経費の配分を大きく変えるときや、中止するときは、先に知事の承認が要ります。
- 証拠書類がそろわない:見積書、契約書、納品書、請求書、振込の控えなどが欠けると、その経費は認められないことがあります。
- 設備を勝手に処分した:耐用年数に準じた期間内に売却や貸し付けをするときは、先に承認を受けます。
今年度の変更点と併用
令和8年度から、冷凍庫・冷蔵設備と壁掛け式のエアコンが対象に加わりました。県のQ&Aに記載があります。
令和8年8月7日からは、通常枠のほかに原油価格高騰枠が設けられています。上限は高騰枠が1,000万円です。高騰枠はボイラなどの産業設備が対象で、直近2か月のエネルギー費が前年の同じ2か月より5%以上増えていることが条件です。生産設備は両方の枠で対象になります。二つの枠は併願できません。
補助金の額が確定したあと、消費税の申告で仕入控除税額が明らかになると、県に納めることがあります。完了した年度の翌々年度の4月30日までに、導入効果の報告書も出します。一般照明用の蛍光ランプは2027年までに段階的に製造・輸出入が廃止されるため、県はLEDへの計画的な更新を案内しています。
よくある質問
LEDの電球だけを替えても対象になりますか?
対象になりません。電球や蛍光管などの光源は消耗品で、光源だけの交換は補助の対象外です。照明器具とランプを同時に交換することが条件です。ただし、安定器のバイパス工事など、有資格者による工事を伴うランプの交換は対象になります。申請の前に、器具ごと替えるのか、工事を伴うランプ交換なのかを、見積書に書き分けてもらうと確かめやすくなります。
設備を新しく付ける場合も使えますか?
使えません。この補助金は、省エネ効果の低い既存の稼働設備を、省エネ効果の高い設備へ更新する事業が対象です。設備のなかった場所へ新しく付ける工事や、台数を増やす増設は対象になりません。能力や台数を増やす合理的な理由がある更新は、理由書を付ければ申請できます。ただし、作業の目的が全く違う設備への更新は対象外です。
賃貸の店舗や工場でも申請できますか?
原則として申請できません。補助事業者の要件に、事業所の所有権を持つことが含まれるためです。例外として、建物に付随しない生産設備と冷凍冷蔵設備は、建物の所有者が書く設備設置承諾書があれば申請できます。承諾書の様式は任意で、補助金で入れた設備に財産処分の制限が付くことを承諾する旨を書きます。迷う場合は申請前に事務局へ確かめてください。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。個人事業主は、ふくい女性活躍推進企業への登録が不要です。そのほかの要件は法人と同じで、福井県内に事業所があること、製造業か商業・サービス業であること、県税と地方消費税に滞納がないことが条件です。財務諸表の代わりに、青色申告の所得税申告書決算書などを出します。自宅兼事業所の場合は、店舗や工場など事業に使う部分の設備だけが対象です。
補助率の1/2以内とは、どういう意味ですか?
対象経費の2分の1までを補助するという意味です。対象経費は設備本体の購入費だけで、工事費や撤去費は入りません。予算の都合で、申請どおりの額にならない場合もあります。たとえば本体が600万円なら、補助は300万円までです。上限は補助事業者あたり600万円なので、本体が1,200万円を超えても、補助額は600万円から増えません。
複数の店舗や工場を、まとめて申請できますか?
まとめて申請します。申請できるのは、1事業者につき同じ年度に1回だけです。複数の店舗がある場合は、すべてをまとめた事業計画書を作ります。店舗ごとに分けて何度も申請することはできません。上限の600万円も、事業者全体で1つです。更新したい設備が複数あるときは、優先順位を決めて1回の申請に収めてください。
原油価格高騰枠とは、どう使い分けますか?
照明・空調・給湯・冷凍冷蔵の更新は、通常枠だけの対象です。ボイラ、産業ヒートポンプ、変圧器、産業用モータ、コージェネレーション、工業炉は、高騰枠が対象です。生産設備は両方で対象になります。高騰枠は上限が1,000万円ですが、直近2か月のエネルギー費が前年の同じ2か月より5%以上増えている必要があります。両方では申請できないため、更新する設備で先に枠を決めてください。
交付決定の前に、業者へ見積もりを頼んでもよいですか?
参考見積ならかまいません。申請書に付ける見積書は、事業費を算出するための参考見積です。県のQ&Aでは、施工者への正式な見積書の徴収を着手としています。正式な見積書は、交付決定のあとに2社以上から取ります。参考見積では、対象の設備本体と、対象外の工事費や撤去費を分けて書いてもらってください。
補助金は、いつ受け取れますか?
設備の導入が終わり、完了の報告を出して額が確定したあとです。要領では、確定後に交付するのが原則です。必要と認められるときは、概算払も認められています。完了の報告は、事業が完了してから1か月以内か、2027年2月26日の、早い日までに出します。受け取るまでは設備の代金を立て替えるため、資金の段取りを申請の前に考えてください。
申請の受付はいつまでですか?
2026年5月29日から11月30日までです。ただし先着順で、予算がなくなり次第終了します。採択予定は100件程度です。受付の状況は、補助金事務局(電話 0776-53-5845、平日の午前9時から午後5時)で確かめられます。書類のうち、納税証明書と女性活躍の登録通知書は、手配に時間がかかります。導入計画が固まっているなら、早めに出すことを勧めます。
申請は電子申請と郵送のどちらがよいですか?
どちらでも受け付けています。電子申請では、書類を表計算ソフトやPDFでアップロードします。郵送では、作った書類を印刷してまとめ、福井中央郵便局留めで事務局に送ります。県は、申請様式を表計算ソフト版で作ることを勧めています。先着順の受付なので、郵送は届くまでの日数の分だけ後ろになります。急ぐ場合は電子申請が有利です。
補助金で入れた設備は、すぐに売却できますか?
売却できません。補助金で取得した設備は、法令で決まった耐用年数に準じた期間内に、売却・貸し付け・担保にするときは、先に県の承認を受けます。承認を受けても、残っている価額や得た収入の一部を、県に納めることがあります。将来の移転や事業の入れ替えを見込んでいる場合は、申請の前に事務局へ相談してください。
