令和8年度の受付は、予算上限に達したため2026年10月16日に終了しました(県の案内ページ)。当初の受付期間は12月25日まででしたが、予算がなくなった時点で期間内でも終わる仕組みでした。この記事は、次に募集があるときの備えとして読んでください。
県は、予算残額が申請額を下回るときは、補助額を残額まで減らすと案内しています。申請を考えるなら、先に県の担当課へ電話で残額を聞くのが確実です。
中小企業等脱炭素化促進事業費補助金の要点まとめ
正式名:岐阜県中小企業等脱炭素化促進事業費補助金(太陽光発電設備等導入事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 太陽光発電設備・蓄電池の導入(自家消費)
- 対象地域
- 岐阜県内
- 従業員数
- 中小企業者の基準あり(業種ごとに上限。本文参照)
いくら
- 補助上限額
- 太陽光は最大250万円。蓄電池は別枠で最大126万円
- 補助率
- 単価方式(kW・kWhあたりの定額)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度分は2026年10月16日に受付終了(予算上限。当初は4月13日〜12月25日)
- 事業の完了
- 2027年2月28日まで
うちの会社は対象になる?
次の6つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 蓄電池だけを入れる
- ✕ FIT・FIPの認定を取る
- ✕ 交付決定の前に契約した
- ✕ 国や他の自治体の補助と併用する
中小企業等とは、中小企業者(みなし大企業を除く)、個人事業主、会社でない法人や団体のことです。中小企業者は、業種ごとの資本金か従業員数の上限以下の会社です。どちらか一方を満たせば足ります。製造業・建設業・運輸業などは3億円以下か300人以下、卸売業は1億円以下か100人以下、サービス業は5,000万円以下か100人以下、小売業は5,000万円以下か50人以下です。みなし大企業とは、資本金5億円以上の法人に100%の株式を持たれている会社や、直近3年の課税所得の年平均が15億円を超える会社のことです。
FIT・FIPは、国が再生可能エネルギーの電気を一定の条件で買い取る制度です。この補助金では、FIT・FIPの認定を取らない設備だけが対象になります。余った電気を売ること自体は構いません。ただし、FIT・FIPによらない売電で、自家消費が50%を下回らないことが条件です。
自己託送とは、発電した電気を電力会社の送電網で別の事務所へ送って使うことです。これを行う場合も対象外です。
リース・PPAで入れる場合は、リース事業者かPPA事業者が申請者になり、電気を使う会社が共同申請者になります。PPAとは、発電事業者が自分の費用で太陽光設備を会社の建物に設置・所有し、その電気を会社に売る契約です。補助金額の5分の4以上を、リース料金やサービス料金の値引きとして会社に返すことが条件です。
対象になる設備・ならない設備の線引き
線引きの軸は、「建物の上にあるか」「新品か」「固定されているか」です。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 工場・店舗など建物の屋根や壁への設置 | 野立て(駐車場や敷地内の空き地も不可) |
| 太陽光とセットで入れる蓄電池 | 蓄電池だけの導入、既設の太陽光に蓄電池を足す |
| 新品の設備 | 中古設備 |
| 定置用(固定して使う) | 可搬式、アウトドア用を固定した使い方 |
| 太陽光設備の買替・増設 | パワコンだけなど、設備の一部だけの買替 |
| 同じ敷地内のカーポート屋根(登記済み、または所有を示す書類あり) | 無人倉庫、独立した車庫、社宅 |
線引きの理由は、県のQ&Aにある法定耐用年数の考え方です。設備を長く使うことが前提のため、17年使えないことが分かっている仮設事務所や、2〜3年後に廃止が決まっている事業所は対象外です。
併用住宅の扱いも分かれます。1階が店舗で2階が住居、という場合は、面積按分で店舗部分が50%以上と示せれば対象になることがあります。自宅を仕事場にしているフリーランスで、生活と事業の電気を分けられない場合は対象外です。共同住宅は、ほとんどが対象外です。
いくら補助される?
太陽光は1kWあたり5万円で、上限は50kW(最大250万円)です。計算に使う出力は、太陽光パネルとパワーコンディショナー(パワコン、発電した電気を使える形に変える機器)の定格出力のうち、低いほうです。小数点以下は切り捨てます。
- 30.5kWの太陽光を付ける:5万円 × 30kW = 150万円(残額が118万8千円のままなら、補助は118万8千円まで)
- 80.3kWの太陽光を付ける:5万円 × 50kW = 250万円(上限)
- 2つの工場に20.5kWと10.7kWを付けて、まとめて申請する:5万円 × 31kW = 155万円
蓄電池は、太陽光と同時に設置する場合だけ対象です。容量に単価を掛けます(小数点第2位以下は切り捨て、千円未満も切り捨て)。
- 11.55kWhの蓄電池(家庭用扱い):5.1万円 × 11.5kWh = 58万6千円
- 25kWhの蓄電池(産業用):6.3万円 × 20kWh = 126万円(上限)
産業用蓄電池とは、蓄電容量が20kWhを超えるもので、消防署への届出が必要なものです。20kWh以下は、事業所に付けても「家庭用」の扱いで、単価は5.1万円、上限は20kWh(最大102万円)です。蓄電池を複数台つないで合計20kWhを超えても、家庭用として扱われます。
30.5kWの太陽光に11.55kWhの蓄電池を足すと、150万円と58万6千円で、合計208万6千円になります。
計算した額が補助対象経費を上回るときは、経費の額が上限になります。事業所が複数あっても、上限は事業所ごとでなく法人ごとです。予算残額が申請額より少ない場合は、その残額が補助額になります。 補助を受けられるのは、同じ年度に1回までです。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 消費税・地方消費税
- 中古設備の導入費
- 機能追加(オプション)、保守などのランニングコスト
- 内訳が不明な経費
- 既存設備の撤去費(買替のとき)
- V2H(電気自動車と建物をつなぐ設備)やEMS(エネルギー管理システム)
V2HとEMSは補助の対象外ですが、総事業費には含めて書きます。
対象になる経費は3つです。
- 設備費(太陽光パネル、パワコン、蓄電池などの購入・据付)
- 工事費(設備を動かすために必要な工事)
- 測量及び試験費(調査、設計、申請にかかる費用)
蓄電池の価格には、間接工事費も含まれます。
申請の流れ
- 見積書を取る(事業者→施工業者。契約はまだしない)
- 申請書類を出す(事業者→県 省エネ・再エネ社会推進課。Logoフォーム。令和8年度分は受付終了)
- 交付決定を待つ(県→事業者。審査に3週間程度。通知はメール)
- 契約・発注して設置する(事業者→施工業者。交付決定日以降、2027年2月28日まで)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了の翌日から30日以内か、2027年3月1日の早いほう)
- 額の確定後に請求する(事業者→県。請求書を受理してから原則30日以内に入金)
交付決定とは、県が補助金を出すと決めて知らせる通知です。この通知より前に契約した工事は、原則として補助の対象外です。見積書を取るだけなら構いません。
受付は先着順で、書類が不備なく整っていることが条件です。申請は原則Logoフォームですが、書留などの郵送や、担当者に事前予約したうえでの持参もできます。予算の上限に達する日に届いた申請は、事務局の抽選で順番が決まります。審査には3週間程度かかり、不備があるとさらにかかるため、設置期限の2027年2月28日から逆算すると、時間の余裕はあまりありません。
補助金は、事業が終わってから支払われる精算払いです。前払いや概算払いはありません。設備代は先に自分で払います。
やむを得ず交付決定前に着工する場合は、県へ事前に連絡して、事前着手届(第2号様式)を出す仕組みがあります。これは受付開始後にしか出せません。届を出しただけでは、申請の受付にはなりません。
県は、令和9年度以降も事業が続くかどうかは分からないと、4月時点のQ&Aで案内しています。例年10月から1月に予算を編成し、3月の県議会で決まります。編集部の判断として、今年度の残額が少ないぶん、来年度の再開を待つか、国の制度を調べるかを、早めに選ぶことを勧めます。
必要な書類
準備できた 0 / 18
太陽光の解体・撤去費用の積立計画は、パネル容量1kWあたり1万円で廃棄費用を試算する様式です。
個人事業主は、法人の登記事項証明書の代わりに、住民票(マイナンバー記載なし、取得から3か月以内)と直近1年分の確定申告書の写しを出します。登記事項証明書は、取得から3か月以内のものです。
設置する土地や建物が第三者のものなら、設備設置承諾書(県の案内ページ)と賃貸借契約書の写しも要ります。賃貸借契約は、太陽光の耐用年数にあたる17年以上使える内容が必要です。
リース・PPAの場合は、リース契約書またはPPA契約書の案も出します。蓄電池も入れる場合は、見積書で太陽光と蓄電池の内訳を分けてください。産業用蓄電池を入れる場合は、完了後に消防署への届出の写しが要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:原則として補助が取り消されます。契約を急ぐ事情があるときは、事前着手届の仕組みを先に県へ相談してください。
- 予算がなくなった:12月25日より前でも受付は終わります。終わる場合は県の案内ページに載ります。
- 自家消費が50%を下回る:条件を満たしているか、モニターで発電量と自家消費量を記録し、データを17年間保存する必要があります。
- ほかの補助と併用した:国、県、市町村の補助との併用はできません。国費や県費を元にした財団の補助も同じです。
- 期限までに設置が終わらない:2027年2月28日が事業完了の期限です。完了後は、30日以内か3月1日までに実績報告を出します。
- 事業内容を無断で変えた:経費配分が20%を超えて変わる場合や、内容を変える場合は、県の承認を先に受けます。
よく誤解されるポイント
岐阜県の太陽光補助は、住宅向けと事業者向けで窓口が分かれています。この記事は事業者向けです。住宅の屋根に付けるものは、住宅向けの補助制度のページを見てください。
県の補助は、市の補助と併用できません。 大垣市、山県市、美濃加茂市でも事業者向けの補助が予定されています。県と市のどちらかを選びます。これらの市に事業所がある場合は、先に市の制度も確かめてください。なお、共同購入事業は他の補助事業として扱われないため、併用できるとQ&Aにあります。
国の補助とも併用できません。 環境省の「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」でも、事業者の導入支援が予定されています。ただし、太陽光だけの導入はそちらでは対象外です。蓄電池と同時に入れる計画なら、国の制度も候補になります。
「岐阜県中小企業等脱炭素化促進支援事業費補助金(省エネ設備導入事業)」とは別の制度です。 申請要領が別に出ています。省エネ機器の入れ替えを考えているなら、そちらの案内を見てください。
新築中の建物でも、事業開始前でも、対象になることがあります。 建築中なら工事請負契約書の写しを出し、登記後に登記簿の写しを出します。事業の開始前は、実績報告の時点で開業が確認できる場合だけです。
よくある質問
蓄電池だけを導入する場合は対象になりますか?
対象になりません。蓄電池は、太陽光発電設備と同時に設置する場合だけが補助の対象です。すでに太陽光を付けている事業所に、あとから蓄電池を足す場合も対象外です。太陽光のパネルとパワコンを新しく入れる計画に、蓄電池を組み合わせる形で申請します。見積書では、太陽光と蓄電池の内訳を分けてください。
いまの予算残額で、満額の250万円はもらえますか?
令和8年度は受付が終了しており、いまから申請することはできません。終了前の2026年10月5日時点の受付済み予算残額は118万8千円で、審査中の申請金額を含んでいました。残額が申請額より少ない場合、補助額は残額になります。残額は月に2回ほど更新されます。最新の状況は、県の省エネ・再エネ社会推進課(058-272-8835)に電話で確かめてください。
リース契約で太陽光を導入する場合も申請できますか?
申請できます。リース・オンサイトPPAでも対象です。この場合、リース事業者かPPA事業者が申請者(代表申請者)で、電気を使う会社が共同申請者です。補助金額の5分の4以上を、リース料金やサービス料金の低減などで会社に還元する契約にしておく必要があります。契約書の案も申請に添えます。
個人事業主でも申請できますか?
申請できます。中小企業等に個人事業主も含まれます。条件は、自分が事業を営む建物に設備を付けることです。申請には、住民票(マイナンバーなし)と直近1年分の確定申告書の写しを出します。自宅を仕事場にしている場合は、生活用と事業用の電気を按分できるかが問われ、分けられないと対象外です。
交付決定の前に契約してしまいました。補助は受けられますか?
原則として受けられません。交付決定の前に契約した工事は対象外で、契約書の日付が実績報告の時点で確認されます。契約が済んでいる場合は、補助の取り消しになるおそれがあります。やむを得ない事情で早く着手したい場合は、事前に県へ相談して、事前着手届を出す仕組みがあります。ただし届は、申請受付が始まってからでないと出せません。
補助金はいつ振り込まれますか?
設備の設置と実績報告を終えたあとです。県が報告を審査して額の確定通知を出し、そのあとに請求書を出します。請求書を受理してから、原則30日以内に口座へ入金されます。前払いはないので、設備代は先に自分で払います。資金繰りは、補助金が入るまでの期間を見込んで計画してください。
余った電気を売ることはできますか?
売れます。ただし、発電した電気の50%以上は、申請した敷地内で自家消費する必要があります。FIT・FIPの認定を取らない売電に限ります。売電先は県が紹介しないので、自分で探します。10kW以上の設備は、売電先が見つからないこともあるため、収支計画に注意してください。
設置した建物が借りているものでも対象になりますか?
所有者が、設備の法定耐用年数が過ぎるまで設置することを承諾していれば対象です。設備設置承諾書と賃貸借契約書の写しを出します。太陽光の耐用年数は17年、蓄電池は6年として扱われます。借りる期間が短く、耐用年数の前に返すことが分かっている場合は対象外です。
野立ての太陽光は対象になりますか?
対象になりません。駐車場や敷地内の空き地に置く場合も同じです。対象は、建物の屋根や壁に付ける設備です。カーポートは、事業所と同じ敷地内にあれば対象になります。一体型のソーラーカーポートは、太陽光の部分の経費を切り分けられる場合だけです。登記が不要なカーポートに付けるときは、固定資産税の納税通知書や設置工事の契約書など、所有者が分かる書類を別に出します。設置場所の相談は、申請の前に県へ入れておくと安心です。
既存の太陽光を買い替える場合は対象になりますか?
対象になります。ただし、既存設備を撤去する費用は補助の対象外です。パワコンだけを買い替えるなど、設備の一部だけの買替も対象になりません。増設も対象ですが、増設した設備で発電した電気の50%以上を自家消費する必要があります。同じ系統へ増設する場合は、既存分と合わせた発電量で見ます。
自家消費率の報告は必要ですか?
令和8年度の事業から、翌年度の自家消費率を県に報告する必要はありません。ただし、自家消費率50%が補助の条件のため、モニターなどで発電量と自家消費量を記録し、挙証資料を17年間保存する必要があります。実地検査で提出を求められることがあります。データは消さずに残してください。
来年度も同じ補助は続きますか?
県は、令和9年度以降の継続は未定としています。例年10月から1月ごろに予算を編成し、3月の県議会で決まります。今年度の枠が尽きたあとに申請できるかどうかも、公式ページには書かれていません。受付の終了は県の案内ページで告知されるため、申請を考えている場合はこまめに確認してください。
