群馬県の海外出願支援事業は、日本で出願した特許や商標を外国にも出す費用の半分を補助します。令和8年度の2次募集は8月31日で終わり、県産業支援機構のページにも「今年度の募集は終了しました」とあります。
次の募集に備えるなら、先に押さえたいのは1点です。交付決定の前に発注や支払いを始めた経費は、対象になりません。募集の時期は公式ページに書かれていないため、動く前に機構の経営支援課へ確かめてください。
群馬県 海外出願支援事業の要点まとめ
正式名:令和8年度 群馬県中小企業等海外出願支援事業(2次募集)
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 特許・実用新案・意匠・商標の外国出願費用
- 対象地域
- 群馬県内に主たる事業所がある事業者
- 従業員数
- 中小企業者(業種ごとの基準あり)
いくら
- 補助上限額
- 300万円(1申請者あたり)
- 補助率
- 対象経費の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月21日〜2026年8月31日(終了)
- 事業の完了
- 外国出願と支払いを2027年1月20日まで
- 公式サイト
- 群馬県産業支援機構「外国出願支援事業」
権利の種類ごとに、1案件あたりの上限があります。特許は150万円、実用新案・意匠・商標は60万円、抜け駆け対策商標(他人に先に商標登録されるのを防ぐための出願)は30万円です。1申請者の合計が300万円になります。
うちの会社は使える?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 出願と支払いを交付決定前に始めた
- ✕ みなし大企業に当たる
中小企業者は、業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっていて、どちらか一方を満たせば当たります。製造業・建設業・運輸業・ソフトウェア業などは3億円以下または300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下です。みなし大企業は、同じ大企業が発行済株式の2分の1以上を持つなど、大企業の影響が強い会社で、中小企業でも対象になりません。個人事業主も申し込めますが、国内外を問わず事業を行っていることが条件です。
募集案内には、知的財産を経営に生かす意欲があることと、事業完了後5年間、特許庁などの状況調査に協力することも、応募の条件として書かれています。
日本での出願が済んでいなくても使える例外が2つあります。日本を指定国に含めたハーグ出願(意匠の国際出願)と、日本にも国内移行するダイレクトPCT出願(1つの出願書類で複数の国に出願する国際的な手続)です。基礎になる国内出願と外国出願は、ともに申請した会社の名義でなければなりません。社長個人の名義なら、先に名義変更が要ります。
いくら戻ってくる?
かかった費用の半分です。ただし権利の種類ごとの上限で頭打ちになります。
- 特許の外国出願に200万円かかった:200万円 × 1/2 = 100万円
- 特許の外国出願に400万円かかった:400万円 × 1/2 = 200万円 → 上限の150万円
- 商標の外国出願に80万円かかった:80万円 × 1/2 = 40万円
- 商標の外国出願に150万円かかった:150万円 × 1/2 = 75万円 → 上限の60万円
- 特許に300万円、商標に100万円かかった:150万円 + 50万円 = 200万円(1申請者の上限300万円以内)
1申請者の上限300万円は、他県など別の窓口で採択されたこの補助金の分と合算します。ほかの地域で先に採択された分があれば、群馬県で受けられる額は減ります。見積もりの時点より為替が円安に動いて費用が増えても、交付決定額を超えた差額は支払われません。
何に使える?
対象にならないもの
- 先行技術調査にかかる費用
- この補助金の申請書づくりを頼んだ代理人の費用
- 国内の消費税、海外の付加価値税やサービス税
- 外国特許庁に出願料を払ったあとの追加費用(自発的な補正、出願と同日でない審査請求料・登録料・維持年金など)
- PCT国際出願の国際段階の手数料
- 日本の特許庁に払う印紙代
- 権利が決まったあとの設定登録料
- 日本語以外で出した基礎出願に付ける日本語訳の費用
対象になるもの
- 外国特許庁やWIPO(世界知的所有権機関)への出願手数料
- 出願と同じ日に手続して払う費用(審査請求料、優先権主張料、補正料、出願維持年金)
- 現地代理人と国内代理人の費用
- 外国特許庁に出すための翻訳費用
出願後に自分から補正したり、あとから審査請求をしたりする費用は対象外です。出願と同じ日に払う費用だけが入ると覚えておくと、見積もりを分けやすくなります。翻訳費用は弁理士に頼まない場合も対象ですが、「1単語の単価 × 単語数」の内訳を見積書に書く必要があります。
申請の流れ
令和8年度の2次募集の流れです。次回以降の日程は、公式ページで確かめてください。
- 事前に相談する(事業者→機構 経営支援課。着手前に)
- 申請書と添付書類を出す(事業者→機構。令和8年8月31日17時必着)
- 審査を受ける(書類による一次審査のあと、プレゼンによる二次審査)
- 交付決定を受ける(機構→事業者。令和8年10月中旬の予定でした)
- 外国出願をして代理人へ支払う(事業者。令和9年1月20日までにすべて完了)
- 実績報告書を出す(事業者→機構。支払完了から30日以内か令和9年1月29日の早い日)
- 補助金を受け取る(令和9年3月末までに振込。交付は事業完了後)
必要な書類
準備できた 0 / 10
協力承諾書は、選任代理人に頼まない場合は要りません。抜け駆け対策商標は、交付申請書が「様式1-2」になります。個人事業主は、登記簿謄本の代わりに住民票の写しと、決算書の代わりに確定申告書の控え(2期分)を出します。創業1年未満など決算書が2期分ない場合は、別の書類が要ります。賃上げやワークライフバランスの加点を希望するときは、別の様式や認定証の写しも添えます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:発注や支払いが交付決定日より前だと、その経費は対象外です。翻訳などを先に頼むと外れます。
- 書類に漏れや誤りがある:締切を過ぎると、書類の追加や修正は受け付けられません。事前の相談と早めの提出が勧められています。
- 実績報告の証拠がない:出願完了を示す書類(受理番号の分かるもの)や支出の根拠書類がないと、補助対象になりません。
- 採択後に内容を変えた:出願予定国、出願内容、代理人の変更は原則認められません。やむを得ないときは出願前に機構の承認が要ります。
- 出願を取り下げた:やむを得ない事情を除き、出願の放棄・取下げと権利の譲渡は認められていません。
- 為替の変動で費用が増えた:交付決定額が支払いの上限です。見積書は、支払い時の為替の変動を見込んで代理人に作ってもらいます。
- 調査に答えなかった:過去にこの補助金を使い、直近のフォローアップ調査に答えていない企業は採択されません。
加点の条件と他の補助との重複
審査では、次の企業に加点があります。賃上げ、ワークライフバランス、研修受講の加点は、希望する場合だけ書類を出します。賃上げの加点は、申請後の1事業年度か1年で、給与総額か1人あたりの平均額が2.5%以上増えたかで判断します。2.5%に届かないときは理由書が要り、表明した賃上げをしていないと交付決定の取消しや返還になることがあります。
- 地域未来牽引企業に選ばれている
- 群馬県などの「グローバルビジネス実践塾」「グローバルファーマー育成塾」の受講者
- 賃上げを実施する企業
- ワークライフバランス推進企業
- 平成26年度以降に中小企業等外国出願支援事業を使っていない
県のページには、一般社団法人発明推進協会の外国出願補助金の案内も残っています。リンク先を開くと令和6年度の事業で、令和7年度からINPITの外国出願補助金に移ったと書かれていました。募集の有無はINPITの公式ページで確かめてください。INPITの補助金と同じ内容での重複応募は、機構の募集案内で原則不可とされています。同じ内容とは、同じ基礎番号を同じ国に出願することで、国が違えば申請できます。群馬県で不採択が決まったあとなら応募できます。県や市町村など自治体の補助は、支援の割合が1/2以下なら併用できます。
よくある質問
募集はいつありますか?
令和8年度の2次募集は、7月21日から8月31日17時必着でした。県のページには「今年度の募集は終了しました」と書かれています。令和9年度以降に実施するかどうか、時期がいつかは、公式ページに書かれていません。経営支援課(027-265-5012)に問い合わせてください。
すでに外国へ出願した案件は対象になりますか?
対象外です。対象は、交付決定日以降に外国特許庁へ出願するものか、指定国へ国内移行するものです。交付決定前に発注や支払いをした経費は補助されません。募集案内にも、事前に相談してから動くよう書かれています。出願の準備を始める前に、まず機構へ連絡してください。
日本で出願していないと申請できませんか?
原則として、日本の特許庁への出願が済んでいる必要があります。例外は、日本を指定国に含めたハーグ出願と、日本にも国内移行するダイレクトPCT出願です。商標は、優先権(先の出願日を外国でも主張できる仕組み)を主張しなくても対象になります。ただし優先権を主張しない場合は、変更できる範囲が別紙に決まっています。
補助額の上限はいくらですか?
1案件の上限は、特許が150万円、実用新案・意匠・商標が60万円、抜け駆け対策商標が30万円です。補助率は対象経費の1/2以内で、千円未満は切り捨てになります。1申請者の合計は300万円です。他県などで採択された分も合算されます。審査の結果、申請額より減らして決まる場合もあります。
消費税や先行技術調査の費用も補助されますか?
どちらも対象外です。国内の消費税、海外の付加価値税やサービス税は補助対象経費に入りません。先行技術調査の費用と、この補助金の申請書づくりを頼んだ代理人の費用も外れます。見積書は、対象になる経費と外れる経費を分けて出してもらうと、資金計画が立てやすくなります。
翻訳費用は補助されますか?
補助されます。外国特許庁に出願するための翻訳費用が対象で、弁理士に頼まず自社で外注した場合も入ります。ただし「1単語の単価 × 単語数」のように内訳が分かる形で、見積書や請求書に書く必要があります。翻訳を交付決定より前に頼むと、その費用は対象外になります。
複数の国に出願しても補助されますか?
補助されます。複数の国への出願費用も対象で、出願の時期が国ごとに違っても構いません。条件は、交付決定日から令和9年1月20日までの間に出願し、代理人などへの支払いも同じ日までに終えることです。国ごとの金額が分かる見積書を、申請のときに出します。
共同出願の場合、補助額はどう決まりますか?
出願に関する中小企業の持ち分の比率に応じた経費だけが対象です。持分割合と費用の負担割合が違うときは、低い方の割合で補助されます。共同出願者の承諾が分かる書類と、持分割合・負担割合を書いた契約書などの写しも出します。名義は、基礎の国内出願と同じにそろえておきます。
補助金はいつ入金されますか?
交付は事業が完了したあとです。令和8年度の2次募集では、外国出願と支払いを令和9年1月20日までに終え、実績報告書を出し、令和9年3月末までに指定口座へ振り込まれる流れでした。実績報告書の提出期限は、支払完了から30日以内か令和9年1月29日の早い日です。先に費用を立て替える資金が要ります。
申請書の作成を行政書士以外に頼めますか?
募集案内には、行政書士法第19条により、行政書士か行政書士法人以外の人が報酬を受けて申請書類の作成を代理することはできないと書かれています。交付申請書、実績報告書、各種届出が対象です。外国出願そのものを弁理士に頼むのとは別の話なので、申請書づくりを誰に頼むかを分けて考えてください。
審査はどのように行われますか?
機構の審査委員会が、申請書類による一次審査を行います。通った案件は、プレゼンテーションによる二次審査に進みます。令和8年度は二次審査が10月9日でした。審査の経過や内容は知らされません。申請書のうち「出願の動機・目的」から「新規性・進歩性・創作性等」までの項目は、特に具体的に書くよう求められています。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人群馬県産業支援機構の経営支援課です。電話は027-265-5012で、受付は土日祝日を除く9時から12時と13時から17時です。メールは募集案内に載っています。着手の前に相談しておくと、対象外の経費を避けられます。募集が終わっているため、次の予定もここで確かめてください。
