「残業を減らしたいが、人を増やす余裕がない」。建設業や運送業の現場では、よく聞く悩みです。この助成金は、労務管理ソフトの導入や設備投資で労働時間を減らす取り組みに、最大250万円を助成します。
「働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)」は、厚生労働省の制度です。対象は建設業・運送業・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業の5業種に絞られています。業種ごとに成果目標や助成上限額の細目が用意されており、令和8年度分の交付申請期限は2026年11月30日(月)17時です。
働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース) |
| 対象業種 | 建設業・運送業・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業の5業種の中小企業事業主 |
| 利用目的 | 時間外労働の削減、年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバルの導入、所定休日の増加等の環境整備 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条に定める中小企業事業主であること(業種ごとに資本金・従業員数の上限が異なり、どちらか一方を満たせば該当します。建設業は資本金3億円以下または常時雇用労働者300人以下が目安) |
| 補助上限額 | 成果目標ごとに25万円〜250万円(賃金引上げ加算は1人あたり最大12万円・上限360万円、割増賃金率引上げ加算は最大75万円を上乗せ可) |
| 補助率 | 対象経費の3/4(常時使用する労働者数が30人以下で、労務管理用ソフト等の導入経費が30万円を超える場合は4/5) |
| 申請受付 | 交付申請期限は令和8年11月30日(月)17時。予算の上限に達し次第、早期に締め切られる場合あり |
| 公式サイト | 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)」 |

対象は5業種。まず自社が当てはまるか確認する
このコースは、業種別に課題が異なることを踏まえ、次の5業種向けにそれぞれ専用のリーフレットが用意されています。
- 建設業(工事現場の労働時間削減、週休2日制の推進等)
- 運送業(デジタル式運行記録計の導入等)
- 病院等(医師の働き方改革推進に向けた環境整備)
- 砂糖製造業
- 情報通信業、宿泊業
対象事業主は、各業種で労働者災害補償保険が適用される中小企業事業主です。年5日の年次有給休暇取得に向けて、年休管理簿や就業規則を整備していることも要件になります。
成果目標と助成上限額はこう決まる
「成果目標」を1つ以上選んで、その達成を目指す「改善事業」を実施する仕組みです。成果目標によって上限額が変わります。
| 成果目標 | 助成上限額の目安 |
|---|---|
| ①36協定の時間外・休日労働時間数の削減 | 200万円〜250万円 |
| ②所定外労働時間の削減 | 削減時間数に応じ50万円〜100万円 |
| ③年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入 | 25万円 |
| ④時間単位年休・特別休暇の新規導入 | 25万円 |
| ⑤9時間以上の勤務間インターバル導入 | 120万円〜150万円 |
| ⑥所定休日を1日以上増加 | 25万円〜100万円 |
対象となる改善事業は、労務管理担当者・労働者への研修、外部専門家によるコンサルティング、就業規則・労使協定等の整備、労務管理用ソフトウェアや労働能率の増進に資する設備・機器等の導入などです。
賃金の引上げでさらに上乗せできる
成果目標に加えて「賃金の引上げ」「割増賃金率の引上げ」を組み合わせると、助成上限額に加算額を上乗せできます。常時使用する労働者が30人を超える場合、賃金を7%以上引き上げた従業員1人あたり最大12万円(1企業あたり上限360万円)が加算されます。常時使用する労働者が30人以下の場合は、加算額が2倍または2.5倍になる仕組みです。
割増賃金率の引上げでは、月60時間以内の時間外労働の割増賃金率を5%以上引き上げると25万円、月45時間を超え60時間以内の割増賃金率を5割以上とし、かつ時間外労働を労働者1人あたり10時間以上削減すると75万円が加算されます。
よくある質問
5業種以外の会社は申請できませんか?
業種別課題対応コースは建設業・運送業・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業の5業種が対象です。それ以外の業種は、働き方改革推進支援助成金の別コース(労働時間短縮・年休促進支援コース等)が使える場合があります。厚生労働省の一覧ページでご確認ください。
申請期限の11月30日ぎりぎりでも間に合いますか?
公式ページには「国の予算額に制約されるため、11月30日以前に、予告なく受付を締め切る場合があります」と明記されています。締切ぎりぎりを狙うのはリスクがあるため、早めの申請をおすすめします。
補助率が4/5になるのはどんな場合ですか?
常時使用する労働者数が30人以下で、かつ労務管理用ソフトウェア・機器の導入や労働能率向上設備の導入にかかる経費が30万円を超える場合です。それ以外は3/4になります。
