助成金db

【全国】働き方改革推進支援助成金の内容と申請のコツ

#働き方改革推進支援助成金#労働時間#社労士
締切
あと72日20261130日まで
上限額
コースにより25万円〜5…
対象
全業種

働き方改革推進支援助成金は、労働時間を短くする取り組みの費用を支援する制度です。

賃上げが目的なら業務改善助成金です。こちらの対象は、時間外労働の削減、年休取得の促進、勤務間インターバルの導入です。

現行で5つのコースに分かれています。令和8年度には、物流の「2024年問題」に対応する取引環境改善コースが新設されました。対象経費の3/4(一定条件で4/5)が助成されます。上限額は、成果目標の達成度によって25万円〜250万円超まで幅があります。自社に合うコースはどれか、いくらもらえるのか、順番に見ていきましょう。

働き方改革推進支援助成金の要点まとめ

項目内容
制度名働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース/労働時間短縮・年休促進支援コース/勤務間インターバル導入コース/団体推進コース/取引環境改善コース〈令和8年度新設〉の5コース)
対象業種全業種(業種別課題対応コースは建設業・運送業等・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業に限定)
利用目的雇用・職場環境を改善したい
対象地域全国
従業員数中小企業事業主(資本金・従業員数の基準は業種により異なる。目安100人〜300人以下)
支給上限額コースにより25万円〜500万円程度(内訳は本文表を参照。加算により上乗せ可)
支給率3/4(従業員30人以下かつ一部条件で4/5)。団体推進コース・取引環境改善コースは対象経費実費相当
申請受付令和8年度:交付申請期限 令和8年11月30日(月)。予算切れで前倒し終了の可能性あり
公式サイト働き方改革推進支援助成金(厚生労働省)
横にスクロールできます

図版⓪:働き方改革推進支援助成金の概要インフォグラフィック。5コースの全体像・助成率3/4(4/5)・成果目標達成度で決まる上限額の考え方を一目で 図: 働き方改革推進支援助成金の全体像。詳しくは本文で解説します

働き方改革推進支援助成金にはどんなコースがある?【現行5コース】

対象事業主・目的別に5つの現行コースを整理しましょう。いずれも中小企業事業主が対象です(中小企業の範囲は業種により資本金・従業員数の基準が異なります)。

業種別課題対応コース(建設業・運送業等・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業)

対象は建設業、運送業等(自動車運転業務従事者を雇用する事業)、病院等(病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院)、砂糖製造業、情報通信業、宿泊業の中小企業事業主です。成果目標は、時間外労働の削減、勤務間インターバルの導入、4週の所定休日を1日以上増やす等から選べます。

労働時間短縮・年休促進支援コース(全業種)

業種を問わず使える「基本形」のコースです。時間外労働の削減や、年次有給休暇の計画的付与制度の導入に取り組む中小企業事業主が対象になります。

勤務間インターバル導入コース(全業種)

「勤務間インターバル」は、勤務終了から次の勤務までに一定の休息時間を空ける仕組みです。これを新たに導入するか、対象範囲・時間数を広げる中小企業事業主が対象です。すでに一部で導入済みでも、適用が労働者の半数以下なら対象になります。

団体推進コース(事業協同組合・商工会議所・商工会等の団体)

対象は、事業協同組合・商工会議所・商工会などの事業主団体、または10以上の事業主で組織される共同事業主です。構成員である中小企業のために、市場調査・新ビジネスモデル開発・セミナー開催などに取り組む場合に支給されます。1社単位では使えません。

取引環境改善コース(令和8年度新設・荷主/倉庫事業者/運送事業者の団体)

令和8年度に新設されたコースです。荷主または倉庫事業者1者以上と運送事業者1者以上を含む3者以上で構成される団体(荷主集団等)が、構成員である運送事業者の荷待ち・荷役時間や労働時間の短縮に取り組む場合に支給されます。物流の「2024年問題」に対応する枠組みです。

図版①:5コースの使い分けフローチャート(対象業種5業種に該当/全業種で時間外削減・年休促進/勤務間インターバル未導入/団体で取り組みたい/荷主・運送の取引環境を改善したい、のどれに近いか) 図: 対象事業主別の5コース使い分け。まずは自社がどのグループに近いかを確認しましょう

コース選びに迷う場合や、自社の取り組みがどのコースの成果目標に当てはまるかの実体判断が難しい場合は、専門家に相談すると確実です。

いくらもらえる?コース別の上限額

支給額は2つの金額を比べて、低い方に決まります。ひとつは選んだ成果目標の上限額+賃上げ加算・割増賃金率引上げ加算。もうひとつは対象経費の合計×3/4(一定条件で4/5)です。経費を使わなければ上限額は関係ありません。

コース対象事業主助成率代表的な上限額(成果目標ベース)
業種別課題対応コース建設業・運送業等・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業の中小企業事業主3/4(一定条件で4/5)25万円〜250万円(成果目標により異なる。賃上げ加算・割増賃金率引上げ加算で上乗せ可)
労働時間短縮・年休促進支援コース全業種の中小企業事業主3/4(同上)25万円〜150万円(同上、加算で上乗せ可)
勤務間インターバル導入コース全業種の中小企業事業主3/4(同上)50万円〜150万円(同上、加算で上乗せ可)
団体推進コース事業協同組合・商工会議所・商工会等、共同事業主団体ー(対象経費実費相当)上限500万円
取引環境改善コース(新設)荷主・倉庫事業者・運送事業者3者以上で構成する団体ー(対象経費実費相当)上限100万円
横にスクロールできます

加算は2種類あります。どちらも成果目標の上限額に上乗せされます。

賃金の引上げ加算は、引上げ人数と引上げ率(3%/5%/7%以上)で決まります。常時使用する労働者が30人を超える企業で1社あたり最大360万円。30人以下の企業は、5%・7%以上引上げの加算額が2倍または2.5倍になる特例があります。

割増賃金率の引上げ加算は、月60時間以内の時間外労働の所定割増賃金率を5%以上引き上げた場合に25万円です。5割以上へ引き上げ、かつ時間外労働を実際に減らした場合は75万円になります。

どちらの加算も、業種別課題対応コース・労働時間短縮・年休促進支援コース・勤務間インターバル導入コースで共通です。

業種横断・シミュレーション

同じ「働き方改革推進支援助成金」でも、業種と選ぶコースで支給額の考え方がまったく変わります。3つの業種を例に見てみましょう。

図版④:業種別・支給額シミュレーション(建設業=業種別課題対応コース/製造業=勤務間インターバル導入コース/学習塾等サービス業=労働時間短縮・年休促進支援コース) 図: 業種別に見る「どのコースで、どれくらい支給されるか」のイメージ

① 建設業(従業員22人・業種別課題対応コース) 積算業務に時間がかかり、月80時間を超える時間外労働が常態化している。土木工事積算システムを導入して、時間外・休日労働を月60時間超・月80時間以下まで削減したい。 → 成果目標①(36協定の時間外・休日労働時間数の削減)を選びます。実施前が月80時間超、実施後が月60時間超80時間以下なら上限150万円。あわせて3%以上の賃上げをすれば、加算も乗ります(例:7〜10人で20万円)。

② 製造業(従業員28人・勤務間インターバル導入コース) 夜勤明けの連続勤務が常態化し、若手の離職が続いている。勤務間インターバルを新規に導入し、休息時間11時間以上を所属労働者の半数超に適用したい。 → 新規導入(労働者の1/2超に適用)・休息時間11時間以上の場合、上限150万円が対象。労務管理用ソフトウェアの導入や外部専門家のコンサルティング費用が対象経費になります。

③ 学習塾等サービス業(従業員8人・労働時間短縮・年休促進支援コース) 年次有給休暇の取得率が低く、繁忙期に希望通り休めない従業員が多い。年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入したい。 → 成果目標②(年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入)を選べば上限25万円。就業規則の整備や外部専門家のコンサルティング費用の3/4が支給されます。従業員30人以下で対象経費⑥⑦が30万円を超える場合は4/5です。

まずは自社の取り組みがどのコースに近いかを確認してみましょう。

コースが多く、自社に合うものが分かりにくいと感じたら、他に使える補助金・助成金がないか探してみるのも有益です。

コースの選び方や、取り組み内容をどう成果目標に位置づけるかで迷ったら、専門家に無料で相談できます。

申請のスケジュール感は?「交付申請の締切」に隠れ期限があります

働き方改革推進支援助成金は、交付申請 → 事業実施 → 支給申請という3段階のスケジュールで進みます。令和8年度は次のとおりです。

  • 交付申請期限令和8年11月30日(月)
  • 事業実施期限:令和9年1月31日(日)まで(交付決定後、計画に沿って改善事業を実施)(採択の後に届く正式な通知。これより前の発注・契約は対象外)
  • 支給申請期限:事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日、または令和9年2月5日(金)のいずれか早い日

注意したいのは、「11月30日以前に、予告なく受付を締め切る場合がある」点です。申請が集中すると、予算が尽きて期限前に終わります。「まだ11月だから大丈夫」は通用しません。取り組む内容が固まったら、すぐ交付申請の準備に入ってください。

図版②:交付申請から支給までのタイムライン(交付申請→交付決定→改善事業の実施→支給申請→支給)。「予算切れによる早期締切の可能性」を隠れ期限として強調 図: 交付申請から支給までのスケジュール。「予算切れで早めに締め切られることがある」点が最初の注意点です

承認までの重要なタイミングと必要書類

「何が必要か」よりも「いつ何が必要か」を押さえるほうが、準備のスケジュールを組みやすくなります。

タイミングやること必要になるもの
取り組みを始めたいと決めたらすぐどのコース・成果目標が自社に合うか整理する現状の時間外労働の実態把握、就業規則・年休管理簿の整備状況の確認
令和8年11月30日まで(予算切れで早期終了の可能性あり)都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に交付申請書(様式第1号)を提出交付申請書、事業実施計画、対象経費の見積書等
交付決定後〜令和9年1月31日まで(採択の後に届く正式な通知。これより前の発注・契約は対象外)提出した計画に沿って改善事業(研修・コンサル・機器導入等)を実施発注書・契約書・領収書等の証憑
事業実施予定期間終了後30日以内、または令和9年2月5日のいずれか早い日まで支給申請書(様式第10号)を提出支給申請書、成果目標の達成を証明する書類(就業規則、賃金台帳等)
横にスクロールできます

図版③:タイミング別必要書類(交付申請→交付決定→改善事業の実施→支給申請)。交付申請の予算切れリスクを最初の関門として強調 図: いつ・何が必要になるか。交付申請の提出が最初の分かれ目です

改善事業の途中で計画を変えるなら「事業実施計画変更申請書(様式第4号)」を出します。中止・廃止のときは「事業中止・廃止承認申請書(様式第7号)」です。計画どおりに進まなくなったら、この様式で先に届け出ます。

「うちの会社でも対象?」対象事業者の考え方

対象となる中小企業事業主の範囲は、資本金または従業員数のいずれかが業種別の基準以下であることが条件です(例:卸売業は資本金1億円以下または常時使用労働者100人以下など、業種により基準が異なります)。加えて、いずれのコースも次の条件が共通のベースになります。

  • 労働者災害補償保険(労災保険)の適用を受ける事業主であること
  • 年5日の年次有給休暇の取得に向けて、年休管理簿や就業規則等を整備していること
  • 常時使用する労働者が10人以上の事業場では「年休時季指定に関する就業規則」を労働基準監督署に届け出ていること

例:従業員18人の運送業(正社員15人+パート3人・ドライバー中心) → 業種別課題対応コース(運送業等)の対象です。デジタル式運行記録計の導入と、時間外・休日労働時間数の削減を組み合わせれば、成果目標①の上限額に加えて、労務管理用機器の導入費用も対象経費に含められます。

自社がどのコースの、どの成果目標に該当するかの最終判断に迷う場合は、専門家に相談すると確実です。

よくある質問

交付申請の締切はいつですか?

令和8年度は令和8年11月30日(月)です。ただし、国の予算額に制約されるため、締切日より前に予告なく受付が終了する場合があります。取り組み内容が固まったら早めに準備を始めることをおすすめします。

建設業・運送業以外でも使えるコースはありますか?

はい。業種別課題対応コースの対象は建設業・運送業等・病院等・砂糖製造業・情報通信業/宿泊業に限られますが、労働時間短縮・年休促進支援コースと勤務間インターバル導入コースは業種を問わず全業種の中小企業事業主が対象です。

複数のコースを同時に申請できますか?

コースごとに個別に交付申請を行う仕組みです。自社の取り組みが複数のコースの要件に当てはまる場合の組み合わせ方は、要件が細かく個別事情によって変わるため、専門家に相談して整理することをおすすめします。

【攻略ガイド】受給の要件と申請の進め方

無料記事では、働き方改革推進支援助成金の「5つのコース」「いくらもらえるか」「交付申請の締切」までをお伝えしました。ここから先は、この助成金ならではの落とし穴=「順番」を間違えると受給できなくなる仕組みについてお話しします。この助成金は審査で選抜される補助金とは違い、要件を満たせば支給される制度ですが、成果目標の達成と、決められた順番どおりに動くことの2つがそろって初めて支給されるという特徴があります。どこでつまずきやすく、どう避ければいいかを見ていきましょう。

1. 働き方改革推進支援助成金の"受給の勘所"

この助成金は、他社と比較されて採択・不採択が決まる制度ではありません。要件を満たす事業実施計画を立て、実際に成果目標を達成すれば、原則として支給される「要件充足型」の助成金です。だからこそ、審査の巧拙よりも次の2点で明暗が分かれます。

勘所内容
①成果目標の達成が支給の絶対条件交付申請時に選んだ成果目標(時間外労働の削減、年次有給休暇の計画的付与制度の導入、勤務間インターバルの導入 等)を、事業実施期間の終了時点で実際に達成していないと支給されません。「取り組んだこと」ではなく「達成できたこと」が支給要件です
②交付決定"前"の発注・契約は対象外になります労務管理ソフトの購入、外部専門家へのコンサル委託、設備の発注・契約は、都道府県労働局から交付決定通知を受け取った後に行う必要があります。「早く取り組みたいから」と交付申請中や申請前に発注してしまうと、その経費は支給対象から外れます
横にスクロールできます

さらに、交付申請には予算による事実上の期限があります。無料記事でお伝えしたとおり、令和8年度の交付申請期限は令和8年11月30日ですが、予算に達した時点で、期限より前に予告なく受付が締め切られる仕組みです。この助成金は「審査に通るための書き方」よりも、「成果目標の設計を誤らないこと」「順番を守ること」「予算切れの前に動くこと」の3つで受給の可否が決まると考えてください。

2. 受給までの設計図——コースの選び方と成果目標の立て方

自社に合うコースを選ぶ順番は、次のように考えると整理しやすくなります。

ここから先は

残り 4,363 / 図版3

無料会員登録で、攻略ガイドを最後まで読めます

数多くの補助金を見てきた専門家が作成した攻略ガイドが無料で見放題。

今すぐ会員登録ログイン

成果目標の選び方には"通しやすい型"があります

同じ取り組みでも、どの成果目標を選び、どう改善事業に落とし込むかで、支給までのスムーズさは変わります。どの組み合わせが自社に合うかは、一般には出回っていません。

免責事項: 支給額・要件・申請スケジュールなどの制度内容は、年度ごとの交付要綱・支給要領の改定により変更される場合があります。申請前に必ず厚生労働省の公式サイトまたは都道府県労働局でも最新情報をご確認ください。

出典(一次情報)

この記事を読んだ人は、こちらも見ています

あわせて読みたい【南魚沼市】最大30万円!職場環境整備補助金の内容と申請のコツ南魚沼市の事業者が対象です。子育て環境改善・女性の就業環境整備が対象で、補助率はいずれも経費の2分の1、上限は職場環境整備事業30万円。通年で受け付けています。使えるかどうかの線引きと、申請の流れを解説します。6分で読めます あわせて読みたい【東京都】最大44万円!都型放課後等デイサービス事業補助金の申請のコツ東京都の障害福祉サービス業が対象です。コア職員・児童発達支援管理責任者の人件費支援が対象で、上限は443,200円。対象になる条件と、申請書類の準備手順をまとめました。5分で読めます あわせて読みたい【あわら市】最大3億円!企業立地促進条例助成金の内容と申請のコツあわら市の事業者が対象です。工場等の新設・増設が対象で、補助率は企業立地助成金は対象経費の10%以内、上限は企業立地助成金は3億円。申請できる人の範囲と、必要な書類を確認できます。5分で読めます
この記事を書いた人
白木さん|元・自治体職員
制度をつくる側にいた元・自治体職員(産業振興)

市の産業振興課で補助金の設計・審査に関わってきました。「なぜこの要件があるのか」を制度の目的から説明できるのが強みです。窓口では伝えきれなかった制度の意図まで踏み込んで書きます。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。