「勤務間インターバル」は、平成31年4月から努力義務化された制度です。義務ではなく努力義務にとどまるからこそ、国は補助金でその普及を後押ししています。勤務終了から次の勤務までに一定時間の休息を確保する仕組みで、働く人の生活時間や睡眠時間を守ることが目的です。
この助成金は、勤務間インターバルを新しく導入する、あるいは既存の対象範囲を広げる中小企業事業主を対象にしています。休息時間の長さと取組の内容によって、助成上限額が段階的に決まる仕組みです。
働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース) |
| 対象業種 | 業種不問 |
| 利用目的 | 雇用・労務改善 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業事業主(業種ごとに資本金・出資額と従業員数の基準あり。小売業・飲食店は資本金5,000万円以下または従業員50人以下、サービス業は資本金5,000万円以下または従業員100人以下、卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、その他の業種は資本金3億円以下または従業員300人以下。いずれかを満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 令和8年度は休息時間11時間以上の新規導入で150万円(令和7年度の120万円から引き上げ)。休息時間数・取組内容により段階的に設定 |
| 補助率 | 3/4以内(常時使用する労働者数30人以下等の要件を満たす場合は4/5) |
| 申請受付 | 2026年4月13日〜2026年11月30日17時 |
| 公式サイト | 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」 |

対象になる3つのケース
支給対象となる取組は、事業場の現状によって3つに分かれます。
- 新規導入:勤務間インターバルを導入していない事業場に、新しく所属労働者の半数を超える労働者を対象として導入する
- 適用範囲の拡大:すでに9時間以上のインターバルを導入しているが、対象労働者が半数以下の事業場で、対象範囲を半数超に広げる
- 時間延長:9時間未満のインターバルを導入している事業場で、休息時間を2時間以上延長して9時間以上にする
令和8年度は、11時間以上の休息時間を新規導入した場合の上限額が150万円に引き上げられました。 令和7年度までの120万円から増額されているため、過去に「上限額が低いから」と見送った事業者も、あらためて検討する価値があります。
対象経費 パソコン・スマホは原則対象外
支給対象となる取組は次のとおりです。
- 労務管理担当者・労働者への研修
- 外部専門家によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取組
- 労務管理用ソフトウェア・機器、デジタル式運行記録計の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新
原則として、乗用自動車やパソコン、タブレット、スマートフォンの導入・更新は対象になりません。 「勤怠管理アプリを入れるからタブレットも買おう」という発想では対象外になる可能性が高いため、既存の端末を活用する前提で計画を立てる必要があります。
対象事業主の要件 時間外労働の実態が条件
対象事業主になるには、労災保険の適用を受ける中小企業事業主であることに加えて、原則として過去2年間で月45時間を超える時間外労働の実態があることが条件です。すでに時間外労働が少ない事業場は、この助成金の対象要件を満たさない可能性があります。
賃金引き上げを組み合わせると加算がある
成果目標の達成に加えて、指定する労働者の時給を3%以上または5%以上引き上げることを成果目標に加えると、引き上げ人数に応じた加算額が上乗せされます。賃上げと勤務間インターバル導入を同時に進める事業者にとっては、あわせて申請する価値があります。
申請方法
「交付申請書」を、最寄りの都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に提出します。電子申請システム(Jグランツ)による申請も可能です。令和8年度の申請受付は2026年4月13日から始まっており、交付申請期限は2026年11月30日17時です。
よくある質問
すでに勤務間インターバルを導入している場合は対象外ですか?
対象範囲の拡大や休息時間の延長であれば対象になります。ただし新規導入より上限額は低く設定されています。
パソコンの購入費は対象になりますか?
原則として対象外です。パソコン・タブレット・スマートフォンの導入・更新は、労務管理用ソフトウェアやデジタル式運行記録計などとは別に扱われます。
時間外労働が少ない会社でも申請できますか?
対象事業主の要件に「原則として過去2年間で月45時間を超える時間外労働の実態があること」が含まれるため、時間外労働の実態がほとんどない事業場は対象要件を満たさない可能性があります。
