トラック運転手の長時間労働は、運送会社1社の努力だけでは解決しません。荷主の発注方法や倉庫の荷待ち時間が原因になっていることが多いためです。この取引環境改善コースが運送事業者だけでなく荷主・倉庫事業者も含めた「集団」で申請する仕組みになっているのは、そのためです。物流の川上から川下までが一緒に取り組まなければ、働き方は変わらないという考え方が制度設計に表れています。
助成上限額は100万円で、対象は3以上の事業主で構成され、荷主・倉庫事業者と運送事業者の両方を含む集団です。
働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(荷主・倉庫事業者・運送事業者からなる集団) |
| 制度名 | 働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース) |
| 対象業種 | 運輸業、郵便業(荷主・倉庫事業者・運送事業者) |
| 利用目的 | 雇用・労務改善 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 3以上の事業主で構成され、代表事業主が労災保険適用事業主であり、中小企業事業主が運送事業者の2分の1を超える集団 |
| 補助上限額 | 100万円 |
| 補助率 | 対象経費の合計額または助成上限額100万円のいずれか低い額 |
| 申請受付 | 2026年4月13日〜2026年11月30日17時(国の予算額により期限前に締め切る場合あり) |
| 公式サイト | 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(取引環境改善コース)」 |

誰が申請できるのか 荷主と運送業者がセットで動く
対象となる「荷主集団等」の要件は次のとおりです。
- 3以上の事業主から組織されていること
- 少なくとも1以上の荷主・倉庫事業者と、1以上の運送事業者で構成されること
- 代表事業主が法人格を有すること
- 同一企業グループに属していないこと
- 組織として現に活動していること
- 代表事業主が労働者災害補償保険の適用事業主であること
- 中小企業事業主が運送事業者の2分の1を超えていること
運送事業者1社だけでは申請できません。 荷主や倉庫事業者を巻き込んだ集団を組成する必要があるため、準備には他の事業主との調整期間が必要です。すでに取引関係にある荷主・倉庫事業者・運送事業者で、共通の課題(荷待ち時間の長さなど)を抱えているなら、この集団を組む相談から始める価値があります。
対象になる取組 物流の商慣行を見直す
このコースが想定するのは、荷待ち時間の削減や、契約条件の見直しなど、運送事業者だけでは変えられない商慣行の改善に向けた取組です。個々の運送会社の労務管理ソフト導入とは性格が異なり、荷主側の発注方法や倉庫の受け入れ体制そのものを見直す取組が対象になります。
予算額により期限前に締め切ることがある
募集期間は2026年11月30日までとされていますが、国の予算額の制約で期限前に受付を締め切る場合があると明記されています。 荷主集団の組成には時間がかかるため、検討を始めるなら早い段階での相談をおすすめします。
申請方法
電子申請(Jグランツ)、または都道府県労働局雇用環境・均等部(室)への書類提出で申請します。
よくある質問
運送会社1社だけで申請できますか?
いいえ。3以上の事業主から構成され、荷主・倉庫事業者と運送事業者の両方を含む集団である必要があります。
大企業が代表事業主でも申請できますか?
代表事業主は労働者災害補償保険の適用事業主であることが条件です。また、集団を構成する運送事業者の半数超が中小企業事業主である必要があります。
締切の11月30日まで余裕があれば大丈夫ですか?
国の予算額の制約により、期限前に受付が締め切られる場合があります。検討を始めたら早めに準備を進めることをおすすめします。
