工場を建て替えるだけで、固定資産税の補助は受けられるのか。受けられる場合があります。新築・建替・増築・取得のどれも対象で、分かれ目は工場の場所と延床面積です。
ただし着工や操業開始より前に「補助対象事業としての指定」を受けていないと、あとからは受けられません。補助されるのは工場の土地・家屋にかかる固定資産税と都市計画税に見合う額で、工事費や設備費は対象になりません。
東大阪市 立地促進補助金の要点まとめ
正式名:立地促進補助金(リーフレットの名称は住工共生モノづくり立地促進補助金)
だれが
- 申請者
- 事業者(製造業者・工場所有者・土地所有者)
- 対象業種
- 製造業
- 利用目的
- 工場の新築・建替・増築・取得
- 対象地域
- 大阪府東大阪市(モノづくり推進地域・工業専用地域)
- 従業員数
- 規定なし(工場の延床面積で判定)
いくら
- 補助上限額
- 上限なし(税額が基準。毎年度、予算の範囲内)
- 補助率
- 税額の1/2。自社で土地も工場も持つ製造業者は全額(最長3年)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 締切の記載なし(着工・操業開始前に指定申請)
- 公式サイト
- 東大阪市「立地促進補助金」
自社の工場は対象になるか
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象の2地域は、モノづくり推進地域と工業専用地域です。モノづくり推進地域は、市が工業地域の全てと準工業地域の約91%を指定したものです。自社の土地が入っているかは、市の指定図か窓口で確かめます。
延床面積の基準は、モノづくり推進地域が500㎡以上、工業専用地域が1,000㎡以上です。増築の場合は、増築した部分がこの面積以上であることが必要です。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 着工・操業開始のあとで申請する
- ✕ 対象の2地域の外に工場がある
- ✕ 延床面積が基準に届かない
- ✕ リースバックなど実質新規でない
リースバックは、工場を売って借り直す形です。市のリーフレットは、実質的に新たな製造業の立地に結びつかない場合を対象外としています。既存の製造業者と一定以上の資本関係がある者が、その製造業者に代わって営む場合も対象外です。新しい立地を増やす制度なので、名義だけ替える形は外されます。
いくら補助されるのか
補助されるのは、工場の土地・家屋にかかる固定資産税と都市計画税の相当額です。期間は最長3年間で、金額の上限はありません。ただし補助は年度ごとに、市の予算の範囲内で交付されます。
割合は、立地の形と申請者で変わります。リーフレットの補助金額の表は、次のように読めます。
| 立地の形 | 申請者 | 補助される額(最大) |
|---|---|---|
| 土地を取得して工場を新設 | 土地も工場も持つ製造業者 | 土地・家屋の税額 × 3年間 |
| 土地を借りて工場を増築など | 土地の所有者 | 土地の税額 × 1/2 × 3年間 |
| 同上 | 工場の所有者 | 家屋の税額 × 1/2 × 3年間 |
| 同上 | 製造業者 | 土地・家屋の税額 × 1/2 × 3年間 |
| 既存の貸工場に入る | 製造業者 | 土地・家屋の税額 × 1/2 × 3年間 |
土地と工場を自社で持ち、自社で製造業を営むなら、1/2が重なって全額になります。 土地や工場の持ち主が別にいるときは、それぞれが1/2を受けます。
税額は仮の数字です。
- 土地・家屋の税額が年200万円、すべて自社所有:200万円 × 3年 = 600万円
- 工場は自社所有で製造も自社、土地は別の所有者で、家屋の税額が年100万円:家屋は所有者分の1/2と製造業者分の1/2が合わさって全額の100万円、土地は製造業者分の1/2だけ
- 貸工場に入る製造業者:年の税額ベースの1/2が60万円でも、その年の賃借料(共益費を含む)が50万円なら、低いほうの50万円
貸工場の入居者は、毎年度、税額ベースの額と、その年度の賃借料の合計のどちらか低いほうが上限になります。
補助の対象になるのは、税額の全部ではありません。作業場面積を2倍にして延床面積で割った割合(1を超えれば1)を、工場の税額にかけます。作業場には、原材料の保管場所や荷さばき場も含まれます。工場の立地に合わせて本社も市内に新しく置く場合は、本社部分も面積に入ります。
申請の流れ
- 着工の前に相談する(事業者→モノづくり支援室。立地エリアと面積を確かめる)
- 指定申請書と事業計画書などを出す(事業者→モノづくり支援室。原則メール。建てる・増築する場合は着工前、取得・賃借して使う場合は操業前)
- 補助対象事業の指定を受ける(市→事業者。指定の前に着工しない)
- 工場を完成させ、操業を始める(事業者。指定から、新築・増築などは2年以内、取得・賃借などは3か月以内)
- 完了報告書を出す(事業者→市。完了後1か月以内)
- 毎年12月31日までに、交付申請書を出す(事業者→市。交付決定のあとに請求書を出す。年度ごとに繰り返す)
「毎年12月31日」は、市の取扱規程が定める交付申請書の提出日です。指定を受けた翌年度以降も、補助を受ける間は毎年出します。
必要な書類
指定申請のときの書類です。事業の種類(1号〜5号)によって、必要な書類が変わります。
準備できた 0 / 9
法人の登記簿謄本は法人のみ、建物・土地の書類や売買契約書は取得の形態によって要ります。対象の工場で製造業を営む法人が既にある場合は、その法人の登記簿謄本と、生活環境保全等に関する条例の許可書も要ります。書類は全てデータのメールで出せます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着工・操業開始のあとに申請した:事後の指定はできません。契約や着工の予定が決まる前に、窓口へ相談してください。
- 実質新規の立地に当たらない:リースバックや、資本関係のある既存の製造業者に代わって営む形は対象外です。
- 面積の基準に届かない:増築は増築部分だけで基準の面積が必要です。本館が大きくても、増築が小さければ届きません。
- 年度ごとの手続きが抜けた:補助は最長3年間、受ける年度ごとに手続きが要ります。初年度だけ出して終わりにしないでください。
- 完了の期限を過ぎた:指定から、新築・増築などは2年、取得・賃借などは3か月が目安です。正当な理由があれば市が認めることもあるので、遅れそうなときは早めに連絡してください。
- 市税を滞納した:補助を受ける年度の3月10日の時点で市税を滞納していると、交付の決定が取り消されることがあります。
よく誤解されるポイント
「新設」でなくても使えるのか
使えます。対象は新築・建替・増築・取得で、市内の製造業者が再投資する場合も含まれます。「新たに」製造業を営むとは、新しい立地を増やすことを指します。工場を持っていない会社だけが対象になるわけではありません。
工事費や機械設備は補助されるのか
されません。この制度は税の負担を補助するもので、工事費や設備の購入費は対象ではありません。同じ市の別の制度に、設備を移す費用の補助があります。
似た制度との違い
リーフレットには、同じ窓口の次の補助が案内されています。
| 制度 | 誰向けか | 補助の中身 |
|---|---|---|
| 立地促進補助金 | 工場を立地する製造業者・所有者 | 土地・家屋の固定資産税と都市計画税の相当額の一定割合 |
| 工場移転支援補助金 | 対象外の地域から2地域へ移る製造業 | 機械設備の分解・梱包・輸送費の1/2(上限500万円) |
| 事業用地継承支援対策補助金 | モノづくり推進地域の元の土地所有者 | 土地の売買契約額の3%(上限500万円) |
工場移転支援補助金は、工業専用地域・モノづくり推進地域以外にある製造業が、2地域に機械設備を移して操業を続ける場合の制度です。事業用地継承支援対策補助金は、製造業が土地を買って工場を立地するとき、売った側に出ます。土地の面積が250㎡以上で、その土地で製造業が営まれていたことなどが要件です。
リーフレットは、大阪府の企業立地促進補助金と産業集積促進税制も、あわせて使える優遇として案内しています。
よくある質問
すでに着工した工場でも申請できますか?
申請できません。補助を受けるには、着工・操業開始の前に「補助対象事業としての指定」を受ける必要があります。市のリーフレットは、事後の指定はできないので事前に相談するよう求めています。工場の設計が固まる前の段階でモノづくり支援室に連絡し、指定を受けてから契約や着工に進めてください。
建替や増築でも対象になりますか?
対象になります。対象事業は、延床面積が基準以上の工場の立地で、新築・建替・増築・取得のいずれも含まれます。増築の場合は、増築した部分が基準の面積以上であることが必要です。既存の建物が大きくても、増築部分が小さければ基準に届かないので、図面の面積を先に確かめてください。
面積の基準はいくつですか?
モノづくり推進地域では延床面積500㎡以上、工業専用地域では1,000㎡以上です。この面積は、工場として活用する延床面積です。増築は増築部分で判断します。自社の土地がどちらの地域かで基準が倍違うので、市の指定図やモノづくり支援室で、土地の地域を先に確認しておくと計画を立てやすくなります。
自社の土地が対象の地域かどうかはどう調べますか?
市の「モノづくり推進地域について」のページに指定図があり、用途地域を検索することもできます。市は工業地域の全てと準工業地域の約91%をモノづくり推進地域に指定しています。ただし準工業地域には外れる土地もあるため、住所だけで決めつけず、指定図を見たうえでモノづくり支援室(06-4309-3177)に確かめてください。
補助率は何%ですか?
立地の形と申請者で変わります。製造業者が土地も工場も所有するときは、税額の全額です。土地の所有者、工場の所有者、製造業者のそれぞれが1/2を受ける形が基本で、1人が全部を兼ねると合計で全額になります。貸工場に入る製造業者は、税額の1/2です。上限額はありませんが、補助は年度ごとに予算の範囲内で交付されます。
貸工場に入る場合も対象ですか?
対象になる場合があります。リーフレットの対象者には、既存の貸工場を賃借する製造業者が入っています。補助額は、税額の1/2と、その年度の賃借料の合計(共益費を含む)のうち、低いほうです。賃料が安い工場では、税額ベースより少なくなる場合があります。契約の前に、計算を窓口で確かめてください。
補助は何年間もらえますか?
最長3年間です。補助を受ける年度ごとに、毎年12月31日までに交付申請書を出し、交付決定のあとに請求書を出します。指定を受けたら自動で毎年振り込まれるわけではありません。要綱の附則には、東部大阪都市計画の工業保全地区だけ、期間が5年まで、面積の基準もないという定めがあります。自社の土地が当たるかは窓口で確かめてください。
本社を一緒に建てると面積はどう数えますか?
工場の立地に合わせて、本社を東大阪市に新しく置く場合は、作業場と本社(事務所・福利厚生施設など)を合わせた面積の2倍までが補助の対象です。本社を置かない場合は、作業場面積の2倍までです。1年以内に市内に本社があった会社が移すだけの場合、本社部分は含まれません。リーフレットの参考図では、モノづくり推進地域の中の本社・工場が全て対象になる例が示されています。
製造業以外の倉庫や卸売の施設は対象ですか?
公式ページの対象者は、工場の新築等により新たに製造業を営む製造業者・工場所有者・土地所有者です。倉庫業や卸売業だけの施設が対象と書かれた箇所はありません。事務所や倉庫を併設する場合は、面積の数え方が変わるので、図面を持ってモノづくり支援室に相談するのが確実です。
申請の締切はいつですか?
公式ページに、締切の記載はありません。指定は着工・操業開始の前に受けるもので、日付で区切られた募集ではなく、計画ごとに相談する制度と読めます。ただし工場の工程には順番があるので、土地の契約や設計が進む前に連絡するほど選べる手順が増えます。受付の状況は、モノづくり支援室に確認してください。
申請書はどこへ出しますか?
原則として、メールでモノづくり支援室に出します。メールアドレスは、公式ページの「申請先」に載っています。必要書類は全てデータで出せます。書類が多く、事業の種類によって内容が変わるので、先に電話(06-4309-3177)で相談してから、必要書類の一覧をもとにそろえていくと、出し直しが減ります。
ほかに併用できる制度はありますか?
リーフレットは、市の工場移転支援補助金と事業用地継承支援対策補助金、大阪府の企業立地促進補助金、産業集積促進税制を、立地促進補助金とあわせて使える優遇として案内しています。それぞれ対象者や要件が別なので、自社の計画に当てはまるかは、市のモノづくり支援室と大阪府の立地推進グループに確かめてください。
