この事業の目的は、医師の離職を防ぎ、新しく勤務する医師を増やすことです。そのために県は、土日祝の宿直と日直を非常勤の代替医師に任せた費用の2分の1を補助します。対象になるのは、常勤医の日当直の回数が前の年度より減った分だけです。
対象の医療機関は、県が指定する「支援区域」にあります。支援区域とは、医師が足りず、人口の減り方より医療機関の減り方が早い地域のことです。令和8年度の2次募集は終了しました。令和9年度分は、令和9年4月ごろに意向調査を再び行う予定と県が案内しています。
広島県 代替医師確保支援事業の要点まとめ
正式名:重点医師偏在対策支援区域における医師の勤務・生活環境改善のための代替医師確保支援事業
だれが
- 申請者
- 事業者(医療機関の開設者)
- 対象業種
- 医療業(支援区域内の医療機関)
- 利用目的
- 土日祝の宿日直を行う代替医師の雇上げ
- 対象地域
- 広島県(支援区域は令和9年度に見直し)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 上限額の記載なし(令和9年度案。基準額は延日数で決まる)
- 補助率
- 基準額の1/2(令和9年度案)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年度の2次募集は2026年8月21日まで(終了)
- 事業の完了
- 令和9年度分は原則、令和9年度中
自分の医療機関は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 同じ開設者の医療機関から派遣
- ✕ 常勤医の日当直が減らない
宿直は夜間の当番、日直は休日の昼間の当番です。支援区域は県が決めます。令和9年度は、医師少数スポットと竹原市全域が全診療科の対象です。医師少数スポットは、過疎地域や離島の指定を受けた地域です。産科・産婦人科と小児科は圏域単位で、その診療科を掲げる医療機関に限ります。県の表で、自分の所在地を確かめてください。
「赤字運営」の判定基準は、県の資料に書かれていません。迷う場合は県の医療支援グループに聞いてください。
いくら補助される?
補助額は、基準額の2分の1です。基準額は、1日6万円 × 延日数で決まります。日直と宿直は、それぞれ1回と数えます。補助の上限額は、県の資料に書かれていません。
- 土曜に日直と宿直の両方を任せる:6万円 × 2回 = 12万円 → 12万円 × 1/2 = 6万円
- 日直は13時から18時だけ、宿直はフルタイム:6万円 × 5/10 + 6万円 = 9万円 → 9万円 × 1/2 = 4.5万円
- 前の年度より常勤医の日当直が30回減る:6万円 × 30回 = 180万円 → 180万円 × 1/2 = 90万円
2つ目は、県の資料にある按分の例です。日直が8時から18時の10時間、宿直が18時から翌8時の医療機関を想定しています。フルタイムの基準は、各医療機関が決めます。3つ目は、同じ計算を30回に当てはめた試算です。
実際の支払額が基準額と所要額のどちらで決まるかは、県の資料に書かれていません。所要額明細書の書き方とあわせて、県に確かめてください。
何が対象で、何が対象外?
対象にならないもの
- 同じ開設者の医療機関どうしの派遣
- 平日の代替医師
- 前の年度から減っていない常勤医の日当直
対象になるもの
- 土曜、日曜、祝日の代替医師の雇上げ経費
- 基本給、諸手当、非常勤職員手当、諸謝金、旅費、社会保険料
- 特定機能病院や県外の医療機関から来る代替医師
特定機能病院は、高度な医療を担う国承認の大病院です。1つの医療機関で、基準額に数えるのは1当直帯あたり1人分までです。雇上げ経費は、その時間帯に勤務した代替医師の全員分が対象になります。
代替医師が別の医療機関から派遣される場合は注意が必要です。派遣元の医療機関自身が本事業の対象なら、対象外になります。ただし、不足する特定の診療科に限った派遣なら、対象になる余地があります。
どう申請する?
令和9年度分の流れです。令和9年度当初の意向調査から始まります。
- 事業計画書などを作る(医療機関→県の案内ページの様式。意向調査の期限まで)
- メールで県に出す(医療機関→医療政策課 医療支援グループ。件名は「【医療機関名】活用希望の事業名」)
- 協議会で事業計画が公開される(県→医療対策協議会・保険者協議会。内容に同意したうえで提出する)
- 交付申請の案内を受ける(提出した医療機関←県)
- 事業を行い、令和9年度中に終える(医療機関。単年度会計)
代替医師の確保は、内示前の着手を制限する対象から外されています。ただし、不採択の連絡前に着手しないよう求める一文も県の資料にあります。雇い始める時期は、先に県へ確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 3
3つの様式は、Excelファイル1つにまとまっています。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 協議会で合意を得られなかった:広島県医療対策協議会と保険者協議会の合意を得た医療機関だけが対象です。
- 常勤医の回数が減らなかった:前の年度と比べて、常勤医の日当直が減った分だけが補助されます。
- 派遣元も本事業の対象だった:代替医師を出す医療機関が対象なら、受け入れ側は対象外です。例外は特定診療科の不足分です。
- 予算が足りなかった:国と県の予算の都合で、申請額の全額または一部が出ないことがあります。
令和9年度の変更点と、ほかの3事業との違い
令和9年度は、支援区域が令和8年度までと変わります。令和8年度に対象だった地域が、令和9年度も同じとは限りません。区域は毎年、県の表で確かめてください。
同じ区域には、ほかに3つの事業があります。診療所の承継・開業支援、派遣元医療機関への支援、宿直室などの施設整備です。この記事の事業は、代替医師を雇う人件費に絞られています。
提出時期も違います。診療所の承継・開業支援と施設整備は、令和8年11月4日が提出期限です。代替医師と派遣元への支援は、令和9年4月ごろに再度、意向調査を行う予定です。
派遣元医療機関への支援を受けている医療機関も、この事業の対象になります。平日の派遣は派遣元の事業、土日祝の代替医師はこの事業という分担です。
よくある質問
令和8年度の募集は終わっていますか?
終わっています。令和8年度の意向調査は、2次募集の提出期限が令和8年8月21日の17時でした(現行の県ページには載っておらず、以前の案内にもとづきます)。令和9年度分は、令和9年4月ごろに再度の意向調査を行う予定と県が案内しています。次の募集に出せるよう、常勤医の日当直の回数と代替医師の確保の見通しを、早めに整理しておくと安心です。時期の確定は県の案内で確かめてください。
令和8年11月4日の提出期限は、この事業にも当てはまりますか?
当てはまりません。11月4日は、診療所の承継・開業支援事業と、宿直室などの施設整備事業の期限です。代替医師の確保支援事業は、令和9年度当初、4月ごろに再度の意向調査を行う予定です。この期限に合わせて、代替医師の計画書を急いで出す必要はありません。ただし、予定は変わることがあるため、県の案内ページを確かめてください。
申請するのは誰ですか?
医療機関の開設者です。国の要綱では、支援区域で医師の勤務・生活環境を改善する医療機関の開設者が、実施主体とされています。県の地域医療対策協議会と保険者協議会で、支援対象として合意を得ていることが前提です。協議会では、事業計画などが公開されます。内容に同意したうえで、書類を出す流れです。
診療所でも対象になりますか?
県の資料には、病院と診療所を分ける記載がなく、対象は「支援区域の医療機関」です。産科・産婦人科と小児科の区域では、その診療科を掲げる医療機関に限られます。夜間休日診療のために土日祝の宿日直を行っていることが前提です。自分の所在地と診療科が区域に入るかは、県の区域の表で確かめ、迷う場合は県に問い合わせてください。
1日の宿日直はいくらと数えますか?
日直1回と宿直1回を、それぞれ1回と数えます。フルタイムで日直と宿直の両方を代替医師に任せた日は、6万円 × 2回 = 12万円が基準額です。補助率は2分の1なので、6万円が目安になります。1回の勤務の長さは、医療機関ごとに決めます。日直が8時から18時なら10時間が基準で、短い勤務の場合は時間に応じて按分します。
代替医師が短時間しか勤務しない場合はどうなりますか?
フルタイムでない場合は、勤務時間に応じて回数を按分します。フルタイムの基準は、各医療機関が決めます。たとえば日直が8時から18時の10時間なら、13時から18時の勤務は5/10回です。宿直をフルタイムで勤務すれば、6万円 × 5/10 + 6万円 = 9万円が基準額になります。勤務表と回数の計算が合うように記録を残してください。
特定機能病院や県外の医師に来てもらう場合も対象ですか?
どちらも対象です。県の資料に、特定機能病院からの代替医師の派遣も、県外の医療機関からの派遣も対象と書かれています。ただし、同じ開設者の医療機関どうしの派遣は対象外です。また、派遣元の医療機関自身が本事業の対象の場合は、受け入れ側が対象外になります。不足する特定の診療科に限った派遣だけは例外です。
補助の対象になる「減った回数」とは何ですか?
常勤医が担っていた日直・宿直の回数が、前の年度より減った分です。令和9年度分なら、令和8年度と比べます。予定を含めて数えます。代替医師を雇っても、常勤医の回数が減らなければ、その分は対象になりません。前の年度の回数を、勤務表などで示せるようにしておくと、様式3-3の基準額算出調書を作りやすくなります。様式3-3の注記では、医療機関全体の年間回数に端数が出たら小数点以下を切り捨てます。
補助金は必ず受けられますか?
受けられるとは限りません。県の資料に、書類の提出で補助金の交付が確約されるものではない、と書かれています。国と県の予算の都合で、申請額の全額または一部が出ないことがあります。事業計画は、協議会で公開されます。計画を立てる段階では、補助が満額で出る前提にせず、自己負担が増えても続けられる範囲にとどめるのが安全です。
提出方法と問い合わせ先はどこですか?
提出は電子メールだけで、郵送は不要です。宛先は、広島県健康福祉局医療政策課 医療支援グループ(fumedsei@pref.hiroshima.lg.jp)です。件名は「【医療機関名】活用希望の事業名」にします。問い合わせも原則メールで、件名は「【医療機関名】問い合わせの事業名」です。電話は082-513-3062です。国への確認が要るため、回答に時間がかかることがあります。
平日の代替医師も補助されますか?
対象外です。この事業が補助するのは、土曜日、日曜日、祝日の代替医師の雇上げ経費です。平日の医師派遣は、派遣元の医療機関を支援する別の事業の領域です。その事業でも、宿日直を行うための医師派遣は対象外とされています。両方を使う場合は、土日祝の分をこの事業、平日の派遣を別の事業と、分けて計画を作ります。
