電気代、ガス代、食材費、ガソリン代。介護事業所の固定費は、この4つがじわじわ効いてきます。伊賀市はこの4費目を、サービス種別ごとに決まった単価で支援しています。受付は令和8年9月30日までです。
支援額は「基準単価×対象月数」という単純な掛け算で決まります。対象期間は令和7年4月〜12月の最大9ヶ月分です。
対象になる事業者と、対象にならない事業者
対象は、伊賀市内の介護保険サービス事業所等を運営し、三重県の物価高騰対策支援補助金の交付決定を受けた事業者です。県の補助金を受けていることが前提条件になっています。
次の2つに当てはまる事業所は、対象外です。
- 申請時点で休業中の事業所
- 伊賀市障害福祉サービス事業者等安定運営支援金の交付を受けた事業所
介護と障害福祉、どちらの支援金も同時に受け取ることはできません。どちらか一方を選ぶ必要があります。
支援額の決まり方:基準単価×対象月数
支援額は、事業所の種類ごとに決まった基準単価に、対象月数(最大9ヶ月)を掛けて計算します。単価の一部を示すと、次のとおりです。
| 費目 | 通所介護事業所(定員1人あたり) | 訪問介護事業所(1事業所あたり) |
|---|---|---|
| 電気代 | 135円/月 | 1,625円/月 |
| ガス代 | 27円/月 | 300円/月 |
| ガソリン代 | 415円/月/車両1台 | 165円/月/車両1台 |
| 食材費 | 965円/月 | 対象外 |
通所系は定員1人あたり、訪問系は事業所・車両単位で単価が決まる仕組みです。介護老人福祉施設など入所系は、これよりさらに高い単価(電気代225円、食材費2,895円等)が設定されています。
具体的な事業所でシミュレーションする
定員30人の通所介護事業所(送迎車両1台)が9ヶ月分を申請すると、次のようになります。
- 電気代:135円×30人×9ヶ月=36,450円
- ガス代:27円×30人×9ヶ月=7,290円
- 食材費:965円×30人×9ヶ月=260,550円
- ガソリン代:415円×1台×9ヶ月=3,735円
- 合計:308,025円
訪問介護事業所(送迎車両2台)が9ヶ月分を申請すると、次のようになります。
- 電気代:1,625円×9ヶ月=14,625円
- ガス代:300円×9ヶ月=2,700円
- ガソリン代:165円×2台×9ヶ月=2,970円
- 合計:20,295円(訪問系は食材費の対象がありません)
定員が多いほど、通所系の支援額は大きくなります。逆に訪問系は定員でなく事業所・車両の台数で決まるため、規模による差は通所系より小さくなります。
対象期間と受付期間は別物
ここで見落としやすいのが、「対象になる費用の期間」と「申請の受付期間」がずれている点です。
| 区分 | 期間 |
|---|---|
| 対象費用の発生期間 | 令和7年4月1日〜12月31日(最大9ヶ月分) |
| 申請の受付期間 | 令和8年6月22日〜9月30日 |
つまり、すでに終わった令和7年度分の経費について、令和8年度に入ってから申請する制度です。令和7年4月〜12月の請求書・領収書を、今から遡って準備する必要があります。
支援金の交付は、特別な事情がない限り令和8年度までとされています。令和9年度以降、同じ枠組みでの支援が続くかは現時点で分かりません。
必要書類は事業所の種類で2パターン
| 事業所の種類 | 必要書類 |
|---|---|
| サービス付き高齢者向け住宅 | 事業所・施設別個票、誓約書、役員等調書、振込口座の写し |
| それ以外の対象事業所等 | 三重県の交付決定兼交付確定額通知書の写し、三重県への提出書類一式の写し、振込口座の写し |
サービス付き高齢者向け住宅とそれ以外で、必要書類が全く違います。自分の事業所がどちらに当たるか、申請書類を揃える前に確認しておく必要があります。
対象車両の台数・事業所の定員は、令和7年4月1日時点(それ以降の指定なら指定日時点)の数字を使うという決まりもあります。現在の定員と違う場合は要注意です。
複数の事業所で車両を共用している場合、どちらの事業所で申請するかという線引きも、要綱に細かく定められています。こうした按分の考え方は、他の自治体の物価高騰対策支援金にも共通します。このあたりの整理の仕方は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページでも紹介しています。
介護報酬改定の負担軽減以外も検討したい方へ
物価高騰対策の支援金は、単年度・単月ベースの制度が多く、設備投資のような継続的な負担軽減にはつながりません。光熱費以外の負担軽減策も含めて検討したい場合は、3分でできる補助金診断も活用してみてください。
対象期間の按分計算や、必要書類の準備に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
よくある質問
三重県の補助金を受けていない介護事業所は対象になりますか?
対象外です。三重県が実施する介護サービス事業所・施設における物価高騰対策支援補助金の交付を受けていることが前提条件です。まず県の補助金の交付状況を確認してください。
支援金の上限額はいくらですか?
上限額の定めはありません。基準単価×対象月数(最大9ヶ月)で決まる仕組みのため、定員や車両台数が多い事業所ほど支援額が大きくなります。
障害福祉サービス事業者等安定運営支援金と、両方申請できますか?
できません。どちらか一方の支援金を受けた事業所は、もう一方の対象外になります。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。支援額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず伊賀市の公式ページおよび交付要綱原本で内容をご確認ください。
出典:
- 伊賀市公式サイト「【物価高騰対策事業】介護保険サービス事業者等安定運営支援金について」
- 伊賀市介護保険サービス事業者等安定運営支援金交付要綱(PDF)
- J-Net21「伊賀市:介護保険サービス事業者等安定運営支援金」
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 伊賀市介護保険サービス事業者等安定運営支援金 |
| 対象業種 | 介護(介護保険サービス事業所・施設) |
| 利用目的 | 物価高騰による電気代・ガス代・食材費・ガソリン代の負担軽減 |
| 対象地域 | 三重県伊賀市(市内に所在する介護保険サービス事業所等) |
| 従業員数 | 規定なし(事業所の定員・車両台数で支援額が決まる) |
| 補助上限額 | 上限の定めなし(基準単価×対象月数で変動) |
| 補助率 | 定額制(サービス種別ごとの基準単価×交付対象月数、1,000円未満切り捨て) |
| 申請受付 | 令和8年6月22日〜9月30日 |
| 公式サイト | https://www.city.iga.lg.jp/0000013115.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
