賃上げを実現するために、まず何を整えるべきか。石川県の賃上げに向けた経営体制強化支援補助金は、販路開拓や商品開発といった「稼ぐ力」を強化する取り組みに、賃上げ要件をセットにした制度でした。石川県産業創出支援機構(ISICO)が実施し、2023年10月31日17時で募集を終了しています。
賃上げに向けた経営体制強化支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 賃上げに向けた経営体制強化支援補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | 創業・第二創業、販路開拓・展示会 |
| 対象地域 | 石川県内(本社または主たる事業場) |
| 従業員数 | 中小企業者(小規模事業者は対象外) |
| 補助上限額 | 200万円(千円未満切捨) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 2023年10月10日〜10月31日17時(終了) |
| 公式サイト | ISICO「賃上げに向けた経営体制強化支援補助金」 |

賃上げ要件が「入口」に置かれている理由
この補助金の対象事業は、販路開拓や商品開発といった、経営基盤を強くする取り組みです。一見すると賃上げとは直接関係なさそうに見えますが、申請の条件に事業場内最低賃金を、申請時の地域別最低賃金より30円以上引き上げることが求められていました。
つまり「賃上げをする企業だけが、経営強化の支援を受けられる」という設計です。 通常であれば、経営体制の強化(販路開拓・商品開発)が先にあって、その結果として賃上げの原資が生まれるという順番を想像しますが、この補助金は逆に賃上げを先に約束させ、その実現のための投資を後押しするという構成になっています。行政としては、補助金を出す以上、賃上げという成果を確実に引き出したいという狙いがあったと考えられます。
「小規模事業者は除外」という線引き
対象者は「石川県内に本社又は主たる事業場を有する中小企業者」で、小規模事業者は除外されていました。小規模事業者とは、常時使用する従業員数の上限が原則20人以下(商業・サービス業は5人以下)の事業者を指します。
なぜ小規模事業者が除外されたのかは公式ページに明記されていませんが、賃上げ幅(最低賃金+30円以上)を実現できる収益体力を求める制度である以上、一定規模以上の中小企業を対象に絞った可能性が考えられます。申請を検討する前に、自社が小規模事業者に該当しないかどうかを確認する必要があります。
対象になる/ならないの境目
対象になりやすいのは、次のような事業者です。
- 中小企業者に該当し、小規模事業者ではない
- 事業場内最低賃金を、地域別最低賃金より30円以上引き上げる計画がある
- 販路開拓・商品開発などの経営強化投資を計画している
一方、賃上げ幅が30円未満の計画や、小規模事業者に該当する場合は対象になりません。
次回募集に備えて準備すべきこと
この補助金は令和5年度で終了していますが、石川県は賃上げ関連の補助金を後継の形で継続しています。次のように動くのが安全です。
- 「賃上げに向けた収益力強化補助金」等、後継にあたる可能性のある制度をISICOの公式ページで確認する
- 賃金台帳・雇用条件通知書など、実績報告に必要な書類の準備方法を把握しておく
- 賃上げ幅(最低賃金+30円以上等)の最新の要件基準を確認する(制度によって基準が変わっている可能性があります)
よくある質問
小規模事業者は本当に対象外ですか?
はい。公式ページに明記されており、小規模事業者(常時使用する従業員数が原則20人以下、商業・サービス業は5人以下)は対象外とされていました。
賃上げの実施はいつまでに証明すればよいですか?
実績報告の段階で、賃金台帳の写しなど賃上げを証明する書類の提出が必要になります。詳細な提出時期は交付要綱・公募要領で確認してください。
令和5年度分はまだ申請できますか?
できません。2023年10月31日17時で受付を終了しています。石川県では賃上げ関連の補助金が継続的に実施されているため、最新の制度をISICOの公式ページで確認してください。
