大学の最先端研究と、現場を知る企業の技術力を組み合わせられたら――。そんな共同研究を後押しするのが、石川県産業創出支援機構(ISICO)が実施する「東京大学先端科学技術研究センター共同研究創出支援事業」です。この記事で扱うのは、そのうち新技術・新製品開発の事業化可能性を調査する段階(FS)を対象にした助成です。令和8年度分の公募は、2026年7月31日で受付を終了しています。
対象は東京大学先端科学技術研究センター(先端研)の教員と、石川県内に事業所を有する企業がペアを組む「連携体」です。企業側が事業の代表者として管理を行う形を取ります。補助上限額は通常時が100万円以内、国等の研究開発助成事業への申請予定がある場合は200万円以内です。補助率は10/10、つまり対象経費の全額が補助されます(上限額未満に限る)。
東大先端研共同研究創出支援事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。東京大学先端研教員との連携体) |
| 制度名 | 令和8年度東京大学先端科学技術研究センター共同研究創出支援事業(新技術・新製品開発事業化可能性調査事業) |
| 対象業種 | 漁業、建設業、製造業を含む幅広い業種 |
| 利用目的 | 創業・第二創業、研究開発・実証 |
| 対象地域 | 石川県内に事業所を有する企業(先端研教員との連携体) |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 通常100万円以内/国等の助成事業へ申請予定の場合200万円以内 |
| 補助率 | 全額支給(上限額未満に限る) |
| 申請受付 | 令和8年度分は受付終了(2026年6月8日〜7月31日) |
| 公式サイト | https://www.isico.or.jp/site/shinseihin/u-tokyo-r4fs.html |

何から始めるか
この事業でまず必要になるのは、東京大学先端科学技術研究センターの教員との連携関係です。企業単独では申請できず、先端研教員とペアを組んだ「連携体」として応募する仕組みのため、公募が始まってから教員を探すのでは間に合わない可能性が高いといえます。すでに接点がある教員がいれば話は早いですが、そうでない場合はISICOに相談し、マッチングの機会がないか確認するところから始めることになります。
自分の会社は対象になる?
対象は石川県内に事業所を有する企業で、東京大学先端研の教員と連携体を組める企業です。企業側が事業の代表者として管理を行うことが求められているため、単なる研究協力ではなく、事業推進の責任主体になる覚悟が必要です。
補助上限額は、通常であれば100万円以内、国の研究開発助成事業(科研費やNEDO事業など)への申請を予定している場合は200万円以内に引き上がります。将来的に国の大型助成へつなげる計画があるかどうかで、使える上限額が変わる点は見落としやすいポイントです。
いくら戻るか計算する
補助率は10/10、つまり対象経費の全額が補助されます(上限額の範囲内に限ります)。たとえば通常枠で対象経費が90万円だった場合、全額の90万円が補助されます。対象経費が120万円だった場合は、上限100万円に達するため補助額は100万円にとどまります。
国等の研究開発助成事業への申請予定がある場合は上限が200万円に上がるため、対象経費180万円までは全額が補助される計算です。全額補助という珍しい制度設計のため、対象経費を上限に近づけるほど自己負担が実質ゼロに近づくという特徴があります。
対象経費は、先端研側が人件費・謝金・備品費・旅費など、企業側が旅費・機器賃借料・クラウドサービス利用費・外注加工費・知的財産権関連経費などです。先端研教員と企業側の補助金額の比率がおおむね1対2になるよう設計されている点にも注意してください。
つまずきやすい順番の話
この助成金は、教員とのマッチングという「研究開始前の準備」に最も時間がかかる制度です。公募が始まってから教員を探し始めると、締切に間に合わない可能性が高くなります。共同研究に関心があるなら、公募のタイミングを待たずに、ISICOや先端研との接点づくりを先に進めておくことが重要です。
次回公募に向けて準備しておきたいこと
- 東京大学先端科学技術研究センター教員とのマッチング(ISICOへの相談を含む)
- 事業化を目指す新技術・新製品の企画整理
- 国の研究開発助成事業への申請予定の有無(上限額に影響)
- ISICOの次回募集案内のチェック
よくある質問
今から申請できますか?
令和8年度分の公募は2026年7月31日で締め切られています。次回公募の時期はISICOの公式サイトで確認してください。
先端研の教員と面識がなくても応募できますか?
連携体として申請するには先端研教員との連携が前提です。面識がない場合は、ISICOにマッチングの相談をすることをおすすめします。
補助率が10/10というのは本当に全額ですか?
はい。対象経費の全額が補助されます。ただし上限額(通常100万円、国の助成事業への申請予定がある場合は200万円)を超える部分は自己負担になります。
