窯が割れた。ろくろが壊れた。原材料の在庫も流された——令和6年能登半島地震と奥能登豪雨で、石川県指定の伝統的工芸品を作る工房の多くが、道具そのものを失いました。技術は残っていても、道具がなければ再開できません。
石川県伝統工芸事業者再建支援事業費補助金は、こうした工房の設備・道具の購入や修繕、原材料の調達にかかる費用を、上限1000万円・補助率3/4で支援する制度です。第7次募集は2026年7月31日締切です。国指定の伝統的工芸品(輪島塗など)は対象が異なるため、注意が必要です。
伝統工芸事業者再建支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主・製造協同組合等) |
| 制度名 | 石川県伝統工芸事業者再建支援事業費補助金 |
| 対象業種 | 石川県指定伝統的工芸品・稀少伝統的工芸品の製造業 |
| 利用目的 | 設備投資(窯・ろくろ・道具等の購入費・修繕費、原材料の購入費、型の試作・製作費) |
| 対象地域 | 石川県内 |
| 従業員数 | 規定なし(製造事業者・グループ・製造協同組合等) |
| 補助上限額 | 1,000万円(下限なし) |
| 補助率 | 3/4以内 |
| 申請受付 | 第7次募集 2026年6月8日〜7月31日 |
| 公式サイト | 石川県「石川県伝統工芸事業者再建支援事業費補助金について」 |

「石川県指定」と「国指定」で使う制度が違う
この補助金の対象は、石川県指定の伝統的工芸品と稀少伝統的工芸品を作る事業者に限られます。輪島塗のように国が指定する伝統的工芸品の製造事業者は、国の伝統的工芸品産業支援補助金が別に用意されているため、この記事の制度とは対象が異なります。
自分の工房がどちらに該当するか分からない場合、まず石川県商工労働部経営支援課伝統産業振興室に確認するという手があります。指定区分を取り違えたまま申請準備を進めると、書類をそろえ直すことになりかねません。
何が直せるのか、具体的に見る
対象経費は「設備・機器」と「原材料・型」の2種類です。
- 設備・機器: 窯、ろくろ、彫刻刀などの道具、乾燥室の設備等の購入費・修繕費
- 原材料・型: 陶土・漆・木材などの原材料の購入費、成形用の型の試作・製作費
たとえば、九谷焼の窯元が地震で窯にひびが入り、修繕に300万円かかった場合、3/4補助で225万円が戻ります。原材料の在庫を津波・浸水で失った漆器工房が、漆や下地材の再調達に100万円かけたケースも、同じ枠で対象になります。補助上限額は1,000万円ですが下限の定めはないため、数万円規模の道具の買い替えでも申請できます。
募集は次数を重ねて継続中
この補助金は単発の公募ではなく、次数を重ねて継続実施されています。第7次募集の締切は2026年7月31日ですが、過去の実績から次回募集が続く可能性があります。締切を逃した場合も、公式ページで次回募集の有無を確認するという手があります。
よくある質問
製造事業者のグループや協同組合でも申請できますか?
できます。個人の製造事業者だけでなく、製造事業者のグループや製造協同組合も対象に含まれます。
地震以前から予定していた設備更新も対象になりますか?
対象になりません。あくまで令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨による被災が前提の補助金です。被災の事実と対象経費の関係を、申請時に説明する必要があります。
輪島塗の事業者は申請できませんか?
輪島塗は国指定の伝統的工芸品にあたるため、この石川県の補助金ではなく、国の伝統的工芸品産業支援補助金が対象になります。窓口が異なるため、詳細は経営支援課にご確認ください。
