診療所が1軒消える。地域の医療が、そこだけ薄くなる。いわき市はここに手を打つ制度を用意しています。
「診療所開設・承継支援補助金」は、診療所の開設・承継にかかる費用の2/3を、上限2,000万円〜3,000万円まで補助する制度です。地域医療を担う診療所の開設・維持を後押しします。
対象になる人と、対象になる経費
対象は、市内に診療所を開設した者、または診療所の管理者(法人の場合)です。新規開設だけでなく、既存診療所の承継も対象に含まれます。
対象経費は、開業・承継のさまざまな段階にまたがります。
- 土地の取得・賃借にかかる費用
- 建物の取得・新築・改修にかかる費用
- 医療機器・電子カルテ等のシステム導入費用
- 什器・備品の購入費用
- 開設・承継の手続き費用
賃借費は、開院から最大60ヶ月分まで対象です。土地を買わず、賃貸で開業するケースも想定した設計です。
補助率2/3、診療科で上限が変わる
補助率は対象経費の2/3以内です。上限額は、診療科によって2段階に分かれます。
| 診療科 | 補助上限額 |
|---|---|
| 分娩機能を有する産婦人科・産科、または小児科 | 3,000万円 |
| その他診療科 | 2,000万円 |
対象経費が3,000万円なら、2/3で2,000万円。その他診療科の上限にちょうど到達する計算です。産科・小児科なら、対象経費4,500万円で上限の3,000万円に届きます。
分娩を担う産科・小児科は、他の診療科より上限が1,000万円高く設定されています。地域のお産・小児医療を支える施設ほど、手厚い設計です。
10年間、診療を続けることが前提
この補助金には、開設・承継後も続く要件があります。
- 週4日かつ25時間以上の診療を、10年以上継続すること
- 医師会に加入すること
- 地域医療への協力を行うこと
10年以内にこれらの要件を満たさなくなった場合、補助金の返還を求められることがあります。 開業直後の勢いだけで判断せず、10年続けられる診療体制かどうかを、申請前に見極めておく必要があります。
申請は早めの相談から
公式ページには、申請期間の締切日の記載がありません。早期の相談が推奨されており、開業・承継の計画段階から動き出すのが前提の制度です。
問い合わせ先は、いわき市医療対策課(電話:0246-27-8572)です。
よくある質問
賃貸で診療所を開業する場合も対象になりますか?
対象になります。賃借費は開院から最大60ヶ月分が対象経費に含まれています。土地・建物を購入しない開業でも申請できます。
診療所を承継する場合も対象になりますか?
対象になります。新規開設だけでなく、既存診療所の承継も補助の対象です。
開業してから10年経つ前に診療をやめたらどうなりますか?
補助金の返還を求められる可能性があります。 週4日25時間以上の診療を10年以上継続することが要件のため、途中で要件を満たせなくなった場合は返還リスクを伴います。
後継者不在は、一般の事業と同じく診療所にも共通する課題です。事業承継に関する制度を横断的に押さえておきたい場合は、専門家への相談も選択肢の一つです。GRANTOS公式LINEの登録者限定ページでも関連情報を紹介しています。
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | いわき市診療所開設・承継支援補助金 |
| 対象業種 | 医療業(診療所の開設・承継) |
| 利用目的 | 診療所の開設・承継にかかる費用(土地・建物・医療機器・什器等) |
| 対象地域 | 福島県いわき市 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 3,000万円(分娩機能を有する産婦人科・産科または小児科)/2,000万円(その他診療科) |
| 補助率 | 2/3以内 |
| 申請受付 | 公式ページに締切日の記載なし(早期相談を推奨) |
| 公式サイト | https://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1552290539747/index.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
他にも事業承継系の補助金がないか気になる方は、3分でできる補助金診断も活用してください。
対象経費の切り分けや、10年間の継続要件の考え方に迷う場合は、専門家に相談するのも一つの手です。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助額・補助率・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ずいわき市の公式ページおよび最新の案内でご確認ください。
出典:
