いわき市のこの補助金は、市役所へ出す書類より先に、やることがあります。商工会議所かいわき商工会と一緒に経営計画をつくり、その確認を受けてから申請する仕組みです。
売上が減った市内の事業者が、販路開拓や生産性向上、石油代替素材への切り替えなどに使う費用の3/4を補助します。上限は100万円です。令和8年度の申請期間は7月21日から8月31日17時(必着)で、受付は終了しました。
いわき市 中東情勢等対応経営力強化補助金の要点まとめ
正式名:中東情勢等対応経営力強化補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業者・医療法人・社会福祉法人)
- 対象業種
- 業種の指定なし(風俗営業などは除く)
- 利用目的
- 販路開拓・生産性向上・石油代替素材の活用・GX/DX
- 対象地域
- 福島県いわき市(市内に本店か事業所)
- 従業員数
- 中小企業等経営強化法の中小企業者(本文で説明)
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 対象経費の3/4以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年7月21日〜2026年8月31日(終了)
- 事業の完了
- 令和9年2月26日まで
うちの会社は対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 2か月合計の減少が20%未満
- ✕ 風俗営業などを営んでいる
- ✕ 市の契約から排除される暴力団等
売上の減少は、令和8年3月から7月のあいだの、連続する2か月を自分で選んで測ります。3〜4月、4〜5月、5〜6月、6〜7月のどれでもよく、前年の同じ2か月と比べます。売上高の合計でも、売上総利益(売上から仕入れや原価を引いた粗利)の合計でも構いません。売上が一番落ちた2か月を探して、先に試算してみる手があります。
令和7年6月から12月末までに創業した方には、特例があります。令和8年6月と7月の2か月の合計が、令和7年7月から令和8年2月のあいだの連続する2か月と比べて20%以上減っていれば足ります。
中小企業者は、中小企業等経営強化法で業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっています。公募要領には数字がなく、自社が当たるかどうかは、支援機関か産業チャレンジ課(0246-22-1126)で確かめます。
公募要領の条件に書かれているのは売上の減少率です。ただし、支援機関が発行する事業支援計画書の様式には「同意書兼誓約書」が付いていて、売上高または売上総利益の減少が、中東情勢の緊迫化等に起因していることを誓約する項目があります。減少の理由が中東情勢と無関係なら、この誓約ができません。
いくら戻ってくる?
補助対象経費の3/4が補助されます。上限は100万円です。補助対象経費は、消費税を除いた税抜の金額で数えます。上限の100万円に届くのは、税抜の対象経費がおよそ133万4,000円以上のときです。
- 処分の制限がかかる目安の税抜50万円の機械を買う:50万円 × 3/4 = 37.5万円
- 対象経費が133万4,000円になる:133万4,000円 × 3/4 = 100万500円 → 上限の100万円
計算例に使える設備の相場は、公募要領に載っていません。見積書の税抜金額に3/4をかけて、自己負担を先に出します。この補助金は「3/4以内」なので、審査で経費の一部が認められなければ、補助額はその分下がります。
経費はいったん自社で支払います。補助金が振り込まれる時期は、公募要領からは確認できませんでした。資金繰りは、補助金が事業の完了後に入るものとして組むほうが安全です。
何に使える?
先に対象にならないものを挙げます。
- 販売するための製品・商品の生産や調達(試作品は対象)
- パソコンなど、ほかの用途にも使える汎用品
- 事務所の家賃、敷金、光熱水費、通信費
- 名刺、文房具、段ボール、梱包材などの消耗品
- 直接人件費、役員報酬
- 免許・特許の取得費
- 補助金の応募書類や実績報告書の作成にかかる費用
次のものは対象になります。11の費目があります。
- 機械装置等費(取組に必要な機械装置の購入)
- 広報費(パンフレット、ポスター、チラシ、広告)
- 展示会等出展費(出展料と運搬費、通訳料、翻訳料)
- 旅費(情報収集や販路開拓のための公共交通機関の実費)
- 開発費(試作品の原材料、設計、デザイン)
- 資料購入費(税込10万円未満の図書。1種類につき1部まで)
- 借料(取組に必要な機器・設備のリース料・レンタル料)
- 専門家謝金(指導・助言を受けるための謝礼)
- 専門家旅費
- 委託費(自分で実施できない業務の一部)
- 外注費(店舗の改装など。キッチンカーの改修も可)
中東情勢への対応として、石油由来の資材から代替素材へ切り替える試験導入の原材料費も、開発費で対象になります。公募要領の例は、発泡スチロールの緩衝材から再生紙の緩衝材へ、通常のレジ袋からバイオマスレジ袋への切り替えです。販売用の製品でなくても、試験や検証に使う分に限ります。
ウェブサイトやECサイトの開発・改修も、委託費として使えます。
単価が税抜50万円以上の機械装置や、50万円以上の外注工事は、処分制限財産に当たります。補助事業が終わって補助金を受け取った後も、通常は取得日から5年間、目的外の使用、譲渡、担保提供、廃棄などが制限されます。中古品を買う場合は、単価が税抜50万円未満であることが条件で、修理費は対象外です。
申請の流れ:何から順に動く?
- 売上の減少を数字で確かめる(事業者→自社の帳簿。3〜7月の連続2か月で20%以上の減少)
- 支援機関に相談する(事業者→いわき商工会議所かいわき商工会。受付開始前から)
- 経営計画書をつくり、事業支援計画書の発行を受ける(事業者→支援機関)
- 申請書類の事前確認を済ませる(事業者→支援機関)
- 支援機関を通じて、メールで提出する(支援機関→市の産業チャレンジ課。8月31日17時必着)
- 審査を受け、交付決定を待つ(市→事業者。ヒアリングなし、書類のみ)
- 交付決定のあとに発注し、事業を実施する(事業者→業者。令和9年2月26日まで)
- 完了後14日以内に実績報告を出す(事業者→市。遅くとも令和9年3月3日)
公募要領は、支援機関に「スケジュールに十分な余裕を持って」相談するよう求めています。交付決定は令和8年9月下旬、補助事業の着手は10月1日以降の予定でした。審査は非公開で、有識者の審査委員会が書類だけで行います。結果は申請した全員に、採択か不採択かで通知されます。
必要な書類
準備できた 0 / 9
様式は、市のページからダウンロードします。売上高等確認書には、売上がわかる試算表や売上台帳などを付けます。交付申請書の申請者名は、補助金の振込希望口座の名義と同じにします。同意書兼誓約書は、事業支援計画書の様式に付いています。見積書は、借料・委託費・外注費を使う場合に付けます。市税等完納証明申請書は、市税を滞納していないことを示すためのものです。
実績報告のときは、報告書、成果報告書、収支決算書、領収書一覧表、領収書の写しなどを出します。借料・委託費・外注費は契約書の写しも要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:経費は交付決定日以降に発生したものに限ります。展示会の申込だけは決定前でも構いませんが、請求書の発行日や支払日が決定日以前だと対象外です。
- 補助事業期間の外で支払った:クレジットカードの引落しが期間外、分割払いが終わらない、リボ払い、ポイントや商品券での支払いは、いずれも対象外です。
- 使った実績が出せない:機械を買っても、補助事業の計画に沿って使ったという実績報告がなければ、購入費は対象になりません。
- 経費の額が大きく動いた:申請時と実績報告時で対象経費が20%以上変わるときは、実績報告の前に変更申請が要ります。
- 審査で選ばれなかった:要件を満たしていても、採点が高い順に採択されます。経営状況の分析、計画の有効性、積算の明確さなどが見られます。
交付決定の前に発注・契約した経費は対象外です。見積書の取得だけは、決定前でも構いません。
ほかの補助金との重複、次の募集
いわき市経営発達補助金とは、対象事業が異なれば重複して申請できます。国や自治体、民間団体から委託事業や助成金の交付決定を受けている事業の経費は、この補助金の対象経費にできません。
物品の調達や業務の委託は、可能な限り市内の事業者に頼むよう求められています。
この令和8年度の受付は終わりました。次の受付があるかどうかは、公式ページで確かめます。
よくある質問
売上が減った原因が、中東情勢でなくても対象になりますか?
原因が中東情勢等であることが前提です。公募要領の条件は、令和8年3月から7月のあいだの連続する2か月で、売上高か売上総利益の合計が前年同期比20%以上減っていることです。一方、事業支援計画書の様式に付く同意書兼誓約書には、売上の減少が中東情勢の緊迫化等に起因していることを誓約する項目があります。原材料や物流コストの上昇など、どう影響したのかは、経営計画書で自社の状況分析として問われます。中東情勢と関係なく売上が減った場合は、この誓約ができるかどうか、支援機関か産業チャレンジ課に確かめます。
1か月だけ売上が大きく落ちた場合は対象になりませんか?
見るのは、連続する2か月の合計額です。1か月が大きく落ちていても、前後の月と合わせた2か月の合計が前年同期比で20%以上減っていれば要件を満たします。逆に、1か月だけ落ち込んで2か月の合計が20%に届かなければ、対象になりません。令和8年3〜7月の4通りの組み合わせを試算して、減少率が一番大きい2か月を使います。
創業して間もない場合はどうなりますか?
令和7年6月から12月末までに創業した方には、特例があります。令和8年6月と7月の2か月の合計が、令和7年7月から令和8年2月のあいだの連続する2か月と比べて、20%以上減っていることが要件です。それ以外の時期に創業した方は、通常の要件が当てはまります。実績報告のとき、申請時にまだ創業していなかった方は、法人登記か開業届の写しも出します。
商工会議所や商工会の会員でないと申請できませんか?
公募要領と公式ページには、会員であることを求める記載はありません。申請は所管の支援機関(いわき商工会議所かいわき商工会)を経由して行い、そこで経営計画書の策定と事業支援計画書の発行を受ける流れです。会員でなくても相談を受けられるかは、記載が確認できませんでした。受付前に、どちらの支援機関が所管かも含めて問い合わせておきます。
申請書は市役所の窓口に直接出せますか?
窓口には出せません。経営計画書の策定と事業支援計画書の発行を支援機関から受け、申請書類の事前確認を済ませたうえで、支援機関を通じて産業チャレンジ課へ電子メールで提出します。支援機関の確認が間に合わなければ、期限までに提出できません。公募要領は、スケジュールに十分な余裕をもって相談することを求めています。
補助対象経費はいつからいつまでのものですか?
交付決定日以降に発生し、補助事業の期間内に支払いまで終わった経費が対象です。補助事業の期間は、交付決定日から令和9年2月26日までです。交付決定は令和8年9月下旬の予定で、着手は10月1日以降にするよう求められていました。事業を終えたら14日以内に実績報告を出し、遅くとも令和9年3月3日までに提出します。
消費税は補助の対象になりますか?
対象になりません。補助対象経費は、消費税と地方消費税を除いた税抜の金額で数えます。見積書は税込と税抜が混ざりやすいので、補助金の計算には税抜の額を使います。たとえば資料購入費の「10万円未満」の判定だけは、税込の単価で見ます。同じ補助金の中でも、費目によって税込と税抜が混ざる点に気をつけます。
中古の機械は対象になりますか?
一定の条件のもとで対象になります。条件は、購入単価が税抜50万円未満であることです。税抜50万円以上の中古品を、50万円未満になるよう分割して買うと、その中古品全体が対象外になります。購入した中古品の故障や不具合の修理費は対象になりません。不具合で補助事業の取組に使えなかったときは、その購入費も補助の対象にできません。
審査ではどこが見られますか?
最初に、必要書類が出そろっていること、補助対象者と対象事業の要件に合うこと、事業を遂行する能力があることが確かめられます。ここで外れると失格です。そのあと、経営状況の分析、経営方針と今後のプラン、補助事業計画の有効性、積算の明確さ、同業種への波及効果の5つの観点で採点されます。ヒアリングはなく、書類だけで判断されます。
申請に必要な書類はどこでそろいますか?
様式はいわき市のページに公開されています。補助金等交付申請書、経営計画書、売上高等確認書、収支予算書、同意書、市税等完納証明申請書、申請書類チェックシートです。事業支援計画書は、商工会議所かいわき商工会から発行を受けます。借料・委託費・外注費を使う場合は、見積書も付けます。様式は更新されることがあるので、ダウンロードは公式ページから行います。
問い合わせ先はどこですか?
いわき市産業振興部の産業チャレンジ課(電話 0246-22-1126)です。申請の相談は、まず所管の支援機関(いわき商工会議所かいわき商工会)に持ち込みます。中小企業者に当たるかどうかや、費用の対象になるかどうかで迷ったときも、産業チャレンジ課に聞けます。審査結果の内容についての問い合わせには応じてもらえません。
