床の張り替えや店舗専用トイレの洋式化、看板の取替えを考えるときは、見積を取る前に確かめておきたいことが2つあります。発注先が岩国市内に本店を置く事業所であることと、交付決定の前に契約しないことです。
岩国市の補助金は、店舗部分の改装工事費(税抜き)の1/2を出します。上限は50万円で、事業承継を伴う場合は80万円です。市の案内ページに申請期間の記載はなく、予算額に達し次第受付が終わります。
店舗魅力向上リニューアル補助金の要点まとめ
正式名:岩国市店舗魅力向上リニューアル補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 小売業・飲食サービス業・理容業・美容業・クリーニング業
- 利用目的
- 店舗部分の改装工事
- 対象地域
- 岩国市(中心市街地を除く)
- 従業員数
- 小売業は50人以下、サービス業は100人以下(資本金5,000万円以下でも可)
いくら
- 補助上限額
- 最大80万円(通常は50万円、事業承継を行う場合は80万円)
- 補助率
- 1/2(消費税を除く)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 予算額に達し次第終了(申請期間の記載なし)
- 事業の完了
- 交付決定を受けた年度の3月末日まで
- 公式サイト
- 岩国市「店舗魅力向上リニューアル補助金」
うちの店は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
個人事業者は市内に住所と事業所の両方が要ります。法人も個人も「中小企業者等」であることが条件で、基準は申請時チェックシートに書かれています。小売業は資本金5,000万円以下か従業員50人以下、サービス業(飲食・理容・美容・クリーニング)は資本金5,000万円以下か従業員100人以下です。どちらか一方を満たせば足ります。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 開業から3年たっていない
- ✕ 中心市街地にある店舗
- ✕ 無人店舗
- ✕ 1,000㎡超の大型店の中の店
- ✕ 公共施設や病院の中の店舗
- ✕ 国・県の同じ目的の補助金を受けた
中心市街地の店は、別の「まちなか再生事業助成金」の対象になります。この補助金は中心市街地を除く市内全域の制度です。生活関連サービス業は、理容・美容・クリーニング業に限られます。
過去にこの補助金を受けた店は、交付から3年たてば再び申請できます。風俗営業や宗教・政治活動を目的とする事業者も対象外です。
いくら戻ってくる?
戻るのは工事費(税抜き)の1/2です。上限は50万円で、事業承継を伴うと80万円まで広がります。
- 床の張り替えと店舗専用トイレの洋式化、工事費60万円:60万円 × 1/2 = 30万円
- 外壁の塗装と看板の取替え、工事費120万円:120万円 × 1/2 = 60万円 → 上限の50万円
- 店を引き継ぐ年に内装を一新、工事費170万円:170万円 × 1/2 = 85万円 → 上限の80万円
- 内装の一部だけ直す、工事費24万円:30万円に届かず対象外
金額は市の案内ページにある補助率と上限額に、例として当てはめた計算です。申請書では、補助額の1,000円未満は切り捨てます。
補助金額は交付申請のときの見積額で決まります。実際の支払いが見積より少なければ減額され、多くなっても増えません。
事業承継加算(加算額30万円)には、次の4つの要件があります。
- 引き継ぐ人が、申請日に満60歳未満(個人事業主は市内に住所がある人)
- 引き継ぐ人が、自分で事業や営業に携わる
- 実績報告書を出すまでに、事業承継を済ませる
- 承継後5年以上事業を続ける見込みがある
加算の対象は、交付申請日の属する年度の4月1日から実績報告書を出すまでの間に承継した場合です。承継が申請日より後になる場合は、事業承継計画書を出し、承継の証明書類は実績報告書といっしょに出します。
何に使える?
対象にならないもの
- 新築・増築
- 住居・事務所・倉庫・車庫の工事、住宅と兼用する部分の工事
- 外構・駐車場・植栽の工事
- 備品の購入だけ(冷蔵庫や食器洗浄機などの厨房備品を含む)
- 解体だけの工事、移動販売店舗や仮設店舗の工事
- 下水・浄化槽、電話・インターネット回線・テレビアンテナの設置
- 消防設備、防犯カメラ、太陽光などの発電設備
- 店舗のクリーニングや害虫駆除
対象になるもの
- 外壁の張替え・塗装、看板の修繕・取替え(屋外広告物の許可が要ります)
- ドアや窓の取替え(自動ドア化を含む)
- 床・壁・天井の張替えや塗装
- 店舗専用のトイレ・洗面の改修
- 厨房の改修(冷蔵庫・食器洗浄機などの備品は除く)
- ボイラー・空調機の新設と取替え
- 照明・配線・音響などの電気工事
- 陳列棚・テーブル・椅子の購入(工事とあわせる場合)
- バリアフリー化工事
対象になるのは商品の展示場所、飲食スペース、厨房など、客に直接サービスする部分だけです。住居と店舗を兼ねる建物は、入り口が別になっているなどはっきり分かれている場合に限ります。
表にない工事は市が個別に審査します。施工業者やその役員が申請者本人か2親等以内の親族なら対象外です。過去に市の補助で整備した設備は、耐用年数が過ぎたものだけが対象になります。
申請の流れ
- 市内の施工業者から見積を取る(申請者→市内に本店のある業者)
- 申請書類をそろえ、所見欄の記入を頼む(申請者→商工会議所または商工会。市への締切に間に合うよう日数に余裕を持って)
- 市に申請する(申請者→岩国市 商工振興課か各総合支所の地域振興課)
- 交付決定を待つ(岩国市→申請者。決定の前に着工・契約しない)
- 工事をして、代金を払う(申請者。交付決定の年度の3月末日までに完了と支払い)
- 実績報告書を出す(申請者→市。支払いから30日以内か3月末日の、早いほうまで)
- 市の現地調査を受け、請求する(市→申請者。額の確定通知のあとに請求書を出すと、登録した口座に補助金が振り込まれます)
所見欄の記入は岩国商工会議所・岩国西商工会・やましろ商工会のいずれかの経営指導員に頼みます。見積書と店舗全体や改装箇所の写真・図面を持って、事業の必要性を説明する形です。
必要な書類
準備できた 0 / 10
補助事業計画書には、商工会議所か商工会の所見欄の記入が要ります。賃貸借契約書と改装承諾書は、借りている店舗の場合の書類です。市に口座の登録がすでにあれば、相手方登録申出書は出さなくて済みます。誓約書兼同意書には、市税や保険料などの滞納がないこと、事業の終了後に市のアンケートに協力することも入っています。
事業承継加算を使うときは、事業承継計画書(所見欄の記入あり)と承継が分かる書類(法人は登記事項証明書など、個人事業主は前代表者の廃業届と新代表者の開業届)も出します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定の前に着工や契約をした工事は、対象になりません。
- 市外の業者に発注した:発注先は市内に本店を置く事業所に限られます。市外の業者への発注分は対象外です。
- 年度内に終わらなかった:工事の完了と支払いが、交付決定を受けた年度の3月末日を過ぎると対象外です。カード払いで口座の引き落としが年度内に終わらない場合も同じです。
- 工事の中身が対象外だった:備品だけの購入、倉庫や事務所の工事などは対象になりません。
- 予算がなくなった:予算額に達し次第、受付が終わります。早めに市へ問い合わせると、残りの状況が分かります。
よくある質問
開業して間もない店でも申請できますか?
申請できません。対象になるのは小売業・飲食サービス業・理容・美容・クリーニング業のいずれかを、申請日以前に3年以上続けている店舗です。開業から3年に届いていない場合は、3年を過ぎてから申請することになります。市の案内ページには、受付の終わりを示す日付がありません。予算額に達すると受付が終わるため、3年に近づいたら商工振興課に残りの状況を確かめておくと見通しが立ちます。
過去にこの補助金を受けた店は、もう一度申請できますか?
交付を受けてから3年が過ぎていれば、再び申請できます。令和7年度からこの取り扱いになりました。ただし過去に市の補助で整備した設備は、耐用年数が過ぎたものしか対象になりません。同じ場所をまた直す場合は、前回の工事で何を整備したかを手元で整理しておくと対象の範囲を市に相談しやすくなります。
市外の業者に見積を頼んでもいいですか?
見積を取ること自体は禁じられていませんが、補助の対象にならないため市外の業者に発注すると補助を受けられません。工事の発注先は岩国市内に本店を置く事業所に限られます。見積を頼む前にその業者の本店が市内にあるかを確かめてください。施工業者が申請者の2親等以内の親族である場合も対象外です。
備品だけを買い替える場合も対象になりますか?
備品の購入だけでは対象になりません。陳列棚・テーブル・椅子は、改装工事とあわせて購入する場合に対象になります。冷蔵庫や食器洗浄機などの厨房備品は、工事とあわせても対象外です。工事費が税抜き30万円に届くかどうかは、対象になる工事だけで数えます。見積書は対象になる工事と備品を分けて書いてもらうと、市とのやり取りがしやすくなります。
看板の取替えは対象になりますか?
看板の修繕と取替えは対象です。ただし屋外広告物の許可申請を行い、許可を得ることが条件になっています。景観法にもとづく届出が必要な場合は、その手続きも済ませておきます。必要かどうかは市の景観整備課に確かめられます。許可の手続きが遅れると、着工の時期にも響くため見積を取る段階で業者に許可の見通しを聞いておくと安心です。外壁の張替えや塗装、ドアや窓の取替えも対象で自動ドア化も含まれます。
交付決定の前に工事を始めてもいいですか?
始めてはいけません。必ず着工の前に申請して、市の交付決定を受ける必要があります。交付決定の前に着工や契約をした工事は、対象になりません。見積を取るだけなら問題ありませんが、業者との契約書を交わすのは交付決定のあとです。工事の予定日が決まっている場合は、決定の通知がいつ届くか市の担当課に聞いておくと日程を組みやすくなります。
実際の工事費が見積より増えたら、補助金も増えますか?
増えません。補助金の額は交付申請のときの見積額で決まります。工事後の支払いが見積額を上回っても、交付決定の額が上限です。逆に支払いが見積を下回ると、補助金も減ります。交付決定のときと違う内容の工事費は、原則として対象外です。工事の途中で内容を変えたくなったら、変更する前に市へ相談してください。
事業承継加算を受けるには何が必要ですか?
引き継ぐ人が申請日に満60歳未満であること、自分で事業に携わること、実績報告書を出すまでに承継を済ませること、承継後5年以上続ける見込みがあることの4つです。個人事業主なら市内に住所も要ります。事業承継計画書には、承継する人の署名と商工会議所か商工会の所見欄の記入が必要です。承継が申請日より後なら、承継の証明書類を実績報告書といっしょに出します。
所見欄の記入はどこで頼めばいいですか?
岩国商工会議所(0827-21-4201)、岩国西商工会(0827-84-0183)、やましろ商工会(0827-76-0100)のいずれかです。所属する経営指導員に見積書と店舗全体や改装箇所の写真・図面を持って、事業の必要性を説明します。市への締切に間に合わなくなるおそれがあるため、記入は日数に余裕を持って頼むよう手引きに書かれています。
2店舗以上を経営していますが、両方に使えますか?
1回の申請で補助されるのは、1店舗だけです。2店舗以上を経営している場合も同じで、複数の店舗の工事をまとめて1回の申請にすることはできません。どの店舗の改装に使うかを決めて申請します。改装の時期は店舗ごとに分けて考えると、予算の面でも整理しやすくなります。
中心市街地にある店は、別の制度があるのですか?
あります。この補助金は岩国市の中心市街地活性化基本計画に定める区域を除く、市内全域の制度です。中心市街地にある店舗は、別に「まちなか再生事業助成金」の対象になると市の案内ページに書かれています。自分の店が中心市街地に当たるかどうかは、商工振興課で場所を伝えて確かめられます。
国や県の補助金とあわせて使えますか?
同じ工事の費用で、国や県などの同じ目的の補助金を受けている店舗は対象外です。重なりそうな補助金がある場合は、申請の前に商工振興課へ相談してください。岩国市重要文化的景観生活生業支援補助金を受けている店舗も、この補助金の対象外とされています。
問い合わせ先はどこですか?
岩国市 商工振興課 企業振興班(本庁4階、電話0827-29-5110)です。申請は商工振興課か各総合支所の地域振興課に出します。自分の店が中心市街地に当たるか、工事が対象になるかなどは、申請の前に電話で確かめておくと書類の出し直しを防げます。予算の残りもあわせて聞いておくと、動き出す時期を決めやすくなります。
