国内の工場に省エネ設備を入れる費用に使えるのか。使えません。 「JCM設備補助事業」は、日本国内向けの脱炭素設備補助金ではなく、JCM(二国間クレジット制度)のパートナー国、つまり開発途上国など海外に設置する脱炭素設備が対象です。名前だけを見て国内の省エネ投資を想定すると、対象外になります。
JCMとは、日本の技術で海外の温室効果ガス排出を削減し、その削減分を日本の削減実績としてカウントできるようにする国際的な仕組みです。この設備補助事業は、その削減設備を導入する初期投資費用の一部を国(環境省)が補助します。
JCM設備補助事業の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(国際コンソーシアムの代表事業者である日本法人。民間企業・地方公共団体・独立行政法人・社団法人・財団法人等) |
| 制度名 | 二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業(JCM設備補助事業) |
| 対象業種 | 指定なし(脱炭素設備の導入に取り組む事業) |
| 利用目的 | JCMパートナー国における脱炭素設備の導入にかかる初期投資費用 |
| 対象地域 | JCMパートナー32か国(日本国内は対象外) |
| 従業員数 | 公式ページに記載なし(国際コンソーシアムの代表事業者であることが条件) |
| 補助上限額 | 公式ページに記載なし(事業全体の予算総額は5か年で約105億円を想定) |
| 補助率 | 初期投資費用の2分の1を上限 |
| 申請受付 | 令和8年4月17日〜9月30日正午(第1回5月22日、第2回7月24日、第3回9月30日の3回締切) |
| 公式サイト | 地球環境センター「JCM設備補助事業」 |

対象になる/ならないの線引き
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| JCMパートナー32か国に設置する脱炭素設備 | 日本国内に設置する脱炭素設備・省エネ設備 |
| 現地法人等と組んだ国際コンソーシアムでの事業 | 日本国内で完結する単独事業 |
| 年間想定の温室効果ガス排出削減量が原則1万トン以上の事業 | 削減量が小規模な事業(他の環境省事業の支援があれば例外あり) |
この線引きがある理由は、JCMという仕組みそのものが「海外での削減を日本の実績にする」制度だからです。 国内の設備更新で使える補助金を探している場合は、省エネ・非化石転換補助金など別の制度が対象になります。
よく誤解されるポイント
「脱炭素」「省エネ」の名前につられて国内向けと思い込みやすい
環境省が実施する脱炭素関連の補助金は複数あり、多くは国内向けです。JCM設備補助事業だけは、対象が海外に限定される特殊な制度です。「脱炭素 補助金」で検索して見つけた場合、対象地域を必ず確認してください。
中小企業が単独で使う想定の制度ではない
年間想定の温室効果ガス排出削減量が原則1万トン以上という規模感、国際コンソーシアムを組む必要がある点から、想定されているのは商社や大企業、あるいは海外に生産拠点を持つ企業です。中小企業が単独の海外進出計画で申請するハードルは高い制度と考えておいたほうが実態に近いです。
よくある質問
Q. 海外に工場を持つ中小企業でも申請できますか?
制度上は可能ですが、国際コンソーシアムの構成や年間1万トン以上の削減量要件など、準備すべき条件が多い制度です。まずは地球環境センター(GEC)に事前相談することをおすすめします。
Q. 国内工場の省エネ設備を探している場合、どの制度を見ればいいですか?
「省エネ・非化石転換補助金」など、国内向けの省エネ関連補助金を確認してください。JCM設備補助事業は対象外です。
Q. 補助上限額はいくらですか?
公式ページに個別案件ごとの上限額の記載はありません。事業全体の予算総額は5か年で約105億円を想定しているとされています。個別の上限は地球環境センターにご確認ください。
