親族に会社を継がせるだけなら、M&Aではないから対象外なのか。結論から言うと、対象になります。事業承継促進枠は、M&Aではなく親族内・従業員承継を想定した枠だからです。事業承継・M&A補助金という名前から「第三者への売却」だけを連想しがちですが、この枠は身内・社内での引き継ぎを支援します。なお15次公募の受付(〜令和8年7月24日)はすでに終了しています。
現在は16次公募が開示されています。申請受付は2026年10月2日(金)から11月6日(金)17:00までです(公募要領で確認)。事業承継促進枠は、公募申請期日から5年後までに事業承継を完了する見込みの事業者が対象で、承継を終えてからでは申請できません。補助下限額は100万円で、補助対象経費に補助率をかけた額が100万円を下回る申請は受け付けられません。
事業承継・M&A補助金15次公募 事業承継促進枠の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(中小企業者・小規模企業者・個人事業主・特定非営利活動法人等) |
| 制度名 | 中小企業生産性革命推進事業 事業承継・M&A補助金(15次公募)事業承継促進枠 |
| 対象業種 | 建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業(業種指定は原則なし。DBの分類上の代表例) |
| 利用目的 | 事業承継・M&A |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 中小企業基本法第2条第1項の中小企業者であること(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します) |
| 補助上限額 | 800万円(賃上げ要件を満たす場合は1,000万円) |
| 補助率 | 2分の1以内、賃上げ要件を満たす場合は3分の2以内 |
| 申請受付 | 令和8年6月19日〜7月24日17:00(終了) |
| 公式サイト | 事業承継・M&A補助金事務局「事業承継・M&A補助金(15次公募)」 |

対象になる承継、ならない承継
事業承継促進枠が対象とするのは親族内承継・従業員承継を予定する事業者です。
- 対象になる:経営者の子どもへの事業承継、社内の役員・従業員への承継を予定し、承継を機に設備投資や販路開拓に取り組む場合
- 対象にならない:第三者へのM&A(売却・買収)を通じた承継——これは「専門家活用枠」の対象
「事業承継・M&A補助金」という名称のなかに、性質の違う2つの支援策が同居しているのがこの制度の分かりにくさです。身内・社内で継ぐなら事業承継促進枠、第三者に売る・買うなら専門家活用枠、と覚えると迷いません。
なぜ承継とセットで設備投資を支援するのか
この枠は、承継そのものではなく、承継を機に行う設備投資・販路開拓等の取り組みを補助対象にしています。後継者が経営を引き継ぐタイミングは、業務の見直しや新しい設備の導入に踏み切りやすい節目です。制度はその節目を後押しする設計になっています。
対象経費には、機械装置・システム構築費、店舗等借入費、廃業費などが含まれます。
賃上げで補助率が上がる仕組み
補助率は原則2分の1ですが、一定の賃上げ要件を満たすと3分の2に引き上がり、上限額も800万円から1,000万円に増えます。 PMI推進枠と同じ仕組みで、承継後の従業員の待遇改善に取り組む事業者ほど優遇される設計です。
よくある質問
今から事業承継促進枠に申請できますか?
できません。15次公募の受付(令和8年6月19日〜7月24日17:00)はすでに終了しています。 次回公募の情報は事業承継・M&A補助金事務局の公式サイトで確認してください。
第三者にM&Aで売却する場合も対象になりますか?
対象になりません。事業承継促進枠は親族内承継・従業員承継が対象です。第三者へのM&Aを検討している場合は「専門家活用枠」を確認してください。
承継後の設備投資だけを申請できますか?
対象になりますが、あくまで承継に伴う取り組みとして位置づけられていることが前提です。承継計画と無関係な単発の設備投資は対象になりません。
