トラック・バス・タクシーにASV(先進安全自動車)の装置を付けると、費用の半分が補助されます。装置ごとの限度額は3万〜10万円で、車両1台の上限はバス30万円、トラック20万円、タクシー15万円です。台数が増えれば、その分だけ受け取れる額も増えます。
先に車両や装置を買って、代金を払い終えてから申請します。 交付決定を待って発注する手順はありません。ただし新車の登録日や装置の取り付け日が、2026年4月1日から2027年1月29日の間に入っていることが条件です。
事故防止対策支援推進事業の要点まとめ
正式名:事故防止対策支援推進事業(先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援)
だれが
- 申請者
- 事業者(中小の運送事業者・リース事業者)
- 対象業種
- 旅客・貨物の自動車運送事業(軽貨物を除く)
- 利用目的
- 先進安全自動車(ASV)装置の導入
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 資本金3億円以下、または従業員300人以下
いくら
- 補助上限額
- 30万円(車両1台あたり・バスの場合)
- 補助率
- 装置費用の1/2(大企業の貸切バスは1/3)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年6月30日〜2027年1月29日17:00
- 事業の完了
- 2027年1月29日までに購入と支払いを終える
うちの会社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
中小企業者とは、資本金3億円以下の会社、または常時使用する従業員が300人以下の会社と個人のことです。どちらか一方を満たせば該当します。事業協同組合や企業組合なども対象に含まれます。
申請日から過去3年に行政処分を受けていると、その時点で対象外です。数えるのは、道路運送法や貨物自動車運送事業法などに基づく処分で、警告と勧告は数えません。申請の前に、国土交通省の行政処分情報の検索サイトで確かめます。
5台の数え方は、装置をつける車両が所属する営業所の届出車両数です。会社全体の台数ではありません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 過去3年に行政処分を受けた
- ✕ 貨物で営業所の車両が5台未満
- ✕ ローンや割賦で購入した
- ✕ 他社名義で登録した新古車
一般貸切旅客自動車運送事業者と、対象の事業者に車両を貸すリース事業者も申請できます。貸切バスは中小企業以外でも対象ですが、補助率は1/3に下がります。軽貨物運送事業者は対象外です。
いくら戻ってくる?
装置の単価(消費税を除き、値引き後)の1/2が補助されます。装置ごとの限度額と、車両1台の上限があり、低いほうが実際の額です。100円未満は切り捨てになります。車両1台ごとの上限なので、台数が増えれば合計も増えます。公募要領には、1事業者あたりの合計の上限は書かれていません。
装置ごとの限度額は次のとおりです。
| 限度額 | 装置 |
|---|---|
| 10万円 | 衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)、車間距離制御装置+車線維持支援制御装置、ドライバー異常時対応システム、先進ライト、アルコール・インターロック、統合制御型可変式速度超過抑制装置(バスのみ) |
| 5万円 | 側方衝突警報装置、後側方接近車両注意喚起装置、事故自動緊急通報システム(後付けを除く)、車輪脱落予兆検知装置、自動式前照灯照射方向調節装置 |
| 3万円 | 事故自動緊急通報システム(後付け)、道路標識注意喚起装置 |
同じ車両に複数の装置を付けるときの、1台あたりの上限は次のとおりです。
- バス:30万円
- トラック:20万円(車輪脱落予兆検知装置を備えると25万円)
- タクシー:15万円
車輪脱落予兆検知装置の25万円に後付けが入るかは、資料で書き方が違います。公募要領と国土交通省のページは後付けを除くと書かず、概要資料だけが後付けを除くと書いています。後付けで申請するときは、JATAに確かめてください。
計算例です。装置の単価は仮の数字です。
- 総重量3.5t超のトラックに衝突被害軽減ブレーキを付ける(単価16万円):16万円 × 1/2 = 8万円
- 同じブレーキで単価が28万円:28万円 × 1/2 = 14万円 → 装置の限度額の10万円
- 後付けの事故自動緊急通報システム(単価5万円):5万円 × 1/2 = 2.5万円
- トラック1台にブレーキ、先進ライト、アルコール・インターロックを付け、どれも限度額に届く:10万円 × 3装置 = 30万円 → 1台の上限の20万円
トラクタにブレーキを付け、トレーラーも一緒に導入するときは、ブレーキの限度額が15万円になります。
どんな装置と車両が対象?
対象にならないものから確認します。
- 一覧にない装置
- 国土交通省の選定を受けていない後付けの事故自動緊急通報システムと車輪脱落予兆検知装置
- 2026年4月1日より前に新車登録した車両や購入した後付け装置
- 一度他社名義で登録された新古車(販売店の所有権留保は除く)
- 転リースの契約
対象になるものは次のとおりです。
- 上の表の装置を搭載して、2026年4月1日から2027年1月29日の間に新車登録した事業用車両
- 後付けでは、国土交通省の選定を受けた事故自動緊急通報システムと車輪脱落予兆検知装置
装置には車種の条件があります。
- 衝突被害軽減ブレーキ:総重量3.5t超のトラックとバス
- 側方衝突警報装置:総重量3.5t超8t以下のトラックとバス
- 後側方接近車両注意喚起装置:総重量3.5t超のトラックとバス
- 車輪脱落予兆検知装置:総重量8t以上のトラックと乗車定員30人以上のバス
- 統合制御型可変式速度超過抑制装置:バス
- 自動式前照灯照射方向調節装置:総重量3.5t超のトラック、バス、タクシー
そのほかの装置は、トラック、バス、タクシーが対象です。
申請の流れ
- 行政処分の有無を確かめる(事業者→国土交通省の検索サイト。申請の前に)
- 装置つきの新車を登録するか、後付け装置を取り付ける(事業者→販売店。2026年4月1日から2027年1月29日の間に)
- 代金を払い終える(事業者→販売店。振込・現金・小切手が基本。ローンは不可)
- 申請者登録をして、書類をそろえる(事業者→JATAの申請ポータル)
- パソコンから申請する(事業者→JATA。2027年1月29日17時まで)
- 審査を待つ(JATA→事業者。約30日。不備は直して再提出)
- 交付決定通知書兼交付額確定通知書を確認する(事業者。申請システムで)
申請は電子申請システムだけです。郵送、電話、持ち込みは受け付けていません。
必要な書類
準備できた 0 / 9
事業報告書は、直近事業年度のものから、資本金と従業員数のページ、損益計算書、貸借対照表を写します。装着状態の写真は、後付けの装置だけに要ります。本人確認書類は個人事業主だけです。賃上げ表明書と法人事業概況説明書は、優先採択を望むときだけ出します。
領収書と納品書には、登録番号か車台番号が必要です。搭載証明書は、販売店が出す書類で、購入した車両に装置が付いていることと、値引き後の単価を示します。納品書で代えるときは、搭載証明書と同じ6項目(発行日、宛名、発行会社名、装置単価(税抜)、登録番号か車台番号、正式な装置名称)が書かれたものにします。装置がセット価格のときは、補助額がいちばん高い装置にセット価格を入れ、同じセットのほかの装置は0円で入力します。交付申請書、請求書、宣誓書は申請システムに入力します。リース事業者は、賃貸借契約書などの追加書類が要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 行政処分を受けていた:申請日から過去3年の間に、運送関係の法令に基づく処分を受けていると対象外です。
- 予算に達して受付が終わった:審査は申し込み順です。予算額に達した時点で、期限前でも受付が終わります。
- 対象の期間から外れた:新車の登録日や後付け装置の取り付け日が、2026年4月1日から2027年1月29日の間にないと対象外です。
- 不備を直さなかった:不備の指摘を受けたら、速やかに補います。直ったあとに審査が再開されます。
- 保有の期間内に売った:車両登録の日から、車種などに応じて3〜5年の保有義務があります。売却は事前にJATAの承認が要り、原則として補助金の一部を返します。
他の補助金との併用と、賃上げの優先採択
他の国の補助金とは、補助の目的が同じでなく、補助対象経費も重ならなければ併用できます。JATAは併用の可否について個別の問い合わせを受け付けていません。併用したい補助金の目的は、自分で確かめます。
申請が多く、一部を不採択にする場合は、賃上げを表明した申請者が優先されます。給与総額を前年度(暦年なら前年)より1.5%以上増やす表明が要ります。中小企業者等以外は3%です。
優先採択を望むなら、表明書と賃上げ実績の書類を受付期間内に出します。出さないと優先されません。
予算に達すると、期限前でも受付が終わります。 審査は申し込み順です。装置の取り付けと支払いが済んだら、書類がそろい次第すぐ申請することを勧めます。
よくある質問
軽貨物運送事業者は対象になりますか?
対象になりません。概要資料に、対象は中小企業者に当たる自動車運送事業者で、軽貨物運送事業者を除くと書かれています。対象になるのは、乗合・乗用・特定旅客・一般貨物・特定貨物・一般貸切の各事業者と、その事業者に車両を貸すリース事業者です。自社の事業の区分が分からないときは、運輸支局の許可証などで確かめてから申請に進むと安心です。
申請の前に車や装置を買ってもいいですか?
買ってかまいません。この補助金は、購入と支払いまで終えたあとに申請する仕組みです。交付決定を待ってから発注する手順はありません。ただし新車の登録日や後付け装置の取り付け日が、2026年4月1日から2027年1月29日の間に入っていることが条件です。支払いが終わった日が事業の完了日になるため、領収書の日付も確かめておきます。
2026年4月より前に買った車は対象になりますか?
対象になりません。新車は、2026年4月1日以降に新規登録した車両が対象です。後付けの事故自動緊急通報システムと車輪脱落予兆検知装置も、2026年4月1日以降に購入して取り付けたものに限ります。登録日は自動車検査証記録事項に載っているので、申請の前に車検証で確かめてください。期間の終わりは2027年1月29日です。
中古車は対象になりますか?
新古車は対象外です。一度他社名義で登録された車両は補助の対象になりません。販売店が所有権を留保している場合だけは例外です。使用過程車(登録後に使っている車)に対象になるのは、後付けの事故自動緊急通報システムと車輪脱落予兆検知装置だけです。どちらも国土交通省の選定を受けた装置に限られます。
ローンやリースで買った場合は対象になりますか?
ローンで支払うと補助金は交付されません。割賦販売による所有権留保も認められません。支払いは振込、現金、小切手が原則です。リースは、リース事業者が申請者になる形で対象になります。リース期間は原則としてトラックとタクシーが3〜5年以上、バスが5年以上です。別のリース会社を挟む転リースは対象外です。
手形やクレジットカードで払っても対象になりますか?
認められる場合があります。振出日から3か月以内に支払期日が来る約束手形(本人手形に限る)と、クレジットの一括払いです。手形で払った場合は、電子領収書か通常の領収書を添付します。領収書が出ない電子取引のときは、販売店に領収書を作ってもらいます。どの場合も、登録番号か車台番号の記載が要ります。
他の補助金と併用できますか?
補助の目的が同じでなく、補助対象経費も重ならなければ併用できます。たとえば同じ装置の費用に、別の国の補助金を重ねて受けることはできません。JATAは併用の可否の問い合わせを受け付けていないため、併用したい補助金の目的と対象経費を、自分で公募要領と照らして確かめます。
賃上げの優先採択とは何ですか?
申請が多くて一部を不採択にする場合に、賃上げを表明した申請者を先に採択する仕組みです。給与総額を前年度(暦年なら前年)比で1.5%以上増やすと、従業員に表明します。中小企業者等以外は3%以上です。表明書と、法人事業概況説明書(暦年なら給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表)を、受付期間内に出します。
補助率が1/3になるのはどんなときですか?
中小企業以外の貸切バス事業者が申請するときです。このとき装置の限度額も下がり、10万円の装置は6.7万円、5万円の装置は3.3万円になります。車両1台の上限は、バスが30万円から20万円に下がります。リース事業者の場合は、貸し渡し先の事業者が中小企業者等かどうかで補助率が決まります。
審査にはどれくらいかかりますか?
申請から約30日の審査期間が必要です。書類の不足や入力の不備があると、受理されないことがあります。不備の連絡を受けたら、メールの申請番号を確かめて速やかに訂正します。訂正が済むと審査が再開されます。事前の書類確認は行っていないので、申請の前に公募要領と必要書類を、すべて見比べておくと安心です。
スマートフォンから申請できますか?
推奨されていません。申請システムはパソコンでの動作を保証しており、スマートフォンやタブレットは動作保証の対象外です。郵送、電話、持ち込みの申請も受け付けていません。ブラウザは最新版のEdge、Chrome、Safari(Macのみ)が推奨されています。申請者は代表者か、個人事業主ならご本人です。
問い合わせ先はどこですか?
申請の窓口は、公益財団法人日本自動車輸送技術協会(JATA)の補助金執行グループです。電話は03-4330-1024で、平日の9時から17時までです。12時から13時と土日祝日、年末年始は受け付けていません。メールはkokuhojo@ataj.or.jpで、件名を「【ASV問い合わせ】について」にします。運輸支局では申請を受け付けていません。
