球磨川流域の氾濫は、令和2年7月豪雨の中でも特に大きな被害として報じられました。人吉市・球磨村をはじめとする地域では、店舗そのものが浸水し、設備が使い物にならなくなった事業者も少なくありませんでした。その事業再建を後押ししたのが、被災小規模事業者再建事業「持続化補助金令和2年7月豪雨型」です。
熊本県商工会連合会が窓口となったこの制度の2次受付は、2020年10月30日で終了しています。今から申請することはできませんが、被害の程度に応じて補助上限額が変わる仕組みは押さえておく価値があります。
持続化補助金令和2年7月豪雨型(熊本県商工会連合会分・2次受付)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(小規模事業者等=小規模事業者及び一定要件を満たす特定非営利活動法人) |
| 制度名 | 令和2年度 被災小規模事業者再建事業「持続化補助金令和2年7月豪雨型」(熊本県商工会連合会分・2次受付締切) |
| 対象業種 | 全業種(小規模事業者の要件を満たすこと) |
| 利用目的 | 安全・防災(令和2年7月豪雨で被災した小規模事業者の事業再建) |
| 対象地域 | 山形県・長野県・岐阜県・島根県・福岡県・佐賀県・熊本県・大分県・鹿児島県の被災9県(熊本県は商工会地区に事業所のある事業者) |
| 従業員数 | 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業その他は20人以下 |
| 補助上限額 | 200万円(自社の事業用資産に直接的な被害があった事業者)/100万円(売上減少等の間接的な被害があった事業者) |
| 補助率 | 3分の2以内(新型コロナウイルス感染症の影響・過去数年以内の災害被害等の要件をすべて満たす場合は定額) |
| 申請受付 | 終了(1次受付締切:2020年9月23日/2次受付締切:2020年10月30日) |
| 公式サイト | 熊本県商工会連合会 |

店舗が浸水した場合、補助上限は最大200万円
球磨川流域のように店舗・工場が実際に浸水・損壊した事業者は、直接被害として扱われ、罹災証明書等の公的証明を添えることで補助上限200万円のルートに乗ることができました。設備の入れ替え、店舗の修繕、什器の買い替えなど、被災前の状態への復旧にとどまらず「事業再建」に向けた計画に位置づけられる投資が対象でした。
一方で、店舗自体は直接の被害を免れても、球磨川流域の観光需要が落ち込んだことで売上が減った事業者は、間接被害として補助上限100万円のルートで申請できる仕組みでした(2020年7月・8月の任意の1か月の売上高が前年同期比10%以上減少)。
補助率3分の2、条件を満たせば満額
補助率は補助対象経費の3分の2以内が基本でした。ただし、以下をすべて満たす場合は定額(上限額まで満額)で支給される特例がありました。
- 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者
- 過去数年以内に発生した災害(熊本地震等)で被害を受けた事業者
- 過去の災害以降、売上高が20%以上減少している復興途上の事業者
- 過去の災害からの復旧・復興に向けた事業活動の債務を抱えている事業者
- 令和2年7月豪雨により施設・設備が被災した事業者
熊本県内には平成28年熊本地震の復興途上にあった事業者も多く、そこに令和2年7月豪雨が追い打ちをかけた形になった事業者は、この定額特例に該当し得たと考えられます。
対象になった経費の考え方
「経営計画」に基づく事業再建の取組であることが前提でした。
- 陳列棚・什器等の備品購入
- 店舗改装(陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む)
- 事業再建に必要な機械等の導入
- 新規ネット販売・予約システム等の導入
- 死蔵の設備機器の廃棄・処分費用
- 被災した店舗等の解体工事・土砂撤去作業・修理修繕作業
原則、補助対象経費の支出は交付決定通知書の受領後からですが、令和2年7月3日以降の豪雨により被災した日以降に実施した事業であれば、交付決定前の経費も遡って対象になる特例がありました。浸水した店舗の応急的な片付け作業に早々に着手していた事業者にとっては、この遡及適用が実質的な助けになったはずです。
よくある質問
2次受付分の申請はもう出せませんか?
出せません。2次受付締切(2020年10月30日)をもって終了しています。この令和2年7月豪雨型は単年度の災害対応枠で、同じ枠組みでの再募集はありません。熊本県内で新たな自然災害の被害を受けた場合は、最新の災害支援枠が使えないか熊本県商工会連合会にご確認ください。
熊本地震の復興支援と両方受けられましたか?
同一の補助事業・同一経費で国の他の補助金と重複して受け取ることはできない扱いでした。異なる経費・異なる被害であれば両方の制度の対象になり得ますが、詳しい該当性は熊本県商工会連合会にご確認が必要でした。
商工会議所地区の事業者も対象でしたか?
この記事で扱う窓口(熊本県商工会連合会)は商工会地区向けです。商工会議所が管轄する地区の事業者は、全国商工会議所連合会経由の別窓口での申請となっていました。
