身体障害者向けのアプリやサービスを作りたいが、まとまった開発費が出せない——そんな事業者を国が直接助成する制度があります。NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構)の情報バリアフリー役務提供事業推進助成金です。結論から言うと、令和8年度の公募はすでに終了しており、今から令和8年度分として申請することはできません。ただし令和6年度・7年度・8年度と毎年1月に公募されているため、次回も同時期の再募集が見込まれます。
情報バリアフリー役務提供事業推進助成金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主。助成対象事業を遂行できる能力を持つ者) |
| 制度名 | 情報バリアフリー役務提供事業推進助成金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(通信・放送サービスの開発・提供事業者) |
| 利用目的 | 身体障害者の利便増進に著しく寄与する情報通信技術を利活用した役務の提供・開発 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 新規事業2,000万円、継続事業1,500万円 |
| 補助率 | 新規事業3分の2以内、継続事業2分の1以内(いずれも上限額とのいずれか低い額) |
| 申請受付 | 令和8年度分は終了(エントリー期間1月19日〜2月12日正午、申請受付期間2月13日〜3月13日17:00)。次回は例年1月頃に公募開始 |
| 公式サイト | NICT「情報バリアフリー役務提供事業推進助成金」 |

「今から申請できる」と誤解しやすいポイント
この助成金の名前で検索すると、NICTの公式ページ自体が上位に出てきます。ページを開いたときに「令和8年度の公募について」という見出しがそのまま残っているため、まだ受付中だと勘違いする人が少なくありません。
実際には、NICTのページには「令和8年度の公募は終了しました」と明記されています。申請受付期間はすでに過ぎており、今から書類を提出しても受理されません。 焦って準備するより、次回公募に向けて対象事業の内容を固めておくほうが得策です。
対象になる事業、ならない事業
この助成金の対象は「身体障害者の利便増進に著しく寄与する情報通信技術を利活用した役務の提供又は開発」に絞られています。
- 対象になる:手話・字幕を自動生成するアプリの開発、視覚障害者向け音声読み上げサービスの提供、聴覚障害者向けの電話リレーサービスの拡充
- 対象にならない:障害者雇用そのものへの支援、バリアフリー改修(物理的な設備投資)、一般消費者向けの通信・放送サービス開発
線引きの基準は「身体障害者の利便増進に著しく寄与するか」です。同じアプリ開発でも、対象を一般ユーザーに広げただけの企画は対象外になります。事業計画のなかで「身体障害者にとって何がどう改善するか」を明確に書けるかどうかが分かれ目です。
新規と継続で補助率が変わる理由
新規事業は経費の3分の2(上限2,000万円)、継続事業は2分の1(上限1,500万円)と、補助率・上限額の両方が下がります。すでに一度助成を受けた事業は、自走できる見込みが立っている前提で補助が薄くなる設計です。
継続事業として申請する場合は、前年度の実施状況・成果を示す資料が必要になります。初年度に助成を受けた事業者は、次年度も同じ補助率で受けられるわけではない点に注意してください。
対象経費の内訳
助成対象経費として認められるのは、次の5区分です。
- 外注費・委託費
- 労務費
- 消耗品費
- 諸経費
- 旅費・交通費
よくある質問
今から令和8年度分として申請できますか?
できません。令和8年度の公募(エントリー期間1月19日〜2月12日正午、申請受付期間2月13日〜3月13日17:00)はすでに終了しています。 次回公募の情報は、NICTの公式ページで随時確認してください。
次回はいつ頃募集されますか?
令和6年度・7年度・8年度とも1月中旬に公募が始まっています。例年1月頃に次回公募が始まる可能性が高いですが、正式な時期はNICTの公式発表を確認してください。
障害者向けでなく高齢者向けのサービスでも対象になりますか?
対象になりません。この助成金は「身体障害者の利便増進」に対象を限定しています。高齢者全般を対象にしたサービスは、身体障害者に特化した機能・効果を明確に示せない限り対象外です。
