携帯電話や固定回線の事業者が、災害用の移動電源車や可搬型基地局を買うとき、費用の3分の1以内を国が補助します。令和7年度補正予算分は、第三次締切の2026年3月31日で公募期間が終わっています。
もう1つ外せないのは契約の時期です。交付決定の通知日より前に結んだ契約は、補助の対象になりません。
情報通信拠点機能強化支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:情報通信拠点機能強化支援事業費補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(電気通信事業者)
- 対象業種
- 電気通信業(携帯電話・固定通信の事業者)
- 利用目的
- 災害時の応急復旧機材(移動電源車・可搬型基地局など)の購入
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 12.8億円
- 補助率
- 事業費の3分の1
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年1月16日〜2026年3月31日(受付終了)
- 事業の完了
- 単年度事業(年度内に完了。翌年度への繰越は原則不可)
自社は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
役場の通信回線とは、都道府県庁や市区町村役場の端末とつながる伝送路や交換設備のことです。申請では、少なくとも1つの自治体について、設備の設置場所と提供先を示す資料を付けます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 役場向けの回線を持たない事業者
- ✕ 中古品を買う
- ✕ ソフトウェアだけを買う
固定通信と携帯電話では、対象になる機材が少し違います。実施マニュアル第2.0版は、固定通信の事業者向けに移動電源車、可搬型発電機、衛星エントランス回線機器を挙げています。携帯電話の事業者は、これに車載型基地局と可搬型基地局が加わります。
いくら補助される?
対象設備を買う費用の3分の1以内です。消費税は含みません。
- 税抜1,500万円の移動電源車を買う:1,500万円 × 1/3 = 500万円
- 税抜3,000万円の車載型基地局を買う:3,000万円 × 1/3 = 1,000万円
- 税抜38.4億円分の機材をまとめて買う:38.4億円 × 1/3 = 12.8億円
3つ目は、Jグランツ掲載の上限12億8,000万円に届く計算です。ただし要綱と実施マニュアルには上限額が書かれていないため、この上限は総務省に確かめてください。
応募が予算を超えたときは、金額が調整されることがあります。また、機材の充足率が低い申請者が優先されます。充足率とは、持っている機材の数を、役場につながる交換設備の数で割った割合です。
何に使える?
対象にならないもの
- 消費税
- ソフトウェア
- 電波利用料、無線局の申請手数料、衛星回線の月額利用料などのランニングコスト
- 車両のオプション装備(復旧作業に真に必要なものや車両と一体のものは認められる場合があります)
対象になるもの
- 車載型基地局(基地局を積んだ車両を含む)
- 可搬型基地局(バックホール回線や電源設備などの附帯設備、基地局を積む専用車両、ドローン一体型を含む)
- 移動電源車、可搬型発電機(給油タンクなどを含む)
- 衛星エントランス回線機器(発電機などの電源設備を含む)
リースも使えます。ただしリース料が、購入した場合の金額の1割程度増以内であることが条件です。手数料や保険料は対象外です。
申請から入金までの流れ
- 公募を確かめる(事業者→総務省。公募の開始日と締切を確認)
- 交付申請書を出す(事業者→総務省。メール、大容量ファイル転送、Jグランツのどれか)
- 交付決定の通知を待つ(総務省→事業者。第一次締切の申請から順に決まります)
- 契約と発注をして機材を整える(事業者。契約は交付決定の日以降、単年度契約で)
- 実績報告書を出す(事業者→総務省。完了から1か月後か、翌年度の4月10日のいずれか早い日まで)
- 額の確定通知を受けて、精算払いを請求する(事業者→総務省。入金は請求のあと)
随意契約にするときは、必ず2者以上から見積もりを取ります。そのうえで、安い見積もりを出した者と契約します。
必要な書類
準備できた 0 / 9
見積書の根拠資料には、複数社の相見積もりや公的な単価資料を使います。整備計画は、市区町村ごとの年度末の保有台数を、設備別に3年分書きます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:交付決定日より前の契約は事前着手とされ、補助の対象になりません。
- 年度内に終わらなかった:単年度事業です。翌年度への繰越は原則として認められません。
- 保有台数が減る計画にした:減る場合は、理由と応急復旧体制への影響を書く必要があります。
- 計画を変えて届け出なかった:総務省と協議せずに変えた分は、補助の対象外になることがあります。
補助金で買った機材の扱い
単価50万円以上の機材は、補助の目的に反する使い方をしたり、売ったり貸したりするときに、総務大臣の承認が要ります。承認を受けた処分では、収入の一部を国に納めるよう命じられることがあります。
自社製品や100%子会社などから調達するときは、利益を除いて実績額を報告します。一般競争入札で、それ以外の者からも応札があった場合は例外です。
よくある質問
補助率と上限額はいくらですか?
補助率は、対象設備の購入、借用、改良、据付けに必要な経費の3分の1以内です。交付要綱の第7条に「予算の範囲内で」と書かれています。上限額は、Jグランツに12億8,000万円と掲載されています。ただし交付要綱と実施マニュアルには上限額の記載がなく、確認できませんでした。大きな金額の申請を考えている場合は、総務省に確かめてから計画を立てるのが安全です。
どんな機材が補助の対象ですか?
交付要綱の第4条は、車載型基地局、可搬型基地局、移動電源車、可搬型発電機、衛星エントランス回線機器の5つを挙げています。すべて新規製品でなければなりません。固定通信の事業者は、基地局を除いた機材が対象です。携帯電話の事業者は、基地局を含む5つすべてが対象になります。規格は交付要綱の別表第1で決まっています。
ソフトウェアや運用費も補助されますか?
補助されません。実施マニュアルでは、消費税、ソフトウェア、ランニングコストを交付対象とならない経費に挙げています。ランニングコストの例は、電波利用料、無線局の申請手数料、衛星エントランス回線機器の月額利用料です。車両のオプション装備も原則として対象外です。ただし、復旧作業に真に必要なものや、車両と一体のものは認められる場合があります。
家庭向けの回線だけの事業者でも申請できますか?
申請できない可能性が高いです。交付要綱の第6条は、都道府県庁などに設置された端末設備とつながる端末系伝送路設備と、それにつながる交換設備を持つ電気通信事業者を対象にしています。実施マニュアルでは、携帯電話の事業者は、役場で防災上必要な通信に使う移動端末設備とつながる伝送路設備を持つことが条件です。申請では、設置場所と提供先を示す資料を、1つ以上の自治体について付けます。
いつから発注や契約をしていいですか?
総務省から交付決定の通知を受けた日以降です。実施マニュアルは、決定日より前に結んだ契約を事前着手とし、補助の対象事業費にならないと書いています。契約は単年度でなければなりません。随意契約のときは、2者以上から見積もりを取り、特段の事情がなければ安いほうと契約します。機材の製作には時間がかかるため、年度内に終わる日程を組む必要があります。
採択ではどんな申請が優先されますか?
第一次公募の申請から順に決まります。ある公募期間に予算を超える申請が出た場合は、必要な台数に対する充足率が低いものから優先して採択されます。審査の基準は、申請内容が交付の対象になりうるか、事業の目的に合っているか、実施方法とスケジュールが現実的か、の3つです。応募が多いと、補助金額が調整されることもあります。
申請はどこへ、どうやって出しますか?
総務省に出します。方法は2つで、メールか総務省が指定する大容量ファイル転送システムで電子データを送るか、Jグランツで申請します。書面でも出せます。押印は不要です。通知をオンラインで受けたいかどうかを、申請書の余白に書きます。入金先を書いた口座設置届も、適宜の様式で一緒に出します。
実績報告はいつまでに出しますか?
補助事業が完了した日から1か月を経過した日か、翌会計年度の4月10日のどちらか早い日までです。完了しないまま年度が終わったときは、翌年度の4月30日までに出します。提出するのは、実績報告書、支出総括表と内訳書、請求書または領収書の写し、完成写真などです。消費税の仕入控除税額が確定したら、その報告も必要です。
令和7年度補正予算分の公募はいつまででしたか?
公募の開始は2026年1月16日です。第一次の締切が1月26日、第二次が2月16日、第三次が3月31日で、いずれも正午に必着でした。報道資料には、応募の状況によっては第三次締切のあとも随時受け付ける場合があると書かれています。個別に総務省へ連絡する形です。新しい公募回の有無は、総務省の報道資料で確かめてください。
補助金で買った機材を売ったり貸したりできますか?
単価50万円以上のものは、あらかじめ総務大臣の承認を受ければできます。承認なしに補助の目的に反して使ったり、売ったり、貸したり、担保に入れたりすることはできません。処分で収入が出ると、その全部または一部を国に納めるよう命じられることがあります。機材には「◯年度情報通信拠点機能強化支援事業」と書いたラベルを貼ります。
帳簿や書類はどのくらい保存しますか?
補助事業の経理は、ほかの経理と分けて帳簿に記録します。会計帳簿と収支の証拠書類は、補助事業が完了した日の属する会計年度が終わってから5年間保存します。会計検査院などの検査が入ることもあり、事実と違う報告が見つかると補助金の返還を求められます。報告に使う写真も、機器名や設置場所を入れて整えておきます。
問い合わせ先はどこですか?
総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 安全・信頼性対策課です。電話は03-5253-5858です。公募の報道資料には、申請を希望する場合は早めに相談するよう書かれています。補助対象経費に当たるか迷うものも、総務省に協議するよう実施マニュアルが求めています。見積書を作る前に、経費の区分を確かめておくと出し直しを防げます。
