「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を建てると補助金が出る」と聞いたことがあっても、実際にどこへ申請すればいいのか分かりにくい制度があります。「住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金」がその一つです。この記事で取り上げるのは、国(経済産業省)が補助金を配る「執行団体」を選ぶための公募で、2025年2月28日に受付を終了しています。
ここが分かりにくい点ですが、住宅の建築主やビルのオーナーが直接この公募に申請するわけではありません。 国から選ばれた執行団体(事務局)が、実際にZEH・ZEBを建てる事業者や個人に補助金を配る二段構えの仕組みです。制度の中身を理解しておくと、来年度以降に住宅・建築物のZEH化を検討するときに役立ちます。
住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(執行団体を担う法人。実際の建築主・事業者は執行団体経由で申請) |
| 制度名 | 令和7年度住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金 |
| 対象業種 | 建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業など幅広い業種が対象 |
| 利用目的 | ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)実証、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)実証、既築住宅のZEH改修実証支援 |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 執行団体としての事業遂行能力を持つ法人(規定なし・執行実務を担える体制が条件) |
| 補助上限額 | 執行団体への交付総額は55億円(個々の建築主・事業者への補助額は執行団体が定める) |
| 補助率 | 定額(10分の10) |
| 申請受付 | 執行団体公募:2025年2月7日~2月28日(終了) |
| 公式サイト | jGrants「令和7年度住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業費補助金」 |

この補助金の「執行団体」とは何か
国の補助金の中には、経済産業省が直接事業者へお金を配るのではなく、まず「執行団体(事務局)」を公募で選び、その団体が実際の受給者を審査・交付する仕組みのものがあります。この事業もその一つです。今回の公募は、その執行団体になる法人を選ぶためのもので、経済産業省が執行団体に55億円を定額(10分の10)で交付する枠組みです。
つまり、住宅を建てる工務店や、ビルを所有する事業者がここに直接申し込むのではなく、選定された執行団体が別途開設する申請窓口(実証事業の公募)を通じて補助を受けることになります。
事業の中身:3つの実証メニュー
対象となる実証は、①ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業、②ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業、③既築住宅のZEH改修実証支援事業の3つです。新築だけでなく、既存住宅を省エネ改修してZEH水準に引き上げる取り組みも対象に含まれている点は見落とされがちです。
実際に補助を受けたい事業者・個人がすべきこと
執行団体の選定が終わると、その団体が具体的な申請要領・スケジュールを公表し、そこから住宅の建築主や工務店が個別に申請する流れになります。
- 執行団体が決まった後の公式ページ・SIIやJEMA等の事業実施団体のサイトを定期的に確認する
- ZEH・ZEB化を検討している設計・施工業者に、対象となる補助制度の実施状況を確認してもらう
- 交付決定前の着工は対象外になることが多いため、着工スケジュールを補助金の申請スケジュールと合わせて計画する
交付決定より前に契約・着工してしまうと、その工事は補助対象から外れるのが一般的な国庫補助金のルールです。ZEH化を検討している場合は、着工前に必ず実施団体の要領で対象条件を確認してください。
よくある質問
この公募に住宅の建築主が直接申請できますか?
いいえ。この公募は執行団体(事務局)を選ぶためのもので、受付は2025年2月28日に終了しています。個々の建築主・事業者は、選定された執行団体が別途開設する申請窓口を通じて補助を受けます。
補助率10分の10というのは、建築主も全額補助されるということですか?
いいえ。10分の10は国から執行団体への交付率です。執行団体から建築主・事業者への補助率・上限額は、執行団体が定める実証事業の要領に従います。
既存の住宅を改修する場合も対象になりますか?
事業メニューの一つに「既築住宅のZEH改修実証支援事業」が含まれています。新築だけでなく改修も対象に想定されていますが、具体的な要件は執行団体の要領で確認する必要があります。
