太陽光や風力の発電量は天候まかせで変動します。その変動を吸収し、余剰分をためて必要なときに供給する仕組みとして注目されているのが系統用蓄電池です。ただ、実際に電力市場で取引しながら運用するとなると、設備を入れる前に技術的な検証が要ります。
令和5年度系統用蓄電池等導入・配電網合理化等再生可能エネルギー導入加速化事業費補助金(系統用蓄電池等実証支援事業)は、系統用蓄電池を各種電力市場での取引を通じて活用する取組を実証支援する制度でした。補助上限額は2,000万円。この記事を書いている時点で、本回の募集は2023年6月14日に終了しています。
系統用蓄電池等実証支援事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(系統用蓄電池等の導入・実証を行う法人) |
| 制度名 | 令和5年度系統用蓄電池等導入・配電網合理化等再生可能エネルギー導入加速化事業費補助金(系統用蓄電池等実証支援事業) |
| 対象業種 | 汎用(エネルギー関連事業者) |
| 利用目的 | 設備投資(系統用蓄電池等の市場活用に関する実証) |
| 対象地域 | 全国 |
| 従業員数 | 規定なし(公式ページに記載なし) |
| 補助上限額 | 2,000万円(20,000,000円) |
| 補助率 | 公式ページに記載なし(SIIへお問い合わせください) |
| 申請受付 | 2023年6月14日に終了 |
| 公式サイト | SII「令和5年度 系統用蓄電池等導入支援および実証支援事業」 |

「導入支援」と「実証支援」は別枠だった
この年度のSII事業は、系統用蓄電池・水電解装置の導入を支援する枠と、実証を支援する枠の2本立てで構成されていました。今回の記事で扱う実証支援事業は、系統用蓄電池等を卸電力市場や需給調整市場といった各種電力市場で取引しながら運用する取組を対象にしています。
再エネの余剰分を吸収し、必要なときに調整力として供給する。この運用モデルを実際に動かしながら検証する段階を後押しするのが、実証支援事業の役割です。単に蓄電池を設置するだけの案件とは審査の視点が異なります。
系統用蓄電池関連の補助金は毎年出ている
SIIは系統用蓄電池・水電解装置の導入支援事業を、令和5年度以降も名称と要件を更新しながら継続的に実施しています。令和6年度・令和7年度にも同種の枠組みが公募されており、系統用蓄電池という分野自体への支援が続いている点は押さえておくとよいでしょう。
- SIIの公式サイトで最新年度の公募状況を確認する:導入支援・実証支援それぞれのメニューが翌年度以降も出ている可能性があります
- 市場取引を通じた活用モデルを整理しておく:どの市場(卸電力市場・需給調整市場等)でどう運用するかの構想を、公募前に固めておくと動き出しが早くなります
- 系統連系の検討状況を確認しておく:実証案件は系統との接続要件が絡むため、早めに送配電事業者との協議を始めておくと安心です
よくある質問
今から申請できますか?
令和5年度分(今回ご紹介した回)の募集は2023年6月14日に終了しています。系統用蓄電池関連の補助金はSIIが年度を変えて継続実施しているため、最新の公募状況は公式サイトでご確認ください。
個人事業主でも申請できますか?
系統用蓄電池等の導入・実証を行う事業者を想定した制度です。個人事業主が対象になるかどうかは、SIIへの直接確認をおすすめします。
導入支援事業と何が違いますか?
同じ令和5年度事業の中でも、導入支援事業は蓄電池の設置そのものを対象とし、実証支援事業は市場取引を通じた運用モデルの検証を対象としています。目的が異なるため、自社がどちらの段階にあるかを見極めてから応募先を選ぶ必要があります。
