人手不足の現場に、県内で生まれたスタートアップのロボットや業務システムを入れてみたい。ただ、新しい製品は実績が読めず、初期費用の判断が重くなりがちです。香川県は、その導入費の一部を補助しています。
使えるのは、県内に事業所を置く事業者です。製品を買うなら対象経費の1/2(上限200万円)、レンタルやサービス利用なら2/3(上限100万円)が戻ります。ただし県のカタログに載っている製品・サービスだけが対象で、スタートアップの製品なら何でもよいわけではありません。
香川発スタートアップの製品等導入利用支援補助金の要点まとめ
正式名:香川発スタートアップの製品等導入利用支援補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)・各種法人・地方公共団体等
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- 香川発スタートアップの製品・サービスの導入・利用
- 対象地域
- 香川県内に事業所を置く事業者
- 従業員数
- 規定なし(大企業も県内に事業実態があれば対象)
いくら
- 補助上限額
- 200万円(レンタル・サービス利用は100万円)
- 補助率
- 1/2以内(レンタル・サービス利用は2/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2027年2月26日(予算に達し次第終了)
- 事業の完了
- 2027年3月20日まで
何から始める?まず県のカタログを開く
出発点は、補助金の申請書ではなくカタログです。県の「香川県スタートアップ・起業支援サイト」に、対象の製品・サービスが公開されています。ここに載っていないものは、香川発のスタートアップが作っていても補助の対象になりません。
カタログに載るのは、国のJ-Startup(またはJ-Startup WEST)の選定企業か、香川県ビジネスチャレンジコンペの受賞企業の製品です。個人消費者向け(BtoC)の製品は載りません。事業者向けの製品を探すつもりで開くと、目当てが見つかりやすくなります。
うちは対象になる?
次のすべてに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
対象者は企業と個人事業主のほか、医療法人、社会福祉法人、NPO法人、学校法人、協同組合、地方公共団体まで幅広く含まれます。大企業も、県内に事業実態があれば対象です。事業所は本店でも支店でも工場でも構いませんが、住所だけ借りるバーチャルオフィスは認められません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ カタログにない製品を入れる
- ✕ 交付決定の前に発注した
- ✕ すでに使っているサービス
- ✕ 同じ事業で他の補助金を受ける
- ✕ 導入した製品を県外で使う
「すでに使っているサービス」は、月額制の料金を補助に充てられないという意味です。ただし、追加で同じ製品を入れる場合、解約から6か月以上たって契約し直す場合、レンタルから購入に切り替える場合は対象になります。
いくら戻る?購入とサービス利用で率が変わる
補助の対象になるのは税抜の金額です。1,000円未満の端数は切り捨てます。
| 区分 | 補助率 | 上限 |
|---|---|---|
| 製品の取得 | 1/2以内 | 200万円 |
| 製品のレンタル(試し利用) | 2/3以内 | 100万円 |
| サービス利用 | 2/3以内 | 100万円 |
計算例を3つ並べます。
- 検査ロボットを買う(税抜300万円):300万円 × 1/2 = 150万円
- 同じ種類のロボットを買う(税抜500万円):500万円 × 1/2 = 250万円 → 上限の200万円
- 業務システムの利用料と導入支援(税抜90万円):90万円 × 2/3 = 60万円
製品の購入とサービス利用を一度に申請する場合は、全体の上限が200万円で、うちサービス利用分は100万円までです。たとえば機器の取得200万円と、クラウドサービス60万円を一緒に申請すると、200万円 × 1/2 = 100万円と、60万円 × 2/3 = 40万円で、合計140万円になります。
補助が出るのは費用が税抜30万円以上の導入だけです。30万円を下回る小さな導入は、申請できません。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 交付決定の前に発注(契約)した経費
- 2027年3月20日までに支払いが終わらない経費
- レンタルとサービス利用で、2027年2月末より後の利用分
- パソコンやカメラなど、他の用途に転用できる汎用品の購入費
- 振込手数料、代引手数料、ネット決済の手数料
- 支出の証拠書類がそろわない経費
対象になるものは次のとおりです。
- 製品の取得費、レンタル料、サービス利用料
- それに伴う付帯費用(コンサルティング費、運搬費、施工費、システム改修費など)
付帯費用には上限があります。計上できるのは、製品の取得費、レンタル料またはサービス利用料の1/2までです。導入に欠かせない工事をスタートアップとは別の会社に頼む場合は、スタートアップ自身ができない内容に限って対象になります。サービス専用に作られた機器は対象でも、汎用のパソコンは対象外です。
申請の流れ
順番を間違えると補助が出ません。発注は交付決定のあとです。
- カタログから製品を選び、見積書と確認書をもらう(事業者→製品の提供元とスタートアップ。どちらも申請の前に取る)
- 書類をそろえて申請する(事業者→県産業政策課。電子申請かメールで、2027年2月26日まで)
- 交付決定を待つ(県→事業者。先着順で、予算に達すると受付が終わる)
- 発注し、納品を受け、支払う(事業者→提供元。交付決定日から2027年3月20日までに終える)
- 実績報告を出す(事業者→県産業政策課。事業の完了から20日後か3月20日のいずれか早い日まで。支払いの証拠書類と、導入の様子がわかる写真を付ける)
- 確定通知を受けて請求する(事業者→県。補助金は事業の終了後に支払われる)
県のサイトでは、記載例も2つ公開されています。建設業者がロボットを取得する場合と、医療機関が医療機器を取得して医療システムを使う場合です。自分の業種に近い方を見ると、書き方をつかみやすくなります。
必要な書類
準備できた 0 / 6
納税証明書は、申請日から3か月以内に発行された香川県税の滞納がないことの証明書です。税務署や市町では出していません。事業と所在の確認書類は、法人なら会社案内や登記事項証明書、個人事業主なら直近の確定申告書や開業届の写しが例に挙がっています。
確認書(様式第1号 別紙2)は、製品を提供する香川発スタートアップが発行します。県のチラシに、申請の前にその確認書を取っておく流れが示されています。様式は県のページにあり、申請者名、対象の製品・サービス、補助金の交付申請額を書く形です。製品を決めたら、早めにスタートアップへ依頼しておくと、申請が遅れません。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前に契約や発注をした経費は、対象になりません。見積は先、発注は後です。
- 3月20日に間に合わなかった:納品と支払いが2027年3月20日までに終わらないと、交付決定を受けていても補助金は支払われません。
- 予算が先になくなった:交付決定は先着順です。スタートアップ1社につき、当年度の交付決定額の累計が1,000万円を超えると、その会社の製品の新規受付も止まります。
- 支払いの方法を誤った:小切手、手形、相殺、ポイントや商品券での決済は認められません。申請者名義の口座かカードで支払います。
- 他の補助金と重なった:同じ事業に国・県・市町などから別の補助金や助成金を受けていると、対象外です。
購入したあとの注意
補助金で買った機械のうち、単価が税抜50万円以上のものは、事業の完了後も一定期間は処分が制限されます。目的外の使用、譲渡、担保に入れること、廃棄が対象です。期間は、法定耐用年数に相当する期間とされています。売却や入れ替えを考えているときは、事前に県の承認が要ります。
書類の保存も必要です。支出の証拠書類などは、令和9年度から5年間(2032年3月31日まで)、ほかの書類と分けて保管します。
よくある質問
スタートアップ側が申請する補助金ですか?
いいえ、申請するのは製品を導入する県内事業者です。スタートアップが自社の資金調達に使う制度ではありません。スタートアップは、県のカタログに製品を登録してもらう立場です。登録の条件は、J-Startupの選定企業か県のビジネスチャレンジコンペの受賞企業で、1社あたり5種類までと決まっています。導入を考える事業者は、まずカタログを見て選ぶことになります。
個人事業主や大企業でも申請できますか?
どちらも申請できます。県内で事業を営む個人事業主は対象で、事業を営んでいない個人は対象外です。大企業も、県内に事業実態のある事業所があり、事業内容が県内の課題解決や生産性向上に役立つものであれば対象になります。申請は事業者単位で、事業所ごとに別々に出すことはできません。個人事業主は、屋号がなければ名称欄を空けても構いません。
費用が30万円未満の導入でも使えますか?
使えません。補助対象経費の合計が税抜30万円未満の導入は対象外です。付帯費用を含めた合計で判断します。小さな導入をいくつかに分けて申請しても、それぞれが30万円に届かなければ対象になりません。費用を見積もる段階で、本体と付帯費用の合計が30万円以上になるかを確かめておくと、申請を出してから外れるのを防げます。
同じスタートアップの製品を複数回申請できますか?
同じ年度に、同じスタートアップの製品・サービスは1回しか申請できません。ただし、異なるスタートアップの製品なら複数回の申請が可能です。1回の申請に、同じスタートアップの複数の製品を入れることもできます。その場合も上限は変わりません。製品の取得は200万円、レンタルやサービス利用は100万円までで、製品を増やしても上限は積み上がりません。
すでに使っているサービスの料金も補助されますか?
交付決定の前から使っているレンタル料やサービス利用料は、補助の対象になりません。例外は3つあります。追加で同じ製品を導入する場合、過去に同じサービスを契約していて解約から6か月以上たっている場合、レンタルで使っていた製品を購入する場合です。どれに当たるかは申請書で説明することになるため、契約の履歴を手元に用意しておくと進めやすくなります。
ほかの補助金と併用できますか?
同じ事業に、国、県、市町、財団などから補助金や助成金を受ける場合は対象外です。県の総合補助金なども同じ扱いです。別の内容の事業で別の補助金を受けること自体は妨げられていませんが、同じ製品の同じ経費を二重に補助してもらうことはできません。ほかの制度と迷ったら、先に産業政策課へ内容を伝えて確かめるのが確実です。
補助金はいつ振り込まれますか?
事業が終わったあとです。支出の証拠書類をそろえて実績報告を出し、県が内容を審査して補助金の額を確定します。確定通知を受け取ってから、精算払の請求書を出して初めて支払われます。交付決定の時点でお金が入るわけではないので、代金はいったん自社で全額払うことになります。振込の具体的な日は、公募要領に書かれていませんでした。
支払いはクレジットカードでもよいですか?
1回払いに限り認められています。領収書、カード会社の利用代金明細書、決済口座の通帳の該当部分の3点が証拠書類として要ります。カードの名義は、交付決定の通知書に書かれた補助事業者の名義にそろえます。法人なのに個人のカードや別の法人のカードで払うと、対象になりません。銀行振込も同じで、申請者名義の口座から払います。
交付決定の前に見積を取ってもよいですか?
取る必要があります。見積書の写しは申請書に添付する書類で、申請の前に手に入れておきます。見積だけなら交付決定の前でも問題ありませんが、発注や契約は交付決定のあとです。見積を取った会社にそのまま発注するつもりでも、決定の通知を受けてから契約します。納品と支払いも、交付決定日から3月20日までの間に終えます。
問い合わせ先はどこですか?
香川県商工労働部産業政策課の起業促進・成長支援グループです。電話は087-832-3353、メールはsangyo@pref.kagawa.lg.jp です。申請は香川県電子申請・届出システムか、メールで受け付けています。メールで出すときは、件名に「香川発スタートアップ活用補助金申請」と書きます。カタログの製品が対象に当たるかどうか迷ったときも、ここに聞くのが確実です。
