この交付金が払うのは、設備の代金ではありません。化学肥料と農薬を減らして育てる、その栽培のやり方に対して、面積に応じて払います。みどりチェックのチェックシートを出すことが、受け取る条件の1つです。
受け付けるのは県ではなく、農地のある市町村です。始める前に、その市町村が事務に対応しているかを聞いてください。
環境保全型農業直接支払交付金の要点まとめ
正式名:環境保全型農業直接支払交付金
だれが
- 申請者
- 農業者の団体または条件を満たす農業者
- 対象業種
- 農業
- 利用目的
- 化学肥料・農薬の低減、有機農業など環境保全型農業
- 対象地域
- 神奈川県内
- 従業員数
- 規定なし(団体内に取り組む農業者2名以上が必要)
いくら
- 補助上限額
- 10aあたり最大16,000円(炭素貯留型。通常は14,000円)
- 補助率
- 定額(取組面積 × 単価)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 公式ページに記載なし(市町村が定める期限まで)
- 公式サイト
- 神奈川県「環境保全型農業直接支払交付金」
うちの農地は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 取り組む農業者が1人の団体
- ✕ 市町村が受け付けていない農地
- ✕ 販売しない作物だけ作る
主作物とは有機農業か、化学肥料・農薬を減らす取組の対象にする作物のことです。減らす基準は、神奈川県の慣行レベル(県が定める、一般的な栽培での使用量)から原則5割以上です。慣行レベルが設定されていない作物は、有機農業だけが対象になる場合があります。
団体は、複数の農業者または農業者と地域の住民などでつくる任意の組織です。代表者と規約を決め、団体の口座を開きます。団体内に、対象の取組をする農業者が2名以上いることが条件です。
個人や法人が単独で申し込むには、2つの条件があります。集落の耕地面積の一定割合以上で取組をするか、複数の農業者で構成される法人(農協を除く)に当たること。そのうえで市町村が特に認める必要があります。
みどりチェックは、農林水産省が環境にやさしい農業に最低限必要な取組をまとめたチェックシートです。内容は、適正な施肥、適正な防除、エネルギーの節減、廃棄物の抑制、環境関係の法令の遵守などです。
民間のGAP認証(GLOBALG.A.P.、ASIAGAP、JGAP)を取っていれば認証書の写しなどで、チェックシートの提出を省ける場合があります。
いくらもらえる?
取組面積に単価をかけた額です。単価は10aあたりで、10aは1,000平方メートルです。
| 取組 | 10aあたりの単価 |
|---|---|
| 有機農業(雑穀・飼料作物以外) | 14,000円(炭素貯留型は+2,000円) |
| 有機農業(そば等雑穀・飼料作物) | 3,000円 |
| 5割以上減らす+堆肥の施用 | 3,600円 |
| 5割以上減らす+緑肥の施用 | 5,000円 |
| 5割以上減らす+炭の投入 | 5,000円 |
| 5割以上減らす+総合防除 | 4,000円(雑穀・飼料作物は2,000円) |
炭素貯留型は、土壌診断をしたうえで堆肥・緑肥・炭のどれかを併せて行う有機農業です。総合防除は、県のIPM実践指標(病害虫を総合的に管理するための指標)の管理項目を6割以上実施し、要件で示す取組を1つ以上行う取組です。
- 有機農業を30a:14,000円 × 3 = 42,000円
- 炭素貯留型の有機農業を30a:16,000円 × 3 = 48,000円
- 5割減+緑肥の施用を50a:5,000円 × 5 = 25,000円
- そばで5割減+総合防除を20a:2,000円 × 2 = 4,000円
団体には、これとは別に取組拡大加算があります。有機農業(雑穀・飼料作物以外)に新しく取り組む農業者を受け入れ、栽培の指導をする団体が対象です。新しく有機農業を始めた面積に、10aあたり4,000円が付きます。新規の取組が60aなら4,000円 × 6 = 24,000円です。
交付は予算の範囲内です。全国の申請額が予算を上回ると、交付額が減ることがあります。
費用は、国が2分の1、県と市町村が4分の1ずつ負担します。市町村が負担するので受け付けられない市町村もあります。
申請の流れ
団体で手続きを進めます。国のパンフレットには、手続きごとの期限が載っています。令和8年6月末の計画の認定はすでに過ぎています。市町村が日を定める手続きもあるので、期限は農地のある市町村で確かめてください。
- 市町村に、受け付けているかを聞く(農業者→農地のある市町村。最初に)
- 団体をつくるか、入る(農業者。代表者と規約を決め、団体の口座を開く)
- 5年間の事業計画と営農活動計画書を出し、認定を受ける(団体→市町村。令和8年6月末まで)
- 交付申請書を出す(団体→市町村。毎年度。市町村が定める日まで)
- 対象の取組と推進活動をする(団体の農業者。化学肥料・農薬の低減など)
- 実施状況報告書を出す(団体→市町村。令和9年1月末まで)
- 実績報告書を出す(団体→市町村。交付金の使いみちを書く。市町村が定める日まで)
- 営農活動実績報告書を出す(団体→市町村。令和9年4月末まで。実施状況報告の時点で取組が済み、変更がなければ省ける)
電子申請もできます。農林水産省の共通申請サービス(eMAFF)を使い、デジタル庁のgBizID(国の電子申請に使う共通ID)が要ります。電子申請に対応している市町村は限られているので先に市町村へ確かめます。
必要な書類
準備できた 0 / 7
実施状況報告書には、構成員ごとの取組面積と団体の推進活動を書き、みどりチェックや生産記録をまとめて添えます。令和9年3月末までに取組が終わる予定のものも、この時点で出します。
実施状況報告の時点で取組が済み、報告内容に変更がなければ、4月末の営農活動実績報告書は省けます。
もらえなくなるのはどんなとき?
- みどりチェックに漏れがあった:実施状況欄の全項目にチェックし、翌年度の欄にも全項目をチェックします。報告内容は農林水産省などが抽出して確認します。
- 推進活動をしなかった:技術向上や理解促進の活動に取り組むことも要件の1つです。
- 取組が基準に届かなかった:化学肥料・農薬を慣行レベルから原則5割以上減らす取組が土台です。
- 計画の認定を更新しなかった:令和3年度に初めて認定を受けた団体は、令和8年度に改めて認定を受けます。
令和7年度からの移管と、計画の変更
令和7年度から、冬期湛水、夏期湛水、中干し延期、江の設置などは、多面的機能交付金に移りました。これらに取り組んできた場合は環境保全型農業の交付金では対象外です。
令和4年度から令和7年度のあいだに計画の認定を受けている団体は、内容に変更があれば市町村に計画変更の申請か届出をします。
よくある質問
個人の農家でも申請できますか?
単独で申し込む個人や法人は、2つの条件を満たす場合に対象になります。集落の耕地面積の一定割合以上で取組をする農業者であるか、複数の農業者で構成される法人(農協を除く)に当たることです。そのうえで市町村が特に認める必要があります。条件を満たすかどうかは市町村が判断します。まずは農地のある市町村の担当課に聞いてください。
いつから申請できますか?
神奈川県の案内ページに、申請の受付期間は書かれていません。手続きの窓口は農地のある市町村で、期限も市町村が定める部分があります。国のパンフレットには、5年間の事業計画の認定が令和8年6月末まで、実施状況報告書が令和9年1月末まで、営農活動実績報告書が令和9年4月末までと載っています。交付申請書と実績報告書は市町村が定める日です。令和8年6月末はすでに過ぎているので、新しく始めたいときは、令和8年度に間に合うか、次の年度の認定の時期はいつかを市町村に聞いてください。
みどりチェックとは何ですか?
農林水産省が環境にやさしい農業の最低限の取組をまとめたチェックシートです。15の項目に、適正な施肥、適正な防除、エネルギーの節減、廃棄物の抑制、法令の遵守などが並びます。この交付金では、実施状況欄の全項目と、翌年度に取り組む予定の欄の全項目にチェックして出します。農林水産省などが対象者を抽出し、実施状況を確認します。
取組ごとの単価はどこで確かめますか?
神奈川県の案内ページに、県の単価が載っています。国のパンフレットには、都道府県によって単価が異なる場合があると書かれています。この記事の単価は神奈川県の案内ページの値です。他県の農地にも取り組むならその県のページで確かめてください。令和8年度に単価が変わる場合もあるので申請の前に県か市町村で最新の値を確認します。
炭素貯留型の有機農業とは何ですか?
土壌診断をしたうえで有機農業に加えて、堆肥の施用、緑肥の施用、炭の投入のどれかを行う取組です。この型を選ぶと、有機農業の単価14,000円(雑穀・飼料作物以外)に2,000円が加わり、10aあたり16,000円になります。そば等の雑穀や飼料作物の有機農業には、この加算は付きません。土壌診断の実施方法は、市町村か県の手引きで確かめてください。
水稲でも取り組めますか?
取り組めます。ただし堆肥の施用、緑肥の施用、総合防除を選び、主作物が水稲の場合は水田からのメタン排出を減らす取組を併せて行います。水稲を栽培する年度の長期中干しか、栽培する前年度の湛水をしないことまたは秋耕のどれか1つ以上です。有機農業やほかの組合せで、この追加の取組が要るかどうかは、市町村に確かめてください。
5割減らしたかどうかは、どう判断しますか?
神奈川県の慣行レベルと比べます。慣行レベルは、県が定める一般的な栽培での化学肥料と化学合成農薬の使用量で、県のページから確認できます。慣行レベルが設定されていない作物は、有機農業が支援対象になるかどうかを、県が判定した一覧で確かめます。通常の栽培で化学肥料と農薬が使われる作物と認められたときに対象です。
交付額が減ることはありますか?
あります。この制度は予算の範囲内で交付金を出す仕組みです。全国の申請額の合計が予算額を上回ると、交付額が減ることがあります。計算した単価どおりに入る額は、確定したものではありません。資金計画を立てるときは計算した額を上限の目安として見てください。減額の幅は、公式ページに書かれていません。
電子申請はできますか?
できる市町村があります。農林水産省の共通申請サービス(eMAFF)で申請します。デジタル庁のgBizIDを、農業者団体か法人の名前で取る必要があります。ただし電子申請に対応している市町村は限られています。使えるかどうかは、先に農地のある市町村に確かめてください。紙の申請になる場合は市町村の指示に従って書類を出します。
GAP認証を取っていればみどりチェックは要りませんか?
条件つきで省けます。GLOBALG.A.P.、ASIAGAP、JGAPの認証や、国際水準GAPガイドラインへの準拠が確認された都道府県GAPなどを取っていれば認証書の写しなどを出して、チェックシートの提出を省ける場合があります。どの認証が使えるか、写しをどの書類に添えるかは、市町村で確かめてください。認証がない場合はチェックシートを出します。
令和3年度から参加しています。何か手続きが要りますか?
初回の計画認定が令和3年度の場合令和8年度に改めて計画の認定を受けます。令和4年度から令和7年度に認定を受けた場合は認定された計画の内容に変更があるときだけ、市町村に計画変更の申請か届出をします。変更する内容によって手続きが異なります。団体の代表者が、農地のある市町村の担当課へ早めに相談してください。
問い合わせ先はどこですか?
制度のことは神奈川県 環境農政局 農水産部 農業振興課 普及グループ(電話 045-210-4446)です。実際の受付や期限は農地のある市町村が窓口なのでそちらにも確かめます。国の制度として、農林水産省 農産局 農業環境対策課(電話 03-6744-0499)でも相談できます。
