宿泊施設と飲食店と交通事業者が、社員寮や温泉の引湯管(温泉を各施設へ引く配管)を共同で整える。その費用の半分、上限5,000万円を国が補助するのがこの事業です。補助の対象は、宿泊事業者を1者以上含む体制で申請した事業だけです。
二次公募は2026年8月18日の12時で受付を終えました。三次公募も終了しています。公式FAQには、四次公募をするかどうかは申請状況を見て検討すると書かれています。
地域一体となった観光産業の効率化支援事業の要点まとめ
正式名:地域一体となった観光産業の効率化支援事業(令和7年度補正予算)
だれが
- 申請者
- 事業者・団体(宿泊事業者を1者以上含む体制)
- 対象業種
- 観光関係事業者(宿泊・飲食・交通・観光施設・観光協会・登録DMO等)
- 利用目的
- 複数事業者が共同で使う設備の導入・改修
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(事務局へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 5,000万円
- 補助率
- 1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 二次は8月18日、三次は9月29日の12時まで(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年2月19日17時まで(実績報告の期限)
うちの事業は対象になる?
次の4つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 4
交付決定とは、採択とは別に事務局から届く通知です。この通知より前に着工した工事は対象外です。DMOは、観光地づくりを担う法人のことです。補助の対象になるのは、観光庁に登録された登録DMOだけです。宿泊事業者は、旅館業法の許可を受けた民間事業者を指します。
宿泊事業者を含める条件は、二次公募の説明会で次のように整理されました。観光関係事業者と宿泊施設1者以上を含む、2者以上の体制で申請できます。連携先が補助対象経費を負担しない場合は、様式1別紙1が要りません。申請時に連携先が決まっていなくても、交付決定から3か月以内に連携同意書を出せば申請できます。連携先は設備を共同で使う事業者のことで、費用を負担しなくても構いません。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 新築や取り壊し後の再建の費用
- ✕ システムだけを入れる費用
- ✕ 自治体が所有する施設
- ✕ 同じ事業者からの2件目の申請
- ✕ 同一グループだけでの申請
同一グループとは、代表者が同じか、会計が同じ(親会社・子会社を含む)事業者のことです。グループ会社だけでは申請できず、ほかの観光関係事業者を連携先に入れる必要があります。
自治体所有の施設でも、指定管理者(自治体から施設の運営を任された民間事業者)が運営する場合は申請できる余地があります。設備や協定の内容で結論が変わるため、事務局に個別に相談する扱いです。
いくら補助される?
対象経費の1/2です。上限の5,000万円に届くのは、対象経費が1億円以上のときです。以下の金額は計算を見せるための仮の数字です(2つ目の1億2,000万円は、事務局の説明資料にも同じ金額の例があります)。
- 宿泊施設と飲食店が共同の社員寮を改修する:6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
- 複数の旅館が共同キッチンを整備する:1億2,000万円 × 1/2 = 6,000万円 → 上限の5,000万円
- 観光協会が地域共同倉庫に備品だけを入れる:800万円 × 1/2 = 400万円
上限を超えた分は自己負担です。2つ目の例では、1,000万円が補助の外に出ます。
何に使える?
対象にならないもの
- 新築や取り壊し後の再建にかかる費用
- ソフトウェアやアプリなど、システム単体の導入
- 共同循環バスの人件費・燃料代など、経常的な運営費(ランニングコスト)
- 申請に要した経費と、事業計画の作成を頼んだ専門家への支払い
- 自治体が支出する経費
- 交付決定の前に着手した工事
- 光熱水費・通信料・リース料・保証金など、経常的な経費
- 法令で義務になっている設備の新規導入の工事費
- 用地の取得や恒久的な施設の設置
- 設備を入れたあとの運用にかかる経費
- 資金調達の利子と振込手数料
対象になるもの
- 共同社員寮・温泉引湯管・共同循環バス・共同キッチン・地域共同倉庫の導入や改修
- コミュニティーガス事業の導入や改修
- 設備を入れたあとの運営に必要なシステムの構築
- 備品の購入だけの事業(施設の改修はなくても申請できます)
- 遊戯施設や太陽光パネル(共同利用で、地域全体の効率化に役立つと認められる場合)
システムの扱いには注意が要ります。混雑状況を見せる仕組みは、デジタルサイネージ(表示用の画面)のような機器を入れるなら対象になりえます。Webサイトやアプリだけの導入は対象外です。ハードとソフトの費用の割合に制限はありませんが、ソフトだけの事業は認められません。
単価が税抜50万円を超える物は、取得財産の所有権の詳細を申請様式に書きます。消費税は、課税事業者なら原則として補助対象経費に含めません。免税事業者や簡易課税事業者などは、含めて計算できます。
申請の流れは?
- 公募要領と様式を取る(事業者→特設サイト。二次公募は7月8日から)
- 申請者マイページを作る(事業者→特設サイト。事業ごとに登録が要ります)
- 書類を作ってマイページから出す(事業者→事務局。二次公募は8月18日12時まで)
- 審査を受ける(事務局。書類審査(1次)を通ると、オンラインのプレゼン審査(2次)があります。代表者の参加は必須です)
- 交付決定を待つ(事務局→事業者。決定の前に着手しない)
- 事業を終えて代金を払い切る(事業者。2027年2月19日まで)
- 実績報告を出す(事業者→事務局。2027年2月19日17時が期限)
補助金は事業が終わってから、完了検査を経て精算されます。先に事業者が全額を立て替える形です。
二次公募の事業実施期間は、交付決定日から2027年2月19日までです。次年度への繰り越しはありません。
必要な書類
準備できた 0 / 7
様式の名前と必須かどうかは、特設サイトに載っている三次公募の一覧にもとづきます。二次公募の様式は一部が違うため、実際の公募要領で確かめてください。
見積書、事業計画申請書、費用積算書、事業概要は必須です。旅館業法の営業許可証は、体制に含まれる宿泊施設のものが必須です。図面と整備箇所の写真は、設備の導入や改修なら必須で、車両や備品だけの導入では要らない場合があります。財務諸表とカタログは任意で、財務諸表は直近3年分が上限です。
事業概要はPowerPointで30ページ以内です。連携先が決まっていなければ、事業概要に連携先の候補を書き、決まりしだい連携同意書を出します。相見積もり(複数社に同じ内容で出させる見積)が取れないときは、選定理由書を付けます。実施主体が任意団体なら、定款・出資者一覧・組織体制図も要ります。
対象外やもらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に着手した:着工済みの改修工事は対象外です。決定通知のあとに始めた事業だけが補助されます。
- 期限までに支払いを終えられなかった:2027年2月19日17時までに、完了と精算書類の提出が要ります。繰り越しはありません。
- 旅館業法の許可証が間に合わなかった:連携先に許可の申請予定者がいる場合は、実績報告までに許可証を出します。出せないと、交付決定のあとでも補助金は出ません。
- 中間報告を出さない:事務局が指定する期日までの中間報告が必須です。出さないか不十分だと、交付決定の取り消しや交付額の変更があります。
- 虚偽の申請や目的外の使用:交付決定の取り消しと返還命令があります。5年以下の懲役か100万円以下の罰金になることもあります。
- 承認なしで財産を処分した:処分制限の期間内に、補助の目的に反して処分する場合は事前承認が要ります。無断で処分すると、取り消しと返還の対象です。
公募の回と併用の注意
公募は一次・二次・三次の3回でした。三次の受付は8月27日から9月29日の12時までです。二次公募で、体制の条件が一次より緩くなっています。回ごとに公募要領と様式が変わるため、古い回の要件で準備すると外れます。
国の補助金との併用には制限があります。同じ事業計画で、すでに別の国の補助金を受けている場合は申請できません。国の資金を財源にした自治体の補助金を受けている場合も同じです。
よくある質問
二次公募はいつまででしたか?
二次公募は2026年7月8日から8月18日の12時まででした。受付はすでに終わっています。申請は特設サイトのマイページから出す方式で、公募期間が終わると新規登録も止まりました。次に公募があるかどうかは、公式FAQに「四次公募は申請状況を見て検討する」とだけ書かれています。時期は決まっていないため、観光庁の公募情報のページと特設サイトを確かめてください。
補助額と補助率はいくらですか?
補助率は1/2で、補助上限額は5,000万円です。対象経費が1億円なら5,000万円、4,000万円なら2,000万円が補助されます。1億円を超えた分は、補助が増えず自己負担になります。この記事の計算例は仮の数字です。実際の金額は、費用積算書に書いた対象経費で決まります。見積書を取る段階で、補助の対象になる経費と対象外の経費を分けておくと計算しやすくなります。
宿泊事業者がいなくても申請できますか?
できません。実施主体か連携先のどちらかに、宿泊事業者を1者以上含める必要があります。連携先の業態に制限はなく、事業に関連する団体なら組めます。宿泊事業者が旅館業の許可を申請中の場合は、申請時に取得までのスケジュールを出します。許可証は、事業完了の実績報告までに出してください。出せないと補助金は交付されません。
事業者1者だけで申請できますか?
二次公募の説明会では、観光関係事業者と宿泊施設1者以上を含む、2者以上の体制で申請できると説明されました。三次公募の公募要領は、単独での申請を原則できないとしています。連携先が決まっていなければ、候補を様式に書いて申請でき、公式FAQも単独での申請は可能と答えています。その場合は、交付決定から1か月以内に連携同意書を出す条件が付きます。出せないと交付決定が取り消されることがあります。回ごとに条件が違うので、公募要領で確かめてください。
新築の建物は対象になりますか?
なりません。新築や、取り壊したあとの再建にかかる費用は対象外です。対象になるのは、既存の施設の改修や、設備・備品の導入です。施設を改修せず、備品の購入だけでも申請できます。古民家を改修して、複数の事業者が共同で使う飲食施設にするような計画は、対象になる可能性があります。個別に事務局へ問い合わせてください。
アプリやシステムだけの導入は対象ですか?
対象外です。Webサイトやアプリなど、システム単体の導入は認められていません。設備の導入や改修とあわせたシステム構築は対象になります。たとえば混雑状況を見せる仕組みは、デジタルサイネージのような機器を入れる場合に限り、対象になりえます。ハードとソフトの費用の割合に決まりはないので、ソフトの金額が大きくなっても構いません。
共同バスの運行費や人件費は補助されますか?
補助されません。事業者の経常的な経費(ランニングコスト)は、補助対象外です。共同循環バスなら、車両の導入は対象になりえますが、運転手の人件費や燃料代は対象外です。申請に要した経費や、事業計画の作成支援を専門家に頼んだ費用も対象外です。専門家の助言を受けること自体は妨げられませんが、計画をつくる主体は補助事業者であることが求められます。
自治体が持っている施設は対象になりますか?
自治体所有の施設は、補助対象外です。ただし、自治体の宿泊施設を運営する指定管理者は、民間事業者として要件を満たせば申請できます。補助される設備や施設の所有関係、指定管理協定の内容で結論が変わるため、事務局に個別に確かめてください。自治体は連携先になれますが、自治体が支出する経費は補助対象になりません。
他の補助金と併用できますか?
同じ事業内容では併用できません。補助対象事業の実施期間内に、国(独立行政法人を含む)の固有の補助金をすでに受けている、または受けることが確定している場合は、申請できません。国の補助金を財源にした自治体の補助金を、すでに受けている場合も同様です。別の経費に別の補助金を使えるかは、事務局に確かめると安全です。
事業はいつまでに終えればいいですか?
交付決定日から2027年2月19日までが事業実施期間です。引き渡しと代金の支払いまで、この期間内に終える必要があります。完了実績報告書と精算書類は、2027年2月19日17時までに出します。次年度への繰り越しはありません。工期が遅れそうなときは、早めに事務局へ相談してください。災害などのやむを得ない事情があれば、相談に応じるとされています。
補助金はいつ振り込まれますか?
原則として、事業が終わって完了検査を受けたあとの精算払いです。事業者はまず自己資金か借入で、全額を支払う必要があります。事業の完了日から原則1か月以内、または2027年2月19日のいずれか早い方を目安に、工事前後の写真や支払い状況をまとめて実績報告を出します。資金繰りは、補助金の入金が事業完了後になる前提で組んでください。
見積書が1社分しかない場合はどうなりますか?
原則として、相見積もり(複数社の見積書)も出します。導入する機材や地域の事情でやむを得ず取れないときは、選定理由書を出せば申請できます。見積書と図面は、原則として必須です。確定版が出せない場合は、今作れる最新の資料を出し、概算であることを申請書類に書きます。
質問や相談はどこにすればいいですか?
事務局の株式会社JTB 霞が関事業部です。電話は03-6737-9359で、受付は平日の10時から17時です。メールはkouritsukashien-r8@jtb.comに送れます。制度全般については、観光庁の観光産業課(電話03-5253-8111)が窓口です。対象になるか迷う設備は、申請の前に相談しておくと、書類の出し直しを防げます。
