新しく工場を建てたら、いくら戻ってくるのか。春日井市の答えは、建物の固定資産税評価額の10%、年間上限2億円です。市外から本社機能ごと移ってくる場合は12%に上がります。
対象は製造業者。ただし、延床面積や投資額など、いくつかの条件をクリアした工場だけが対象になります。
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 春日井市工場新増設事業助成金 |
| 対象業種 | 製造業(工場・物流施設の新設・増設を行う事業者) |
| 利用目的 | 工場等の新設・増設に伴う建物投資 |
| 対象地域 | 愛知県春日井市(住居系地域を除く) |
| 従業員数 | 規定なし(中小企業者は建物投資額の要件が5,000万円以上に緩和) |
| 補助上限額 | 2億円(1年につき) |
| 補助率 | 固定資産税評価額の10%以内(市外から本社機能移転を伴う場合は12%以内) |
| 申請受付 | 通年受付(認定申請は着工30日前まで、交付申請は最初に固定資産税が課された年度の6月末日まで) |
| 公式サイト | https://www.city.kasugai.lg.jp/business/kigyo/koujobuturyu/shinzosetsu.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
あなたの工場は対象になる?5つの条件で確認する
対象になるのは、次の5つをすべて満たす工場・物流施設の新設・増設です。
- 建物の延床面積が500㎡以上であること
- 建物投資額が1億円以上(中小企業者は5,000万円以上)であること
- 建築確認を伴う工場等であること
- 住居系地域ではないこと
- 市税を完納していること
対象者は「会社法上の会社」または「税務署に開業届出書を提出している個人事業主」と定義されています。個人事業主も対象で、専用のチェックシート(個人事業主用)が用意されています。
- 対象になる例:中小企業が延床面積600㎡、建物投資5,500万円の新工場を建設する
- 対象外になる例:延床面積480㎡の増築(500㎡という最低面積を満たさない)
- 対象外になる例:中小企業ではない事業者が建物投資額8,000万円の工場を新設する(1億円未満のため対象外)
- 対象外になる例:住居系地域に工場を建てる
助成額はいくら?評価額別に3パターンで見る
助成額は「投資額」ではなく、工場が建ってから課税される固定資産税評価額(建物のみ)に対して決まります。評価額は投資額そのものではなく、市の固定資産税担当課が算定する額です。
- 中小企業・食品工場のケース:建物投資5,500万円で新工場を建設(中小企業要件の5,000万円以上をクリア)。固定資産税評価額が3,300万円と算定されれば、助成額は330万円(評価額の10%)
- 本社機能移転を伴う自動車部品メーカーのケース:建物投資1.8億円の新工場を建設し、本社機能の一部もあわせて移転。評価額9,000万円なら、助成率は10%ではなく12%が適用され、助成額は1,080万円
- 大型物流施設のケース:評価額20億円クラスの施設なら、10%で2億円に達し、上限で頭打ちになる
本社機能移転を伴うかどうかで、評価額9,000万円のケースなら900万円と1,080万円、差は180万円です。この差額分、追加の設備投資にまわせる規模になります。
助成金算定額に1,000円未満の端数が出た場合は切り捨てです。また、国・県等の補助金と併用することはできません。他の補助金の活用を検討している場合は、どちらか一方を選ぶ必要があります。
申請は2段階、タイミングを間違えると対象外
この助成金は、着工前の「認定申請」と、完成後の「交付申請」の2段階です。
| 段階 | タイミング | 主な提出書類 |
|---|---|---|
| 計画認定申請 | 助成対象事業の着工30日前まで | 計画認定申請書、申立書、中小企業者(または個人事業主)チェックシート、商業登記簿謄本、見積書、建築確認申請書(案)、建築図面、会社概要 |
| 認定通知受理 | 認定申請の審査後 | ─ |
| 事業の開始・完了 | 認定通知受理後 | ─ |
| 助成金の交付申請 | 最初に固定資産税を課された年度の6月末日まで | 助成金交付申請書、事業内容報告書、施設整備事業明細書、市税等調査承諾書、契約書・領収書の写し、検査済証、固定資産税の納税通知書、計画認定通知書の写し |
| 助成金請求・交付 | 交付決定通知受理後 | 請求書 |
着工日は「地鎮祭や杭打ちなど、対外的に着工したことを説明できる日」と定義されています。認定申請より前に地鎮祭を済ませてしまうと、順番が崩れます。見積もりの段階で、着工予定日から逆算して30日前までに申請書類を揃える必要があります。
新工場の建設は、認定・着工・交付申請と、複数のタイミングが連続します。同じ建物投資でも、契約や着工をいつ行ったかで対象になるかどうかが変わる自治体の立地補助金は珍しくありません。この「タイミングのズレ」で対象外になった実例を、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで紹介しています。
よくある質問
個人事業主でも対象になりますか?
対象になります。制度上の「事業者」には、会社法上の会社に加えて、税務署に開業届出書を提出している個人事業主も含まれます。申請書類にも個人事業主用のチェックシートが用意されています。ただし住民票を市内に有していない個人事業主は、市税を課税・完納していることが条件です。
すでに着工してしまった場合はどうなりますか?
対象外になる可能性が高いです。認定申請は着工30日前までに行う必要があり、地鎮祭や杭打ちなど着工を示す行為のあとに申請しても、認定を受けられません。
国の補助金と一緒に使えますか?
使えません。取扱要領に「国、県等の補助金と併用することはできない」と明記されています。他の補助金の活用を検討している場合は、どちらを使うか事前に比較しておく必要があります。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。助成額・助成率・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず春日井市の公式ページおよび最新の取扱要領で内容をご確認ください。
出典:
