経営革新計画は作った。次の一手も決まっている。あとは動くだけなのに、専門家への相談料や展示会出展費が出せずに止まっている——高知県の事業戦略等推進事業費補助金は、この「計画はあるが実行費用がない」段階を埋めるための制度です。
この記事は、国内での営業力強化・人材育成等を対象にした「事業戦略等推進事業」の話です。県外・海外の展示会出展など販路開拓に特化した「販路開拓支援事業」は別枠で、同一年度内はどちらか一方しか申請できません。販路開拓が目的の場合は、そちらの記事を確認してください。
対象になるのは、経営革新計画・事業戦略・経営計画(またはこれに準ずる計画)を策定済みの県内中小企業者等。補助率は補助対象経費(税抜)の1/2以内で、事業区分の組み合わせと賃上げ加算の有無によって上限額が変わります。実施は公益財団法人高知県産業振興センターが窓口です。
事業戦略等推進事業費補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 事業戦略等推進事業費補助金(事業戦略等推進事業) |
| 対象業種 | 指定なし |
| 利用目的 | 経営革新計画・事業戦略・経営計画に基づく営業力強化・人材育成等 |
| 対象地域 | 高知県内 |
| 従業員数 | 規定なし |
| 補助上限額 | 事業区分①〜④合計200万円(賃上げ加算適用で300万円)/事業区分⑤は別枠で200万円 |
| 補助率 | 補助対象経費(税抜)の1/2以内 |
| 申請受付 | 令和8年5月〜令和9年2月(予定・毎月募集。申請月前月末営業日17時までに事前エントリー) |
| 公式サイト | 高知県産業振興センター「令和8年度事業戦略等推進事業費補助金 公募要領」(PDF) |

事業区分ごとの上限額
この補助金は5つの事業区分に分かれており、どの区分を組み合わせるかで上限額が変わります。
| 区分 | 補助上限額(下限は共通で10万円) |
|---|---|
| 事業区分①② 合算 | 150万円 |
| 事業区分③④ 合算 | 200万円 |
| 事業区分①〜④の合計 | 200万円(この金額が上限) |
| 事業区分⑤(別枠) | 200万円 |
事業区分①②だけを見ると上限150万円ですが、③④まで組み合わせても、①〜④の合計はあくまで200万円が上限です。150万円という数字だけを見て「これが制度の上限」と思い込むと、実際に使える金額を見誤ります。事業区分⑤は①〜④とは別枠で、最大200万円まで別に申請できます。
賃上げ加算でさらに100万円
事業期間中の連続3か月の給与支給総額を、前年同期と比較して全従業員で2%以上の賃上げを達成すると、上記の上限額に100万円が上乗せされます。事業区分①〜④の合計200万円に加算すると、最大300万円まで届く計算です。
ただし、比較対象になる従業員がいない場合(開業したばかりで前年同期のデータがない等)は、この加算を申請できません。
何に使えるか
対象経費は専門家経費、外注費、広告費、研修費、旅費、WEBサイト制作費、展示会出展費など、営業力強化・人材育成に関わる幅広い項目に及びます。たとえば次のような使い方が想定できます。
- 新市場向けの商品カタログとWebサイトを外部に委託して制作する
- 社員向けに営業力強化の研修を実施し、講師謝金を充てる
- 経営革新計画に基づく新分野の取り組みに専門家のコンサルティングを受ける
事業実施期間は交付決定日から1年以内です。経営革新計画そのものの策定費用は対象外で、あくまで「計画を実行する段階」の費用が対象という点は取り違えやすいところです。これから計画を作る段階なら、別の支援策(認定経営革新等支援機関への相談等)を先に検討する必要があります。
申請のタイミング
令和8年度は毎月募集で、令和8年5月から令和9年2月まで(予定)実施されています。ただし毎月いきなり申請できるわけではなく、申請月の前月末営業日17時までに事前エントリーが必要です。たとえば9月に申請したいなら、8月末までにエントリーを済ませておく必要があります。
予算上限に達した場合は、期間内であっても受付が終了することがあります。使いたい月が決まっているなら、前倒しでエントリーしておくほうが安全です。
よくある質問
経営革新計画がなくても申請できますか?
対象事業の前提として、経営革新計画・事業戦略・経営計画(またはこれに準ずる計画)が必要です。まだ計画がない場合は、先に計画づくりから着手する必要があります。
賃上げ加算はどんな事業者でも使えますか?
比較対象になる前年同期の給与データがある事業者に限られます。開業間もない場合など比較対象者がいない場合は、加算を申請できません。
販路開拓(展示会出展等)に使いたい場合はどうすればいいですか?
このメニュー(事業戦略等推進事業)ではなく、別枠の「販路開拓支援事業」を確認してください。同一年度内はどちらか一方しか申請できない点にも注意が必要です。
