この補助金は、申請の1か月前に動き始める必要があります。事前エントリーと面談を済ませていない申請は、公募要領で審査の対象外とされているからです。
毎月締切がある制度ですが、申請月の前月末営業日17時までの事前エントリーが先です。エントリーが間に合わなければ、申請は翌月にずれます。
対象は、高知で生み出した商品を県外や海外に売っていく取組(地産外商)です。国内の営業力強化や人材育成、海外展開の経費を、計画に沿って支えます。展示会出展だけなら、別枠の「販路開拓支援事業」があります。
事業戦略等推進事業費補助金の要点まとめ
正式名:事業戦略等推進事業費補助金(事業戦略等推進事業)
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主・組合など)
- 対象業種
- 指定なし
- 利用目的
- 営業力強化・人材育成・海外展開(地産外商)
- 対象地域
- 高知県内(本社か主たる事業所が県内)
- 従業員数
- 中小企業者等の基準による(業種ごとに異なる)
いくら
- 補助上限額
- 最大300万円(①〜④は200万円+賃上げ加算100万円)/⑤は別枠200万円
- 補助率
- 補助対象経費(税抜)の1/2以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 毎月締切。最終は2027年2月19日17時(要事前エントリー)
- 事業の完了
- 交付決定日から1年以内(最長2027年12月31日まで)
自分は対象か
次の5つにすべて当てはまる人が対象です。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 事前エントリーなしの申請
- ✕ 本社も主たる事業所も県外
- ✕ 指定管理料で実施する事業
- ✕ 県税の滞納がある
申請できるのは「中小企業者等」です。中小企業、個人事業主、士業法人、NPO法人、中小企業団体、組合、農協・漁協・森林組合、一般社団法人が入ります。中小企業の範囲は業種ごとに基準が異なるので、詳しくは公募要領で確かめてください。組合と一般社団法人は、構成員の2/3以上が中小企業者である場合に限られます。
要件の中心は計画です。次のどれかが必要です。
- 経営革新計画:新商品や新サービスなどに取り組む計画を、県知事が承認したもの
- 事業戦略:高知県産業振興センターか県の地産地消・外商課が、支援・確認したもの
- 経営計画:県内の商工会か商工会議所が、作成を支援して認定したもの
「3年以内」は、計画の開始日から数えます。計画の期間が3年なら、開始日から2年以内です。
「前年度の補助事業の報告」は、前年度か当年度にこの補助金の交付決定を受けた場合の話です。その実績報告書を、センターに出し終えている必要があります。
公募開始日より後に県内に事業所を開いた場合や、この補助金のために資本金や従業員数を一時的に変えたと認められた場合は、対象外です。風俗営業など、公序良俗に反する事業も対象になりません。
いくら出るのか
補助率は、補助対象経費(税抜)の1/2以内です。上限は、事業区分の組み合わせで決まります。
| 区分 | 補助金額 |
|---|---|
| ①国内営業力強化・②国内人材養成 | 合わせて10万〜150万円 |
| ③海外営業力強化・④海外人材養成 | 合わせて10万〜200万円 |
| ①〜④の合計 | 10万〜200万円 |
| ⑤グローバル | 別枠で上限200万円 |
①〜④は合計で200万円までです。①②で150万円、③④で200万円と並べて見えますが、足し算にはなりません。
計算例です。業態が違う3つを並べます。
- 食品メーカーが県外の商談会に出る(①):260万円 × 1/2 = 130万円
- 木工家具メーカーが営業代行と展示会を使う(①):400万円 × 1/2 = 200万円 → ①②の上限150万円
- 機械部品メーカーが海外の展示会と調査に使う(③):420万円 × 1/2 = 210万円 → ①〜④の上限200万円
賃上げ加算で100万円上乗せ
事業期間中の連続3か月の給与支給総額を、前年の同じ3か月と比べて、全従業員で2%以上上げると、上限に100万円が加算されます。①〜④の合計は、最大300万円になります。
比べる対象は、役員報酬を除く全従業員です。雇用形態や職位が変わった人、新規雇用の人、雇用期間が3か月未満の人は、比較から外れます。比べる人が1人もいなければ、要件未達になり、加算は申請できません。
例えば海外の展示会や調査(③)に600万円を使う計画なら、1/2で300万円です。加算がなければ200万円で止まり、賃上げを達成すると300万円まで届きます。⑤に加算が付くかどうかは、公募要領に明記がありません。
申請時に「賃上げ加算要件確認書」を出し、実績報告で「賃上げ加算報告書」と賃金台帳を出します。比較する期間は、あとから変えられません。
何に使えるのか
先に、対象にならないものです。
- 他の用途に転用できるパソコンなどの汎用品と、生産設備
- 消費税、振込手数料、キャンセルの手数料
- この補助金の申請にかかる費用
- 恒常的な通信費(携帯電話・ネット回線)
- 毎年かかる経費(年間登録料、外部ECサイトへの出店)
- 補助事業者の親会社や関係会社、顧問契約先との取引
対象になる経費は、事業区分によって変わります。
- 専門家への謝金(1日5万円以内)と、県外・海外への旅費
- 展示会の出展小間料、運送料、会場の借料
- 広告宣伝費、Webページ制作費、動画制作費(それぞれ1申請で20万円以内)
- 営業代行、検査費用、特許などの出願手続の委託費
- 研修の受講料や教材費(人材養成の区分)
広告宣伝費とWebページ制作費は、展示会や就職フェアに合わせたものに限られます。会社全体のホームページの新規作成は対象外です。委託費は、交付額の合計の1/2までです。
30万円を超える経費は、同じ内容で2者以上の見積が要ります。分割発注で単独見積にすることは認められません。
販路開拓支援事業との違い
同じセンターの別メニューに、「販路開拓支援事業」があります。展示会出展に絞った制度で、設計が違います。
| 比べる点 | 事業戦略等推進事業 | 販路開拓支援事業 |
|---|---|---|
| 目的 | 計画の実現(営業・人材・海外) | 県外・海外の展示会出展 |
| 上限額 | 200万円(賃上げ加算で300万円) | 50万円 |
| 補助率 | 1/2以内 | 活用実績で1/2・1/3・1/4 |
| 事前面談 | 必須 | 希望者のみ |
販路開拓支援事業は、過去3年度に3回受けると対象外になります。
同一年度に申請できるのは、原則どちらか1つです。販路開拓支援事業に採択された人が、その成果を踏まえて事業戦略等推進事業に進む場合に限り、同じ年度の再申請ができます。
申請の流れ
- 事前エントリーを出す(申請者→センター。申請月の前月末営業日17時まで)
- 事前相談の面談を受ける(申請者→センター。オンラインも可)
- 申請書を作る(申請者。センターが書き方を助言。作成は申請者自身)
- 申請フォームで出す(申請者→センター。毎月の申請締切17時まで)
- 審査会でプレゼンする(申請者→審査会。原則出席。欠席は不採択)
- 交付決定を受ける(センター→申請者。契約・発注はこの日以降)
- 事業を実施して支払う(申請者。交付決定日から1年以内)
- 実績報告書を出す(申請者→センター。完了から30日以内など)
- 検査と確定通知のあと、振込を受ける(センター→申請者。確定後2週間ほど)
公募スケジュール
| エントリー締切 | 申請締切 | 交付決定の予定 |
|---|---|---|
| 2026年5月8日(金) | 2026年5月29日(金) | 7月上旬 |
| 2026年5月29日(金) | 2026年6月30日(火) | 8月上旬 |
| 2026年6月30日(火) | 2026年7月31日(金) | 9月上旬 |
| 2026年7月31日(金) | 2026年8月31日(月) | 10月上旬 |
| 2026年8月31日(月) | 2026年9月30日(水) | 11月上旬 |
| 2026年9月30日(水) | 2026年10月30日(金) | 12月上旬 |
| 2026年10月30日(金) | 2026年11月30日(月) | 1月上旬 |
| 2026年11月30日(月) | 2026年12月22日(火) | 2月上旬 |
| 2026年12月22日(火) | 2027年1月29日(金) | 3月上旬 |
| 2027年1月29日(金) | 2027年2月19日(金) | 3月末頃 |
時刻はすべて17時です。予算に達した時点で、公募は早めに終わるか、一時的に止まることがあります。
必要な書類
準備できた 0 / 9
賃上げ加算要件確認書は、加算を申請するときだけ出します。パートナーシップ構築宣言をポータルサイトで公表している場合は、その写しを添えると審査で加点されます。履歴事項全部証明書と納税証明書は、申請日から3か月以内に発行されたものです。個人事業主は、履歴事項全部証明書の代わりに開業届の写しなどを出します。決算報告書は、個人なら青色申告決算書か収支内訳書です。
展示会の出展を含む場合は、主催者発行の出展案内も要ります。主催者名、会期、会場、開催目的、来場対象者、小間料の6項目が載ったものです。
もらえなくなるとき
- 交付決定の前に契約・発注した:対象外です。例外は展示会の出展小間料で、申込みが交付決定前でも、請求書の発行日と支払日が事業期間内なら対象です。
- 面談を受けていない:事前エントリーと面談がない申請は、審査の対象外です。
- 支払い方法が認められない:クレジットカード、手形、相殺、ポイント、分割払いは認められません。原則は、事業者名義の口座からの振込です。
- 申請や事業を他人に任せた:申請書の作成代行や代理申請が分かると、すべての事業が対象外です。
- 実績報告が遅れた:期限内に出さないと、補助金は全額支給されません。
- 補助金の合計が10万円に届かない:事業を実施しても下限を下回る場合は、廃止の手続きが要ります。
併用と再申請
同じ経費について、国・県・市町村の他の補助金と重ねて申請することはできません。不採択になった場合の再申請は可能ですが、不採択と同一の内容は受け付けません。通知の指摘事項を踏まえて、直してから出します。
虚偽の申請などで交付決定が取り消されると、返還に加えて年10.95%の加算金がかかります。
よくある質問
経営革新計画などの計画がなくても申請できますか?
申請できません。経営革新計画、事業戦略、経営計画のいずれかについて、認定や確認を受け、開始日から3年以内であることが要件です。まだ計画がない場合は、先に計画づくりから始めます。事業戦略はセンターと地産地消・外商課、経営計画は商工会・商工会議所が窓口です。
事前エントリーでは何をしますか?
センターのホームページの専用フォームに、事業計画とエントリーシート(添付様式1)を添えて入力し、相談希望日を第3希望まで書きます。そのあと担当者から日程の連絡があります。面談で申請内容が補助対象に当たるかを助言してもらえますが、採択の保証ではありません。
エントリーはいつまでに出せばよいですか?
申請月の前月末営業日の17時までです。例えば2026年10月30日が申請締切なら、エントリー締切は9月30日です。最後の申請締切2027年2月19日に向けたエントリーは、2027年1月29日まで受け付けます。ただし予算に達すると、公募が早く終わることがあります。エントリーのあとには面談があり、申請書づくりのフォローも受けるので、締切の直前に駆け込むと書類を整える時間が足りなくなります。計画の認定書類がまだ手元にない場合は、先にそちらを進めてください。
事業区分①〜⑤は何が違いますか?
①国内営業力強化、②国内人材養成・確保、③海外営業力強化、④海外人材養成・確保、⑤グローバルです。⑤は海外への初めての販路開拓や、新しい国への展開など、公募要領のア〜オのどれかに当たる場合だけ申請できます。⑤は他の区分との流用も変更もできません。
上限額はどう決まりますか?
①②で合わせて150万円、③④で合わせて200万円までです。ただし①〜④の合計は200万円が上限です。⑤は別枠で200万円まで申請できます。①〜④の下限は、合計で10万円です。①〜④には賃上げ加算で100万円が上乗せされ、最大300万円になります。補助率は税抜経費の1/2以内です。
賃上げ加算は誰でも使えますか?
使えない場合があります。比較に使える従業員がいないと、要件未達で加算は申請できません。開業したばかりで前年の同じ期間がない場合、雇用期間が3か月未満の人ばかりの場合などが当たります。事業期間中の連続3か月で、全従業員の給与支給総額を2%以上上げることが条件です。
販路開拓支援事業とどちらを使えばよいですか?
展示会への出展が中心なら、販路開拓支援事業が合います。上限は50万円で、計画の認定は要件に挙がっていません。営業代行や研修、海外展開まで含めて計画を進めたいなら、事業戦略等推進事業です。同一年度に使えるのは原則どちらか1つなので、先に費用の見込みを並べて選びます。
展示会の出展費は対象になりますか?
対象になります。ただし企業間取引が目的の展示会で、高知県外で開かれるものに限ります。国内では、主催者が定める正規の小間料の全額と、自社スペースの装飾費を自社で負担する必要があります。一般消費者向けや、会場で物品販売をする展示会は、小間料以外の旅費や印刷費も含めて対象外です。
交付決定の前に契約してもよいですか?
避けてください。交付決定の前に契約・発注した経費は、補助対象外です。展示会の出展小間料だけは例外で、出展の申込みが交付決定前でも、請求書の発行日と支払日が事業期間内なら対象になります。それ以外の経費は、交付決定のあとに発注します。見積を集めたり、業者と内容を相談したりする準備は、交付決定の前から進められます。変更が必要になったときも、承認を受ける前に契約や支払いをすると対象外になります。
支払いはクレジットカードでもよいですか?
原則として認められません。支払いは、補助事業者名義の口座からの振込にします。クレジットカード、手形、相殺、ポイント、分割払いは対象外です。旅費だけは、航空券のオンライン予約のようにカード決済が前提の場合に限り、追加書類を出して例外が認められることがあります。
補助金はいつ支払われますか?
事業が終わり、実績報告書を出し、センターの検査を受けたあとです。精算払いなので、それまでの費用は事業者が立て替えます。補助金の額は検査で確定し、交付決定額が上限です。確定後、2週間ほどで指定口座に振り込まれます。報告書は、完了から30日以内などの期限までに出します。
申請書の作成を代行してもらえますか?
代行はできません。申請書や実績報告書の作成代行、代理申請が分かった場合は、すべての事業が補助対象外になります。作成の支援を受けることは可能で、センターの担当者も書き方を助言してくれますが、加筆と修正は申請者自身が行います。面談への同席は、認定支援機関(国が認定した商工会議所・金融機関・税理士など)に限られます。
不採択になったら、再申請できますか?
できます。ただし不採択になった内容と同一の申請は受け付けません。審査結果の通知に書かれた指摘事項を踏まえ、内容を改善してから出し直します。審査会は、外部有識者による原則プレゼン形式です。やむを得ない理由なく欠席すると、審査対象外になります。
問い合わせ先はどこですか?
公益財団法人高知県産業振興センター(経営支援・地産地消課)です。問い合わせは、記録を残すため、公式ページの問い合わせフォームから送るよう求められています。センターの電話番号は088-845-6600と案内されています。補助金の最新の公募要領も、同じ公式ページにあります。
