設備を導入してから補助金を申請すればいいのか。結論から言うと、順番が逆です。高知市の中小企業等生産性向上設備導入支援事業費補助金は、先に「選考エントリー」をし、採択候補者になってから補助金の交付申請をするという流れの制度です。エントリーの時点では「先端設備等導入計画」の認定は要りませんが、正式な交付申請までに認定を受けている必要があります。
あなたの会社が設備の入れ替えを考えているなら、見積もりを取る前に「認定計画をいつ・どう作るか」を最初に決めておく必要があります。
高知市中小企業等生産性向上設備導入支援事業費補助金の要点まとめ
正式名:高知市中小企業等生産性向上設備導入支援事業費補助金
だれが
- 対象業種
- 業種指定なし(中小企業等経営強化法第2条第1項該当の中小企業者)
- 利用目的
- 設備整備・IT導入をしたい
- 対象地域
- 高知県高知市(市内で2年以上事業継続)
- 従業員数
- 中小企業等経営強化法上の中小企業者
いくら
- 補助上限額
- 300万円
- 補助率
- 300万円まで3分の2以内/300万円超過分2分の1以内
いつ・どこへ
- 申請受付
- 令和8年10月1日(木)〜12月25日(金)16時30分必着(選考エントリー。10月15日までのエントリーで予算に達しなければ12月25日まで受付)
- 公式サイト
- https://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/40/r7sentanhojokin.html

対象になる事業者・設備、ならないケース
対象になるのは、次のすべてを満たす事業者です。
- 先端設備等導入計画を令和8年3月1日以降に策定・変更し、高知市の認定を受けていること(賃上げ方針の表明とその証拠書類の添付が必要)
- 申請時点で高知市内で2年以上事業を継続していること
- 中小企業等経営強化法第2条第1項に規定する中小企業者であること
- 市税を滞納していない、暴力団排除規則に該当しない、風俗営業を行っていないこと
- 1事業者につき通算1回限りの利用
対象になる設備は次の区分・金額基準を満たすものです。
| 設備区分 | 最低取得価格 |
|---|---|
| 機械装置 | 1台160万円以上 |
| 器具備品 | 1台30万円以上 |
| 測定工具・検査工具 | 1台30万円以上 |
| 建物附属設備 | 1台60万円以上 |
| ソフトウェア(設備導入に不可欠なもの) | 1式30万円以上 |
対象になる/ならないを整理すると、次のようになります。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 認定計画に記載した基準額以上の新品設備 | 中古設備 |
| 設備導入に不可欠な専用ソフトウェア | 汎用ソフト、パソコン単体 |
| 購入による設備取得 | リース・割賦購入 |
設備を買ってから、後付けで計画を作ることはできません。認定を受けるには、労働生産性が年平均3%以上向上する見込みと賃上げ方針を、計画に書き込む必要があります(労働生産性は(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間総労働時間で計算します)。
3%は、人を増やさずにこなせる仕事量を増やす、という意味です。250万円の機械を入れて、これまで2人がかりだった段取りが1人で回るようになる。そういう変化を計画に落とします。

補助率2/3・上限300万円のシミュレーション
補助率は対象経費のうち300万円までの部分が3分の2以内、300万円を超える部分が2分の1以内という2段階方式です。上限額は1事業者300万円(消費税を除く)です。
実際にどのくらい補助されるか、対象経費別に試算してみます。
| 対象経費 | 補助額の計算 | 補助額 |
|---|---|---|
| 250万円(機械装置1台のみ) | 250万円×2/3 | 約166万円 |
| 500万円(機械装置+器具備品) | 300万円×2/3+200万円×1/2 | 200万円+100万円=300万円 |
| 1,600万円(複数の機械装置+建物附属設備) | 300万円×2/3+1,300万円×1/2 | 計算上は850万円、上限の300万円 |
300万円を境に、補助率は3分の2から2分の1に下がります。上限300万円に届くのは、対象経費が500万円に達したところ(300万円×2/3=200万円、超過200万円×1/2=100万円)です。
申請の流れ:まず選考エントリー、認定は並行して進められる
この制度で最も注意すべきなのが、エントリーや採択候補者の決定だけでは発注できないという点です。発注・契約・購入は、交付決定のあとに行います。
- 先端設備等導入計画を策定(賃上げ方針の表明を計画に記載し、証拠書類を準備。認定済みの計画があれば、その通知書を使えます)
- 選考エントリーシートを提出する(令和8年10月1日〜10月15日。予算に達しなければ12月25日まで受付。計画の認定申請書類を併せて出せば、認定前でもエントリーできます)
- 採択候補者になったら、認定を受けたうえで補助金の交付申請を行う(認定は申請から概ね2〜3週間。エントリーと並行して進みます)
- 交付決定後、対象設備等を購入(採択の後に届く正式な通知。これより前の発注・契約は対象外)
- 納品・設置・検収・支払いを終え、実績報告書を提出(すべて令和9年2月28日までに完了。間に合わなければ交付されません)
申請受付は、予算超過で早期終了する可能性があります。認定計画の準備にも時間がかかるので、設備投資を考え始めたら、まず計画の策定から動きます。

よく誤解されやすい点:設備に付随するパソコン・ソフトの扱い
じつは、機械装置と一緒に導入する制御用パソコンや汎用ソフトが対象経費に含まれるかどうかは、はっきり白黒つくものばかりではありません。設備導入に「不可欠」なソフトウェアと、それ以外の汎用的なソフト・パソコンの線引きは、事業計画のなかでどう位置づけるかによって扱いが変わってくる部分があります。
よくある質問
認定計画の準備と補助金のエントリーは同時に進められますか?
進められます。エントリー時点では認定は不要で、計画の認定申請書類を併せて出せます。ただし、正式な交付申請までには認定を受けている必要があります。認定には概ね2〜3週間かかるので、設備投資を検討し始めたら、早めに計画の策定から動きます。
中古の機械装置を導入する場合も対象になりますか?
対象になりません。対象になるのは新品の設備で、中古設備・汎用ソフト・パソコン単体・リース契約・割賦購入による導入は対象外です。
過去にこの補助金を利用したことがある場合、再度申請できますか?
できません。この補助金は1事業者につき通算1回限りです。複数の設備投資を予定しているなら、1回の申請でどこまでまとめられるかを先に検討します。
