新製品の試作や、量産に向けた開発の費用を、高知県が最大2,000万円まで補助します。メニューは、調査や部分試作の「開発チャレンジ事業」(上限100万円)と、本格開発の「製品開発事業」(上限1,000万円か2,000万円)の2つです。
申請の前に、産業振興センターの製品開発支援チームの確認を受けて、確認書を付ける必要があります。 そのために、申請締切の1か月前までにエントリーシートを県に出します。締切の直前に動くと間に合いません。
戦略的製品開発推進事業費補助金の要点まとめ
正式名:高知県戦略的製品開発推進事業費補助金
だれが
- 申請者
- 県内に本社か主たる事業所がある事業者
- 対象業種
- 製造業分野(食品・生物・医薬品・ソフトウェア製造を除く)
- 利用目的
- 新製品・新技術の開発(構想・試作・製品化まで)
- 対象地域
- 高知県
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(中小企業者等が対象)
いくら
- 補助上限額
- 2,000万円
- 補助率
- 1/2以内(製品開発事業は賃上げ加算で2/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 各月の最終営業日17:00締切(最後は12月)
- 事業の完了
- 開発チャレンジ1年以内、製品開発2年以内(終了は2027年4月以降)
どのメニューを選ぶ?
| メニュー | 補助率 | 補助上限 | 申請時の下限 | 事業期間 |
|---|---|---|---|---|
| 開発チャレンジ事業 | 1/2以内 | 100万円 | 10万円 | 1年以内 |
| 製品開発事業(一般枠) | 1/2以内(賃上げ加算で2/3以内) | 1,000万円 | 50万円 | 2年以内 |
| 製品開発事業(イノベーション推進枠) | 1/2以内(賃上げ加算で2/3以内) | 2,000万円 | 50万円 | 2年以内 |
開発チャレンジ事業は、市場調査、部分試作、仮説の確認、知的財産の取得、専門家の招へいなどに使います。製品開発事業は、新製品の開発や、量産に向けた評価試験、工程設計、販売に向けた試作に使います。
イノベーション推進枠は、市場に新しい価値を生み出す製品が対象です。このメニューだけ、産業競争力強化法が定める中堅企業者(要件は県の窓口で確かめてください)も申請できます。
試作から始めるなら、先に開発チャレンジ事業を使い、その結果をもとに製品開発事業へ進む手があります。
うちの会社は対象になる?
次の7つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 7
中小企業者などとは、中小企業等経営強化法に定める中小企業者のことです。業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっています。詳しくは県の工業振興課か産業振興センターに確かめてください。農業協同組合、漁業協同組合、森林組合も対象です。
製品開発事業は、事業の終わりが2027年4月1日から2029年3月31日の間に入る計画にします。2027年3月までに終わる短い開発は、製品開発事業に当たりません。短い試作や調査は、開発チャレンジ事業(1年以内)に回します。
製品開発事業には、売上の計画が条件にあります。補助事業が終わってから5年以内に、開発した製品・技術の売上高が一般枠で5,000万円以上、または総売上高の5%以上になる計画を立てます。イノベーション推進枠は1億円以上、または10%以上です。総売上高は、主として営む事業に限ります。
製品開発事業は、次のどれか1つ以上を満たす取組であることも条件です。
- 県内初と見込まれる製品・技術
- 社会課題の解決に貢献する
- ユーザーの利便性を向上させる
- ユーザーの経済性を向上させる
次のどちらかに当たると対象外です。
- ✕ 食品・生物・医薬品・ソフト製造の開発
- ✕ 過去に補助を受けた同じ製品の改良
過去に交付決定を受けたメニューで、同じ製品の開発や改良をする場合は対象外です。また、同じ年度に交付決定を受けられるのは、開発チャレンジ事業と製品開発事業のそれぞれ1件までです。
いくら戻ってくる?
補助率は1/2以内です。1,000円未満は切り捨てになります。製品開発事業は、賃上げ加算枠を使うと2/3以内に上がります。補助上限は、加算枠でも変わりません。
- 開発チャレンジ事業で、調査と部分試作に150万円かかる:150万円 × 1/2 = 75万円
- 開発チャレンジ事業で、240万円かかる:240万円 × 1/2 = 120万円 → 上限の100万円
- 一般枠で、試作と評価試験に2,400万円かかる:2,400万円 × 1/2 = 1,200万円 → 上限の1,000万円
- イノベーション推進枠で、開発に4,000万円かかる:4,000万円 × 1/2 = 2,000万円
賃上げ加算枠を使うと、同じ費用で補助が増えます。
- イノベーション推進枠で、開発に3,000万円かかる:3,000万円 × 2/3 = 2,000万円(加算なしなら1,500万円)
- 一般枠で、開発に1,500万円かかる:1,500万円 × 2/3 = 1,000万円(加算なしなら750万円)
加算の条件は、令和8年度中に賃上げをして、給与支給総額を賃上げ前の決算比で5.0%以上にすることです。加算枠で申請できるのは、令和8年度に交付決定を受け、事業が2027年4月1日から2028年3月31日までに終わるものです。
補助金は、事業が終わって金額が確定したあとに支払われます。開発の費用は、先に自社で全額を払う必要があります。
何に使える?
対象にならないものから確認します。
- 他の用途にも使える汎用性のある物品
- 県外の事業所に置く機械装置や、県外の事業所に属する人の人件費
- 開発チャレンジ事業で、取得価格50万円以上の機械装置
- 代表権のある人の人件費
- 外注先が機器や設備を買う費用
- 出願料など特許庁に支払う費用
- 振込手数料
- 在庫品、使い残した原材料、ノベルティの作成費
- クーポン、ポイント、電子マネーや相殺で払った分
- 資本関係や人的関係のある会社からの調達(原価を示せる場合は除く)
対象になるものは次のとおりです。
- 機械装置費:開発に必要な機械装置や工具器具の購入、改良、据付け、修繕
- 直接人件費:開発に直接従事する従業員の基本給。製品開発事業だけ。補助対象経費の3分の1まで(イノベーション推進枠は2分の1まで)
- 謝金:指導や助言のために招へいした専門家への謝礼
- 外注加工費・委託費:設計、分析、検査などの外注。合わせて補助対象経費の2分の1まで
- 原材料費:原材料、副資材、消耗品
- その他事務費:賃借料、印刷製本費、通信運搬費
- 特許等取得費:弁理士の手続代行費用、外国特許出願の翻訳料など
開発チャレンジ事業は、県内企業へ外注する場合に限り、外注費の2分の1の制限がありません。1件30万円を超える支払いは、2者以上から見積をとって、最低価格の相手を選びます。
試作品のテスト販売の経費も対象です。テスト販売で得た収入は、補助対象経費から差し引きます。事業期間のあとに入った収入も、補助金の返納が必要になることがあります。
申請の流れ
- エントリーシートを出す(事業者→県の工業振興課。申請締切の1か月前まで)
- 製品開発支援チームの確認を受ける(事業者→産業振興センター。開発内容を磨いて、確認書をもらう)
- 事業採択申請書に確認書を付けて出す(事業者→工業振興課。締切の最終営業日17時まで)
- 審査を受ける(県→事業者。申請の翌月から翌々月。製品開発事業はプレゼンあり)
- 採択後に交付申請書を出す(事業者→県。交付決定は受付から2週間ほど)
- 交付決定のあとに事業を始める(事業者。発注・契約は交付決定日以降)
- 実績報告を出す(事業者→県。完了の翌日から30日後か、完了後最初の3月31日のどちらか早い日まで)
申請書は、紙でも電子でも出せます。開発チャレンジ事業は書面審査です。
令和8年度の締切は、各月の最終営業日の17時です。
| メニュー | 申請締切の月 |
|---|---|
| 開発チャレンジ事業 | 5月、8月、10月、12月 |
| 製品開発事業 | 5月、7月、9月、12月 |
メニューによって締切の月が違います。どちらも最後の締切は、12月の最終営業日です。エントリーシートは、受けたい回の締切の1か月前までに出します。
必要な書類
準備できた 0 / 14
企画書は、開発チャレンジ事業が添付資料①、製品開発事業が添付資料②(製品企画書)です。県税の書類は、証明書の代わりに「県税完納情報の提供に係る同意書」と本人確認書類を出す方法もあります。取り方は工業振興課に確かめてください。賃上げ実施計画は加算枠を使うときだけ、直接人件費の書類は人件費を計上するときだけ出します。
エントリーの段階では、添付書類を全部そろえる必要はありません。見積書は、採択申請の時点では30万円を超えても1者分で足ります。採択されたあとの交付申請では、複数の見積が要ります。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 確認書がないまま申請した:製品開発支援チームの確認が条件です。確認書がないと申請できません。
- 事業の終わりが期間に入らなかった:製品開発事業は、事業の終わりが2027年4月1日から2029年3月31日の間にないと対象外です。
- 交付決定の前に発注した:交付決定日より前の契約、発注、購入は対象外です。
- 予算に達して募集が終わった:予算の上限に達する見込みになると、期限前でも募集を終えることがあります。
- 同じ製品で再び申請した:過去に交付決定を受けた同じ製品の開発や改良は対象外です。
- 支払いが期間に合わなかった:支払いは事業の完了日までに終えます。分割払いやリボ払いで、引き落としが期間のあとになるものは対象外です。
- テスト販売の収入を差し引かなかった:収入は補助対象経費から引きます。事業のあとに入った収益も、納付が必要になることがあります。
よくある質問
開発チャレンジ事業と製品開発事業は同時に申請できますか?
同じ年度に交付決定を受けられるのは、開発チャレンジ事業と製品開発事業のそれぞれ1件までです。ただし、過去に交付決定を受けたメニューで同じ製品の開発や改良をする場合は対象外です。試作を先に進めたいなら、開発チャレンジ事業を使い、その結果を持って製品開発事業へ進む使い方があります。進め方に迷うときは、製品開発支援チームに相談してください。
食品製造業は対象になりますか?
対象外です。要綱では、対象の製品や技術を、日本標準産業分類の製造業分野から、食品、生物、医薬品、ソフトウェア製造事業を除いたものとしています。食品の会社でも、食品以外の製品を開発するなら、対象になるかを相談できます。判断に迷うときは、申請の前に県の工業振興課か、製品開発支援チームに確かめてください。
賃上げ加算枠で補助率が2/3になる条件は何ですか?
令和8年度中に賃上げをして、給与支給総額を賃上げ前の決算比で5.0%以上にすることです。加算枠は製品開発事業だけで、一般枠もイノベーション推進枠も使えます。事業が2027年4月1日から2028年3月31日までに終わるものに限ります。実績報告のときに、賃上げ状況報告書も出します。手続きは実施要領の別紙2に書かれています。
エントリーシートは何のために出しますか?
製品開発支援チームの確認を受けるためです。県が内容をチームに共有し、申請に向けて計画を磨き上げます。申請締切の1か月前までに、県の工業振興課へ出します。相談は随時受け付けています。確認が済むと確認書がもらえるので、事業採択申請書に付けて出します。確認書がないと申請できないため、最初にやることはこの手続きです。
製品開発事業の売上の条件とは何ですか?
補助事業が終わってから5年以内に、開発した製品・技術の売上高が、一般枠で5,000万円以上、または総売上高の5%以上になる計画であることです。イノベーション推進枠は1億円以上、または10%以上です。申請のときに作る製品企画書に、この計画を書きます。総売上高は、主として営む事業の売上に限ります。
補助金はいつ受け取れますか?
事業が終わり、実績報告を出して、県が金額を確定したあとです。要綱では、確定した後に支払うと決められています。そのため、開発の費用は先に自社で全額を払います。実績報告は、事業の完了の翌日から30日後か、完了後の最初の3月31日のどちらか早い日までに出します。資金繰りの計画に入れておいてください。
交付決定の前に機械を買ってもいいですか?
買わないでください。補助対象経費は、交付決定日以降の契約や発注で生じたものに限られます。交付決定日より前の契約、発注、購入は補助の対象外です。1件30万円を超える購入は、2者以上から見積を取って最低価格の相手を選ぶ決まりです。交付決定のあとにすぐ発注できるよう、2社以上に声をかけておくと進めやすくなります。
機械装置はいくらのものまで買えますか?
開発チャレンジ事業は、取得価格50万円未満の機械装置に限ります。製品開発事業には、この金額の制限が書かれていません。どちらも県内の事業所に設置するものだけが対象です。補助事業の開発以外の作業に使うと対象外になるため、他の用途に転用できる汎用的な物品は買えません。取得価格50万円超の財産は、管理台帳で管理します。
人件費や外注費は補助されますか?
製品開発事業なら、開発に直接従事する従業員の基本給が対象です。補助対象経費の3分の1までで、イノベーション推進枠は2分の1までです。代表権のある人と、県外の事業所の人は対象になりません。外注加工費と委託費は、合わせて補助対象経費の2分の1までです。開発チャレンジ事業は、県内企業への外注に限り、この制限がありません。
試作品を売って収入が出たらどうなりますか?
テスト販売の要件を満たすものは、経費が対象になります。ただし、売上は補助対象経費から差し引きます。事業期間のあとに入った収入や、量産販売で出た収益は、補助金の返納が必要になることがあります。テスト販売は、準備と販売を事業期間内に終えること、同じ場所と趣旨で複数回行わないことなどが要件です。採択後に事務局と相談して進めます。
審査はどのように行われますか?
外部の有識者を含む審査会で評価します。審査委員の平均点が、開発チャレンジ事業は25点以上、製品開発事業は60点以上で採択基準を満たします。いずれかの項目に最低評価があると採択されません。製品開発事業は申請者のプレゼンがあります。イノベーション推進枠は、イノベーション要件で過半数の委員からB以上の評価が要ります。満たせなくても、そのほかの項目の平均が60点以上なら一般枠で採択される場合があります。採択申請書で、枠を一般枠へ切り替えて受けるかどうかを先に選びます。こうちSDGs推進企業の登録などの項目は、1項目につき1点、最大3点が加点されます。
問い合わせ先はどこですか?
制度や書類のことは、高知県商工労働部の工業振興課(電話 088-823-9724)です。事業内容の技術的な相談や企画の磨き上げは、公益財団法人高知県産業振興センターの事業戦略・デジタル化推進課(電話 088-845-6600)です。製品開発支援チームの確認は後者が窓口になります。申請を考えたら、早めに相談してください。
