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高等教育の修学支援新制度(就学支援新制度)の対象者は?大学・専門学校の授業料減免

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修学支援新制度(高等教育の修学支援新制度)は大学・短大・高専(4・5年)・専門学校の授業料と入学金を減らし、そのうえで返さなくてよい給付型奨学金を毎月支給する国の制度です。住民税非課税世帯(第1区分)の学生が私立大学に下宿して通う場合は授業料の減免が年70万円、給付型奨学金が月75,800円で、合わせて年約161万円になります。満額の対象になる世帯年収の目安は約270万〜300万円までで、子どもを3人以上扶養する多子世帯は年収にかかわらず授業料・入学金の減免を受けられます。

この記事では区分ごとの支援額、年収の目安が資料によって違う理由、多子世帯の数え方、進学後に支援が止まる条件までを、文部科学省と日本学生支援機構(JASSO)の公表資料で確かめて書いています。給付型奨学金だけを詳しく知りたい方は給付型奨学金とは?返済不要の金額と対象要件、学費の支援を広く探している方は学費が払えないときの支援制度一覧も参考にしてください。

修学支援新制度とは:授業料等減免と給付型奨学金の2本立て

文部科学省は、修学支援新制度を「大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の授業料・入学金の免除または減額と、返還を要しない給付型奨学金により、意欲ある子供たちの進学を支援するための制度」と説明しています。始まったのは令和2年(2020年)4月です。

2つの支援は出どころと受け取り方が違います。

授業料等減免給付型奨学金
中身授業料・入学金を学校が免除・減額する生活費に充てるお金が毎月振り込まれる
行うところ進学先の学校(確認大学等)日本学生支援機構(JASSO)
現金の受け取りなし(請求額が減る)あり(原則として毎月)
私立大学・第1区分の上限授業料年70万円・入学金26万円月75,800円(自宅外通学)
返済不要不要
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JASSOの給付奨学金のページには「授業料・入学金の免除・減額は確認大学等(※)が、給付型奨学金の支給は日本学生支援機構が行います」と書かれています。支援の区分(第1〜第4区分・多子世帯)はJASSOへの申込みで決まり、その区分をもとに学校が授業料を減免する流れです。給付型奨学金の振込日は奨学金の振込日は毎月何日?にまとめています。

制度の拡充はいつからか

修学支援新制度は、始まってから2回、対象が広がっています。

時期変わったこと
令和2年(2020年)4月制度が始まる。住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯(第1〜第3区分)が対象
令和6年(2024年)度第4区分を新設。多子世帯と私立の理工農系の学生に、中間所得層まで支援を広げる
令和7年(2025年)度多子世帯は所得制限なく授業料・入学金を減免。資産基準も多子世帯の減免は3億円未満に緩和
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日本学生支援機構の奨学金との違い

JASSOの奨学金には、返さなくてよい「給付奨学金」と、返す必要のある「貸与奨学金」(無利子の第一種・有利子の第二種)があります。修学支援新制度の給付型奨学金は、このうちの給付奨学金のことです。貸与奨学金は修学支援新制度とは別の制度で、併せて借りることもできます。ただし無利子の第一種奨学金は、給付型奨学金や授業料等減免を受けている間は貸与月額が減らされ、これを併給調整といいます。有利子の第二種奨学金には、この調整はありません。

いくらもらえる?区分ごとの支援額

支援額は世帯の区分と学校の種類、国公立か私立か、自宅から通うかどうかで決まります。第1区分(住民税非課税世帯)が満額で第2区分はその3分の2、第3区分は3分の1、第4区分は4分の1です。

授業料・入学金の減免の上限

文部科学省の資料「授業料等減免額(上限)・給付型奨学金の支給額」に載っている第1区分(満額)の上限額は次のとおりです。昼間制の課程の金額です。

学校設置者授業料(年額)入学金(1回限り)
大学国公立535,800円282,000円
大学私立700,000円260,000円
短期大学国公立390,000円169,200円
短期大学私立620,000円250,000円
高等専門学校国公立234,600円84,600円
高等専門学校私立700,000円130,000円
専門学校国公立166,800円70,000円
専門学校私立590,000円160,000円
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減免されるのは上限額までです。授業料が上限より安い学校ならその授業料の額までが減免されます。授業料が上限を超える私立大学では差額を自分で払います。夜間制の課程は上限額が別に決められており、給付型奨学金の額は昼間制と同じです。

私立の大学・短大・専門学校の通信教育課程は授業料の減免が年130,000円、入学金の減免が30,000円までです。給付型奨学金は第1区分で年51,000円が年1回振り込まれます。

給付型奨学金の月額

JASSOの「給付奨学金の支給額」のページに載っている月額です。第4区分の欄は多子世帯に限られます。

学校区分国公立・自宅国公立・自宅外私立・自宅私立・自宅外
大学・短大・専門学校第1区分29,200円66,700円38,300円75,800円
大学・短大・専門学校第2区分19,500円44,500円25,600円50,600円
大学・短大・専門学校第3区分9,800円22,300円12,800円25,300円
大学・短大・専門学校第4区分(多子世帯)7,300円16,700円9,600円19,000円
高専(4年以上)第1区分17,500円34,200円26,700円43,300円
高専(4年以上)第2区分11,700円22,800円17,800円28,900円
高専(4年以上)第3区分5,900円11,400円8,900円14,500円
高専(4年以上)第4区分(多子世帯)4,400円8,600円6,700円10,900円
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自宅外通学の額は、生計維持者(ふつうは父母)のもとを離れて家賃を払って暮らしている場合に使われます。生活保護を受けている生計維持者と同居している学生と児童養護施設等から通う学生は、自宅通学でも額が上がります。大学・短大・専門学校の第1区分では国公立33,300円、私立42,500円です。

世帯ごとの計算例

表の金額を使って、4つの世帯で年額を計算しました。

  1. 第1区分・私立大学・自宅外通学: 授業料減免700,000円+給付型奨学金75,800円×12か月(909,600円)=年1,609,600円。1年目は入学金減免260,000円が加わり1,869,600円
  2. 第2区分・国公立大学・自宅通学: 授業料減免535,800円×2/3(357,200円)+給付型奨学金19,500円×12か月(234,000円)=年591,200円
  3. 第4区分の多子世帯・私立大学・自宅外通学: 授業料減免700,000円(多子世帯は満額)+給付型奨学金19,000円×12か月(228,000円)=年928,000円
  4. 年収が第4区分を超える多子世帯・私立大学: 授業料減免700,000円のみ。給付型奨学金は0円

文部科学省の多子世帯のFAQにも、世帯年収700万円程度の多子世帯で私立大学に下宿して通う場合の例が載っています。授業料減免が年70万円、無利子の貸与型奨学金は最大で月5,600円です。

対象になる世帯年収の目安(家計基準)

区分を決めるのは年収そのものではなく、住民税の課税標準額から計算する「支給額算定基準額」です。JASSOのページに載っている式は「課税標準額×6%-(市町村民税調整控除額+市町村民税調整額)」で、本人と生計維持者の分を合計して判定します。

区分支給額算定基準額の合計支援の割合
第1区分100円未満(住民税所得割が非課税)満額
第2区分100円以上25,600円未満3分の2
第3区分25,600円以上51,300円未満3分の1
第4区分51,300円以上154,500円未満4分の1(多子世帯)/理工農系は授業料の減免のみ
多子世帯154,500円以上(多子世帯に限る)授業料・入学金の減免のみ
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ふるさと納税や住宅ローン控除で住民税の所得割が0円になっていても支給額算定基準額は0円にならない場合があります。自分の基準額は課税証明書かマイナポータルで課税標準額を調べると計算できます。

年収の目安は資料によって違う

「満額は年収270万円まで」「第4区分は約600万円まで」「いや約700万円まで」と、資料によって数字が違います。どれも公式の数字で、想定している家族構成と、予約採用か在学採用かで変わります。

JASSOの在学採用の家計基準のページには令和7年度の税制改正に伴って「令和8年度在学採用(二次)より収入・所得の上限額の目安が変更となりました」と書かれています。大学等に在学している人向けの目安(給与所得者の世帯・年間の収入金額)は次のとおりです。

世帯第1区分第2区分第3区分第4区分
2人(本人、母)229万円332万円402万円649万円
3人(本人、母、高校生)289万円391万円457万円677万円
4人(本人、親、無収入の親、高校生)295万円395万円461万円698万円
5人(本人、親、パートの親、高校生、中学生)321万円395万円461万円698万円
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5人世帯の欄はパートの親の年収110万円とは別の、もう1人の親の年収です。

2027年度に進学する予定の高校生が予約採用に申し込む場合の目安(同じく給与所得者の世帯)は、次のとおりです。

世帯第1区分第2区分第3区分第4区分
2人(本人、親)207万円298万円373万円630万円
3人(本人、親、中学生)221万円298万円373万円630万円
4人(本人、親、無収入の親、中学生)271万円303万円378万円635万円
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文部科学省の高校生向けリーフレットにある「約270万円・約300万円・約380万円・約600万円」は、この4人世帯(両親・本人・中学生)の目安です。JASSOの2026年度の在学生向けリーフレットは「約300万円・約400万円・約460万円・約700万円」と書いており、こちらは在学採用の表の4人世帯(きょうだいが高校生)に近い数字です。文部科学省のFAQは、両親と子ども3人(本人・高校生・中学生)の世帯なら第4区分の目安は約680万円としています。予約採用と在学採用の表で同じ4人世帯でも差が出る理由について、JASSOのページはきょうだいの学年の違い以外に説明を載せていませんでした。

どの表もJASSOは「表中の数字はあくまで目安です」と断っています。親が1人の世帯は、表の「本人、母」の行(2人世帯)や「本人、母、高校生」の行(3人世帯)が近い目安になります。正確な見込みは、JASSOの「進学資金シミュレーター」に家族構成と収入を入れて確かめてください。

第4区分は多子世帯か理工農系に限られる

第4区分の収入でも、多子世帯でも私立の理工農系でもなければ、支援はありません。JASSOの第4区分のページは、この場合の給付型奨学金を「支給なし」、授業料等減免を「支援なし」としています。予約採用で第4区分の候補者になっても、多子世帯でなければ、進学先が対象の理工農系の学科でない限り採用されません。

資産基準:5,000万円以上は給付型奨学金の対象外

収入とは別に本人と生計維持者の資産の合計にも基準があります。給付型奨学金と多子世帯でない場合の授業料減免は5,000万円未満、多子世帯の授業料減免は3億円未満です。

資産に数えるもの

  • 現金と、これに準ずるもの(退職金、投資用に持っている金・銀など)
  • 普通預金・定期預金
  • 株式・国債などの有価証券と投資信託(NISAで投資した分も時価で数える)
  • 満期や解約で現金になった保険

資産に数えないもの

  • 土地・建物などの不動産
  • 満期・解約前の保険の掛け金、貯蓄型生命保険、学資保険

住宅ローンなどの借入れと相殺することはできません。退職金を受け取った直後やNISAの残高が大きい世帯は、申込みの前に合計額を計算しておくと判定で驚かずに済みます。

多子世帯は所得制限なしで授業料・入学金を減免

令和7年度から子どもを3人以上扶養している世帯の学生は、年収にかかわらず授業料・入学金が国の定める額まで減免されます。私立大学なら授業料年70万円・入学金26万円で文部科学省の資料は「4年間で最大70万円×4年+26万円を支援」と書いています。

学校国公立・入学金国公立・授業料私立・入学金私立・授業料
大学28万円54万円26万円70万円
短期大学17万円39万円25万円62万円
高等専門学校8万円23万円13万円70万円
専門学校7万円17万円16万円59万円
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JASSOの表は万円未満を四捨五入しています。多子世帯の所得制限なしの対象は授業料・入学金の減免だけで、給付型奨学金は通常の収入基準(第1〜第4区分)で判定されます。 収入が第4区分を超える多子世帯は区分が「多子世帯」になり、給付型奨学金は0円です。JASSOのリーフレットには「多子世帯で授業料等減免のみ対象となる人も申込みが必要だニャ!」とあり、減免だけでもJASSOへの申込みが要ります。

「3人以上」の数え方

数えるのは生計維持者が住民税の上で扶養している子どもです。きょうだいの人数ではありません。

  • 3人以上を同時に扶養している間は、第1子から全員が対象
  • 大学院に進んだきょうだいも、扶養されていれば人数に入る(本人は対象外)
  • 就職などで扶養から外れたきょうだいは人数に入らない
  • 海外留学中のきょうだいも、扶養していれば人数に入る

上の子が3月に卒業して4月に就職しても、すぐには外れません。扶養の人数は毎年10月に前年12月31日時点の状況で確かめるため、文部科学省のFAQは、令和8年3月に第1子が卒業した場合、第2子以下は令和9年9月まで多子世帯と判定され得ると説明しています。

アルバイト収入が多いきょうだいは数えられないことがある

扶養から外れる収入を得ているきょうだいは子どもの人数に入りません。文部科学省のFAQによると令和8年10月から令和9年9月までの判定では、令和7年1〜12月の給与収入で次の線が使われます。

令和7年12月31日時点の年齢子どもに数えられる給与収入
19歳未満123万円以下
19歳以上23歳未満160万円以下
23歳以上123万円以下
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19歳以上23歳未満で年収123万円を超え160万円以下のきょうだいは、本人以外なら別に申告しないと数えられません。対象になりそうな場合は学校を通じて案内が届くことがあります。令和9年10月以降の判定では令和8年の給与収入で136万円以下(19歳以上23歳未満は169万円以下)に変わります。

私立の理工農系の学生(第4区分)

多子世帯でなくても第4区分の収入で私立の理工農系の学科に在籍していれば、授業料の減免を受けられます。減免額は文系との授業料の差額に着目した額で給付型奨学金は0円です。対象の学科は文部科学省の「理工農系学部学科の対象機関リスト」に載っており、国公立の学校は対象になりません。減免額の具体的な金額は、JASSOのページには載っていませんでした。在籍する学校の奨学金窓口で確かめてください。

対象になる学校と学生

対象は国か自治体の確認を受けた大学・短大・高専(4・5年)・専門学校(確認大学等)です。同じ大学や専門学校という名前でも確認を受けていない学校では支援を受けられません。対象校は文部科学省の「修学支援新制度の確認大学等の一覧(対象機関リスト)」で調べられます。

申し込める学生の条件

  • 高校等を初めて卒業した年度の翌年度の末日から、大学等に入学するまでが2年以内
  • 高卒認定試験の合格者は、受験資格を得た年度から合格まで5年以内で、合格した年度の翌年度の末日から入学まで2年以内
  • 日本国籍、特別永住者、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等、将来永住する意思のある定住者、要件を満たす家族滞在のいずれか

年齢そのものの上限は決められていませんが、高校卒業からの年数に上限があります。高校を出て3年以上たってから大学等に入る人は、災害や病気などやむを得ない事由がない限り、この期間の条件に当たりません。

対象にならない人

  • 大学院生
  • 海外の大学等に在籍する人
  • 過去に給付型奨学金を受けたことがある人(2回目の支給は受けられない)
  • 学士を取ったあとに学士入学・学士編入学した人

給付を受けている学生が認定専攻科に入学するなど編入学等をした場合は、手続きをすると通算最大72か月まで支給期間を延ばせます。

学業の要件:成績だけで判断しない

申込みのときの学業の要件は高校の成績が良くなくても満たせます。

  • 予約採用(高校3年): 評定平均3.5以上、または面談やレポートで学修意欲が確かめられること
  • 在学採用の1年次: 評定平均3.5以上、入試の成績が入学者の上位2分の1、高卒認定試験の合格、学修計画書で学修意欲が確かめられることのいずれか
  • 在学採用の2年次以上: GPAが学部の上位2分の1、または修得単位数が標準単位数以上で学修意欲が確かめられること

評定平均が3.5に届かない高校生は学修意欲の確認(面談やレポート)で申し込めます。成績を理由に申込みをやめる必要はありません。

申し込みの時期と窓口

申込みは高校3年で申し込む「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」の2つです。どちらも学校で書類を受け取ってJASSOのスカラネットで申し込みます。

予約採用在学採用
申し込む人高校3年生など大学等に在学している人
申込みの窓口在籍する高校進学先の学校の奨学金窓口
時期(文部科学省・JASSOの2026年度リーフレット)4月下旬〜7月末(2027年度進学の予定者)春(4〜6月)と秋(9〜11月)
支援の始まり進学後すぐ申込みから数か月後(春の申込みは4月分から)
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締切は学校ごとに違います。申込みでは本人と生計維持者のマイナンバーを登録して「奨学金確認書兼地方税同意書」をJASSOに郵送します。マイナンバーが分かるもの(マイナンバーカードやマイナンバーの載った住民票)を先に用意しておくと手続きが止まりません。授業料・入学金の減免は、JASSOへの申込みとは別に、在籍する学校に申請します。

予約採用で対象外だった人も進学後の在学採用で改めて申し込めます。JASSOの在学生向けリーフレットにも「春に申し込んで対象外だった場合も、秋に再度申し込むことで支援対象となる可能性があります」とあります。予約採用の候補者になっていると、学校によっては入学金や授業料の納付を待ってもらえる場合があるので、編集部としては、進学を考えている高校3年生は対象かどうか迷っても予約採用に申し込んでおくことを勧めます。

申込みの手順と必要書類は、大学無償化の条件|4つの関門を順に通して判定するでも詳しく扱っています。

毎年10月に支援区分が見直される

支援区分は採用されたときのまま続くわけではありません。JASSOは毎年最新の住民税の情報で区分を見直し、10月から翌年9月までの1年間の支給額を決めます。

2026年度の見直しを例にとると2025年1〜12月の所得にもとづく2026年度の住民税の情報で判定し、決まった区分が2026年10月分から2027年9月分までの給付型奨学金に使われます。2026年4〜9月は1つ前の2025年度の住民税で判定した区分が使われていました。

見直しで起きること

  • 第1〜第4区分の中で区分が変わると、10月以降1年間の月額が変わる
  • 収入基準か資産基準を満たさなくなると、1年間給付型奨学金が振り込まれない
  • 翌年の見直しで基準を満たせば、支給が再開される
  • 第一種奨学金を併せて借りている人は、貸与月額も変わることがある

見直しの結果はスカラネット・パーソナルの「支援区分適用履歴」で9月上旬以降に確かめられます。生計維持者の変更や資産の増減は、4月の在籍報告のあとに起きてもその都度は反映されず、次の見直しまで待つことになります。

進学後に支援が止まる・返還になるとき

採用されたあとも学校が学年末ごとに成績と出席を確かめ、JASSOが支援を続けるかを決めます。これを適格認定といいます。止まり方は「警告」「停止」「廃止」の3段階です。

認定当てはまる場合どうなるか
警告修得単位数が標準単位数の7割以下、GPAが学部の下位4分の1、出席率8割以下など支給は続く。次も警告なら廃止
停止2回続けて警告で、2回目の理由が「GPAが下位4分の1」だけ支給が止まる。次の判定で警告・廃止に当たらなければ再開
廃止修業年限で卒業できないことが確定、修得単位数が標準単位数の6割以下、出席率6割以下など給付奨学生の資格を失う
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標準単位数は「卒業に必要な単位数÷修業年限×在学年数」です。卒業に124単位が必要な4年制の学部なら1年生で31単位、2年生で62単位になります。

学業成績が著しく不良で、やむを得ない事由がない場合の廃止では、支給済みの給付型奨学金の返還を求められます。 懲戒処分で退学・除籍・無期停学・3か月以上の停学になった場合も認定が取り消され、処分を受けた学年の初日にさかのぼって返還を求められます。

病気や家族の介護、災害などのやむを得ない事情で成績が下がった場合は警告や廃止にならないことがあります。診断書などの書類を用意して、早めに学校の奨学金窓口に申し出てください。

在学中に家計が急変したとき

生計維持者の死亡などで家計が急に苦しくなった場合は春と秋の募集を待たずに、1年を通じていつでも申し込めます。これを家計急変採用といいます。

家計急変として申し込める事由

  • 生計維持者の死亡
  • 生計維持者が事故や病気で3か月以上働けない
  • 生計維持者の失職(自分から辞めた場合を除く)
  • 生計維持者が震災・火災・風水害などに遭い、上の事由に当たるか、世帯収入が大きく減った
  • 学生本人が父母等の暴力などから避難している

急変した生計維持者の収入は申請時の書類から見込んだ年間所得で計算します。採用後は3か月ごとに収入の状況を確かめ、区分が見直されます。

修学支援新制度でも自己負担が残る費用

減免の対象は授業料と入学金です。施設設備費・教材費・通学費は、文部科学省とJASSOの資料に減免の対象として書かれていないため、請求書の項目ごとに学校の奨学金窓口で確かめてください。私立大学の授業料が年70万円を超える学部では、その差額も自己負担になります。

足りない分を補う手段には、JASSOの貸与奨学金や大学独自の奨学金があります。第二種奨学金(有利子)は給付型奨学金との調整がないので生活費の不足を埋める手段として考えやすい制度です。返済の負担が残るため借りる額は卒業後の返済額まで計算してから決めてください。

高校の就学支援金との違い

高校の授業料を支援する「高等学校等就学支援金」と低所得世帯の高校生向けの「高校生等奨学給付金」は、修学支援新制度とは別の制度です。高校段階の支援は高校を卒業すると終わり、大学等に進むときは修学支援新制度に改めて申し込みます。

段階制度中身
高校高等学校等就学支援金授業料の支援
高校高校生等奨学給付金教科書費など授業料以外の支援
大学・短大・高専(4・5年)・専門学校修学支援新制度授業料・入学金の減免と給付型奨学金
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よくある質問

修学支援新制度と日本学生支援機構の奨学金は何が違いますか?

修学支援新制度の給付型奨学金は、JASSOが支給する返さなくてよい奨学金です。修学支援新制度はこれに学校の授業料・入学金の減免を組み合わせた国の制度の名前で、JASSOの給付奨学金はその一部にあたります。JASSOには返す必要のある貸与奨学金(第一種・第二種)もあり、こちらは修学支援新制度とは別の制度です。第一種を併せて借りると貸与月額が減らされます。

修学支援新制度はいつから始まりましたか?

令和2年(2020年)4月に始まりました。令和6年度には第4区分ができ、多子世帯と私立の理工農系の学生に中間所得層まで対象が広がりました。令和7年度からは、子どもを3人以上扶養する多子世帯の学生は所得制限なく授業料・入学金の減免を受けられます。1年生だけでなく、すでに在学している2年生以上も対象です。

成績が悪いと対象外になりますか?

申込みの段階では、成績だけで対象外にはなりません。高校の評定平均が3.5未満でも、面談やレポートで学修意欲が確かめられれば要件を満たします。ただし進学後は毎年、修得単位数・GPA・出席率が確かめられ、基準を下回ると警告や廃止になります。修業年限で卒業できないことが確定した場合も廃止の対象です。

一度不採用になったら、もう申し込めませんか?

申し込めます。予約採用で対象外だった人は、進学後の在学採用(春と秋)で改めて申し込めます。春の在学採用で対象外でも、秋に申し込んで対象になる可能性があるとJASSOは案内しています。家計急変の事由がある場合は、時期を問わず申し込めます。一方で、一度給付を受けた人が2回目の支給を受けることはできません。

留年するとどうなりますか?

修業年限で卒業できないことが確定した時点で「廃止」となり、支援が打ち切られます。成績が著しく不良でやむを得ない事由がない場合は、支給済みの給付型奨学金の返還も求められます。学校が正式に認めた休学で卒業が遅れる場合は、正規の修業年限の分までは支援を受けられると文部科学省のFAQに書かれています。

大学院生や留学生は対象になりますか?

大学院生は対象外です。ただし大学院生のきょうだいが扶養されていれば、多子世帯の子どもの人数には数えられます。外国籍の人は、特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、将来永住する意思のある定住者、日本の学校を出て日本で働く意思のある家族滞在のいずれかなら申し込めます。留学の在留資格の人は対象になりません。

通信制の大学も対象になりますか?

私立の大学・短大・専門学校の通信教育課程は対象です。授業料の減免は年130,000円、入学金の減免は30,000円が上限で、給付型奨学金は第1区分で年51,000円が年1回振り込まれます。第2区分は34,000円、第3区分は17,000円、多子世帯の第4区分は12,800円です。国公立の大学等と高専には通信課程が開講されていません。

多子世帯なら給付型奨学金ももらえますか?

収入が第1〜第4区分に当たれば、給付型奨学金ももらえます。多子世帯の第4区分なら満額の4分の1で、私立大学の自宅外通学で月19,000円です。収入が第4区分を超える多子世帯は、授業料・入学金の減免だけで給付型奨学金は0円です。資産が5,000万円以上3億円未満の多子世帯も、減免は受けられますが給付型奨学金は0円になります。

一番上の子が就職したら、多子世帯の支援はすぐ終わりますか?

すぐには終わりません。扶養している子どもの人数は、毎年10月に前年12月31日時点の状況で確かめます。文部科学省のFAQでは、令和8年3月に第1子が卒業して就職した場合、第2子以下は令和9年9月まで多子世帯と判定され得るとしています。子どもが3人の世帯なら、そのあとは扶養する子どもが2人になるため、多子世帯としての支援は終わります。

貸与型奨学金と併用できますか?

併用できます。無利子の第一種奨学金は、給付型奨学金や授業料等減免を受けている間は貸与月額が調整され、振込額が0円になることもあります。有利子の第二種奨学金には、この調整はありません。給付型奨学金が支援対象外になった期間は、第一種奨学金の調整が外れて貸与月額がおおむね増えます。

支援区分の見直しの結果はいつ分かりますか?

スカラネット・パーソナルの「支援区分適用履歴」で、9月上旬以降に確かめられます。見直した区分は10月分から翌年9月分までの給付型奨学金に使われます。結果が思っていた区分と違う場合は、生計維持者の申告内容や、きょうだいの収入の申告漏れがないかを確かめ、学校の奨学金窓口に相談してください。

給付型奨学金を返さなければならないのはどんなときですか?

学業成績が著しく不良で、やむを得ない事由がないまま「廃止」になった場合は、支給済みの分の返還を求められます。懲戒処分で退学・除籍・無期停学・3か月以上の停学になった場合は、処分を受けた学年の初日にさかのぼって返還です。虚偽の申告や不正で受け取った場合も認定が取り消されます。返還になるとJASSOから直接通知が届きます。

年齢制限はありますか?

年齢そのものの上限はありません。代わりに、高校等を初めて卒業した年度の翌年度の末日から大学等への入学までが2年以内という条件があります。高卒認定試験の合格者は、受験資格を得た年度から合格まで5年以内で、合格した年度の翌年度の末日から入学まで2年以内です。災害や病気などやむを得ない事由があれば、期間の上限が緩められる場合があります。

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対象になるか、いくら出るか、いつまでに何を用意するか。 申請の可否で迷ったら、補助金を扱う専門家に確認するのが確実です。相談は無料です。

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免責事項: 本記事の内容は2026年10月時点で確認できた文部科学省・日本学生支援機構(JASSO)の公表資料にもとづきます。区分ごとの支援額・年収の目安・多子世帯の条件は制度改正や年度で変わる場合があるため、申込みの前に必ず文部科学省またはJASSOの公式ページ、在籍する学校の奨学金窓口で最新の内容をご確認ください。

出典(一次情報)

この記事を書いた人
白木さん|元・自治体職員
制度をつくる側にいた元・自治体職員(産業振興)

市の産業振興課で補助金の設計・審査に関わってきました。「なぜこの要件があるのか」を制度の目的から説明できるのが強みです。窓口では伝えきれなかった制度の意図まで踏み込んで書きます。掲載内容は公募要領などの一次情報をもとに整理しています。

本記事は情報提供を目的としており、補助金の採択・交付を保証するものではありません。 補助上限額・補助率・締切等の内容は変更される場合があります。申請にあたっては、必ず 公式サイト・最新の公募要領をご確認ください。