同じ脱炭素の補助金なのに、上限額が50万円の枠と200万円の枠がある。この差には理由があります。
下松市中小企業脱炭素経営推進補助金には、SBT認定枠(補助率2/3・上限50万円)とロードマップ策定枠(補助率2/3・上限200万円)の2つがあります。対象は、市内に本店を有し事業を営む中小企業者です。
なぜ上限額が4倍も違うのか
制度の設計を見ると、この差の理由が分かります。
SBT認定枠は、CO2排出量の算定と削減目標の設定、そしてSBT(科学的根拠に基づく目標)の認定取得までを対象にします。目標を定めて、外部認定を取るという、比較的スコープの絞られた取り組みです。
ロードマップ策定枠は、現状の排出量を算定したうえで、削減目標と達成に向けた取り組み内容を体系的に整理した計画文書、つまり経営戦略に近い計画づくりを対象にします。策定にかかるコンサルティング費用の規模が大きくなりやすいため、上限額も200万円と高く設定されています。
「目標を認定してもらう」のか「計画そのものを作り込む」のか。 自社が今どちらの段階にいるかで、選ぶ枠が変わります。
対象になる事業者
対象は、市内に本店を有し、事業を営む中小企業者です。中小企業の具体的な定義(資本金・従業員数の基準)や業種指定については、公式ページ本文からは確認できませんでした。
市外に本店があり、下松市内に支店・営業所のみを置く事業者は、この制度の対象になるかどうかがはっきりしません。本店所在地が下松市かどうかを、まず確認してください。
対象経費を枠ごとに見る
SBT認定枠の対象経費は次のとおりです。
- CO2排出量の算定・削減目標設定にかかるコンサルティング・業務委託費
- 排出量の継続監視システム導入にかかるソフトウェア購入費・利用料
- SBT認定の申請費用
ロードマップ策定枠の対象経費は次のとおりです。
- ロードマップ策定にかかるコンサルティング・業務委託費用
ロードマップ枠は対象経費の範囲が1本に絞られている分、その1本にかけられる予算の上限が大きいという構成です。
補助額のシミュレーション
補助率はどちらの枠も3分の2です。
- SBT認定枠:上限に届くのは対象経費75万円のとき。コンサル費60万円+SBT認定申請費用15万円なら、補助額は50万円
- ロードマップ策定枠:上限に届くのは対象経費300万円のとき。策定コンサル費200万円なら、補助額は約133万円
ロードマップ策定は、外部コンサルタントへの委託費が数百万円単位になることも珍しくありません。上限200万円は、その規模の委託費を想定した設計と見られます。
申請の受付期間と実績報告
申請期間は、枠によって締切が異なります。
| 枠 | 申請受付期間 | 実績報告期限 |
|---|---|---|
| SBT認定枠 | 令和8年6月8日〜8月25日(必着) | 令和9年2月25日 |
| ロードマップ策定枠 | 令和8年6月8日〜9月25日(必着) | 令和9年2月25日 |
SBT認定枠はすでに終盤に入っています。 検討しているなら、8月25日の必着に間に合うよう、早めに下松商工会議所へ書類を送る必要があります。
申請は下松商工会議所へ郵送または持参で提出します。必要書類は交付申請書、事業経費内訳書のほか、変更が生じた場合の変更承認申請書、完了後の実績報告書・経費精算調書・請求書です。
- 問い合わせ先:下松商工会議所 0833-41-1070/下松市産業振興課 0833-45-1745
SBT認定やエコアクション21のような外部認証の取得には、数ヶ月単位の準備期間がかかることがあります。認定取得までのスケジュールの組み方は、GRANTOS公式LINEの登録者限定ページで、他の自治体の脱炭素系補助金の実例とあわせて紹介しています。
よくある質問
SBT認定枠とロードマップ策定枠は、両方申請できますか?
公式ページには両枠の併用可否の明記がありません。両方を検討する場合は、事前に商工会議所へ確認してください。
市外に本店がある会社は対象になりますか?
対象外の可能性が高いです。 公式ページの対象要件は「市内に本店を有し、事業を営む中小企業者」です。下松市内に支店や営業所があるだけでは、要件を満たさない可能性があります。
設備投資まで、この補助金でカバーできますか?
できません。 SBT認定枠・ロードマップ策定枠とも、対象経費はコンサルティング費用・ソフトウェア利用料・認定申請費用が中心です。設備の入れ替えそのものは対象に含まれていません。
この補助金の概要(早見表)
| 検索項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 下松市中小企業脱炭素経営推進補助金 |
| 対象業種 | 業種指定なし(市内に本店を有する中小企業者) |
| 利用目的 | CO2排出量算定、削減目標設定、SBT認定取得、脱炭素ロードマップ策定 |
| 対象地域 | 山口県下松市 |
| 従業員数 | 市内に本店を有し、事業を営む中小企業者 |
| 補助上限額 | SBT認定枠50万円/ロードマップ策定枠200万円 |
| 補助率 | 対象経費の3分の2(両枠共通) |
| 申請受付 | SBT認定枠:令和8年6月8日〜8月25日/ロードマップ策定枠:令和8年6月8日〜9月25日 |
| 公式サイト | https://www.city.kudamatsu.lg.jp/sangyou/sangyou/datsutansokeiei.html |
※この表の項目(対象業種・利用目的・対象地域・従業員数)は、GRANTOSの補助金診断の検索軸に対応しています。
脱炭素の取り組みが進んだ先の設備投資でも使える補助金は、他にもあります。3分でできる補助金診断で確認できます。
どちらの枠を選ぶべきか、対象経費の切り分けなど、進め方に迷う場合は専門家に相談するのも一つの手です。
免責事項: 本記事の内容は2026年7月時点で確認できた情報にもとづきます。補助率・上限額・対象要件・受付状況は変更される場合があるため、申請前に必ず下松市の公式ページで最新情報をご確認ください。
出典:
