熊谷市内に工場や事業所を構えると、事業所にかかる固定資産税と同じ額が、最長5年度分、奨励金として戻ります。市民を正規雇用で採れば、1人につき50万円(重点業種は80万円)です。
ただし、使えるのは市が決めた業種と規模の事業所に限ります。奨励金を受けるには、事業開始日の翌日から30日以内に「指定事業者」の申請を出す必要があります。指定事業者とは、市が奨励金の対象として認めた事業者のことです。
熊谷市 企業立地奨励金制度の要点まとめ
正式名:熊谷市企業立地奨励金制度(熊谷市企業の立地及び拡大の支援に関する条例)
だれが
- 申請者
- 事業者
- 対象業種
- 製造・建設・運輸・卸売・情報通信など市が定める業種(本文に一覧)
- 利用目的
- 事業所の新設・増設・建て替え・移転、雇用、転入、社宅建設など
- 対象地域
- 埼玉県熊谷市
- 従業員数
- 規定なし(コールセンターのみ常用従業員50人以上)
いくら
- 補助上限額
- 奨励金ごとに異なる(本文の表を参照)
- 補助率
- 固定資産税相当額の10分の10。太陽光などは費用の1/2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 期間の記載なし(指定事業者の申請は事業開始の翌日から30日以内)
- 公式サイト
- 熊谷市「企業立地奨励金制度のご案内」
固定資産税相当額とは、新設等をした事業所にかかる固定資産税と同じ額のことです。
うちの会社は対象になる?
次の3つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 3
規模の条件も満たす必要があります。取得なら、次のどれかです。
- 投下固定資産の取得費が合計5,000万円以上
- 敷地面積が2,000平方メートル以上
- 床面積が1,000平方メートル以上
- コールセンターで常用従業員が50人以上
賃借の場合は、取得費の条件が使えません。敷地面積か床面積の条件、または土地と建物の賃借料が月20万円以上であることのどれかを満たします。ただし賃借料の条件は、都市機能誘導区域への立地に限ります。コールセンターで常用従業員が50人以上の場合も、賃借で足ります。
都市機能誘導区域とは、市の立地適正化計画が定める区域です。この区域内なら、取得費は3,000万円以上、床面積は100平方メートル以上に緩みます。償却資産のみを取得した場合は、取得費の条件に数えません。
次のどれかに当たると、対象外になるおそれがあります。
- ✕ 飲食店や理美容など、対象外の業種である
- ✕ 製造業で市と公害防止協定を結んでいない
- ✕ 事業開始の翌日から30日を過ぎている
対象の業種は次のとおりです。
- 農業(施設園芸のみ)
- 建設業、製造業、情報通信業、運輸業・郵便業
- 卸売業
- 小売業(物品の保管が目的の事業所のみ。商業地域などは例外)
- 宿泊業(旅館・ホテルのみ)
- 医療(病院と、10人以上の患者を入院させる施設のある診療所のみ)
- サービス業(自動車整備、機械修理、電気機械器具修理、コールセンターのみ)
- 重点業種事業(地域未来投資促進法にもとづく地域経済牽引事業)
重点業種事業とは、同法の承認を受けた計画にもとづいて、地域の成長をけん引する事業を行うものです。小売業の例外は、商業地域、都市機能誘導区域、市の基準で定める生活利便施設です。
いくら戻ってくる?
奨励金は種類が多く、事業所の内容と雇用の実績で決まります。全部の奨励金に一律の上限はなく、種類ごとに限度額が違います。
| 奨励金 | 金額 | 限度額 |
|---|---|---|
| 事業所新設等 | 固定資産税相当額を3年度分(重点業種と本社機能は5年度分) | 1年度5,000万円(重点業種は1億円) |
| 雇用促進 | 正規1人50万円、非正規1人20万円 | 3,000万円 |
| 雇用促進(重点業種) | 正規1人80万円、非正規1人30万円 | 5,000万円 |
| 従業員転入促進 | 転入した正社員1人10万円 | 1,000万円 |
| 従業員転入 | 転入した正社員本人に10万円(クマPAY) | 記載なし |
| 太陽光発電設備 | 設置費の1/2(出力10キロワット以上) | 500万円 |
| 緑化推進 | 緑地の設置費の1/2(200平方メートル以上) | 1,000万円 |
| 埋蔵文化財発掘調査 | 調査費の1/2 | 1,000万円 |
| 社宅・社員寮建設等 | 戸数 × 50万円(重点業種は80万円) | 1,000万円(重点業種は2,000万円) |
本社機能とは、資本金が1,000万円以上の本社を市内に置く場合をいいます。雇用促進の対象は、新規に雇った市民を1年を過ぎるまで継続雇用し、引き続き市民である場合です。
- 正規雇用を5人採る:5人 × 50万円 = 250万円
- 重点業種で正規雇用を10人採る:10人 × 80万円 = 800万円
- 非正規を4人採る:4人 × 20万円 = 80万円
- 市外から正社員3人が転入する:3人 × 10万円 = 30万円
- 太陽光発電設備に800万円かける:800万円 × 1/2 = 400万円
- 社宅を25戸建てる:25戸 × 50万円 = 1,250万円 → 上限の1,000万円
新設した工場の固定資産税が、仮に年600万円と算定された場合は、3年度分で600万円 × 3年度 = 1,800万円です。社宅の奨励金には、建設費が5,000万円を超え、4戸以上であることと、半数以上の戸に従業員が入居していることも要ります。
申請の流れ
- 企業活動支援課に計画を相談する(事業者→熊谷市 企業活動支援課。新設を決める前に)
- 事業所を取得または賃借して、事業を始める(事業者。製造業は公害防止協定を先に結ぶ)
- 指定事業者の申請を出す(事業者→企業活動支援課。事業開始の翌日から30日以内)
- 指定を受けたあと、奨励金ごとに申請する(事業者→企業活動支援課。雇用は1年の継続後)
指定事業者の申請に使う様式と、奨励金ごとの申請書類の一覧は、公式ページで確認できませんでした。企業活動支援課(電話048-524-1470)に確かめてください。
必要な書類
準備できた 0 / 2
製造業は、協定書のほかに公害防止対策計画書も市のページに様式が出ています。書類の種類と様式は、奨励金のページには載っていません。上の2つは、公式ページが求める手続きから挙げたものです。必要なものは、申請の前に課へ確かめてください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 指定事業者の申請が30日を過ぎた:この申請が期日までに出ていないと、どの奨励金も受けられません。
- 規模の条件に届かなかった:取得費、敷地、床面積、賃借料のどれも満たさない小さな事業所は、対象になりません。
- 製造業で公害防止協定がない:市と協定を結んでいないと、要件を満たしません。
- 対象外の業種だった:飲食業や理美容などは、一覧に入っていません。
令和7年4月の改正について
令和7年4月1日に、条例が改正されました。令和7年3月31日までに指定事業者になった会社は、改正前の内容が当てはまります。
改正後に、社宅・社員寮建設等奨励金が新しく加わりました。太陽熱温水器と雨水利用設備の奨励金は、改正後の内容には載っていません。
よくある質問
事業所を借りるだけでも対象になりますか?
対象になります。事業所は取得でも賃借でも構いません。ただし賃借の場合、取得費5,000万円の条件は使えません。敷地2,000平方メートル以上か床面積1,000平方メートル以上、または都市機能誘導区域内で賃借料が月20万円以上かの、どれかが必要です。コールセンターなら常用従業員50人以上でも足ります。
飲食店や美容室は対象になりますか?
公式ページの業種一覧に飲食業と理美容業は入っていないため、対象にならない見込みです。宿泊業は旅館とホテルに限り、サービス業も自動車整備、機械修理、電気機械器具修理、コールセンターだけです。業種の分類は日本標準産業分類によるので、自社がどこに当たるかは企業活動支援課に確かめてください。
小売店は対象になりますか?
原則として、物品の保管を目的とする事業所に限ります。店舗だけの小売業は対象外です。例外は、商業地域、都市機能誘導区域、市の基準で定める生活利便施設に立地する場合です。倉庫や配送拠点のような小売の保管施設を市内に置く場合は、規模の条件とあわせて、対象になるかを課に相談してください。
指定事業者の申請は、いつまでに出しますか?
事業所の事業開始の日の翌日から数えて、30日以内です。期日までに出さないと、どの奨励金も受けられません。開業してから制度を知っても間に合わないので、新設や増設を決めた時点で企業活動支援課に問い合わせてください。問い合わせ先は、電話048-524-1470(直通)です。
固定資産税相当額の奨励金は、何年度分もらえますか?
原則として、事業開始後の3年度分です。重点業種事業にあたる企業と、本社機能を持つ企業(資本金1,000万円以上)は5年度分になります。金額は新設等をした事業所の固定資産税と同じ額で、10分の10です。1事業年度の上限は5,000万円で、重点業種事業は1億円です。
雇用促進奨励金の条件を教えてください
市民を新しく雇い、1年を過ぎるまで継続雇用し、引き続き市民であることが条件です。金額は正規雇用1人50万円、非正規雇用1人20万円で、限度額は3,000万円です。重点業種事業なら正規80万円、非正規30万円になり、限度額は5,000万円です。市外の人を雇っても、この奨励金の対象になりません。
パートやアルバイトの採用でも奨励金は出ますか?
出ます。非正規雇用は1人当たり20万円です。重点業種事業にあたる場合は30万円になります。ただし、市民を新規に雇い、1年を過ぎるまで継続雇用し、引き続き市民であることが条件です。限度額は、通常が3,000万円、重点業種事業が5,000万円で、正規雇用と非正規雇用を合わせた額に適用されます。
市外から引っ越した従業員にも奨励金が出ますか?
出ます。2種類あります。企業には、転入した正社員1人当たり10万円(限度額1,000万円)が交付されます。従業員本人には、転入した正社員と、採用内定の段階で転入して申請日までに正社員になった人に、10万円が交付されます。本人向けは地域電子マネー「クマPAY」での交付です。
製造業の公害防止協定とは何ですか?
製造業の事業所は、市と公害の防止に関する協定を結んでいることが、奨励金の要件になっています。市のページ「公害防止協定のご案内」では、締結の流れが、法令にもとづく届出の要否の確認、窓口への相談、協定書など書類2部の提出の順に示されています。窓口は環境政策課(電話048-536-1548)で、協定書は押印が要るため窓口に出します。協定がないと奨励金の対象にならないので、工場を新設する場合は、事業を始める前に手続きの時期を市に確かめておくと進めやすくなります。
太陽光発電設備や緑化にも奨励金が出ますか?
出ます。出力10キロワット以上の太陽光発電設備は、設置費の2分の1で限度額500万円です。法令で定める面積を超えて200平方メートル以上の緑地をつくると、設置費の2分の1で限度額1,000万円です。どちらも、1回に限り交付されます。事業所の新設等の奨励金とは別に、申請します。
令和7年3月以前に指定を受けた場合は、どうなりますか?
令和7年4月1日の改正前の内容が当てはまります。市のページに、改正前の制度の内容が別に載っています。たとえば雇用促進は、1年の継続雇用のあと、3年を過ぎるまで継続雇用した正規雇用に1人20万円が加わります。改正後の内容と混ぜずに、旧制度のページで確かめてください。
問い合わせ先と、受付の期間を教えてください
窓口は熊谷市 産業振興部 企業活動支援課で、電話は048-524-1470(直通)です。公式ページには、募集期間の記載がありません。期限として書かれているのは、指定事業者の申請を事業開始日の翌日から30日以内に出すことだけです。開庁日は月曜日から金曜日で、8時30分から17時15分までです。
