トイレや更衣室を整備するだけでこの補助金はもらえるのか——結論から言うと、もらえません。工事や備品購入だけでなく、事業所内の最低賃金を30円以上引き上げていることが申請の前提条件です。設備を整えるだけの制度だと思っていると、この要件で対象外になります。
熊本県の「女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金」は、女性従業員専用のトイレ・更衣室・シャワー室などの整備費用を、最大200万円・補助率4分の3まで補助する制度です(第2次募集)。何が申請の入り口になるのか、線引きを見ていきます。
女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 熊本県女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金(第2次募集) |
| 対象業種 | 業種指定なし(県内中小企業等) |
| 利用目的 | 女性従業員専用のトイレ・更衣室・シャワー室等の新設・増設・改修、備品購入 |
| 対象地域 | 熊本県内 |
| 従業員数 | 規定なし(県内に事業所を有する中小企業等) |
| 補助上限額 | 200万円(下限60万円) |
| 補助率 | 補助対象経費の4分の3以内 |
| 申請受付 | 令和8年7月28日(火)午前9時〜9月30日(水)午後5時(第2次募集) |
| 公式サイト | 熊本県「女性が働きやすい職場環境整備支援事業補助金」 |

対象になる事業者・ならない事業者
| 区分 | 対象になる例 | 対象にならない例 |
|---|---|---|
| 賃上げ要件 | 令和7年4月〜令和8年5月の間に事業所内最低賃金を30円以上引き上げた事業者 | 賃上げの実施がない、または30円未満の引き上げにとどまる事業者 |
| 補助下限 | 補助対象経費が下限60万円に到達する規模の工事・備品購入 | 数万円規模の小規模な備品購入だけの申請 |
| 対象設備 | 女性従業員専用のトイレ・更衣室・シャワー室の新設・増設・改修 | 男女共用スペースの改修、女性専用と言えない一般的な休憩室 |
なぜ賃上げが条件になっているのか——この補助金は単なる設備補助ではなく、賃上げとセットで職場環境全体を改善してもらうことを狙った制度です。賃上げの実績を先につくっておかないと、どれだけ立派な設備計画を用意しても申請の土台に乗りません。
よく誤解されるポイント
「補助率4分の3だから自己負担は少ない」と思われがちですが、補助対象経費が下限の60万円に届かないと、そもそも申請できません。小規模なトイレ改修1件だけでは下限に届かないことがあるため、更衣室やシャワー室の整備も合わせて計画すると、下限をクリアしやすくなります。
もう1つの誤解は「重複申請できる」という点です。この補助金は国・県・市町村の他の支援制度との重複利用が禁止されています。同じ工事に対して別の補助金をすでに申請している場合は、この制度を使えません。
申請から完了までの流れ
- 事業所内最低賃金の引き上げを実施する(令和7年4月〜令和8年5月)
- 女性専用施設の整備計画を立て、見積もりを取る
- 交付申請書を提出する(第2次募集は9月30日午後5時まで)
- 工事・備品購入を実施し、完了報告を提出する
- 12月15日までに事業と支払いを完了させる
賃上げの実施時期と工事の完了時期、どちらにも期限があるため、先に賃上げを済ませ、工事は補助金の交付決定後に着手するという順番を守ることが重要です。
よくある質問
最低賃金の引き上げは会社全体でなく一部の従業員だけでもよいですか?
事業所内の最低賃金の引き上げが条件のため、事業所全体の最低賃金水準を引き上げる必要があります。詳細は熊本県商工労働部労働雇用創生課へお問い合わせください。
個人事業主でも申請できますか?
できます。県内中小企業等には個人事業主も含まれます。
補助対象経費が59万円だった場合はどうなりますか?
下限の60万円に届かないため、そのままでは申請できません。整備範囲を広げるなどして経費を積み増す必要があります。
