八代港か熊本港に、新しいコンテナ航路を通したい。荷物が軌道に乗るまでは、寄港のたびに費用が先に出ていきます。その負担を県が分け持つのが、熊本県の国際コンテナ航路開設等助成事業です。
助成を受けられるのは、航路を運航する船社です。新規開設なら1寄港10万円(年520万円まで)、増便・延伸なら1寄港5万円(年260万円まで)が、開設日から3年間続きます。荷主企業や商社は申請者になれません。令和8年度分の申請期間は、公式ページにも交付要項にも書かれていません。
熊本県 国際コンテナ航路開設等助成事業の要点まとめ
正式名:令和8年度熊本県国際コンテナ航路開設等助成事業
だれが
- 申請者
- 事業者(国際コンテナ定期航路の運航船社。外国船社は日本総代理店)
- 対象業種
- 海運業(貨物定期航路事業を行う運航船社)
- 利用目的
- 八代港・熊本港の国際コンテナ定期航路の新規開設・増便・延伸
- 対象地域
- 熊本県(八代港・熊本港)
- 従業員数
- 規定なし(船社が申請者)
いくら
- 補助上限額
- 新規開設は年520万円、増便・延伸は年260万円(各3年間)
- 補助率
- 定額(新規は1寄港10万円、増便・延伸は1寄港5万円)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 知事が別に定める期間内。開設・拡充前までに申請
- 事業の完了
- 事業年度(4月1日〜3月31日)ごとに3月31日までに実績報告
うちの航路は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
申請の時期は、県のチラシは、航路の開設や拡充の前までに申請するよう案内しています。すでに開設した航路の扱いは、交付要項に書かれていません。企業立地課に確かめてください。
対象の航路は、次の3つのどれかです。県内港と国際コンテナ戦略港湾(阪神港・京浜港)を内航船で結ぶ国際フィーダーコンテナ航路も、国際コンテナ定期航路に含まれます。
- 新規開設:県内港と外国の港を結ぶ航路を新しく開く
- 増便:既存航路を組み替えて県内港への寄港回数を増やす(1年以上休止した航路の再開を含む)
- 延伸:既存航路を、いまの寄港国とは別の国の港まで伸ばす
月ごとの寄港明細の書き方は、区分で変わります。新規開設と延伸は県内港へのすべての寄港を書き、増便は増えた寄港だけを書きます。
次のどれかに当たると対象外です。
- ✕ 荷主企業や商社として申請する
- ✕ 暴力団等と関係がある
- ✕ 既存の寄港分だけで申請する
すでに県内港に寄港している船社は、助成の対象が、新規開設・増便・延伸で新たに増えた寄港分だけになります。いま寄港している分は数えません。
いくら出る?
1寄港あたりの額と、年間の上限は次のとおりです。助成対象期間は開設日(航路を開いた日、または増便・延伸した日)から3年間で、上限は毎年度ついています。
| 区分 | 1寄港あたり | 年間の上限(1〜3年目とも) |
|---|---|---|
| 新規開設 | 10万円 | 520万円 |
| 増便・延伸 | 5万円 | 260万円 |
新規開設は3年で最大1,560万円、増便・延伸は3年で最大780万円です。寄港の回数は次のような仮の数字で考えると、見積もりやすくなります。
- 毎週1回寄港する新規航路(年52寄港):10万円 × 52寄港 = 520万円(上限ちょうど)
- 月2回寄港する新規航路(年24寄港):10万円 × 24寄港 = 240万円
- 既存航路に年40寄港ぶん増便する:5万円 × 40寄港 = 200万円
- 既存航路に年60寄港ぶん増便する:5万円 × 60寄港 = 300万円 → 上限の260万円
県のチラシには、令和8年8月に就航した場合は令和11年7月の寄港分まで助成する、という例があります。申請書には、実績が申請額より増えても交付決定額を超えては受け取れない、とあります。申請額は寄港の見込みを少し多めに見積もり、増えたら変更申請で直します。
交付要項は、金額を「予算の範囲内」としています。また、輸出入するコンテナ貨物の基準日は、航路の配船スケジュールに書かれた県内港の入出港日です(第16条)。寄港の数え方の細部は、申請前に県へ確かめると安心です。
申請から支払いまでの流れ
事業年度は毎年4月1日から3月31日までで、申請も実績報告も事業年度ごとに行います。
- 交付申請をする(船社→熊本県知事。知事が別に定める期間内に、第1号様式の申請書に事業計画書と開設・増便・延伸が分かる書類を添える)
- 交付決定の通知を受ける(県→船社。遅滞なく審査される。2年目以降も、年度ごとに申請が要る)
- 運航を続けて、毎月10日までに前月の寄港明細を出す(船社→県。県から根拠資料を求められたら速やかに出す)
- 事業年度の末日の3月31日までに実績報告書を出す(船社→県。コンテナ明細を添える)
- 額の確定通知を受ける(県→船社。審査で成果が条件に合うと認められたとき)
- 請求書を出して受け取る(船社→県。支払いは額の確定のあと)
内容を変えるときは変更申請、航路を休止・廃止するときは事前の承認申請が要ります。毎月10日の寄港明細は、交付決定を受けた事業者全員の義務です。
必要な書類
準備できた 0 / 8
寄港明細は、同じ内容を書けば任意の様式でも構いません。確認書類の中身は交付要項に例が無く、「知事が必要と認める書類」も加わります。窓口は商工労働部の企業立地課です(電話 096-333-2514、メール kigyouricchika@pref.kumamoto.lg.jp。県のチラシに記載)。
助成が出なくなるのはどんなとき?
- 県税の滞納がある:延滞金を含めて滞納があると、助成の対象になりません。
- 提出書類に虚偽や不正がある:交付決定が全部または一部取り消されます。受け取ったあとに分かれば、返還を命じられます。
- 交付決定額を超えて受け取ろうとした:申請書には、実績が申請時より増えても、交付決定額を超える助成は受けられないと書かれています。寄港が増える見込みなら、変更申請で額を改めます。
- 休止・廃止の承認を取っていない:助成対象期間中に航路を休止・廃止するときは、先に承認申請を出す決まりです。
- 既存の寄港分で申請した:助成の対象は、増えた寄港分だけです。
ほかの補助金と一緒に使える?
使えます。交付要項に、助成対象期間に国や他団体の助成で費用の一部がまかなわれても、この事業の助成額や対象には影響しないと書かれています。
よくある質問
荷主企業や商社は申請できますか?
申請できません。助成の対象者は、航路を運航する船社です。外国船社の場合は、その日本総代理店が申請者になります。荷主企業は、取引のある船社に新規航路の開設や増便を相談するときに、この助成があることを材料として伝えられます。申請書は船社の名前で出す決まりなので、荷主側で準備できる書類はありません。
申請の受付期間はいつですか?
公式ページにも交付要項にも、具体的な日付は書かれていません。交付要項は「知事が別に定める期間内」に申請するとしています。多くの制度と違って締切が見えないため、航路の開設や増便の予定が固まったら、早めに企業立地課へ問い合わせておくと安心です。電話は096-333-2514です。
新規開設と増便・延伸で金額が違うのはなぜですか?
新規開設は1寄港10万円で年520万円まで、増便・延伸は1寄港5万円で年260万円までです。1寄港あたりの額も年間の上限も、増便・延伸は新規開設の半分に設定されています。理由は公式ページにも交付要項にも書かれていません。申請する航路がどちらの区分に当たるかで、見込める額が倍変わるため、区分は事前に確かめます。
すでに県内港に寄港している船社でも使えますか?
使えます。ただし助成の対象は、新規開設・増便・延伸で新たに増えた寄港分だけです。たとえば週2回寄港している航路を週3回に増やした場合、助成の数に入るのは増えた1回分で、これまでの2回分は入りません。増便にあたるかどうかは、航路を改編して寄港回数が増えたかで判断されます。
1年以上休止していた航路を再開した場合はどうなりますか?
増便として扱われます。交付要項は、既存航路を改編して県内港への寄港回数を増やした場合に、1年以上寄港サービスを休止していた航路の再開を含めています。そのため、新規開設の区分ではなく、1寄港5万円で年260万円までの増便・延伸の区分で考えます。再開の時期が1年に満たない場合の扱いは書かれていないため、県に確認してください。
国際フィーダーコンテナ航路は対象ですか?
対象です。国際フィーダーコンテナ航路は、県内港と国際コンテナ戦略港湾(阪神港・京浜港)を内航船で結び、外貿コンテナを運ぶ航路のことです。交付要項は、これを国際コンテナ定期航路に含めています。したがって、フィーダー航路の新規開設・増便・延伸も、通常の国際航路と同じ区分と単価で助成の対象になります。
助成金はいつ支払われますか?
実績報告のあとです。事業年度の末日の3月31日までに実績報告書を出し、県の審査で額が確定してから、請求書を出して支払いを受けます。交付決定の時点では支払われません。年度の途中で資金が必要になる場合でも、毎月の寄港明細は欠かさず出す決まりです。支払いの具体的な日数は書かれていないため、県に確かめてください。
毎月の報告は何を出すのですか?
交付決定を受けた事業者は、毎月10日までに前月の寄港明細を出します。県の案内ページにExcelの様式があり、同じ内容を書けば任意の様式でも構いません。県が必要と判断すれば、内容の根拠になる資料の提出を求められ、その場合は速やかに出す決まりです。明細を出さなかったときの扱いは、交付要項に書かれていません。
航路を途中でやめることはできますか?
できますが、先に承認が要ります。助成対象期間中に航路を休止・廃止するときは、休止(廃止)承認申請書を知事に出し、承認を受けてからです。休止や廃止のあとに助成がどうなるかは交付要項に細かく書かれていません。やむを得ず休止する可能性があるなら、申請の前に企業立地課へ相談しておくと安心です。
助成は3年で終わりますか?
助成対象期間は、航路を開設した日、または増便・延伸した日から3年です。対象になるのは令和8年度に開設・増便・延伸した航路で、新規開設は年520万円、増便・延伸は年260万円が上限として毎年ついています。3年を過ぎた先の扱いは交付要項にありません。それ以降の年度の扱いは、県の発表を待つことになります。
要項はいつから変わりましたか?
令和8年4月1日から施行されている要項が令和8年度分に使われます。平成31年4月1日の施行に始まり、令和2年11月、令和4年4月と改正されてきました。令和8年度の別表では、新規開設が1寄港10万円で年520万円、増便・延伸が1寄港5万円で年260万円と定められています。過去の年度の数字と混ぜないようにします。
