被災した店舗の火災保険から保険金が下りたが、それでもこの補助金は使えるのか——使えます。ただし保険金や共済金の受取額は、復旧に要する費用から控除した金額が補助対象経費になります。熊本県の「被災中小企業者再建支援補助金」は、令和7年8月豪雨で被災した事業用の施設・設備の復旧費用を、補助率3/4、1事業者あたり上限3億円まで補助する制度です。
対象は熊本県内に事業所を有する中小企業者(商工会・商工会議所等の商工団体を含む)です。原則として、施設は登記されているもの、設備は資産計上されているものに限られます。特例として、発災日(令和7年8月10日)以降であれば交付決定前に復旧した経費も対象になります。
被災中小企業者再建支援補助金の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 被災中小企業者再建支援補助金(令和7年8月豪雨) |
| 対象業種 | 中小企業支援法第2条に規定する中小企業者、商工会・商工会議所等の商工団体 |
| 利用目的 | 令和7年8月豪雨で被災した事業用の施設・設備の復旧(修繕費・建替費・修理費・入替費) |
| 対象地域 | 熊本県内 |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者であること(業種ごとに資本金・従業員数のどちらか一方の基準を満たせばよい) |
| 補助上限額 | 1事業者につき上限3億円 |
| 補助率 | 補助対象経費×3/4(千円未満切り捨て) |
| 申請受付 | 令和8年1月26日(月)〜令和8年11月30日(月)/事業実施期間:交付決定日(特例で発災日以降)〜令和9年2月12日(金) |
| 公式サイト | 熊本県「被災中小企業者再建支援補助金」交付申請手続き |

対象になる/ならないの線引き
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる | 登記されている事業用施設(店舗・事務所・工場・倉庫)の修繕費または建替費 |
| 対象になる | 資産計上されている事業用設備(機械装置・工具・車両等)の修理費または入替費 |
| 対象になりにくい | 住宅用建物(店舗兼住居の住宅部分)や社員寮等の福利厚生施設 |
| 対象になりにくい | テーブル・椅子・食器・調理器具など、汎用性があり目的外使用になり得る什器・備品 |
| 対象になりにくい | 商品・在庫・仕掛品・原材料、消耗品、ソフトウェア等の無形資産 |
「復旧」が前提のため、従前よりも規模を拡張した建替や高性能設備への入替も、原状回復に必要な経費(同等の建替費・入替費)までが補助対象の上限になります。グレードアップした分は自己負担です。
よく誤解されるポイント
「交付決定前に着手した経費は対象外」という補助金の一般原則がありますが、この制度には発災日(令和7年8月10日)以降であれば交付決定前に復旧した経費も対象になる特例があります。ただし特例が使えるのは発災日以降の分に限られ、それより前の復旧費用は対象になりません。また、実績報告書の審査時にはBCP(事業継続計画)の策定と、付保割合30%以上の自然災害(風水害含む)による損害保険等への加入が確認されます。小規模事業者は保険加入が推奨にとどまりますが、要件として押さえておく必要があります。
よくある質問
保険金を受け取っている場合、補助対象経費はどう計算されますか?
復旧に要する費用から、保険金・共済金の受取額を控除した金額が補助対象経費になります。保険金を受け取ったこと自体で対象外になるわけではありません。
見積書は何社分必要ですか?
1件当たり税込100万円を超えるものは2者以上の見積書が必要です。見積書は発行日・宛名(補助事業者名)・発行者・金額・取引内容(品名)が確認できるものに限られます。
申請書類の作成は自分で行う必要がありますか?
商工会議所・商工会が申請書の作成等を支援しています。熊本商工会議所(096-354-6688)をはじめ、県内各地の商工会議所・商工会が対応しています。
