自社のAIカメラやロボットを、実際の街で試したい。技術はできていても、試す場所を探す段階で止まることがあります。倉敷市の実証実験サポート事業は、その場所探しを市が手伝い、経費も一部負担する制度です。
対象は、倉敷市内で先端技術の実証実験を行う法人です。本社は市外でも構いません。経費支援は補助対象経費の3分の2で、上限は50万円。令和8年度分の申請は12月28日(月)必着です。経費支援を受けたい場合も、サポートを希望する場合も、実験に着手する前に申請します。
倉敷市 実証実験サポート事業の要点まとめ
正式名:先端技術を活用した実証実験サポート事業
だれが
- 申請者
- 事業者(法人。市外の法人も可。共同体での実施も可)
- 対象業種
- 指定なし(先端技術を使う法人)
- 利用目的
- AI・IoT・ロボット・AR/VR等を使う実証実験
- 対象地域
- 倉敷市内で実験を行うこと(法人の所在地は問わない)
- 従業員数
- 公式ページに記載なし(商工課へお問い合わせください)
いくら
- 補助上限額
- 50万円
- 補助率
- 補助対象経費の3分の2
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年4月1日〜2026年12月28日(必着)
- 事業の完了
- 実績報告書は2027年3月23日必着
- 公式サイト
- 倉敷市「実証実験サポート事業の公募」
うちの実験は対象になる?
次の6つに当てはまれば、対象の見込みです。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 6
最後の2つは、経費支援を受けたい場合の条件です。市のサポートだけを使うなら、他の補助金や市税の条件は問われません。
次に当たると対象外です。
- ✕ 実験を市外だけで行う
- ✕ 風俗営業等を行う法人
- ✕ 必要な許認可が無い実験
実験の中身にも条件があります。次の3つをすべて満たす必要があります。
- 先端技術の活用で、社会や地域の課題の解決、または暮らしの利便性の向上につながる
- 新しい産業の創出や、倉敷市の魅力向上につながる
- 市が効果的に支援できる
年度内に実験を実施・完了できる見込みが低いもの、第三者に被害を及ぼすおそれが高いものは、採択されません。暴力団との関係がある場合も対象外です。
対象者は「法人」とされていて、個人事業主は対象者の欄に書かれていません。個人事業主として検討している場合は、申請前に商工課へ確認してください。
経費支援はいくら戻る?
経費支援は、補助対象経費の3分の2です。上限は50万円で、1,000円未満は切り捨てます。消費税は対象外なので、税抜の金額で計算します。
たとえば、次のようになります。金額は計算の例です。
- 機器のレンタルと会場使用料で30万円:30万円 × 2/3 = 20万円
- 上限にちょうど届く:75万円 × 2/3 = 50万円
- 経費が90万円:90万円 × 2/3 = 60万円 → 上限の50万円
75万円を超えた分は、自己負担です。
経費支援は、サポートの決定とは別の手続きです。支援が決まったあと、経費支援を希望する人だけが、あらためて補助金の交付申請をします。案内チラシには「先着順」とあるので、決定後は早めに動くのが安全です。
経費支援を希望しないという選択もあります。その場合でも、市のサポート(次の章)は受けられます。
何に使える?
対象にならないものを先に確認します。
- 人件費、飲食費、金券・商品券、各種保険料
- 家賃・光熱水費・通信費などの固定費
- 車両・不動産の購入費
- 消費税などの公租公課
- パソコンやタブレットなど、他の用途にも使える機器の購入費
- 口座振込以外の支払い(ポイント・クーポン、電子マネー、QRコード決済、申請者と名義が違うクレジットカードなど)
口座振込以外で払った経費は、対象外になります。実験で使う機器や謝金の支払い方法は、見積を取る段階で業者と決めておくと安心です。
対象になるものは次のとおりです。
- 賃借料:機械器具・工具器具のレンタル
- 備品購入費:レンタルが難しい物品の購入
- 消耗品費:単価3万円(税抜)未満の物品
- 会場使用料:実験を行う会場の使用料
- 報償費:外部の専門家やモニター協力者への謝金
- 広報費:実験の広報に要する経費
- 旅費:倉敷市への移動で、国内の公共交通機関に限る
- 通信運搬費:郵便代、通信費、運送料など
- 外注費:自分たちで直接行うのが難しい、または適当でないものに限る
通信費は、固定費としては対象外で、通信運搬費としては対象に挙がっています。実験のための回線費用がどちらに当たるかは、案内ページに書かれていません。商工課に聞いてから見積に入れると、後で外れる心配がありません。
お金のほかに、市から何をしてもらえる?
サポートが決まると、経費支援を希望しなくても次の支援を受けられます。
- 市が持つ施設・設備・情報の提供のあっせん
- 住民など関係者との調整の支援
- 実験に参加するモニターの募集の支援
- 国や県への手続きや制度の説明の支援
- 市の広報紙やホームページでの情報発信
市の部署が出した課題に応える形もあります。令和8年度の課題調書は2件です。消防総務課は、毎年約50本の消防ホースと約40着の防火服が廃棄されていることから、これを有効活用する案を求めています。教育施設課は、学校校舎や体育館の外壁の浮きを、サーモグラフィー搭載ドローンで点検する方法の検証を求めています。
過去に支援を受けた実験には、設備のモニタリングシステムによる故障予防(令和7年度)や、ローカル5GとAIカメラによる野球映像の撮影(令和6・7年度)があります。
申請から報告までの順番
- 商工課に事前相談する(事業者→倉敷市 商工課。申請できるかを先に確かめる。電話 086-426-3405)
- 支援申請を出す(事業者→商工課。郵送か持参で、12月28日(月)必着。実験に着手する前に)
- 審査を受ける(商工課→事業者。採択か不採択の通知書が届く。採択されたら速やかに商工課へ連絡)
- 市と打ち合わせる(事業者・市。支援の具体的な中身を詰める。支援が確定すると市のホームページで公表される)
- 経費支援を希望するなら、交付申請を出す(事業者→商工課。支援が決まったあと速やかに)
- 実験をして、実績報告を出す(事業者→商工課。報告書・実施の資料・支払いの書類。3月23日(火)必着)
審査では、応募資格、事業計画と市の目的が合っているか、実験が法令に合っているかを見ます。市の関係部署との事前調整で、支援が難しいと分かった場合は、支援が中止になることもあります。
実験の着手は、サポートの決定の日以後です。やむを得ない理由があるときだけ、事前着手理由書を添えて申請します。
必要な書類
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履歴事項証明書と倉敷市税完納証明書は、発行から3か月以内のものです。事業概要資料は、ホームページの写しや会社パンフレットで足ります。共同体構成者一覧は、共同で実施するときだけ要ります。補助金交付申請書、見積書の写し、倉敷市税完納証明書は経費支援を希望する場合の書類で、実績報告書の提出時には、実験を実施したことが分かる資料(事業報告書・写真)を添えます。収支決算書と、支払いを証する書類(請求書・領収書・振込明細など)は、経費支援を受ける場合の書類です。収支決算書の様式には、賃借料なら契約書の写し、広報費なら広報物の写しや写真、外注費なら契約書の写しも添えるよう書かれています。
収支予算書は、市の案内ページでは支援申請の様式に、案内チラシでは交付申請の書類に入っています。どちらの段階で出すかは、商工課に確認してください。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 着手の後に申請した:サポートを希望するなら、実験に着手する前の申請が必要です。着手は支援決定の日以後が原則です。
- 他の補助金と重なった:同じ事業に、市や国、県などから別の補助金を受けていると、経費支援の対象から外れます。
- 市税を滞納している:倉敷市税の滞納があると、補助金は交付されません。徴収猶予を受けている場合は除きます。
- 経費が対象外だった:人件費や固定費、口座振込以外の支払いなどが入っていると、その分は決定額から外れます。申請額と決定額が違うことがあります。
- 年度内にできそうにない:年度内に実験を実施・完了する見込みが低いと、不採択になります。
- 虚偽や指示違反があった:不正な手段で決定を受けた場合や、市の指示に従わない場合は、決定が取り消され、交付済みの補助金の返還を命じられることがあります。
実験のあとに求められること
- 実験の内容を、市のホームページ等で公開したり、市の成果発表会で発表したりすることへの協力
- 実験が市民など第三者の目に触れるときや、自分で情報発信するとき、取材を受けたときに、「倉敷市実証実験サポート事業」の支援を受けた旨の表示
- 補助金の経理の証拠書類の保存(実験が完了した年度の終了後5年間)
内容を変更するときは変更承認申請書、中止・廃止するときは中止(廃止)承認申請書、予定の期間内に終えられないときは遅延等報告書を、市に出します。軽微な変更は省略できる場合もあるので、変更が生じたら先に市へ連絡してください。
よくある質問
倉敷市に本社や事業所がなくても申請できますか?
申請できます。対象者は、実証実験を的確に実施できる組織、人員、技術、管理能力を持つ法人で、事業所の所在地は問われません。全国から公募する形です。ただし、実証実験そのものは倉敷市内で行う必要があります。共同体で実施することもできます。その場合の申請者は、実証事業の主たる役割を担う法人です。
個人事業主でも申請できますか?
公式ページの対象者は「法人」とされていて、個人事業主が対象かどうかは書かれていません。個人事業主の立場で申請を考えている場合は、商工課(電話 086-426-3405)に、申請できるかを先に確かめてください。法人化の予定があるときや、法人と共同で実施するときは、その旨も合わせて伝えると、話が早く進みます。
経費支援を受けずに、市のサポートだけ使えますか?
使えます。サポートが決まると、市の施設のあっせんや住民との調整、モニター募集、広報での発信などの支援を受けられます。経費支援は、サポートの決定を受けた人のうち、希望する人だけが、あらためて補助金の交付申請をする仕組みです。経費支援を使わなければ、他の補助金との重複や市税の条件も問われません。
すでに販売している製品の導入や宣伝にも使えますか?
使えるとは確認できていません。この事業が支援するのは実証実験で、新しい技術やサービス、製品を、場所や期間を限って提供し、実用化に向けた有効性や問題点を検証するものと要綱で定められています。通常の販売や導入そのものが目的の場合は趣旨に合わない可能性があるので、計画の段階で商工課に相談してください。
申請はいつまでに、どうやって出しますか?
令和8年度分の支援申請は、12月28日(月)必着です。市の案内ページは「金曜日」と書いていますが、2026年12月28日は月曜日で、リーフレットも(月)です。提出は郵送または持参で、提出先は倉敷市商工労働部商工課(倉敷市西中新田640番地)です。申請書類は市のホームページから様式をダウンロードできます。実験に着手する前に出す必要があるので、締切の直前ではなく、事前相談を済ませたうえで余裕をもって準備するのが安全です。
他の補助金と一緒に使えますか?
経費支援を受けるなら、同じ事業に対して国や県、市などから別の補助金を受けていないことが条件です。重複して受けられません。別の事業であれば問題になりませんが、どの経費がどちらの事業のものか、書類で分けられる状態にしておく必要があります。市のサポートだけを使う場合は、この条件は問われません。
パソコンやタブレットの購入は対象になりますか?
対象になりません。パソコンや通信端末など、他の目的にも使える機器の購入費は、補助の対象から外れています。実験専用の機械装置でレンタルが難しい物品は、備品購入費として対象になり得ます。実験に使う機器がどちらに当たるかは、見積を取る前に商工課へ確認してください。レンタルで済ませられる機器は、賃借料で計上する形です。
共同で実験する場合、誰が申請しますか?
共同体で実施する場合、申請者は実証事業の主たる役割を担う法人です。申請書類には共同体構成者一覧を添えます。一覧は市の案内ページに様式が置かれています。申請してよいかどうかは、事前に市へ相談するよう案内されています。構成者それぞれの役割分担と、経費をどの法人が負担するかは、事業計画書の段階で整理しておくと審査が進みやすくなります。
実験の途中で内容や期間を変えたいときはどうしますか?
事業内容を変えるときは、事前に変更承認申請書を市に出して承認を受けます。事業の能率を下げない軽微な変更は、省略できる場合があります。中止・廃止するときは中止(廃止)承認申請書、予定の期間内に終えられないときは遅延等報告書です。いずれも、変更が生じる前に市へ連絡するよう案内されています。
経費はいつから使えますか?
実験の着手は、サポートの決定の日以後です。やむを得ない理由があるときだけ、事前着手理由書を添えて例外が認められます。補助金の交付決定の前に使った経費が対象になるかどうかは、案内ページにも要綱にも明記がありません。経費支援を受ける予定なら、発注や支払いの前に、商工課へ確認してから動くのが安全です。
実績報告の期限はいつですか?
案内ページとチラシでは、令和9年3月23日(火)必着です。実施要綱の第17条は、実験の完了日から30日を経過した日と3月20日のうち、早い日までに提出すると定めています。実験が早く終わる場合は、完了から30日のほうが先に来る可能性があります。実験の終わりが見えたら、提出期限を商工課に確認しておくと、期限を過ぎる心配がありません。
どんな実験が支援を受けていますか?
令和7年度は、設備モニタリングシステムによる故障予防と、ローカル5GとAIカメラによる野球映像の撮影です。令和6年度は、歯科保健教育を通じた食育の推進などがありました。令和4年度には、防水センサの海水中での耐久性の検証や、図書館でのCO2濃度測定による換気タイミングの可視化があります。実績は、市の「実績と課題解決公募」のページで見られます。
