協調支援型特別保証制度は、もらえるお金ではなく、借りるお金に国の保証をつける制度です。省力化投資や運転資金のために最大2億8,000万円まで借りられ、その保証料の一部を国が補助します。
保証料の補助割合は、申込日が遅いほど下がります。2026年4月から2027年3月までの申込は1/3、2027年4月以降は1/4になります。使う予定があるなら、先送りしないほうが有利です。
協調支援型特別保証制度の要点まとめ
正式名:協調支援型特別保証制度
だれが
- 申請者
- 事業者(中小企業者)
- 対象業種
- 業種の指定なし(物価高・人手不足の影響を受ける中小企業者)
- 利用目的
- 資金繰り、省力化投資などの融資に信用保証をつける
- 対象地域
- 全国
- 従業員数
- 中小企業信用保険法の中小企業者(業種ごとに上限あり)
いくら
- 補助上限額
- 上限2.8億円(保証限度額)
- 補助率
- 保証料の1/3相当(2026年度の申込分。2027年度は1/4)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2025年3月14日〜2028年3月31日
- 事業の完了
- 公式ページに記載なし(取扱金融機関へお問い合わせください)
借りたお金は全額返済が必要です。補助上限額の欄の2億8,000万円は、借りられる上限であり、もらえる額ではありません。国が補助するのは、信用保証協会(融資に保証をつける公的な機関)に払う保証料の一部だけです。
自社は申請の対象になるか
次の2つを両方満たすことが前提です。
- 物価高や人手不足の影響を受けている
- 中小企業者に当たる
そのうえで、次のどちらか一方に当たる必要があります。
- プロパー融資を1割以上同時に受ける
- 経営行動計画を自分で作り報告する
プロパー融資は、信用保証協会の保証がつかない、金融機関が直接リスクを負う融資のことです。保証付き融資の額の1割以上を、融資期間12か月以上で同時に受けます。経営行動計画は、金融機関の支援を受けながら自分で作り、実行と進捗の報告を行う計画です。
次のどちらかに当たると対象外です。物価高や人手不足の影響を受けていることは、公式ページが対象の前提としています。
- ✕ 中小企業者に当たらない
- ✕ 物価高・人手不足の影響がない
中小企業者の範囲は、業種ごとに資本金と従業員数の基準が決まっています。資本金か常時使用する従業員数のどちらか一方が基準に当てはまれば対象です。個人事業主は従業員数だけで見ます。ただし旅行業など、業種によって別の条件があります。
業種にも制限があります。信用保証協会の保証は、農業、林業(素材生産業などを除く)、漁業、金融・保険業(一部を除く)が対象外です。使える資金は、運転資金と設備資金に限られます。許認可が要る事業は、その許認可を受けていることも必要です。基準の細かい数字は、取扱金融機関か信用保証協会で確かめてください。
保証料はいくらかかって、いくら補助される?
保証料は、借りる額に保証料率をかけて決まります。保証料率は0.45%〜1.90%の範囲です。東京信用保証協会のリーフレットでは、率は1.90%から0.45%までの9区分に分かれ、国の補助も区分ごとの表で決まっています。自社がどの区分になるかは、申込先の信用保証協会に確かめてください。下の例は率の下限と上限で計算しました。
- 2,000万円を借りる(率0.45%):2,000万円 × 0.45% = 9万円 → 9万円 × 1/3 = 3万円の補助
- 1,000万円を借りる(率1.90%):1,000万円 × 1.90% = 19万円 → 19万円 × 1/3 ≒ 6.3万円の補助
- 1,000万円を2027年4月以降に借りる(率1.90%):19万円 × 1/4 ≒ 4.7万円の補助(東京信用保証協会の表では国の補助0.47%)
補助される額は、申込のタイミングで変わります。
| 保証の申込日 | 保証料の補助割合 |
|---|---|
| 2025年3月14日〜2026年3月31日 | 1/2相当 |
| 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 1/3相当 |
| 2027年4月1日〜2028年3月31日 | 1/4相当 |
プロパー融資を併用せず、経営行動計画の策定と報告だけで申し込む場合は、時期を問わず1/4相当です。
東京信用保証協会の表には、補助を引いたあとの「事業者負担」の率も載っています。率1.90%で1/3相当の区分なら、事業者負担は1.27%です。1,000万円なら12.7万円が自己負担の目安になります。ただし、条件変更に伴って追加で生じる保証料は、国の補助の対象外です。保証料をいつ、どう払うかは、申込のときに金融機関か信用保証協会で確かめてください。
返済期間や据置期間は?
公式ページの条件は次のとおりです。
- 保証限度額:2億8,000万円
- 保証期間:一括返済は1年以内、分割返済は10年以内
- 据置期間(元本の返済を待ってもらえる期間):運転資金は1年以内、設備資金と運転設備資金は3年以内
- 金利:金融機関所定
- 保証割合:責任共有保証(80%保証)
- 保証人:原則、法人代表者以外の連帯保証人は不要です
保証限度額は、組合の場合は4億8,000万円です。担保は、東京信用保証協会のリーフレットでは「必要に応じて」とされています。
申込の流れ
中小企業庁のページに申込手順の説明はありません。次は要件から組み立てた目安で、実際の窓口や順番は金融機関と信用保証協会で変わります。
- 取引金融機関に相談する(事業者→金融機関。この制度を使いたいと先に伝える)
- プロパー融資を併用できるか確かめる(事業者→金融機関。できなければ経営行動計画で申し込む)
- 経営行動計画を作る(事業者→金融機関。計画で申し込む場合。金融機関の支援を受けて作る)
- 保証付き融資を申し込む(事業者→金融機関。申込人資格要件申告書兼誓約書を添える。2027年3月31日までの申込なら1/3相当)
- 融資の実行を受ける(金融機関→事業者。プロパー融資は原則同時)
- 計画を実行し、進捗を報告する(事業者→金融機関。計画で申し込んだ場合)
具体的な申込の窓口や手順は、各信用保証協会が案内しています。公式ページには「詳細は各信用保証協会へお問い合わせください」とあるだけです。
必要な書類
準備できた 0 / 3
申込人資格要件申告書兼誓約書は、プロパー融資を併用する場合も、計画で申し込む場合も要ります。経営行動計画書が要るのは、計画で申し込む場合だけです。保証の申込書類は所定のものです。この一覧は、東京信用保証協会のリーフレットと香川県の案内によります。ほかの書類や様式の入手先は、取扱金融機関か申込先の信用保証協会で確かめてください。
使えなくなる、補助が減るのはどんなとき?
- プロパー融資を断られた:併用が前提なので、金融機関が応じなければ1つ目の要件を満たせません。その場合は経営行動計画での申込を相談します。
- 補助が1/4に下がる:計画だけで申し込むと、補助は時期を問わず1/4相当です。プロパー融資を併用できる場合より有利ではありません。
- 取扱期間が終わった:2028年3月31日で終わる時限の制度です。以降の申込は対象外です。
似た名前の「経営改善サポート保証」とは別です
同じ中小企業庁のページには、経営改善サポート保証(経営改善・再生支援強化型)も載っています。コロナ禍で借入が増え、物価高や人手不足でも厳しい会社が、事業再生を進めるための保証です。経営サポート会議や中小企業活性化協議会などの支援で作った再生計画にもとづくため、自社だけでは申し込めません。保証限度額は同じ2億8,000万円ですが、一般の保証とは別の枠です。
よくある質問
この制度でお金をもらえますか?
もらえません。協調支援型特別保証制度は、金融機関から借りる融資に信用保証協会の保証をつける制度です。借りたお金は返済しなければなりません。国が補助するのは、保証をつけるために信用保証協会へ払う保証料の一部だけです。補助金のように返済不要のお金が入るわけではないので、返済できる計画を立ててから申し込んでください。
保証料はどのくらい補助されますか?
申込の日によって、保証料の1/2から1/4に変わります。2026年4月1日から2027年3月31日までの申込は1/3相当です。2027年4月1日から2028年3月31日までは1/4相当になります。保証料率は0.45%から1.90%の範囲です。たとえば1,000万円を率1.90%で借りると保証料は19万円で、1/3の補助なら約6.3万円です。
プロパー融資とは何ですか?どのくらい受ける必要がありますか?
プロパー融資は、信用保証協会の保証がつかず、金融機関が自分でリスクを負う融資です。この制度では、保証付き融資の額の1割以上を、融資期間12か月以上で、保証付き融資の実行と原則同時に受ける必要があります。たとえば保証付き融資が5,000万円なら、プロパー融資は500万円以上です。可否は金融機関が判断するため、先に相談してください。
プロパー融資を受けられないときは、申し込めませんか?
経営行動計画で申し込む方法があります。申込金融機関の支援を受けながら、自分で計画を作り、実行と進捗の報告をします。ただしこの場合、保証料の補助は時期を問わず1/4相当です。プロパー融資を併用した場合の1/3(2026年度)より少なくなります。どちらの方法が使えるかは、取引金融機関に確かめるのが近道です。
経営行動計画は自分で書く必要がありますか?
「自ら策定する」ことが要件です。ただし申込金融機関の支援を受けながら作ることが前提になっています。経営行動計画書は、計画で申し込む場合に出す書類です。書式や書き方の細かい規定は、中小企業庁のページに載っていないので、取扱金融機関か信用保証協会で確かめてください。金融機関の担当者と相談しながら、自社の課題と対策を整理してください。計画は作って終わりではなく、実行と進捗の報告まで求められる点に注意が必要です。
保証限度額の2億8,000万円は、全額借りられるのですか?
2億8,000万円は借りられる上限であり、全員が借りられる額ではありません。実際に借りられる額は、金融機関と信用保証協会の審査で決まります。この数字を補助額と取り違えないでください。国が補助するのは保証料の一部で、2,000万円を借りて率0.45%なら保証料は9万円、補助は1/3で3万円という規模です。
返済期間や据置期間はどのくらいですか?
保証期間は、一括返済なら1年以内、分割返済なら10年以内です。据置期間は、運転資金なら1年以内、設備資金と運転設備資金なら3年以内です。据置期間は、元本の返済を待ってもらえる期間のことです。金利は金融機関ごとに決まります。使い道が省力化投資などの設備なら、据置期間が長く取れる点が資金計画に効きます。
いつまで申し込めますか?
取扱期間は2028年3月31日までです。3年間の時限措置で、それ以降は申し込めません。保証料の補助割合は年度ごとに下がるので、期限の直前まで待つと補助も小さくなります。2027年3月31日までなら1/3相当、それ以降は1/4相当です。金融機関の審査に時間がかかることもあるため、早めに相談を始めてください。
経営改善サポート保証とは何が違いますか?
目的と申込の流れが違います。協調支援型特別保証制度は、物価高や人手不足への対応が目的で、自社と取引金融機関で申し込めます。経営改善サポート保証は、事業再生が目的で、経営サポート会議などの支援で作った再生計画が前提です。保証料率も別の水準です。自社の状況に合うほうを選んでください。
どこに申し込めばよいですか?
申込先は取引のある金融機関です。中小企業庁のページには「申込金融機関」とあります。東京信用保証協会は、保証の申込や相談を各支店の窓口でも受けています。詳しい窓口や手続きは、各地の信用保証協会が案内しています。まずは取引のある銀行や信用金庫に、この制度を使いたいと伝えてください。担当は中小企業庁 事業環境部 金融課(電話 03-3501-1511)ですが、個別の申込は金融機関か信用保証協会で受け付けています。
