「鉱害防止」という言葉から、環境関連の補助金を探している事業者がこの制度にたどり着くことがあります。ですが、この補助金は「誰でも鉱害防止の工事をすれば補助される」制度ではありません。 対象になるのは、休止・廃止された鉱山に限られ、しかも申請できるのは地方公共団体と一部の坑廃水処理事業者だけです。
休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金(令和7年度補正・中部監督部)の要点まとめ
正式名:休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金(令和7年度補正・中部監督部)
だれが
- 申請者
- 地方公共団体(無資力・不存在の防止義務者に代わって工事を実施)、または坑廃水処理事業者
- 対象業種
- 鉱業、採石業、砂利採取業(坑廃水処理を実施する事業者に限る)
- 利用目的
- 休廃止鉱山の鉱害・危害防止工事、坑廃水処理事業
- 対象地域
- 全国(中部近畿産業保安監督部の管轄地域)
- 従業員数
- 規定なし
いくら
- 補助上限額
- 個社(1申請者)あたりの上限額の定めなし。交付決定額の下限は原則100万円。中部監督部管内の令和7年度補正予算は約11億2,381万1千円(複数の申請にまたがる予算枠であり、1者あたりの上限ではない)
- 補助率
- 補助対象経費の4分の3
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年3月25日〜2027年3月31日

対象になる「休廃止」と、対象にならない「稼働中」の境界線
制度名にある「休廃止鉱山」とは、採掘活動を休止または廃止した鉱山を指します。現在も稼働している鉱山の鉱害防止工事は、この補助金の対象になりません。稼働中の鉱山は、事業者自身の責任で鉱害防止対策を行うことが前提になっているためです。
一方、休廃止鉱山では、事業者がすでに撤退しているケースや、鉱業権が消滅しているケースが多く、防止義務を果たす主体がいなくなっていることがあります。この「担い手不在」を補うために、地方公共団体が代わりに対応し、その費用を国が補助するというのがこの制度の骨格です。
対象になる/ならないの線引き
対象になる
- 鉱害・危害の防止義務者が無資力または現存しない場合に、代わって工事を実施する地方公共団体
- 鉱業権が消滅した鉱山、または長期間採掘活動を休止している鉱山で坑廃水処理事業を実施する事業者
- 指定鉱害防止事業機関
対象にならない
- 稼働中の鉱山を運営する事業者
- 石炭・亜炭鉱業に関する鉱害防止
- 一般の建設・土木事業者による単独申請(工事の請負としての関わりは別ですが、補助金の申請主体にはなれません)
中部近畿産業保安監督部が担当する地域
この回の窓口は中部近畿産業保安監督部です。事務所は愛知県名古屋市にあります。管轄地域内に休廃止鉱山があり、鉱害の懸念がある場合は、まず地元の地方公共団体に相談し、その先で監督部との調整が進む流れになります。 事業者が直接監督部に相談しても、申請主体になれるわけではない点は理解しておく必要があります。
よくある質問
中国監督部の同じ制度と何が違いますか?
補助率(4分の3)は同じで、1者あたりの上限額の定めがない点も共通です。「11億円規模」に見えるのは監督部ごとの予算総額であって、1件の申請でその額が出るわけではありません。 違うのは管轄する地域と窓口で、中部近畿産業保安監督部は中部・近畿地方を管轄し、中国監督部は中国地方を管轄しています。
坑廃水処理事業者として新規に参入できますか?
この補助金は、すでに鉱業権が消滅した鉱山や長期休止中の鉱山で坑廃水処理事業を行っている事業者を対象としています。新規参入を目的とした補助金ではありません。
個人の土地に古い鉱山跡がある場合はどうすればいいですか?
まずは所在地の地方公共団体(市区町村や都道府県)に相談することをおすすめします。防止義務者が現存しない案件であれば、この補助金を使った対応が検討される可能性があります。
