商店街の店主1人がインバウンド対応に乗り出しても、多言語対応や免税手続きの整備には限界があります。この事業は、商店街や商業集積地の事業者グループが「インバウンドベンチャー」と呼ばれる民間の専門事業者と連携して取り組む場合に、まとまった補助を用意していました。
九州経済産業局が窓口の令和元年度「インバウンド需要拡大推進事業(地域消費拡大推進事業)」追加募集は、2020年11月24日で受付を終了しています。今から申請することはできませんが、団体単位で使える珍しい仕組みの補助金として、内容を整理しておく価値があります。
インバウンド需要拡大推進事業(地域消費拡大推進事業)の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(商店街振興組合・事業協同組合・商工組合・協業組合・商工会・商工会議所・まちづくり会社等) |
| 制度名 | 令和元年度「インバウンド需要拡大推進事業(地域消費拡大推進事業)」(追加募集) |
| 対象業種 | 商業・サービス業(商店街・温泉街・飲食店街等の商業集積地の中小小売業・サービス業) |
| 利用目的 | 販路開拓・展示会(訪日外国人向けの消費拡大に向けた取り組み) |
| 対象地域 | 九州経済産業局管内(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県) |
| 従業員数 | 規定なし(グループ・団体単位での申請) |
| 補助上限額 | 3,000万円(下限額200万円) |
| 補助率 | 2/3以内 |
| 申請受付 | 終了(追加募集:2020年11月4日〜11月24日) |
| 公式サイト | 中小企業庁「令和元年度補正予算『インバウンド需要拡大推進事業(地域消費拡大推進事業)』について追加募集を開始します」 |

個店ではなく「グループ」が申請する制度
この事業を検討する際にまず押さえておきたいのは、申請者が個々の商店ではなく、事業者グループや団体であるという点です。対象となる実施主体は次のような組織でした。
- 商店街振興組合・発展会等の商店街組織
- 事業協同組合、商工組合(商業組合)、協業組合
- 商工会、商工会議所
- まちづくり会社
- その他各種準拠法に基づく法人
個店単独では申請できず、商店街全体や商業集積地の事業者グループとしてまとまる必要がありました。九州管内でも、温泉街や門前町のように面としてインバウンド需要を取り込みたい地域には合っていた設計です。
「インバウンドベンチャー」との連携が前提
事業スキームの中核は、中小小売業・サービス業のグループが、民間のインバウンド関連事業者(インバウンドベンチャー)と連携して取り組みを実施することでした。多言語対応・キャッシュレス決済・免税手続きの整備など、商店街単独では専門知識が足りない領域を、外部の専門事業者と組んで進める構造です。
補助額は2/3、上限3,000万円・下限200万円
補助率は対象経費の2/3以内、補助上限額は3,000万円でした。一方で下限額200万円が設定されていた点は見落とされがちです。小規模な取り組みだけでは申請額がこの下限に届かず、対象にならない可能性がありました。複数店舗・複数事業者が連携して規模の大きい計画に仕立てることが、この補助金を活用する前提になっていたと考えられます。
よくある質問
令和元年度分の追加募集はもう申請できませんか?
できません。追加募集は2020年11月24日で受付を終了しています。単年度補正予算の事業だったため、同一名称での再募集は行われていません。同様のインバウンド関連の補助金は年度ごとに名称・仕組みが変わって実施されることが多いため、最新の公募状況は中小企業庁・九州経済産業局のページで確認してください。
個人商店が1店舗だけで申請することはできましたか?
できません。実施主体は商店街振興組合や事業協同組合などのグループ・団体で、個々の商店単独では申請できない仕組みでした。参加を希望する場合は、地元の商店街組織や商工会・商工会議所を通じて検討する形になります。
補助対象経費の下限額はいくらでしたか?
200万円でした。上限3,000万円に対して下限200万円という幅があり、規模の小さい取り組みだけでは対象にならない可能性がありました。
