この補助金は、買う順番を間違えると1円も出ません。事前相談、申請、交付決定、発注。この並びを崩した支出は対象外です。
令和8年度分の申請受付は、2026年7月31日で終わりました。次の募集があるかどうかは、公式ページに書かれていません。しくみを知っておけば、同じ形の制度が出たときに動けます。内容は、業務のデジタル化にかかる費用の1/2(上限100万円)を、松山市内の中小企業者や個人事業主へ補助するものでした。交付決定日より前に契約や支払いをした経費は、対象外です。
松山市生産性向上デジタル化補助金の要点まとめ
正式名:松山市生産性向上デジタル化補助金
だれが
- 申請者
- 事業者(法人・個人事業主)
- 対象業種
- 業種の指定なし
- 利用目的
- デジタル化による生産性向上
- 対象地域
- 愛媛県松山市
- 従業員数
- 業種ごとの中小企業者の基準以内
いくら
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 1/2以内(賃上げ応援奨励金の給付決定で2/3以内)
いつ・どこへ
- 申請受付
- 2026年5月25日〜2026年7月31日(受付終了)
- 事業の完了
- 2027年3月31日まで
自分の会社は対象になる?
次の5つにすべて当てはまれば、対象の見込みでした。
当てはまるものにチェックを入れてください。0 / 5
次のどれかに当たると対象外でした。
- ✕ みなし大企業に当たる
- ✕ 協同組合・NPO・学校法人など
- ✕ 補助額が50万円に届かない事業
「中小企業者」は、業種ごとに資本金か従業員数の上限が決まっています。卸売業は資本金1億円以下または従業員100人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、製造業・建設業・運輸業などは3億円以下または300人以下です。市の資料では、この資本金と従業員数のどちらかに当たればよい形で示されています。従業員数にはパートやアルバイトも入ります。社会福祉法人と医療法人は、従業員100人以下が基準です。
「みなし大企業」は、中小企業でも大企業が株式の2分の1以上を持っている会社などのことです。3分の2以上を大企業が持つ会社や、役員の2分の1以上を大企業の役員・職員が兼ねている会社も同じく除かれます。
いくら戻ってくる?
基本は対象経費の1/2です。1/2の場合でも、補助額が50万円を下回る申請は対象外でした。補助額は50万円以上100万円以下の範囲に入る必要があります。
市の要領に載る計算の例です。
- 通常の補助率:200万円 × 1/2 = 100万円(上限)
- 通常の補助率:100万円 × 1/2 = 50万円(下限)
- 賃上げ応援奨励金の給付決定あり:150万円 × 2/3 = 100万円(上限)
- 賃上げ応援奨励金の給付決定あり:75万円 × 2/3 = 50万円(下限)
対象経費が90万円なら、90万円 × 1/2 = 45万円で、50万円の下限に届きません。この場合は申請の対象外でした。要領には、補助対象経費の下限が100万円(賃上げ応援奨励金の給付決定を受けた場合は75万円)とも書かれています。
2/3になるのは、令和8年度に「松山市賃上げ応援奨励金」の給付決定を受けた場合です。この奨励金の条件は別のページに載っており、今回の資料では確認できませんでした。
何に使える?
対象にならないものを先に挙げます。
- 交付決定日より前に、発注・契約・購入・支払いをしたもの
- 中古品、オークションでの購入
- 必要な性能を超える機械装置
- パソコン、タブレット、モニター、ルーター、WEBカメラなどの汎用品(対象外になる場合があります)
- 通信費、光熱水費、研修や講習の受講費、振込手数料、申請書の作成費用
汎用品は、この補助事業だけに使う機器に限って、対象になる余地があります。迷う機器は、事前相談のときに聞くのが早い道です。
対象になるのは、次の2区分です。
- 購入費:デジタル技術を活用したハードウェア、ソフトウェア、機械装置などの購入にかかる費用
- 委託費:生産性向上に必要なデジタル技術を使う業務の一部を外注した費用
委託費は、自社で対応するのが難しいと認められる事業に限ります。委託内容や金額が書かれた契約書を結び、成果物が補助事業者のものになることも必要でした。消費税と地方消費税は含みません。ソフトウェアの使用期間が補助事業の期間を超える場合は、期間で按分した金額が対象です。
市の「業種別デジタル化事例」には、建設業のドローン測量、小売業の電子棚札、飲食業の配膳ロボット、医療・介護業の見守りセンサーなどが載っています。あくまで一例で、対象になるかは申請内容で判断されます。
申請の流れ
- 事前相談を予約して受ける(事業者→松山しごと創造センターか生産性向上支援センター。電話で予約し、来所して相談。代理は不可)
- 事業計画書などを作る(事業者。計画は自分で作ります)
- 申請書類を市へ出す(事業者→ふるさと納税・経営支援課。窓口か郵送で、2026年7月31日まで。郵送は当日消印有効)
- 審査と交付決定を待つ(市→事業者。採点の高い順に、予算額まで採択)
- 発注・購入・支払いをする(事業者。交付決定日から2027年3月31日まで)
- 実績報告書兼請求書を出す(事業者→市。事業完了後30日以内で、最終は2027年3月31日。機器の購入費は、設置前と設置後の写真も付ける)
必要な書類
準備できた 0 / 10
様式第1号は、事前相談先の確認を受けたものを出します。様式第1号には、提出書類を市長が指定する専門家に見せることへの同意が入っています。誓約書(様式第4号)には、他の制度から同じ経費の補助を受けていないこと、虚偽が分かったときは返還と加算金の支払いに応じることなどが並びます。個人事業主の確定申告書は、第1表と第2表の写しです。完納証明書は、3か月以内に発行されたものが必要です。発行先は公式ページや要領に書かれていないため、不明なときは市の担当課に聞きます。発行できないときは、別の書類で対応できる場合があるため、市の担当課(089-948-6783)へ連絡します。
もらえなくなるのはどんなとき?
- 交付決定の前に契約した:決定日より前の契約や支払いは、対象外の経費になります。
- 事前相談を受けていない:申請書は、相談先の確認を受けたものを出す決まりです。
- 補助額が50万円に届かない:下限を下回る申請は、補助対象外でした。
- 支払い方法が認められない:小切手・手形、売掛金との相殺、ポイントや商品券での支払いは使えません。
- クレジットカードの引き落としが期間外:購入が期間内でも、口座からの引き落としが期間外なら対象外です。
- 実績報告が間に合わない:期日までに出せないと、補助対象事業から除外されます。
併用・処分・似た制度のこと
他の補助事業と重複する内容では申請できません。国、愛媛県、松山市の補助を受けている内容を重ねると、市が補助金の返還を求めます。
交付決定のあとに事業の内容や経費が変わるときは、変更申請書を出して市長の承認を受けます。軽微な変更は手続きを省ける場合もあるため、まず担当課に連絡します。
単価50万円(税抜)以上の機械装置などは「処分制限財産」になります。補助事業が終わっても、耐用年数のあいだは、目的外の使用、譲渡、廃棄が制限されます。書類は事業終了後の年度から5年間保存します。
松山市には、名前の近い「松山市DX推進補助金制度」もあります。生産性向上デジタル化補助金とは別の制度で、窓口も要件も別です。
よくある質問
申請の受付は終わったのですか?次の募集はありますか?
令和8年度分の受付期間は、2026年5月25日から7月31日までで、すでに終了しています。次の募集の有無は、市の公式ページに書かれていません。同じ形の制度が出たときに備えるなら、事前相談を先に受けて、事業計画書の下書きを進める順番が基本になります。最新の状況は、市のふるさと納税・経営支援課(089-948-6783)に確かめてください。
事前相談は、どこで受けるのですか?
松山しごと創造センター(089-948-8035)か、生産性向上支援センター(089-960-1131)です。どちらも電話で予約し、来所して相談します。予約枠に限りがあるため、余裕を持った予約が求められていました。代理での相談は受け付けられず、相談先が書類を代わりに作ることもありません。事業計画は自分で作って持ち込みます。
パソコンやタブレットの購入費は対象ですか?
汎用性があり、目的外に使えてしまう機器は、対象外になる場合があります。要領には、パソコン、タブレット、周辺機器、モニター、ルーター、WEBカメラなどが例に挙がっています。この補助事業にだけ使う機器なら、対象になる余地があります。個別の機器が当たるかは、事前相談や市の担当課に聞いて確かめます。
補助額が50万円に届かない場合はどうなりますか?
補助額が50万円を下回る申請は、補助対象外でした。通常の補助率1/2なら、対象経費は100万円以上が目安です。賃上げ応援奨励金の給付決定を受けて2/3になる場合は、75万円以上です。小さな導入を複数に分けて申請する方法が認められるかは、資料に書かれていません。迷うときは担当課に聞いてください。
賃上げ応援奨励金とは何ですか?
令和8年度に給付決定を受けると、この補助金の補助率が1/2から2/3に上がる制度です。補助額の下限に当たる対象経費も、100万円から75万円に下がります。奨励金そのものの条件や申請方法は、市の別ページ「松山市賃上げ応援奨励金」に載っています。今回確認した資料には、その中身が書かれていませんでした。
見積書は何社分が必要ですか?
1社あたりの見積額の合計が税抜50万円以上になる発注では、2社以上から同じ仕様で相見積もりを取り、安いほうを選びます。2社から見積もることが難しい事業の場合は、その発注先を選んだ理由書(自由様式)を申請時に付けます。見積書は、補助対象経費の確認にも使われるため、申請書類に写しを添えます。
クレジットカードで支払ってもよいですか?
支払いが補助対象期間中に完了していれば認められます。購入が期間内でも、口座からの引き落としが期間外になると対象外です。代表者や従業員が個人のカードで支払う立替払いは、引き落としが期間内であることと、事業者と立替者の精算が期間中に終わっていることの両方が必要です。原則は銀行振込です。
交付決定の前に発注してもよいですか?
できません。決定通知書に書かれた決定日が、事業を始める基準日になります。決定日より前に交わした契約や、支払った費用は、補助対象外です。前払いも含みます。見積書は取ってかまいませんが、発注や契約は交付決定のあとにします。工事や納品の日程が詰まっている場合も、この順番は変わりません。
個人事業主でも申請できましたか?
申請できました。条件は、松山市内に事業所(店舗等)があり、代表者の住民登録が松山市内にあることです。住民票の写しと、直近の確定申告書の第1表・第2表の写しが書類に入ります。市外に住民登録がある個人事業主は対象外でした。法人の場合は、市内に本店か支店、事業所があれば足ります。
クラウドサービスの月額利用料は対象ですか?
ソフトウェアの使用権を購入し、その契約期間が補助事業の期間を超える場合は、対象期間で按分した金額が対象になります。ただし、通信費や定期購読料などは対象外の費目に挙がっています。月額のサービスがどちらに当たるかは、料金の内訳で変わります。申請する前に、事前相談で確認しておくと安心です。
実績報告はいつまでに出しますか?
事業が完了した日から30日以内です。ただし最終の期限は2027年3月31日(水)で、事業が早く終わった場合は、30日後か3月31日のいずれか早い日になります。期日までに実績報告書兼請求書が確認できないと、補助対象事業から除外されます。支払いを証明する書類を添えられない経費は、補助の金額から外れます。
採択はどう決まりますか?
市が書面で採点し、評価の高い提案から予算額に達するまで採択します。審査項目は、要件を満たしているか、生産性の現状を把握して効果的な取組か、手段や内容が実現可能か、購入額が見積書で適正と確認できるか、書類が漏れなくそろっているかの5つです。審査の過程は非公開で、結果への不服申立ては受け付けられません。
