松山市DX推進補助金では、パソコンの購入費が対象外になりやすいという注意点があります。理由は、パソコンが汎用品で、業務全般にも私用にも使えてしまうからです。特定の取り組みに直接必要な機器として計上できるかどうかが、審査の分かれ目になります。
制度そのものは、DXの経費の1/2・上限300万円を補助する仕組みです。対象は市内に事業所がある中小企業者、社会福祉法人、医療法人。似た名前の「松山市生産性向上デジタル化補助金」(上限100万円)も同時期に募集されるため、この記事では2つの違いも整理します。
松山市DX推進補助金制度の要点まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 事業者(法人・個人事業主) |
| 制度名 | 松山市DX推進補助金制度 |
| 対象業種 | 業種指定なし |
| 利用目的 | DX推進(システム導入・クラウド活用・業務効率化) |
| 対象地域 | 愛媛県松山市(市内に事業所を有する中小企業者、社会福祉法人、医療法人) |
| 従業員数 | 中小企業基本法上の中小企業者規模(業種ごとに資本金・従業員数の上限あり) |
| 補助上限額 | 300万円(千円未満切り捨て) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 申請受付 | 令和8年5月25日(月)〜7月31日(金)※予算に達し次第、期間内でも受付終了の場合あり |
| 公式サイト | https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/sangyo/chusyoukigyou/DXsuishin.html |

対象になる会社、想定されている取り組み
対象者は、松山市内に事業所を有する中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者(業種ごとに資本金と従業員数の上限が決まっており、製造業その他は資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、小売業は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下。どちらか一方を満たせば該当します)、社会福祉法人、医療法人です。
市税を滞納している事業者、他の松山市補助金の受給者は対象外です。宗教・政治活動を主目的とする団体、風俗営業者、暴力団関係者も対象になりません。
この制度が想定しているのは、他の企業の参考事例となるような先進的な取り組みです。社内の業務効率化だけを書いた計画では弱くなります。人手不足がどれだけ埋まるかまで、計画書に落とし込む必要があります。
対象になる経費と、対象外になりやすいもの
補助対象経費は次の6区分です(消費税・地方消費税相当額は対象外)。
- システム導入費
- クラウドサービス利用費
- コンサルティング費用
- 製品・サービス開発費
- 物品等購入費
- その他付帯費用
公式ページに、対象になる取り組みの例や対象外の経費例までは載っていません。

パソコン・タブレット等のハードは対象になるのか
DX補助金でよくある疑問が「パソコンやタブレットは対象か」です。同時期に募集される「松山市生産性向上デジタル化補助金」の申請要領には、汎用性が高く目的外にも使える物品は対象外となる場合があると明記されています。
同補助金の対象経費は次の2区分です。
- 〈区分1〉デジタル技術を活用したハードウェア・ソフトウェア・機械装置等購入費
- 〈区分2〉委託費
ハードウェアは対象経費の区分に含まれます。ただし「汎用性があり目的外使用になり得るもの(例: パソコン・タブレットPCおよび周辺機器等)の購入費用は対象外となる場合がある」という留意点付きです。事務作業全般に使える汎用パソコンの単体購入は、ここで弾かれやすい典型例です。
DX推進補助金の「物品等購入費」も同じと見ておくのが安全です。汎用品を単体で買うのではなく、特定の取り組みに直接必要な機器として計上するのが前提になります。
「松山市DX推進補助金」と「生産性向上デジタル化補助金」の違い
名前の似た2つの制度が、同じ令和8年5月25日〜7月31日に並行して募集されます。取り組みの規模で使い分けます。
| 項目 | 松山市DX推進補助金制度 | 松山市生産性向上デジタル化補助金 |
|---|---|---|
| 対象者 | 中小企業者・社会福祉法人・医療法人 | 中小企業者等(個人事業主含む) |
| 補助率 | 1/2以内 | 1/2以内(賃上げ応援奨励金の給付決定ありの場合3分の2以内) |
| 補助上限額 | 300万円 | 100万円(下限50万円) |
| 主な対象経費 | システム導入費・クラウド利用費・コンサル費・製品/サービス開発費・物品等購入費・その他付帯費用 | ハードウェア・ソフトウェア・機械装置等購入費、委託費 |
| 想定する取り組み | 先進的なDXの取り組み(他社の参考事例となるような案件) | 物価高騰下での業務デジタル化による生産性向上 |
使い分けの目安は次のとおりです。
- 投資額が大きく先進性のある取り組み(業務システムの開発、大規模なクラウド移行、外部コンサルとの伴走)→ 上限300万円のDX推進補助金
- ソフトウェア・機械装置の購入が中心で、投資額100万円前後の取り組み → 生産性向上デジタル化補助金(賃上げに取り組めば補助率は3分の2)
併願の可否は、どちらの公式ページにも明記がありません。 同じ経費で二重に申請できるとは限らないのが実務上の前提です。どちらか一方を選ぶつもりで検討してください。
申請の流れと、押さえておきたいタイミング
松山市DX推進補助金制度は、窓口持参(松山市役所本館8階、平日8:30〜17:00)または郵送での申請を受け付けています。
必要書類は次のとおりです。
- 計画書(様式第1号)
- 収支予算書(様式第2号)
- 事業説明書
- 事業者概要書
- 誓約書
- 完納証明書
- 確定申告書の写し(個人事業主の場合)
- 決算書・登記事項証明書(法人の場合)
- 住民票(個人事業主の場合)
- チェックリスト
タイミングを整理すると、次のような流れになります。
- 募集期間前〜募集開始直後: 取り組み内容・経費の見積もりを固め、計画書・収支予算書を準備する
- 令和8年5月25日〜7月31日(予算に達し次第終了): 申請書類一式を窓口持参または郵送で提出
- 交付決定: 市の審査を経て交付決定(採択とは別に市から届く通知で、これより前の発注は対象外になります)を受ける
- 事業実施: 交付決定日〜令和9年3月31日までに事業を完了させる
- 実績報告: 完了後、実績報告書等を提出し、補助金が交付される
募集期間は「期間内であっても、予算に達すれば早期に受付終了となる場合がある」点に注意してください。書類が整い次第、早めの提出が有利です。

補助額のイメージ:上限300万円で何ができるか
補助率1/2・上限300万円を、投資規模ごとの金額に置き換えると次のようになります。
| 想定する取り組み例 | 総事業費(税抜) | 補助率1/2での補助額 |
|---|---|---|
| 業務システムの一部クラウド移行+外部コンサルの伴走支援 | 200万円 | 100万円 |
| 基幹システムの刷新(システム導入費+開発費) | 400万円 | 200万円(上限内) |
| 大規模な業務プロセスのDX化プロジェクト | 600万円以上 | 300万円(上限に到達) |
自己負担は、総事業費から補助額を引いた額です。200万円の投資なら100万円、400万円なら200万円、600万円なら300万円が手元から出ます。
紙とExcelの受発注業務をクラウドに刷新し、業務フローの設計から外部の専門家に伴走してもらう。この形ならシステム導入費とコンサルティング費用を合算でき、上限300万円まで狙えます。一方、「事務所のパソコンを何台か買い替えたい」だけでは足りません。汎用品の単体購入として対象外になりやすいためです。
よくある質問
松山市DX推進補助金の補助上限額はいくらですか?
補助対象経費の1/2以内、上限300万円(千円未満切り捨て)です。募集期間は令和8年5月25日〜7月31日で、予算に達し次第、期間内でも受付を終了する場合があります。
パソコンやタブレットの購入費は対象になりますか?
松山市の関連制度(生産性向上デジタル化補助金)では、汎用性が高く目的外使用になり得るパソコン・タブレット・周辺機器等は対象外となる場合があるとされています。DX推進補助金の「物品等購入費」も同じ考え方です。汎用品の単体購入は対象外になりやすい点に注意してください。
「松山市生産性向上デジタル化補助金」とはどちらを申請すればよいですか?
投資規模で使い分けます。投資額が大きく先進性のあるDXプロジェクトならDX推進補助金(上限300万円)。ハードウェア・ソフトウェア購入が中心で100万円前後なら生産性向上デジタル化補助金(賃上げに取り組めば補助率3分の2)です。
